こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
アルツ君ですが、先週から施設内で歩行車(器)を利用させてもらっています。
この歩行車ですが、歩行器に車輪が付いているものなので、あえて『歩行車』と書かせていただきましたが、正式名称はよくわかりません。
最近のアルツ君はと言うと、施設内で歩く際にも、身体が前傾し、フラフラとおぼつかない様子なので、施設の生活相談員さんが、この歩行車を勧めてくれたようです。
杖を持つのも嫌だと言っていたアルツ君なのに、どういう風の吹きまわしか、この歩行車をすんなり受け入れたようです。
いや、むしろ、嫌がるどころか率先して、利用させてもらっている様子…。
昨日、ヤッチもまだ見ぬアルツ君の歩行車姿を拝ませてもらおうと、面会に行ってきました。
施設の廊下に設けられたテーブルの前にアルツ君が腰かけています。
傍らには歩行車もあります。
アルツ君の方が先にヤッチの姿に気づきます。
アルツ君:「あっ!お前、ちょうどいいところに来た。金が一銭も無いんだよ~。」
ヤッチ:「俺も一円は持っているけど、一銭は見たことないぞ!?」
アルツ君:「ボタモチを買いに行こうと思ったんだけど、金がないんだな…。」
ヤッチ:「買に行くって、売っているところわかるのか?」
アルツ君:「わからないけど、外に出て、ゴチャゴチャ歩いてれば、そのうちわかるだろ!?それにこれもあるしな。ただ、金が無いんだよな…。」
アルツ君が歩行車を指さします。
施設内は当然のことながら、許可なく一人で外に出ることはできません。
お金の必要になる場面もまず無いと言って良いでしょう…。
方向感覚も無くなっているので、まず外に出れば徘徊確定です。
(^_^;)
ヤッチ:「しかし、まあ、なんていい息子なんだろうな~。孝行息子の鏡だね!?」
アルツ君:「なんでよ?お前がかぁ?」
ヤッチ:「そんなことだろうと思って、ボタモチを買って来たよ。」
アルツ君:「かー!!それは、それは…。」
ヤッチ:「『それは、それは…。』の後は何よ?『ありがたい。』か『ありがとう。』だろ?」
アルツ君:「それは、それは、言えません。」
ヤッチ:「まったく失礼なやつだな…。」
アルツ君:「そんなことはどうだっていいから、早いとこ、ちっと食わせろや?」
ヤッチ:「ちっとで、いいのか?」
アルツ君:「いや、全部だ。」
ヤッチ:「少しぐらい、息子にも分けてやろうっていう優しさはないのか?」
アルツ君:「無いんだなぁ~。」
ヤッチはボタモチのパーッケージを開け、アルツ君の前にフォークと一緒に差し出します。
アルツ君:「かっー!!ボタモチなんて食うのは何十年ぶりだろ!?美味そうだな…。おいっ。」
早速、アルツ君、ボタモチにパクつきます。
ヤッチ:「ゆっくり、食えよ。喉に詰まらせるなら、正月じゃないと、ニュースに出ないから…。」
アルツ君:「わかってますよ!」
そう言っている間にも、もうヤッチの持ってきたボタモチは終盤戦…。
(-_-;)
アルツ君:「こんなに美味いもんなら、100個でも200個でも食えるね~。」
ヤッチ:「それを食い終わったら、外に出かけようぜ?」
アルツ君:「何しに?ボタモチ買いに行くのか?」
ヤッチ:「今食ってるべ!!散歩!!」
アルツ君:「散歩か…。」
ヤッチ:「少し歩かないと、足のむくみが取れないだろう?」
アルツ君:「バカ言え。俺のは、むくんだんじゃなくて、太ったんだよ。」
ヤッチ:「どっちでも同じだろがっ。太ったんだったら、なおさら歩いて痩せなきゃだろがっ。」
アルツ君:「少しカンナで削れば、いいだけの事よ~。」
ヤッチ:「また、それかよ。外に出ないと腐るぞ。」
アルツ君:「腐りかけの肉の方が美味いぞ!?お前、知らないでしょ?」
ヤッチ:「うるせーよ。とにかく、今日は散歩に行くべ!!」
アルツ君:「しようがない…。行ってやるか…。」
ヤッチ:「何、その上目線な態度は?」
アルツ君:「別に…。で、どうやって行くんだ?」
ヤッチ:「歩いてに決まってるでしょ。これ(歩行車)を使って行ってもいいぞ?」
アルツ君:「あ…。これ(歩行車)はいいぞ~。スイっこスイっこ動くんだから…。」
ヤッチ:「スイっこスイっこ動くのは、自分の足じゃなくて、歩行車だよな?」
アルツ君:「お前、そう固いこと言うなよ…。」
普段、アルツ君と散歩に行くときは、アルツ君のいる3階から1階までは、エレベーターを利用しますが、歩いて下りてもらっています。
施設の玄関からは施設の車椅子をお借りし、アルツ君はそれに乗って、近くの公園などに出かけます。
なので、アルツ君の歩く距離は施設内の移動だけなので、ほんのわずかしかありません。
ヤッチ:「多分、この歩行車は、室内用だと思うんだけど、これで外まで行ってみるか?」
アルツ君:「お前、あんまり、無茶すんなよ。」
ヤッチ:「大丈夫だよ。無茶して怪我するのは、俺じゃなくて、旦那さんなんだから。」
アルツ君:「あーいう事言ってやがるんだからな…。」
ヤッチ:「そういう事!!」
準備をして、アルツ君と一緒に歩行車で散歩に出かけます。
施設の廊下をアルツ君と一緒に歩いているときに、ヤッチはアルツ君にたずねます。
ヤッチ:「その歩行車、どう?調子はいい?楽?」
アルツ君:「あー、調子いいぞ。これなら、どこまでだって、行けるぞ!?」
ヤッチ:「じゃあ、地獄まで行くか?」
アルツ君:「嫌だっ!!」
負けず嫌いのアルツ君、口にはしてしませんでしたが、今まで、自分の歩行がおぼつかなくなってきていることは、わかっていたんでしょうね。
転倒したりするのが嫌だから、歩くのも億劫になっていたのかもしれません。
歩行車を利用させてもらったおかげで、行動範囲が広がり、機嫌も良いようです。
(^.^)/~~~
ただ、この歩行車、ちょっとした段差でも車輪が引っかかってしまうので、注意が必要…。
屋外で利用するにはちょいと厳しいようです。
(^^ゞ
歩行車を利用し、1階まで下りてきました。
ヤッチ:「どうする?ここで車椅子に乗り換えて、座って公園に行く?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。これ(歩行車)があるんだから、これで行けばいいじゃないか。」
ヤッチ:「でも、途中で『抱っこ!!』とか言うなよ?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。これ(歩行車)が無くたって、まだ自分の足があるわいっ!!」
ヤッチ:「じゃあ、これ(歩行車)は、いらないんじゃないの?」
アルツ君:「あんまり、お前、難しいこと言うなよ~。」
途中、段差や傾斜のあるところは、ヤッチがサポートしましたが、公園まで歩くことができました。
一年前くらいは歩行車などを使わずに、当たり前に出来たことなんですけどね~。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
公園で休憩し、アルツ君がまだ歩けそうだというので、遊歩道まで足をのばしてみました。
公園から遊歩道までは数十メートル程度ですが、自動車の通る道を行くしか選択肢がありません。
さいわい、自動車の往来は少なくて良かったのですが、身体の前傾しているアルツ君にとって、歩行車の車輪がよく回る箇所では、どうしてもつんのめり気味になってしまいます。
歩行車と一緒にアルツ君の歩く速度も上がってしまいます。
この辺りは今後の課題といったところでしょうか???
ヤッチ:「あんまり早くならないようにしな。『いち、に、いち、に』って数えながら歩いたらいいと思うよ。」
アルツ君:「そんなにいっぺんにあれもこれもできないぞ!?」
ヤッチ:「う~ん…。確かに…。」
歩行車にまだ慣れていないせいもあるし、そもそも歩行車を屋外で使うのが無謀だったかもしれません。
(-_-;)
なんとか、無事、アルツ君の居室まで帰って来ることができました。
ご本人、口にはしませんでしたが、相当疲れていたと思います。
その証拠に、まぶたが落ちて来ています。
ヤッチ:「疲れたでしょ?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。お前とは鍛え方が違うんだから~。でも、どこに行ってたんだっけな…。」
つい、さっきまで公園まで行き、遊歩道を抜けて施設まで戻ってきたことをおぼえていません。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
アルツ君:「なんだか、腹減っちゃったなぁ…。」
ヤッチ:「あの…。さっきボタモチを食べて、まだ口の中にあんこの味が残ってな~い?」
アルツ君:「無いな…。」
ヤッチ:「ん…。そうだ!!食い物じゃないけど、旦那さんに本を持って来たんだ!?すっかり忘れてた。」
アルツ君:「お前は忘れん坊だなぁ?」
ヤッチ:「オタクの息子ですから…。」
実はアルツ君のために本を買って、持って来ていたんです。
Amazonで購入した『ふしぎルックス珍獣ずかん
630円という低価格でも送料無料で配達してくれるんですねえ~。
しかも、頼んで翌日に届くという迅速さ…。
恐るべしネット通販です。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
この本は、後で知ったことですが、朝の情報番組でも紹介された本らしいです。
表紙の写真は『エクリス』というウマとシマウマの混血。
頭とお尻だけがシマウマの毛色をしています。
こんな面白い動物たちが、本の中で写真付きでたくさん紹介されています。
動物好きなアルツ君が興味を持つのではないかと思い購入し、持参してきてわけですが、散歩をしたことで、ヤッチもすっかり記憶から抜け落ちていました。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ヤッチは、この『ふしぎルックス珍獣ずかん
アルツ君:「かっー!!」
アルツ君、表紙を見入っています。
ヤッチ:「おっ?どうやら、お気に召したか?おもしろい動物の写真がイッパイ載ってるぞ。」
アルツ君:「かっー!!美味そうだな~。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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キーワード検索 : 歩行車 歩行器 ボタモチ 車椅子 散歩 転倒 遊歩道 珍獣ずかん
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だみだこりゃ(ノ_-;)
とか思いかけましたが、行動範囲が広がって意欲が出たのはすごい良かったですね!
…ヤッチさんの負担は増えそうだけど。
ぼたもちを食べるスピードは30代のよっちも負けそうです(笑)
変わらずお口も絶好調のご様子なので、
安心いたしました(^^)v
父も術後に利用したことがありますが、
歩行器も大きな車輪のついた「室外用歩行車」というのがあるようです。
兎にも角にもアルツ君が楽しく過ごせることが
一番ですもんね!
よっちさん、こんばんは。
私の負担は増えないので、ご心配なく。
食べるスピードはゆっくりの方が良いですよ!!
(*^_^*)
にじいろ堂 のぞみんさん、こんばんは。
アルツ君ですが、行動範囲が広がって、施設からの脱走を企てる気配も無きにしもあらず。
まあ、ちょっと歩くと、疲れてしまい、両目が「眼瞼下垂」だから大丈夫でしょう!!
(PД`q。)。o○マヂ眠ィ○o。
暘さん、こんばんは。
口は確かに達者ですが、かなり意味不明の事を言うことも増えてきました。
なるほど、「室外用歩行車」ですか。
確かに車輪が大きい方が段差に強いでしょうね。
今でこそ、駅のホームは自動改札がほとんどですが、アルツ君ご本人は、歩行車の中で『切符も切れるぞ。』なんてことを申しておりました。
発想力はまだ衰えていないようです。
(*^_^*)
便利グッズをご利用でお父様のお散歩が楽々・・・室内とは違った、開放感での戸外での会話も元気に楽しそうに見受けられました。大好きなボタモチも食べて よかった!よかった!
myu*myu*さん、こんにちは。
ボタモチの味は覚えているのに、何で食べた時の記憶はすぐに消えてしまうんでしょうね。
歩行車ですが、昨日面会に行った時は、居室から少し離れた廊下の隅に置いてありました。
父に私が『何でこんなところに置いてるの?』と聞くと、『わからない…。誰がこんなところに置いたんだろう…???』という返事でした。
後で施設の職員さんに伺うと、アルツ君が、『大事なものだから、車庫にしまっておかないと。』と言って、自分でその場所に置いていたようです。
歩行車を置いた後、居室に戻る時に再び歩行車が必要なはずなのに…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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