アルツ君は職人進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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高齢者虐待防止法05

2012/03/28 (水)  カテゴリー: 高齢者虐待防止法
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今朝、会社にいる姉から電話が入りました。

姉:「昨日のキノコさんとの面会について、どんな状況だったかを聞こうと高齢者相談センターに電話したんだけどさぁ…。係長さんが接客中かなにかで電話に出られないんだって。それでさ、私もこれから忙しくて、電話に出られなくなるから、電話応対した人に伝言をお願いしますって言っておいたから…。『弟に電話して昨日のことについて説明をお願いします。』っていう伝言だからさ。きちんと内容を聞いておいて!?」

間もなく高齢者相談センターの支援係長さんからヤッチの携帯に電話が入ります。

支援係長さん:「お姉さまから電話でご伝言をいただいて、弟さんに電話を差し上げたのですが…。昨日の午後3時ごろからお兄様に来ていただいて、お母様とお父様と面会をしていただきました…。」

ヤッチ、朝からかなり不機嫌です。

一昨日に面会をすることが有れば、ヤッチの携帯に直接電話をくれるとおっしゃっていたこの支援係長が、面会が昨日行われたことをヤッチに知らせていなかったからです。

事前に連絡してくれるようにお願いして、ヤッチはこの面会に同席せず、キノコさんの要望が有れば、馳せ参じる約束を取り付けていたのに、ヤッチに知らせることなく役所の勝手な都合で、キノコさんとの面会を開催していたのです。

さすがに大事な局面なのに、連絡なしは、怒ります。

ヤッチ:「すいませんが、話を伺う前に何で直接電話をするとおっしゃっていたのに、電話をくれなかったんですか?」

支援係長さん:「それは、面会の日にお兄様が『兄弟に一任されてきた』とおっしゃったからです。」

ヤッチ:「それは、つじつまが合わないな。もちろん、いつ行われるかわからない面会に備えて、代表で兄が行くという申し合わせはしていました。でも、そちらには、呼び出しが有れば、いつでも出向きますよということを直接あなたに申し上げましたよね?兄がそちらにお伺いする前に私に連絡が入るのが普通じゃないかな…。」

文字にすると迫力が有りませんが、この時のヤッチの電話の声は、さすがに虐待者と思わせる強い口調で、怒り爆発気味です。

支援係長さん:「たしかにお聞きしましたが、お兄様に一任されたということで、こちらはそのように理解していましたが…。」

ヤッチ:「だからさぁ…。いつ面会をやるのかが分からなければ、待機するということだって、不可能じゃないですかっ!」

支援係長さん:「それは、大変申し訳ありませんでした。」

ヤッチ:「あのさぁ…。申し訳ないで済む問題じゃないでしょっ!家族の一生の問題でもある大事な話し合いですよ。しかも、母の本心を聞き出すための面会だということもおっしゃってましたよね!それには虐待者である私が同席したのでは、母が本心を言いにくいのではないかと思い、私は席を外すと申し上げたのですよ。そちらに対する配慮だったということがどうしてわかっていただけないんですかっ!私だって、本当は同席したかったんですよっ!苦渋の選択をしたのですよっ!なぜそういうことが一つも分からないのですかっ!」

これまでできるだけ沈黙を保ってきたヤッチですが、ついに怒り爆発です。

支援係長さん:「それでは、申し上げますが、本来なら、防止法の13条の規定を読んでもらえば、わかると思いますが、虐待者に対して、面会を制限することも可能なのですよ。でも今回のケースを十分検討して、特別に同席をお願いしたんです。」

支援係長さんもかなりエキサイトした口調です。

ヤッチ:「それは、お宅らの勝手な都合でしょっ!あなたからそう言う提案を出して来たんじゃないですか!ならば、最初から俺に声をかけなきゃよかった話じゃないですか。でも実際に同席しろと言ってきたのはそっちですよ!ふざけるのはいい加減にしろよっ!」

支援係長さん:「別にふざけているつもりはありませんが…。」

ヤッチ:「あんたにはまったく信用無しだな!?こんな人に母が保護されていると思ったら母が可愛そうで仕方がないわッ!今までの話は、無かったことにして、もう一度母と面会させてください。」

支援係長さん:「無かったことにしてとは?…。」

ヤッチ:「今回の面会は無かったことにして、もう一度私に母と面会させてくれということだよっ!」

支援係長さん:「それはできません!」

ヤッチ:「なぜ?」

支援係長さん:「申し上げられないし、申し上げる必要が有りません!」

ヤッチ:「電話で話すのもさ、また言った言わないになるから、直接会って話をしようよ。」

支援係長さん:「それはできません。今日も予定が入っていますし、明日は地方に行くので不在です。早くてもお話しできるのは30日以降になります。」

ヤッチ:「それじゃあ。俺はこの話は聞かなかったことにするよっ?もちろん聞く耳持たないということじゃ無いよ。もうこれ以上あなたと話をしても無駄なようだ…。」


支援係長さん:「わかりました…。」

ブチッ…。

電話を先に切ったのはまぎれもなく支援係長…。

向こうもかなり感情的になっていた事の表れです。

だいたいの面会の内容はわかっていたし、予想がつくので支援係長の口から聞かなくても済んだ話なのですが、『連絡する』という基本的なことを省略されたことに憤りを覚えます。

やり取りは実際にはもっと長かったのですが、まあ、言った言わないのバトルなので割愛させていただきました。

長いこと電話をかけていたせいか、またもや左耳の聞こえ方が変…。

もうロシアンルーレットは御免なのですが、ちょいとまた聞こえが悪くなっています。

まあ、その分、ヤッチの電話の声が大きくなって、向こうにはプレッシャーになったかも!?

支援係長さんからの電話が終わると、携帯の着信履歴に姉からの番号が何件も入っています。

リダイヤルしようとした矢先に姉からまた電話が入ります。

姉:「あのさ。キノコさんが新しい施設に行く車の中でまた大暴れしてるらしいよ。」

ここからは、姉とキノコさんに同行していた相談センターの女性職員との電話でのやり取りです。

この女性職員、全く表情を変えないちょっとシャイなヤッチには苦手なタイプ。

ヤッチは彼女のことを陰で『能面女』と呼んでいます。

能面女の声からスタートです。

女性職員:「今、お母様が車の中で暴れていて、家に帰りたいと言うことを聞いてくれないんです。動く車から飛び降りようとしたりまでするんですよ。お姉さまどうしたら良いでしょうか?」

姉:「はあ!?なんでそんなこと私に聞くんですか?家に帰りたいと言ってるのなら、家に連れて行ってあげたらいいんじゃないですか?家には弟がいますから、家のカギは開けてくれると思いますよ。」

女性職員:「今、上司とも電話したのですが、弟さんは精神的にも落ち着いてらっしゃらない(ヤッチと支援係長とのバトルのこと)ようだし、虐待者でもあるので…。」

姉:「落ち着かないのはあんたでしょ!弟なら大丈夫!私が120%保証します!」


こう言って姉は電話を切ったようです。

これが、お昼を少し回ったころでしょうか?

時間は定かではありませんが、昼の2時近くだったと思います。

姉からまた電話が入ります。

完璧に会社での勤務態度の査定に響きそうな状態ですが…。

姉:「ママが脱走したらしいよ!今○○駅に向かってるらしいよ。支援係長がその駅で張ってキノコさんを捕まえようと待ち構えているから…。○○駅なら家の近くだから、家に戻ってくるかもしれないから、準備しておいてね!よろしく!」

中々キノコさんにしては大胆な行動に出たものです。

ヤッチもキノコさんが家に戻ってくるのではないか!?

高齢者相談センターの職員がどこかで家の近辺で張り込んでやしないか!?

玄関の戸を開け、周囲を見回します。

しばらくすると、玄関ではなく、裏のサッシの窓を叩く音が聞こえます。

ヤッチが玄関から外に出て、サッシの窓の方に確認に行きます。

そこに立っていたのはまぎれもなく、キノコさんです。

ヤッチ:「おかえりなさいませ。疲れたでしょ?早く家に入りな。」

キノコさん:「あいつらつけて来ていないかしら?」

ヤッチ:「つけて来ても、家に入ればこっちのもんだよ。入るようなことが有れば、建造物侵入で通報すればいいさ。」

キノコさん、かなり興奮気味です。

ヤッチ:「昼飯食べたのか?」

キノコさん:「食べた。食べた。あいつらのいる前でラーメン屋に入ってやったわ。」

かなり興奮気味ではありますが、キノコさんの話をまとめると以下のような具合になります。

まず、キノコさんが保護されていた施設に、高齢者相談センターの職員3人が新しい養護老人ホームに移送するため、車でキノコさんを迎えに来ます。

この中の一人が能面女で、後は男女一人づつ。

キノコさんは自動車に乗るように言われます。

キノコさん:「どこに行くの?」

職員:「これから生活していただく、新しい施設です。」

この時の心境はどうだったかはわかりませんが、キノコさんは自動車に乗ります。

車に乗っているうちに、以前見学に行った施設だと気づきます。

キノコさんは見学に行ったとき、その施設の印象を『いいけど、息子や娘の意見を聞かないと入るかどうかは決められない。』と言っているそうです。

移送先の養護老人ホーム(?)の入り口付近に到着です。

キノコさん:「ここに私は入るなんて言った覚えはないわよっ!帰らしてちょうだいっ!」

キノコさんが暴れ出します。

たぶん能面女から姉への電話はこの辺りかと…。

キノコさんの話では、あいつらに閉じ込められたと言っています。

自動車の窓を叩いて周囲の人に助けを求めたようです。

しかし、施設の入り口付近…。

おそらく認知症の人が騒いでいるのだろうくらいにしか思われなかったのかもしれません。

通行人は見て見ぬふり…。

汗だくになりながら、自動車から出ようと試みたそうですが、扉を開けてもらえなかったようです。

そうこうしているうちに、自動車の中にいた男性職員がトイレに行きたいと言い出したので、キノコさんも私も行きたいと言ったそうです。

施設の中のトイレを使用しようと施設の入り口に向かいます。

当然、能面女も一緒についてきます。

ちょっとした隙に、キノコさん走り出して逃げ出します。

まあ、年寄りの走る速度はタカが知れています。

職員が追いかけてきます。

でも、高齢者虐待防止法を意識しているのでしょう…。

キノコさんの身体をつかんだり、引き戻すようなことはできません。

ピッタリとキノコさんをボディーガードのようにつけ回します。

キノコさん、土地勘のないところでバス停を発見。

行き先がキノコさんの知っている駅だったので、これに乗り込みます。

職員は説得を続けながら、ボディーガードも続けます。

終点の駅に着き、今度はキノコさん、ラーメン屋に飛び込みます。

ボディーガードは店内に入らず、外で待機…。

この時、キノコさんは外にいるボディーガードに見えるように、食べたくもないラーメンを1本ずつすすったようです。

そして、店のお兄さんにタクシーを呼ぶように耳打ち…。

こんなエネルギーがキノコさんにもあったのだとヤッチもちとビックリです。

タクシーが店の前にピタリと着きます。

キノコさんが乗り込もうとするとボディーガードも乗り込もうとしたそうな…。

キノコさん:「この人たち、私をだまして施設に入れようとしているんです。運転手さんこの人たちを乗せないで!行き先は○○駅南口!」

『○○駅南口』を耳にしたボディガードは多分センターにいる支援係長に連絡したものと思われます。

センターからの方が○○駅南口は近く、支援係長が先回りできます。

支援係長がやはり先回りしたようです。

でも、キノコさん、○○駅には向かわず、自宅にタクシーで舞い戻ったというわけです。

まだ、キノコさんからの話だけですが、キノコさんは高齢者支援センターの人間に騙されたと言っています。

保護にアルツ家に職員が来た時も「二、三日お休みしましょう。」と連れ出したと言っています。

保護の時に、ヤッチに虐待が有ったと言っていないと…。

しかも、エスケープの途中に職員の一人に

『あなたはお金が無いんですよ。帰る家なんかないんですよ。犯罪者の家に帰るんですよ。』

と言われたそうな…。

とにかくお嬢様育ちのキノコさんにとって、『お金が無い』を強調されたのが相当腹立たしかったようです。

かなり興奮状態なので、この話が第三者が聞いてどうかは別として、息子としてはキノコさんの言っていることを信じてあげたいと思っています。

またしても、言った言わないの水掛け論が噴出しそうですが、今日の老人のエスケープはなかなかさすがです。

ちなみに、キノコさんの手首のあざが気になります…。

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キノコさん脱走のその後01

2012/03/31 (土)  カテゴリー: 高齢者虐待防止法
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後で詳しいことは記事にしたいと考えています。

現在[3月31日(土)]、キノコさんは落ち着きを取戻し、寝込むようなこともなく、自宅で安静にしています。

家族全員での話し合いの結果、キノコさんについては、今後、生活保護申請を出し、彼女の意思も尊重し、少々無謀とも思える独居(一人暮らし)で生活という方向性で手続きを進めようという意見で一致しました。

役所の許可の関係も有るので、確定ではありませんが、一応今の状況はそんなところです。

中々記事を書く時間が無いので取り急ぎご報告まで!!

m(__)m

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アルツ君との面会解禁

2012/06/02 (土)  カテゴリー: 高齢者虐待防止法
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

昨日の記事でも書かせていただきましたが、昨日はアルツ君の入所している特別養護老人ホームで面会をしてきました。

そして今日の昼もアルツ君のところに遊びに行ってきました。

昨日は、高齢者相談センターの職員さんが同席することが条件での面会です。

キノコさん、姉、そしてヤッチの三人でこの特養に出向きました。

どこぞの記事の中で書いたかもしれませんが、この特別養護老人ホームは、高齢者相談センターがアルツ君とキノコさんを最初に保護した所で、しかも旧自宅から徒歩でも通えるところでもあります。

ここに最初に二人は保護され、キノコさんは、この場所から別の養護老人ホームに向かう途中で、その施設に入所する前に脱走して、旧自宅に舞い戻った次第です。

アルツ君は現在の特別養護老人ホームがが本決まりになるまでの間、別の施設で寝泊まりをしていました。

結局、アルツ君は古巣のこの施設がおそらく住民票を移す最後の場所になると思います。

キノコさんによると、最初に保護され、二人が寝泊まりしていたのは、この施設の3階。

今回、アルツ君の入所が決まったこの施設の部屋もどうやら3階のようです。

ならば、アルツ君、最初から移送されなくてもよかったんじゃないという疑問もわきますが、お役所の事情はこちらにはわからないので、ここには触れないでおきましょう。

さて、アルツ君の入所している施設は現在キノコさんやヤッチのアパートからは交通手段が有りません。

ヤッチは愛車のメルセデスちゃん(2輪ですが何か?)があるので、愛車に乗れば10分~15分の距離ですが、自転車に乗れないキノコさんにはちょっとロケーションがよく有りません。

バスを乗り継いで行く方法があるのですが、バス停まで歩く距離を考えると、アルツ君のいる施設まで歩いてしまった方が早いというちょっとキノコさんには可愛そうな場所です。

後々、ベストな行き方を考えるとして、最初の面会には、姉に自転車でアパートまで来てもらい、アパート前にタクシーを呼び、三人で施設に向かうという方法を選択しました。

何を生活保護受給者がタクシーなんて利用しやがってという御叱りを受けてしまいそうですが、今回はご容赦のほどを…。

(^^ゞ

初乗りに毛が生えたくらいの料金でアルツ君の居る特養に到着です。

高齢者相談センターの職員さんと約束した時刻よりもずいぶん早くに着いてしまいました。

施設で待たせてもらえばいいさと言うことで、施設の門を叩くことに…。

訪問者カードのようなものを書かされ、来客者であることがわかるように首にかける名札のようなものをもらいます。

施設内のロビーのような所に通され、しばし待機です。

何だかキノコさんが落ち着かない様子です。

ヤッチがキノコさんに声をかけます。

ヤッチ:「何?トイレか?」

キノコさん:「違うわよ。知った人がいないか眺めてるのよ。」

キノコさん、ここに2週間程度お世話になっているので、確かに顔見知りの職員さんが居てもおかしくない状況です。

顔見知りの職員さんを発見することなく、高齢者相談センターの職員さんの到着です。

こっちは、もう何回も会っている支援係長さんとアルツ君担当の男性職員です。

支援係長さん:「遅くなりました。それでは参りましょうか。」

支援係長さんの声がかかります。

5人で3階へと向かいます。

アルツ君の居る部屋に案内されました。

姉がヤッチに声を掛けてきます。

姉:「最初に私がパパの部屋に入るわ。ママとあんたはちょっと待ってて。」

そう…。

今日はアルツ君と面会という大事な日でもありますが、事実を隠すことなく、アルツ君にすべて伝えるという重要なミッションが待ち構えている日でもあります。

つまり、アルツ君がなぜ故、この施設に入所しなければならないのか、高齢者虐待防止法によって措置入所になったのだということを本人にはっきりと伝える日なのです。

ヤッチとキノコさんは入所している利用者さんがくつろぐテレビのあるロビーのような所に腰を下ろします。

ほどなく、高齢者相談センターの職員さん二人もこの場所に腰を下ろします。

おそらく、アルツ君と姉を二人っきりにするため、席を外したのかと…。

しばらくして、姉がキノコさんとヤッチを呼びに来ました。

姉:「中に入って。」

アルツ君の部屋にキノコさんと入ります。

高齢者相談センターの職員さんは席を外したままです。

アルツ君、バスタオルを抱えて号泣しています。

ヤッチ:「なんだよ。なんだよ。らしくないな~。花粉症か?」

ヤッチがアルツ君に話しかけます。

アルツ君:「そんなんじゃないわいっ!」

アルツ君、ますますバスタオルを抱え込みます。

ヤッチ:「じゃあ、何だっていうの?」

アルツ君:「ちょっと、湧水を掘り当てただけだ。」

ヤッチは今度は姉に話しかけます。

ヤッチ:「話したの?」

姉も涙を浮かべ、こくりとうなずきます。

ヤッチ:「旦那さん(アルツ君のこと)は、何も悪くないよ。もう心配することは何も無いんだよ。」

アルツ君の嗚咽はおさまりません。

ヤッチ:「隠したって仕方ないから、ハッキリ言うよ。もう今まで住んでた家は無いよ。みんな今はバラバラで生活してるよ。区のお世話になって不自由のない生活だよ。もう旦那さんがお金の心配をする必要も無いんだよ。」

アルツ君:「お前たちはどこにいるんだ?」

ようやくバスタオルを外し、アルツ君が顔を見せます。

ヤッチ:「今まで居たところから、ちょっと離れたところに引っ越したんだよ。奥さん(キノコさん)も俺もアパートを借りてるんだよ。」

アルツ君:「金はどうした?」

ヤッチ:「引越しの金かい?それなら区がみんな出してくれたんだよ。今のアパートの家賃も区が出してくれてるんだよ。」

アルツ君:「兄貴はどうした?」

ヤッチ:「お兄さんも区のお世話になってるよ。生活保護ってわかるかい?全員生活保護のお世話だよ。」

アルツ君:「そっか…。生活保護か…。俺はどうなってるんだ?」

ヤッチ:「旦那さんは、若い時にいっぱい働いたから年金だよ。この施設で生活するためのお金も旦那さんの年金で賄ってるんだよ。」

アルツ君:「俺に年金なんて有ったのか?」

ヤッチ:「あるじゃん!サラリーマンをやってった時もあるんだから、年金が出てるよ。だから、借金してここに入るわけじゃないんだから、胸張っていいんだよ。若い時一生懸命働いたご褒美だよ。勲章だよ。」

アルツ君:「バカ言え、俺はまだ若いぞ!?」

ヤッチ:「そうは言ったって、もう働かなくてもいいんだよ。もうのんびりしていいんだよ。」

アルツ君:「だからって、遊んでてここで飯がずっと食えるわけないだろ?」

ヤッチ:「それが食えるんだよ。もう何も心配しなくてもいいんだよ。俺がもっとしっかりしてれば、みんなで一緒に住めたんだけど、力が足りなかったよ。それだけは勘弁してくれよ。旦那さんはこの先ここでずっと生活していくことになると思うよ。ほんと申し訳ない。済まなかったね…。」

お恥ずかしい話ですが、麻痺している左目からいつの間にやら涙なるものなんぞ流れたりして…。

アルツ君:「そっか…。だけどほんとに金のことは大丈夫なんだな?」

ヤッチ:「さんざん、金で苦労したんだから、もう追っかけ回されることは無いと思うよ。旦那さんに関してはまず、何か有っても区が面倒みてくれるから、心配しなくても大丈夫。」

アルツ君:「そっか…。」

すこし、間が開いた所でキノコさんが声をかけます。

キノコさん:「ボタモチ食べる?○○(姉のこと)が買ってきてくれたのよ。」

アルツ君:「俺は甘いもんが好きだからな~。」

ようやく、アルツ君が落ち着きを取り戻しました。

この記事ではかなり省略して書かせてもらっていますが、ここに行きつくまでは、結構同じような問答の繰り返し状態です。

姉:「パパ、ボタモチ食べるの久しぶりでしょ?」

姉が今度は声をかけます。

アルツ君、何だかまたまた泣きべそです。

たぶん、アルツ君のこんなに涙を流す姿を見るのははじめてかもしれません。

姉:「ああ、いい子だ、いい子だ。ボタモチ食べな。」

まるで赤ん坊をあやすような姉の言動…。

姉にフォークで一口大にしたボタモチを口に運んでもらっています。

涙を流しながらも、ものすごい勢いでパクついっちゃってます。

^_^;

一つ食べ終わったところで、アルツ君のいつもの笑顔と落ち着きが戻って来ました。

恐るべし、ボタモチパワー…。

アルツ君が今度はヤッチに話しかけてきます。

アルツ君:「お前は何でそんなにひげをぼうぼうに生やしてるんだ?それにその顔は何だ?ひん曲がってるじゃないか?お前、ボクシングでも始めたのか?」

ヤッチ:「ボクシングなんてやるわけないだろ。旦那さんの心がねじ曲がってるから、そう見えるだけだよ。」

姉:「パパね。この子ね。顔の半分が動かなくなって入院してたんだよ。しゃべり方も少し変でしょ?口が上手く回らないんだって。」

アルツ君、せっかく笑顔が戻ったのに、姉の余計なひと言にまたまたバスタオルのお世話になっちゃってます。

(^^ゞ

ヤッチ:「なんだよ。なんだよ。そんなにタオルのお世話になってばかりだと俺みたいに顔がひん曲がるぞ。」

アルツ君:「ふんっ!お前はへそも曲がってるんだろっ!」

あー言えばこー言う節の復活です。

(*^_^*)

この後は、アルツ君もかなり混乱はあるものの、落ち着きを取り戻しました。

家族で今までの出来事をしばし語り合い…。

(*^_^*)

そして、今日はアルツ君に身のまわり品で不足しているものを届けに行ってきました。

そうです…。

ヤッチの入院生活、無駄にはなっていなかったんです。

自分で有るといいなと思っていたものを入院中、売店で買ったり、お見舞いに来てくれた人に差し入れしてもらったグッズをそっくりそのまんまアルツ君に横流ししてきました。

ちなみにヤッチが入院中、ウェットティッシュを差し入れしてもらいましたが、使い切れずに退院してしまったので、アルツ君のベッドサイドに置いてきました。

たぶん、心当たりがある方は「あっ!俺だ。」と思っているはず…。

しっかり横流ししてきたので、あしからず…。

それから、面会初日のアルツ君ですが、姉に後で聞いたところ、いつの間にやらボタモチ二つ完食していたそうです。

今日の帰り際に何か他に足りないものは無いかアルツ君に聞いてみました。

アルツ君:「そうだなぁ、今までずーとボタモチを口にしてないから、足りないって言えばそれくらいかなぁ…。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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