こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
お久しぶりでごぜ~ます。
あまり更新をさぼっていると、捜索願が出されそうな気配なので…。
時折いただくコメントに返事を書いていたので、生存の確認はできたと思いますが、そろそろ重い腰を持ち上げ、記事を書きたいと思います。
と申しましても、ご覧の皆さんのお役に立てるような話題が見つからないままの見切り発車です。
さて、アルツ君ですが、最近はやや感情に起伏はあるものの、まあ穏やかに特養で過ごしていると言えるのではないでしょうか。
『感情に起伏』というのは、アルツ君が今まで穏やかだったと思うと、急に機嫌が悪くなり、豹変したように、人を大声で怒鳴り飛ばしたりすることです。
機嫌が悪くなると言っても、一日中ずーっと機嫌が悪いというわけではなく、せいぜい1時間もすれば、機嫌が悪かったことをまったく覚えていないまでに、コロッと穏やかな状態に戻ります。
朝、幼稚園のバスを待つ子供が、仲良しの真奈美ちゃんと会話し、大はしゃぎしていたのに、いざ幼稚園のバスがお迎えに来ると、急に泣き出し、機嫌を損ね、バスに乗りたがらなくなるあんな光景を想像していただければ良いかと思います。
先日の連休の日曜日に特養で『秋まつり』があり、キノコさん、姉、ヤッチの三人が面会に訪れました。
個別にアルツ君のところにはちょこちょこ面会に行ってはいますが、アルツ君を含め、家族四人がそろうことは、施設で何か行事でもない限り、滅多に有りません。
出かけたのはお昼頃で、施設で用意してくれたテーブルを囲み、みんなで昼食を摂りました。
アルツ君は施設で出された普段通りの昼食を食べ、キノコさんがそのとなりに腰かけ、階下で出店していた露店で購入した焼きそばを食べます。
キノコさんの顔を見たアルツ君は、うれしいのかしゃべりっ放しです。
アルツ君:「お前、そんなミミズみたいなものを食ってるのか?俺のやろか?」
キノコさん:「いいわよ、いいわよ。あんたは自分で自分の物を食べなさい。」
アルツ君:「そうかぁ~。じゃあ、これはどうだ?食うか?」
キノコさん:「それは、あんたに出されたもんでしょ。あんたが食べなさいよ。」
アルツ君ですが、好きな子にチョッカイを出す小学生の目です。
キノコさんは至ってクール…。
アルツ君のマシンガントークが鳴りやまぬまま、食事を終え、しばし居室で休憩です。
居室でもアルツ君は休むことなくしゃべり通しです。
施設の職員さんから、階下で地元の中学生によるウインドアンサブル(吹奏楽)があることを聞かされ、みんなで見に行くことに…。
ヤッチ:「旦那さん、下で楽器の演奏が有るんだって。みんなで聴きに行こうよ?」
アルツ君:「なに?」
ヤッチ:「音楽だよ。」
アルツ君:「俺はいいよ。お前たちで行ってきなさい。」
ヤッチ:「そう言わずに行こうよ。」
キノコさん:「そうよ、一緒に行きましょうよ。」
アルツ君:「やだ!」
姉:「どうして?」
アルツ君:「俺はそんな話は聞いてない!」
今まで穏やかだったアルツ君の表情が一変しました。
ヤッチ:「俺だって、今聞いたんだよ。」
アルツ君:「ウソをつけ!○×△☆♯♭●□▲★※!!」
アルツ君が意味不明の言葉を発します。
ウインドアンサブルは一階で行われるのですが、アルツ君がたぶん、言いたかったことは、誰かが自分(アルツ君)をだまして、階下に連れて行こうとしてるということ…。
そして、階下に連れて行かれたら最後、何をされるかわかったもんじゃないということ…。
施設に入所して以来、どこか人間不信に陥っているきらいがあります。
あくまでもヤッチの推測ですが、他に機嫌が急に悪くなったのは、リハパンが汚れているのではないかということです。
その証拠になかなかリハパンの交換をさせてくれませんでした。
普段、ヤッチと二人だけの時は、なんの抵抗もなく、換えさせてくれるのですが、この日はキノコさんがそばに居たせいもあるのかもしれませんね。
結局、アルツ君が大声で怒鳴りまわって、興奮がなかなかおさまらなかったので、この日は階下に行くことを断念…。
姉を残して、キノコさんとヤッチは帰ることしました。
翌々日の火曜日に、アルツ君の様子が少し気になったので、ヤッチは一人で面会に行ってきました。
この日は台風一過でしたが、まだ風が強く、外に散歩に行くというわけにはいきません。
散歩ですが、今までは、アルツ君に車椅子に乗ってもらい、施設近くの公園や遊歩道を一周することがほとんどでしたが、最近は少し離れた場所まで、足を運んでいます。
アルツ君が特養に入所する以前に家族で住んでいた場所があり、その付近の景色をなんとなくアルツ君が覚えているようなので、アルツ君が覚えていそうなところを選んで車椅子を押して、少し長い距離を散歩しています。
そこは、昔、アルツ君が仕事でお世話になったSさんのご自宅も有ります。
Sさんは大きな畑を持つ農家の方ですが、アルツ君がまだ庭木の剪定などをバリバリやっている頃に知り合った方です。
おそらく、50代半ばくらいだと思うのですが、アルツ君はSさんのお父様とも付き合いが有ります。
Sさんのお父様は残念ながら、お亡くなりになられていますが、お母様はご高齢ながらも、いまだ畑仕事をお元気にされているようです。
当初、Sさんの畑では、庭木に使うような花木も栽培していて、アルツ君がお得意様から庭木の注文を受けると、Sさんのところから、これらの花木を直接購入し、お得意様のお庭に植えるということがよく有りました。
大きな木になると、アルツ君一人では手に負えないので、Sさんがユニック付きの車(クレーンを装備したトラック)を出してくれて、一緒に仕事をするということも、しばしばありました。
そう、最近はこのSさんの畑を一周して、施設に戻ることが多いんです。
実はこのコース、Sさんの奥さんが犬を散歩させるコースでもあり、アルツ君とこの辺を散歩するようになってから、何度かお会いしています。
たぶん、Sさんとお付き合いが無くなって、10年以上は経つというのに、アルツ君がSさんの奥さんを覚えていたのは驚きでした。
Sさんとご対面ならまだわかりますが、あまり面識のない奥さんのほうですからねぇ…。
しかも、アルツ君のほうから気づいて、犬を散歩中のその奥さんに声を掛けたのですから、車椅子を押していたヤッチは、その時ビックリです。
アルツ君:「あ、あれSさんの奥さんだよ。間違いない。Sさんだよね?俺のこと覚えてる?」
Sさんの奥さん:「あら?先日、遠くにお姿が見えた時に、もしかしたらそうかなとは思っていましたが、やはり○○さんでしたかぁ…。ご無沙汰しております。その時は、もし、違っていたら失礼かなと思って声を掛けなかったんですよ…。」
久々の再会はこんな感じでした。
そして、アルツ君、キノコさんが面会に来た事を忘れてしまうのに、Sさんの奥さんに会ったことは施設に帰ってしばらく経っても覚えています。
前置きが長くなりましたが、そんな経緯が有る事を踏まえて読み進めて下さいね。
話はヤッチが特養へ一人で面会に行った時に戻ります。
秋まつりのときの険しい表情とは一変して穏やかな表情です。
ヤッチ:「どう?昨日はよく眠れた?台風の風がうるさくて眠れなかったんじゃないの?」
アルツ君:「俺には台風も痛風も関係ありませんね。」
ヤッチ:「グッスリだったっていうこと?」
アルツ君:「だろ!?」
ヤッチ:「なんでグッスリだったってわかるんだ?」
アルツ君:「今、眠くないからさよ~。」
ヤッチ:「さすがだね。」
アルツ君:「で?」
ヤッチ:「『で?』って何よ?」
アルツ君:「ばあさんはここに来たのか?」
ヤッチ:「今、俺がここに来たばかりなのに、わかるわけないだろ?俺がそのセリフを言うならわかるけど…。」
アルツ君:「で、ばあさんはここに来るのか?」
ヤッチ:「いや…。今はいい天気だけど、風がまだ強いからな。こんなに日にばあさんが外に出たら、吹っ飛ばされちゃうよ。電線に引っかかってピラピラしちゃうんじゃないのか!?」
アルツ君:「よく乾いていいじゃん。で?ばあさんのやつ、何してる?」
ヤッチ:「これ以上、乾かさなくてもいいんじゃないのか?今日は家にいると思うよ。」
アルツ君:「ばあさん、どこに住んでるんだ?」
ヤッチ:「ばあさんの住んでるアパートの大家さんの家を覚えてるか?大きな門が有っただろ?」
アルツ君:「なんか有ったような気もするな…。」
ヤッチ:「その先の駐車場のところを曲がると、藤棚が有っただろ?」
アルツ君:「そんなの有ったっけ?」
ヤッチ:「駐車場の中に入ると、途中に俺の部屋のベランダが有っただろ?」
アルツ君:「…。」
ヤッチ:「そのベランダで何か作ってただろ?」
アルツ君:「何かぁ…?」
ヤッチ:「ト・マ…?」
アルツ君:「ああーあ!あの金にならないトマトかっ!!ああ、思い出した、思い出した!あの腐ったトマトだろ?」
毎度のことながら、不敵な笑みを浮かべての発言です…。
ヤッチ:「うるせーよ!あのさ、毎回言うけど、そこは思い出さなくていいところだろっ!」
アルツ君:「しようがないよ。思い出すんだから…。まずそうだったな…。」
ヤッチ:「うるせーよ!で、その先に狭い通路が有っただろ?押し車(シルバーカー)が置いて有って…?」
アルツ君:「そんなところ、有ったっけ?」
ヤッチ:「その押し車が置いて有るところがばあさんの部屋。」
アルツ君:「へー?ばあさんのやつ、そんなところに住んでるのかぁ…。腐ったトマトが植わってるそばに…。」
ヤッチ:「うるせーよ!腐ったトマトだったら、植わってないで、落ちてるだろがっ!」
アルツ君:「たぶん、根性の曲がったトマトなんだろうなぁ…。」
ヤッチ:「うるせーよ!どうして、変なところだけインプットされちゃうんだろうな?」
アルツ君:「お前ね、『変なところ』は言い過ぎだろ。腐ったトマトは元通りにならんぞ!?」
ヤッチ:「まあいいや。ところでばあさんの顔は思い出せるのか?」
アルツ君:「思い出せないな…。もう何十年も会ってないから、腐りきってるだろ?」
ヤッチ:「この間、秋まつりが有ったよな?」
アルツ君:「ああ、なんかやってな!?」
ヤッチ:「昼飯の時、誰かとなりに座ってたよな?」
アルツ君:「となり?となりに誰か座ってたっけ?俺のとなりにはいつも誰も居ないぞ!?」
ヤッチ:「その時に限って、誰か座っていて、チョッカイ出してたよな?」
アルツ君:「ふふ、お前、ばか言っちゃいけないよ。なんぼなんでも、俺は幽霊にチョッカイ出さないぞ?」
ヤッチ:「重度の記憶喪失だな?もう少し若けりゃドラマのオファーが来るかもしれないけどな…。」
アルツ君:「『記憶喪失』だってよ。俺は腐ったトマトを忘れてませんからね!」
ヤッチ:「うるせーよ!じゃあ、この間、Sさんの奥さんに会ったよな?」
アルツ君:「ああ、会ったよ。犬と散歩してたよな?」
ヤッチ:「ああ、その犬、何色だった?」
アルツ君:「茶色だよ。」
ヤッチ:「茶色と白だけど、間違っちゃいないな。Sさんの奥さんの顔は思い出せる?」
アルツ君:「思い出せるさよ~。だいたい身体もガッチリしてるしな!?」
ヤッチ:「あのさ、ここだけの話だからいいけど、女の人に『ガッチリ』なんて、言っちゃあ失礼だぞ。それを言うなら、『スラッとしている』だろ?」
Sさんの奥さんですが、細身でスラッとしたモデル体型…。
たぶん、ヤッチの姉より背は高く、170cm以上は有るのではないでしょうか…。
アルツ君:「まあ、お前の言う通り、太っているというより、痩せてるなぁ…。」
ヤッチ:「Sさんの奥さんがスラッとしているから、旦那さんの印象に残るのかね?」
アルツ君:「わからんな…。」
ヤッチ:「今、旦那さんの頭の中にある映像はカラー?白黒?」
アルツ君:「そんなのいちいち考えるやつあるかよ!」
ヤッチ:「確か、Sさんの奥さん。帽子をかぶっていたよな?何色だった?」
アルツ君:「確か、黒っぽかったような気がするな…。」
失敗しました…。
『黒』では白黒でもカラーでも、答えは一緒です。
ヤッチ:「ん…。Sさんの奥さんが犬を連れていたから、記憶に残ってるのかねぇ…?今、映ってる映像では、Sさんの奥さんは犬を連れているかい?」
アルツ君:「当たり前さよ。(リードを)放したら、犬のやつ、どっかに行っちゃうぞ?」
ヤッチ:「もし、その犬だけが、旦那さんのところに、今逃げてきたら、Sさんのところで飼っている犬だってわかるか?」
アルツ君:「どうかな?わかると思うけど、今どきの流行りでどこにでもいそうな犬だからな…。」
ん…。
謎です…。
頻繁に顔を合わせているキノコさんの顔は、振り返った瞬間に忘れてしまうのに、たまにしか会わないSさんの奥さんの記憶がこれだけアルツ君の脳に深く刻み込まれるのか…?
秋まつりが有ったことは覚えているのに、秋まつりに登場した人物は覚えていないのも不思議ですね…。
この日は強風のために外に出られなかったので、別棟の廊下でテレビをアルツ君と一緒に観て、面会は終了です。
久しぶりにテレビを観て目が疲れたのか、アルツ君は居室に戻って、お昼寝です。
アルツ君がベッドに横たわったまま、ヤッチに言葉を発します。
アルツ君:「今寝たら、夜飯、食いっぱぐっちゃうかな?」
ヤッチ:「大丈夫だよ。誰か必ず起こしてくれるから…。」
アルツ君:「そうか、ならいいんだけどよ…。で?お前は?」
ヤッチ:「『お前は?』って、添い寝しろとでも言うの?サービス料、高いよ?」
アルツ君:「帰るのか?」
ヤッチ:「ああ、帰るよ。」
アルツ君:「ばあさんのところに行くのか?」
ヤッチ:「ばあさんのところには行かないけど、部屋は近くだからな。」
アルツ君:「そうかぁ…。じゃあ、ばあさんに会ったら、『犬を連れて歩くように』言っておけ。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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