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スマホ版 アルツ君は職人

進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。[スマホ版]

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生きるって大変なことなんだなあ…

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2014年12月27日のアルツ君

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

12月27日土曜日です。

昼食介助は施設の職員さんがして下さるというので、正午過ぎに様子だけ見ようと特養に行ってきました。

生活相談員さん(新任では無い方)に廊下で鉢合わせになります。

生活相談員さん:「あ、どうも。いつもありがとうございます。」

ヤッチ:「どうも。」

生活相談員さん:「今日は僕がお父様の介助をしようと思ったんですが、ご機嫌が悪くて…。」

ヤッチ;「昨日の夜も食べていないんですよね?」

生活相談員さん:「実は、今日の朝も看護師から『絶食』と言われて…。」

ヤッチ:「じゃあ、朝ご飯も食べていないということ?」

生活相談員さん:「はい…。」

ヤッチ:「よくお腹が空かないよね?」

生活相談員さん:「ですよね…。今、お部屋でお休みになられているので、もう少し時間の間隔を空けてから、召し上がっていただこうと思いまして…。」

アルツ君、前日の昼から水分以外は何も口に入れていないことになります。

居室を覗きこむと、アルツ君横向きでベッドに横たわっています。

もともと仰向けで寝ることが多かったアルツ君ですが、ついに尾てい骨付近に褥瘡(じょくそう~床ずれ)が出来てしまいました。

たぶん、仰向けに寝ると、お尻が痛むのでしょう。

麻痺側を下にして寝る事は危ないような気もするのですが、麻痺側の方にベッドの手すりが有るため、そこに手を引っ掛けられるので、自分の姿勢を保ちやすいようです。

ちょっとまだ、様子を見ないとわかりませんが、過去に手術をした左腕が毎年冬になると痛み出すので、そっちをかばっているのかもしれません。

ずっとヤッチがそばに居て、時々体位変換をしてあげられれば良いのですが、夜通し施設にいるわけにはいきませんので、やはりここは職員さんにお任せするしかありません。

この左腕ですが、アルツ君の若い頃の古傷で、寒い時期になると、時折ピリッと激痛が走るらしいです。

こんな時にアルツ君の左腕を触ろうものなら、ヤッチといえども、アルツ君、後ろをとられたゴルゴ13のような形相になります。

ヤッチ:「旦那さん、腹ペコじゃないのか?」

アルツ君:「うるさいっ!!」

本気モードの『うるさい』です。

ヤッチ:「水は?喉渇かないか?」

アルツ君:「うるさいって言ってんだよ!!帰れ!!」

ヤッチ:「帰るところが無いんだよ…。」

アルツ君:「じゃあ、死んじゃえっ!!」

結局、仰せのとおり、帰ることに…。

(僕は死にましぇん!)

後で聞いた話では、1~2時間後に機嫌も戻り、昼食を3割程度食べてくれたようです。

再び、夕方、ヤッチの登場です。

扉を開けると、ベッドにはアルツ君、居室の椅子には姉が座っています。

アルツ君は姉を睨みつけています。

そして、姉は泣いています。

ヤッチは姉に話し掛けます。

ヤッチ:「なにかあったのか?」

姉:「パパが私のことを、『お前なんか娘じゃない。』って言うの…。」

ヤッチ:「まあまあ、一旦(居室の)外へ出よう!」

アルツ君:「出ていくのかっ!!」

姉:「外に出るのもダメなの?」

アルツ君:「ああ、そうだよ。○×△□#$…!!」

ヤッチ:「旦那さん、ちょっとこの女、外に連れ出してくるぞ?」

アルツ君:「…。」

ヤッチは姉と一緒に居室の外の廊下に出ます。

ヤッチ:「どういうこと?」

姉:「最初ね、ここの職員さんが二人、パパのオムツを取り替えに来たのよ…。」

ヤッチ:「うん…。」

姉:「そしたら、パパが嫌がって、暴れて…。」

ヤッチ:「うん…。」

姉:「で、手に負えないから、職員さんが別の職員さんを呼んで、4人がかりで、交換しようとしたんだけど、それでも暴れて…。ご飯も食べていないのに、よくあんなに力が出ると思って、ビックリしたわよ…。入れ歯をしていない口で、噛もうとまでしてたんだから…。」

ヤッチ:「まあ、若いころの鍛え方が違うからな…。で?」

姉:「どうにかみんなで押さえつけて、オムツの交換は済んだんだけど、その後私に敵意むき出しで…。」

ヤッチ:「その4人の中に加わっただろ?」

姉:「そりゃあ、あんだけ暴れるんだもの、手を出したくなるわよ。両手とも引っ掻き傷だらけよ…。」

ヤッチ:「気持ちはわかるけど、加わらないで外に出てればよかったんだよ。それにあなたは女なんだから、いくら娘とはいえ、恥ずかしいもんだぜ。俺だって、もし入院してオムツ交換なんていうことになったら、若いきれいな看護師さんには逆に取り替えてもらいたくないもんだぜ?」

姉:「そんなに責めないでよ…。」

ヤッチ:「悪かった、悪かった。たぶん、今旦那さんは相当混乱していると思うから、少し時間を置いてから、部屋に入った方がいいよ。最近30秒前というより3秒前のことも記憶から消えるみたいだから…。」

姉:「でも、パパ、私のこと、娘じゃないって言うんだよ…。」

ヤッチ:「引きずるなって!俺なんか、昔から存在が無いんだから。その場その場で、旦那さんにとって、『いい人』なら、それでいいじゃん。」

姉:「…。」

ヤッチ:「たまには『悪い人』になることもあるわ~。俺なんか、昼にここへ来た時、旦那さんのやつ、右手で俺の手を払いのけやがったからね。右手だよ?」

姉:「あそう…。」

ヤッチ:「ちょっと、様子を見てくるよ。あなたはここにいて。」

ヤッチは居室の扉をそーっと開け、アルツ君のベッドに近づきます。

アルツ君、寝息を立てています。

ヤッチはまた廊下に出ます。

ヤッチ:「眠ってる。そうとう激しいバトルを展開したみたいだね?」

姉:「うん~ん。両手両足動かして、立ち上がるんじゃないかと思ったくらいだから。よく何も食べてないのに、あれだけの力が出ると思って…。」

ヤッチ:「もしかしたら、誰も見ていないところで、こっそりドカ食いしてるのかもよ?旦那さんなら、あり得るかもな?」

姉:「まさか~。」

ヤッチ:「まあ、20~30分もすれば目を覚ますから、その時、もし機嫌が悪かったら、今日はあきらめて帰ろう。」

姉:「うん、わかった。」

ヤッチは少しだけ居室の扉を開け、廊下からアルツ君の様子が見えるように固定します。

やはり、アルツ君、20分くらいしたところで目を覚まします。

ヤッチは居室に入り、アルツ君にそっと声を掛けます。

ヤッチ:「旦那さん、寝てたのか?」

アルツ君:「寝てないよ…。」

ヤッチ:「寝てるんじゃ悪いから、帰ろうと思ったんだけど、どう調子のほどは?」

アルツ君:「まあ、まあかな…。」

ヤッチ:「『まあまあ』っていうのは、調子がいい方なのかね?悪い方なのかね?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「じゃあ、調子は行方不明ということで。喉渇いてないか?」

アルツ君:「ちっとだけな。」

ヤッチ:「わかった。じゃあ、水を飲ませてやるな。」

ヤッチは居室に置いてあった吸い飲みをアルツ君の口元に近づけます。

ヤッチ:「『ちっと』って言ったんだから、ガブガブ飲むなよ?」

アルツ君:「そんな固いこと言うなよ~。」

アルツ君、やはり喉が渇いていたようです。

ちょうど、その時、施設の女性職員さんがアルツ君の夕食を運んできてくださいました。

女性職員さん:「お食事をお持ちしましたけど、どうなさいます?」

『どうなさいます?』は食事の介助を誰がやるか?ということです。

ヤッチ:「今日は、我々がやるより、○○さん(女性職員さん)にお願いした方がよさそうなのでお願いできますか?」

女性職員さん:「ああ、わかりました。じゃあ、ちょっとお待ちくださいね。」

食事介助にも準備や段取りが有るようです。

ヤッチ:「じゃあ、○○さんと一緒にゆっくりメシを食べて下さいね。」

ヤッチはそうアルツ君に言い残し、廊下に出ました。

すれ違いざまに女性職員さんもアルツ君の居室に入り、食事の介助を始めます。

廊下で待っていた姉が不安そうにヤッチに話し掛けます。

姉:「パパ、どう?」

ヤッチ:「機嫌も元通りに戻ってるみたいだよ。今日は俺らが介助するより、職員さんにやってもらう方が、旦那さんが食事に集中できると思って、○○さんにお願いしたよ。」

姉:「そうなんだ。食べてくれるといいけどね?」

ヤッチ:「さっき、暴れてるんだから、その分くらいは食べてくれるんじゃない?」

20分程度、姉と廊下で雑談していていると、居室から女性職員さんが出てきます。

女性職員さん:「途中で寝ちゃったんですよね?」

姉:「食事は?」

女性職員さん:「召しあがっていただきましたけど、半分いくかいかないかぐらいですかね…。」

姉:「でも、食べたんだ?」

女性職員さん:「はい。」

姉:「なら、良かった。」

女性職員さん:「お食事の方は下げちゃってもよろしいですか?」

姉:「寝ちゃってるんだったら、もう食べないと思うので下げてもらって結構です。」

女性職員さん:「わかりました。じゃあ、お下げします。」

おさげ髪のアルツ君を想像したのはヤッチだけでしょうか…。

姉とヤッチはこのまま帰ることにし、居室に自分たちの荷物を取りにそっと扉を開けます。

アルツ君が目を覚ましてしまいます。

アルツ君:「キノコか?」

姉:「キノコじゃないよ。○○(自分の名前)だよ。」

アルツ君:「そっか…。お前、来てくれたのか…。」

姉:「パパの顔が見たくて会いに来たんだよ。」

アルツ君:「そっか…。ありがと。」

アルツ君、『ケンケン泣き』です。

ヤッチ:「ついでに俺もいますけど?」

アルツ君:「お前はどっちでもいい。」

ヤッチ:「ひでーなあ。そのベッドのリクライニングのスイッチを押し続けて二つ折りにしてやろうか?」

アルツ君:「二人して、いろいろ言うなよ…。わかんなくなっちゃうんだよ…。」

脳梗塞によって、アルツ君のCPUにインテルは入っていません。

メモリも相当数破損してしまいました。

テンション高めの声で、たった二人でも、一度にものを言われると、アルツ君の脳はジリジリと言ってしまうようです。

これがいわゆる失語症と呼ばれるものかもしれません。

オマケに今は眠気も有ります。

姉:「パパ、お水飲む?」

アルツ君:「わかんないよ…。」

姉:「そっか~。でも、ちょっとだけ飲んでみれば?」

アルツ君:「ああ、ちっとだけな。」

姉が吸い飲みでアルツ君に水を飲ませます。

アルツ君:「はあ…、はあ…、苦しい…。」

ちょっととろみが多いと飲み込むのが大変そうです。

姉:「どっか入っちゃったかぁ?大丈夫?」

アルツ君:「大丈夫。美味しいよ。」

姉:「じゃあ、もう一口だけ飲む?」

アルツ君:「そんなに言われてもわかんないよ…。」

ちょっとアルツ君、半分眠りに就こうとしています。

まぶたが閉じたり、開いたり…。

姉が吸い飲みを再びアルツ君の口に…。

アルツ君は『ゴックン』と水を飲みます。

アルツ君:「はあ…、はあ…。でも、美味しいぞ。」

姉:「いつも『死んじゃう、死んじゃう。』ばかり言ってるけど、お水を飲まないとホントに死んじゃうんだからね?」

アルツ君:「そうか…。」

姉:「もう一口だけ飲む?」

アルツ君:「もういいよ…。眠いし、死んじゃうよ…。」

姉:「これくらいじゃ、死なないよ。生きなきゃ~。」

わずかですが、アルツ君が水を飲みほします。

アルツ君:「はあ…、はあ…。あうっ。おい、生きるって大変なことなんだなあ…。」

アルツ君が眠そうな目を大きく開け、そう言います。

姉とヤッチは爆笑です。

姉:「そっか、そっか~。パパにはお水を飲むのも大変なことなんだね。」

アルツ君:「そうだよ…。生きるのは大変なことなんだから、お前たちも、もう帰った方がいいぞ。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

やっっっっっーーーーと、

出ました!!

アルツ君の切り返し!!

おわかりになりましたでしょうか?

もし、おわかりにならないのなら、アルツ君のCPUよりも演算処理能力が…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


追記 2015/01/01
おわかりにならない方もいらっしゃるようなので、この記事のコメント欄に、『答え』を書かせていただきました。

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