こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日、ボタモチを持ってアルツ君のところへ面会に行ってきました。
アルツ君、居室でリハパンのパッド交換をしてもらったばかりの様子で、ちょうど居室から、女性職員さんが廊下に出てきたところでした。
ヤッチ:「いつも、お世話になっています。」
女性職員さん:「こんにちは。」
ヤッチ:「お昼ご飯のあと、何か食べていますか?」
女性職員さん:「お父様のことですか?」
ヤッチ:「はい。」
女性職員さん:「それなら、今日はお召し上がりなっていませんね。」
ヤッチ:「ボタモチを持って来たので、食べさせてもいいですか?」
女性職員さん:「はい、およろこびになられると思いますよ。今、(居室で)お座りになられています。」
ヤッチは居室の扉をノックします。
アルツ君:「おうっ!」
ヤッチ:「暑いね?」
アルツ君:「そうか?俺はそれほどでもないぞ!?」
ヤッチ:「ここは冷房が入っているからだよ。外に出てみん?アスファルトの上で焼肉パティ―を開催できるぞ。」
アルツ君:「そうか~。そんなに暑いのか~。」
7月の末から、故障した空調設備の修理をすると聞いていましたが、居室にルームエアコンが付いたままということは、まだ工事は終わっていないのか、まだ始まっていないのかもしれません。
ヤッチ:「今日の陽気なら、道路で石焼きビビンバができるよ。ボタモチを持って来たけど、食うか?」
アルツ君:「この暑いのにボタモチかよ…。」
ヤッチ:「今、『俺はそれほどでもない。』って言ってたべ?」
アルツ君:「そうかぁ??」
ヤッチ:「食うの?食わないの?食べるの?食べないの?捨てるの?投げるの?召し上がるの?召し上がらないの?死ぬの?死なないの?」
アルツ君:「いいから、はやく食わせろっ!!」
ヤッチ:「持って来てくれた息子に感謝の気持ちはないわけ?」
アルツ君:「感謝の気持ち?そんなのは30年前にどっかに落としてきた。お前はどっかで拾ってきた。」
ヤッチ:「30年前?30年前って、旦那さんが何歳の時よ?」
アルツ君:「他人に歳を聞いちゃいけないの!」
ヤッチ:「女性限定の話だろ?」
アルツ君:「年寄りも同じだ。」
ヤッチ:「今、認めたな?『年寄り』って言ったよな?」
アルツ君:「うるさいっ!」
ヤッチはスーパーマーケットで買ってきたボタモチをアルツ君の前に広げ、スプーンを渡します。
スプーンを差し出したにもかかわらず、アルツ君、口を開けて、スタンバっています。
ヤッチ:「なに?その口は?」
アルツ君:「お前が放り込んでくれるのかと思ってよ。」
ヤッチ:「な~に、言っちゃってるのかな~。足のほうは、だいぶ腐って来てるけど、まだ手は腐ってないんだろ?自分の手で食えよ。」
アルツ君:「ケチなこと、言ってやがるな~。」
ヤッチ:「ケチはどっちだよ。そんな事言ってると、棺桶の中、ぬか漬けにしちゃうぞ?」
アルツ君:「ぬかは勘弁だな…。せめてあんこにして下さいよ。」
ヤッチ:「おう、わかったよ。周りに敷き詰めるだけじゃなくて、腹をかっさばいて、その中にもメーイッパイ詰め込んでやるよ。」
アルツ君:「つぶあんで、頼むぞ。」
ヤッチ:「で、それを食い終わったら、向こうの棟まで歩こうよ?」
アルツ君:「ああ、構いませんよん。」
ヤッチ:「ばかに素直だね~???」
アルツ君:「『ばか』は余計だ…。」
この日、会話のキレも良かったし、足取りも軽かったようです。
もちろん、歩行器のお世話になりましたが、途中、休むこともなく、別棟に行くことができました。
いつも、別棟の突き当りまで歩いて、アルツ君には、そこに設けてあるテーブルの前に腰かけてもらい、テレビを観て過ごしてもらっています。
ヤッチ:「もう、『大江戸捜査網』は終わっちゃったのかな?囲碁の番組だな?旦那さんは囲碁できるの?」
アルツ君:「昔はやったけど、もう覚えてないな~。」
そんな会話をしていると、すぐそばの居室から、車椅子に乗った女性の入所者さんが出てきます。
この方、記憶の衰えはあるものの、アルツ君と同じように、会話はちゃんと成立します。
アルツ君とも、顔見知りです。
ご本人の話では、心臓にペースメーカーが入っており、トイレに座る事は出来ても自分では立てないとの事。
ヤッチ:「おかあさん、こんにちは。」
入所者さん:「あら、こんにちは。囲碁(の番組)を観てるの?いいわねぇ~。」
ヤッチ:「一緒に観ますか?」
入所者さん:「私は囲碁をできないから、いいわ。マッサージの人が来ることになっているのだけど、まだ来ないから、(廊下に)顔を出したのよ。」
ここの特別養護老人ホームでは、施設で行う歩行訓練などのリハビリとは別に、マッサージを受けている入所者さんが多数いらっしゃいます。
ヤッチもマッサージのお姉さんが利用者さんの居室を巡回しているのをよく見かけます。
以前、施設の職員さんに話を伺ったところ、外部に委託している治療院と入所者さん(家族)が個別に契約して、マッサージなどを受けられるというものらしいです。
介護保険は特別養護老人ホームの入所で枠を使ってしまっているので、マッサージ等は介護保険による給付ではなく、医療保険(後期高齢者医療保険)の給付の扱いになるようです。
したがって誰でもマッサージを受けられるというわけではなく、医療保険の扱いですから、医師の診断を仰ぐことになるようです。
原則、歩行が困難な人や寝たきりの人が受けられるようですが、実は、歩行が怪しくなってきたアルツ君にも、つい先日、姉がこのマッサージを申し込んだばかりでした。
ヤッチ:「俺が呼んでくるか、さがしてきましょうか?」
入所者さん:「ううん、ここで、な~にをするわけでもねえし、遊んでるだけだからいいわ。」
ヤッチ:「失礼なことをきいちゃったかな?」
そこへ、ちょうど、マッサージのお姉さんがいらっしゃいます。
すいません、どうネーミングしてよいのかわからないので、ここでは便宜上、『マッサージのお姉さん』とさせていただきます。
そのお姉さんがヤッチとアルツ君が一緒にいるのに気づきます。
入所者のお母さんには、大変申し訳ないことですが、入所者さんのマッサージより、ヤッチとお姉さんの立ち話が先になってしまいました。
お姉さん:「先日、お姉さま(こっちは実の姉のことです。)から、お話を伺って…。」
ヤッチ:「あ、どうも…。はじめまして。というより、お姿はよく拝見していました…。」
お姉さん:「早速ですが、どういったご様子なんですか?」
ヤッチ:「最近、歩行がかなり怪しくなってきていましてね。施設の中では歩行器を使わせていただいているんですが、なかなか歩いてくれないもんですから…。」
お姉さん:「息子さん(ヤッチ)が、お父様と(施設の)中を歩いているのは、よくお見かけしますけど…?」
ヤッチ:「それが、俺が言っても、最近、なかなか歩いてくれないんですよ。今より筋肉や関節が固くなってしまうと、二足歩行ができなくなってしまうのではないかと思いましてね…。姉もその辺を心配して、そちらにお願いをさせていただいた次第です。」
お姉さん:「実際に気になる箇所というのは?」
ヤッチ:「もともと、左ひざがカックンと折れて、転倒しそうになることがあって、最近は運動不足のせいもあるのだと思いますが、両膝とも…。なっ?旦那さん?」
アルツ君:「誰?俺?俺はまだ歩けるさよ~。どっこも悪いところなんてないぞ!?」
ヤッチ:「本人はこう申しておりますが、時折、『重い、重い。切っちゃえ!』なんてことを申しております。」
お姉さん:「そうですか…。お医者様に掛かられたことは?」
ヤッチ:「足だけについて、診てもらったことはありません。こっち(認知症)については、いろいろお医者さんにも診てもらいましたが、パーキンソン(症状)だっていうお医者さんもいれば、運動不足だっていうお医者さんもいて、正直わからないです。」
お姉さん:「えっ?パーキンソン?」
ヤッチ:「そう。レビー(レビー小体型認知症)かもしれないと言われたこともありますし、PSP(進行性核上性麻痺)ではないかと言われたこともあります。最近では前頭側頭型認知症の症状もあるなんて、言われています。疑いだしたら、全部当てはまっちゃうのがこの病気だって、俺は最近思うんですよね…。なっ?旦那さん?」
アルツ君:「そうだよ。医者なんて、悪くもないところを悪いと言って、カネをふんだくる商売だからな?」
お姉さん:「そうですね…。診るお医者さんによって診断がまちまちですからね…。」
ヤッチ:「PSP(進行性核上性麻痺)なら、体が後屈するわけでしょ?でも、旦那さんの場合、前傾がひどくなってますからね…。」
お姉さん:「そうですね、(PSPの場合は)後ろに傾く方が多いですよね。」
ヤッチ:「で、難病の申請をしようかというところまで行きましたが、結局、お医者さんのほうで、申請になるまでの十分な条件を満たしていないっていうことで、やんわり断られました。その後、別の病院の直近の診察では、ATD(アルツハイマー型認知症)の症状のほうが強く見られるで終わっています。」
お姉さん:「お薬は?」
アルツ君:「以前は飲んでいましたが、頭(認知症)の薬については、なにも今は飲んでもらっていません。もともと薬に敏感なのは事実だし、薬嫌いなので…。なっ?旦那さん?」
アルツ君:「そうだよ。変な薬を飲むと、美味いもんもまずくなるからな!?」
お姉さん:「そうですね…。お薬はあまり飲まない方がよいみたいですね。」
ヤッチ:「薬を飲んで、グッタリとやる気のなかった姿の方が今から思えば、病気ですよ。」
お姉さん:「お見受けする限り、体つきも、他の方に比べるとしっかりとされていますよね?」
ヤッチ:「元々、植木屋なんです。ハシゴを上ったり、下りたり、チョキチョキやってましたからね~。腕だって、その頃は俺の倍くらい有りましたからね。ねっ?旦那さん?」
アルツ君:「倍は何ぼなんでも言い過ぎだろぅ~。」
お姉さん:「骨格もしっかりとしてらっしゃいますよね?」
ヤッチ:「旦那さん、ほめられてるよ?どうする?」
アルツ君:「ほめられたって、カネは持ってないぞ!?」
お姉さん:「わかりました…。今後なんですけど、どういった方向で進めていきましょうか?歩行訓練とかは?」
ヤッチ:「歩行訓練はこちら(特別養護老人ホーム)の療法士さんがやって下さっているみたいなので…。」
お姉さん:「では、マッサージを中心にやらせていただいて…。時折、仰向けの姿勢で、膝などに負荷をかけるというのは?」
ヤッチ:「その辺は、お任せしますよ。手さぐりではじめていただいて、何かこうした方がいいというのが有れば、実践していただいて構わないですよ。」
お姉さん:「今度、一度、診させていただいてご報告させていただきますね?」
ヤッチ:「それと最近、視野が狭くなっているような気がします。歩行と視野の狭さというのも、もしかしたら因果関係が有るのでは?と素人判断で考えています。」
お姉さん:「なるほど…。」
ヤッチ:「いずれにしても、一度、ご自身の目で確かめて下さい。プロの目から見ると、どうなのか教えていただけると、ありがたいです。姉が身元引受人になっていますが、姉は夜じゃないとここには来ないので、私におっしゃっていただけば、姉に私から何か有れば伝えます。」
お姉さん:「わかりました。では、今後ともよろしくお願いいたします。」
ヤッチ:「あ、すいません。それと、時々、お金のことを心配しますので、お分かりになっていると思いますが、うまい具合に…???」
お姉さん:「あ、わかりました。お父様、お金のご心配はなさらないで大丈夫ですよ。」
アルツ君:「あ、そう。」
お姉さん:「では。」
お姉さんはマッサージを待っていた入所者さんと一緒にデイルームのほうへ…。
二人だけになったところで、ヤッチはアルツ君に話し掛けます。
ヤッチ:「旦那さん、今度っから、足をマッサージしてくれるらしいぞ?」
アルツ君:「『今度』っていつよ?」
ヤッチ:「たぶん、来週じゃないか!?」
アルツ君:「来週っていつよ?」
ヤッチ:「その説明をするといつまでかかるかわからないけど、どうする?」
アルツ君:「じゃあ、やめとく!」
ヤッチ:「ただ、お嬢さん(姉)の話だと、週に3回もマッサージしてくれるらしいぞ。」
アルツ君:「へえ…、マッサージ?」
ヤッチ:「マッサージはわかるよな?」
アルツ君:「わかるさよ~。揉んでくれるんだろ?」
ヤッチ:「そうだよ。あんなにきれいなお姉さんが揉んでくれるんだぞ?3回のうち1回くらい、俺にその時間を分けてくれないかなぁ…???」
アルツ君:「俺は、どっこも悪くないから、構わんぞ。」
ヤッチ:「なんだか、今日は妙に素直だね~。夕立ちでも来るのか?」
アルツ君:「お前も少し頭を揉んでもらえ!そうすりゃ、少し芽(毛)が出るかもしれんぞ?」
ヤッチ:「うるせ~えよっ!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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