アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
アルツ君の退院後ですが、前記事のコメント欄にも書かせていただきましたが、その後は特に大きな問題なく過ごしているようです。
小さな問題といえば、便秘が有る事くらいでしょうか。
前回、面会に行った際に、施設の職員さんからこのことを知らされました。
職員さん:「お父様なんですが、このところ排便が無いようでして…。今日で、マイナス5日なんですよ…。」
関係の仕事をしていらっしゃる方からすると、この『マイナス5日』はよく使う表現かもしれませんが、ヤッチにはこの言葉がおかしくて仕方ありませんでした。
『マイナス5日』って…。
じゃあ、5日前より大きなのをすれば、『プラス1』とか『プラス2』になる!?
昨日も面会に行ってきましたが、アルツ君、便秘薬のおかげで、どうやらこの『マイナス5日』をリセットできたようです。
よくよく聞くと、どうやら『マイナス5日』の時点から、小出しにチビチビと出していたそうです。
(^_^;)
さて、アルツ君の入院騒ぎで書こうと思っていた記事が先送りになってしまっていました。
ヤッチの左のおでこにできた脂肪腫と右の頬(ほお)にできた粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)の摘出の手術の事です。
後でご説明しますが、これ、実は粉瘤腫というものではありませんでした。
m(__)m
認知症や介護の記事ではないので、期待して訪問して下さった方にはつまらない記事かもしれませんが、『明日のわが身』の内容かもしれませんので、ご覧いただけたらと思います。
また、いつにもに増して長編になりそうなので、スマホやタブレットを放り投げるような事が有っても、自己責任ということでお願い申し上げます。
手術はさかのぼること、『約マイナス一か月』の2013年8月19日(月)です。
事前にMRI検査や血液検査は済んでいて、摘出の手術は日帰りの手術です。
抜糸は1週間後の8月26日(月)で、手術で摘出した腫瘍は病理検査に出されることになっていて、この結果が出たのが、9月09日(月)です。
↓ 1週間後
抜糸 8月26日
↓ 2週間後
病理検査結果 9月9日
手術当日はまだ残暑の厳しい日で13時から…。
ヤッチは大学病院の手術室に直接来るように言われていたので、早目に昼食を摂り、13時より早めの時刻に到着します。
手術室と言っても、多分何室か有るのでしょう…。
大きな扉がイッパイあります。
でも、『手術中』と表示されているところは、一つも見当たりません。
少しフロアの奥まで行くと、小さな受付のようなものがあります。
受付窓口そのものは小さいですが、覗き込むと窓口の奥は広く、手術着を着た看護師さんらしき人達が忙しそうに動いています。
窓口に座っていた女性の方にヤッチは声を掛けます。
ヤッチ:「今日、日帰りの手術をしていただくことになっている者ですが…?」
そう言いながら、ヤッチは診察券と予約票を女性に手渡します。
この女性もおそらく看護師さんだと思いますが、手術着を着て、頭には帽子を被っています。
食品工場などでも見かける髪の毛を落とさないようにするための帽子です。
この帽子の正式名称を何と言うのか知らないので、ご勘弁下さい。
形状といえば、パーマ屋さんに行って、パーマをかける時に被るものと同じで、被らない状態では、クラゲみたいなやつです。
おそらくディスポーザブルと思われ、不織布でできています。
看護師さん:「はい。左手に『手術待合室』というのがございますので、そちらでお待ちください。後ほど案内の者がそちらにお伺いします。」
ヤッチ:「わかりました。よろしくお願いします。」
案内された待合室向かいます。
3人掛けの長椅子だけが置かれた小さな個室で、中には誰も居ません。
ヤッチは長椅子に腰かけ、自宅から持って来た本を読み始めます。
本読んでいると、待合室に看護師さんと思われる女性が入って来ます。
受付にいらした女性とは違うようです。
やはり、手術着を着て、例のクラゲちゃんも被っています。
看護師さん:「今日、先生と一緒に担当させていただく、看護師の○○と申します。さっそくですが、手術に関する同意書はお持ちいただいていますか?」
ヤッチ:「はい。持って来ています。」
ヤッチは署名捺印済みの同意書を看護師さんに渡します。
看護師さん:「ありがとうございます。この同意書は、こちらでコピーさせていただき、コピーさせていただいたものを控えとして、そちらにお返しいたしますね?」
ヤッチ:「わかりました。」
看護師さん:「それで、お食事の方はどうなさっていますか?」
ヤッチ:「はい、一人暮らしなので、たまに自分で作ることもありますけど…。」
看護師さん:「…。」
ヤッチ:「いえ、いえ、冗談です。昼食は済ませてきました。」
看護師さん:「そうですか。あと時計やメガネなどは外しておいて下さい。携帯電話も電源を切って、バッグに入れておいてください。」
ヤッチ:「わかりました。」
看護師さん:「あと、着替えはどうされますか?手術着に着替えますか?」
ヤッチ:「着替えなくてはいけないなら着替えますけど?」
看護師さん:「ん~。お顔の手術だから、特に強制するものではないですけど…。」
ヤッチ:「そしたら、着替えるのは面倒なので、そちらで問題なければ、このままの服装でお願いできますか?」
看護師さん:「多分、大丈夫でしょ。では、この帽子だけ被っておいてください。」
ヤッチも看護師さんとお揃いのクラゲちゃんを渡されます。
この日のために、ヤッチは何十年ぶりかのスポーツ刈りです。
レアアースより希少資源の髪の毛をバッサリ…。
バッサリと床に落ちる音が聴こえれば、問題なしですが、多分パサもしくはヒラリだったと思います。
独り待合室で私服姿のまま、クラゲちゃんを被っている姿はかなり滑稽だったかなと…。
パーマ液が浸透するまで、しばし本を読み続けます。
しばらくして、担当して下さるという看護師さんが再び待合室に姿を見せます。
看護師さん:「先生なんですが、今連絡が入って、まだ外来の患者さんの診察が終わらないらしいのですよ。大変申し訳ありませんが、ここで、もうしばらくお待ちいただけますか?」
ヤッチ:「わかりました。」
執刀して下さる先生は形成外科の先生で、事前に診察して下さった女医さんです。
今日の午前中は外来の患者さんの診察を行っている日です。
名指しで呼んだことはありませんが、心の中では、いつもM子先生とヤッチは呼んでいます。
もしかすると、20代と思われる女医さんですが、この年齢にして、名前の末尾に『子』が付くことを考えると、ヤッチのスケベな妄想も膨らんでしまいがちになります。
(-_-;)
旧のお盆休み明けの、しかも月曜日ということで、外来患者さんが多いのかもしれません。
いつも思うのですが、外来診察のあるお医者さんって、いつ昼ご飯を食べているんですかね?
1時間くらい待ったでしょうか…。
M子先生が外来の診察を終えて、手術室にいらしたようです。
看護師さんがヤッチに声を掛けに来ます。
看護師さん:「先生が見えましたので、手術室に入ってください。」
ヤッチ:「わかりました。」
手術室の中は、テレビのドキュメンタリーやドラマで見る光景と一緒です。
大きなライトやら、得体の知れない機材がたくさん並んでいます。
看護師さん:「お顔の小手術とのことですが、大げさな設備でビックリされたでしょう?」
ヤッチ:「そうですね…。」
看護師さん:「荷物はこちらに置いて頂いて、手術台に仰向けで寝て下さい。」
ヤッチ:「わかりました。」
ヤッチは言われた通り手術台に寝ます。
看護師さん:「一応、血圧と心電図計を着けさせていただきますね。手術中にも自動で何度か血圧計が動きますので、びっくりしないでくださいね。血圧は普段高い方ですか?」
ヤッチ:「はい、高いです。(即答)」
看護師さん:「降圧剤は飲んでいらっしゃいますか?」
ヤッチ:「いえ。気合で下げようと思っていますが、なかなか下がりません。塩分を控えめにしているくらいかな…。」
看護師さん:「そうしたら、最初は普段よりももっと高くなってしまうかもしれませんね~。」
ヤッチ:「はい…、女性の前ではさらに…。」
M子先生が手術室に入って来たようです。
M子先生:「こんにちは。すいません、遅くなってしまって…。」
仰向けに寝ているヤッチの頭の方で声がしたので、ヤッチにはM子先生の姿が見えません。
どうやら、デートなら、なかなか上級者のテクです。
ヤッチ:「お世話になってま~す。」
M子先生が色々と手術の準備を始めているようで、看護師さんと二人で忙しそうにしています。
M子先生:「どうしようか?」
どうやら手術の時に顔を覆う布、覆布(おいふ)の事で看護師さんと相談しているようです。
ヤッチからすると、そんなのいらないよという感じなのですが、口出しするわけにはいきません。
手術する部位が2ヶ所なので、くり抜き部分の位置が問題になっているようです。
M子先生:「もう一か所の方は切ってしまいましょうか?」
看護師さん:「あー、そうですね。おでこを先にするなら、後から頬の方をハサミで…。」
今度はM子先生がヤッチに声を掛けます。
M子先生:「少し大げさかもしれませんが、一応決まり事なので、顔を覆っていきますね?」
ヤッチ:「了解です。」
どうやら、最初に手術するのは、おでこの脂肪腫のようです。
手術台のライトが点灯します。
かなりまぶしいです。
覆布越しでも、ライトが目に入ってきます。
M子先生:「最初にお顔を消毒しますね。少し冷たく感じるかもしれません。」
M子先生は患部の消毒を始めたようです。
消毒が終わると、どのようにヤッチの顔を料理するかのマーキングです。(こっちを先にやったのかな!?)
M子先生:「おでこにシワを寄せてくださいます?」
ヤッチは、目を見開き、おでこにシワを寄せます。
たぶん、シワに沿ってメスを入れるのでしょう…。
M子先生:「ありがとうございます。今度は局所麻酔をおでこに打って行きます。少しチクっとしますよ。」
ヤッチ:「はい。」
M子先生:「何か所かチクっとします。」
ヤッチ:「はい。」
M子先生:「麻酔が効くまで、楽にしていいですよ。」
さほど、くつろぐ間もなくM子先生が再び声を掛けます。
M子先生:「これ、感じます?」
M子先生がおでこを何かでつついているようです。
麻酔が効いていたので、もう全く感覚がなく、どんなものでつつかれているのかもわかりませんし、つつかれていたのかどうかもわかりませんでした。
ヤッチ:「感じません。」
M子先生:「それでは、はじめて行きますね。」
当然のことながら、この辺からは、メスを入れられたのもわからないし、M子先生がどんな作業をしているのかもわかりません。
ただ寝ているヤッチの枕元でM子先生がゴソゴソやっているという感覚だけです。
しばらくすると、痛みはありませんが、少し頭を持ち上げられるというか、引っ張り上げられるというか、そんな感覚が伝わります。
推測ですが、切開したところから、M子先生が脂肪腫を引き出しているのではないかと…。
この感覚は、この後、何回か伝わります。
もしかして、手こずっている…???
また少し時間が経過すると、麻酔が切れてきたのでしょうか…。
時折、チクチクと痛みが走ります。
ヤッチはそのたびに、顔をゆがめます。
おでこの骨を、お箸か何かでこすられているような感覚にも思えます。
M子先生:「痛いですか?」
覆布があるのに、明るいライトのせいで、M子先生にはヤッチの表情がわかるのでしょうか…。
ヤッチ:「ちょっと、チクチクと痛いです。」
M子先生:「それでは麻酔を足していきますね?」
不思議と麻酔の針の痛みは全く感じません。
M子先生:「まだ、痛いですか?」
ヤッチ:「いえ、大丈夫です。」
この後もM子先生のゴソゴソはしばらく続きましたが、脂肪腫の摘出は完了したようです。
M子先生:「取り残しが無いか、確認しますね?」
余談ですが、ヤッチのパソコン、いつも『取り残し』が『鳥の腰』と変換されてしまいます。
(-_-;)
おでこに鳥の腰があるのは勘弁だし、だいたい鳥の腰はどの部分?
ヤッチのおでこに、ニワトリは、いなかったようです。
M子先生:「縫合も済みました。次は頬をやらせていただきますね。身体はそのままで結構ですので、顔だけ少し横に向けられます?」
ヤッチ:「はい。」
この後は、おでこの時と、全く同じ手順で手術が進められます。
頬の粉瘤腫の摘出の手術は、皮膚にできた腫瘍を皮膚ごと丸く切り取ってしまうような感じで、中から取り出すようなものがなかったのか、すぐに終了です。
おでこと頬の手術で、合計で1時間もかかっていなかったのではないかと思います。
最後に看護師さんに手術してもらった箇所をガーゼとテープで固定してもらって、手術は無事終了です。
M子先生:「お疲れさまでした。ゆっくり起き上がってください。」
ヤッチ:「ありがとうございました。」
M子先生:「やはり、おでこの方は(脂肪腫が)骨にくっ付いていましたね。」
MRI検査後の診察時には筋肉や骨には付いていないようなことをおっしゃっていましたが、やはり開けてみないとわからないものですね…。
ヤッチ:「それで、時間がかかっていたんですね。」
M子先生:「そうです。もう少し簡単に取れると思っていたのですが、上手く取らないとですからね…。」
ヤッチ:「お手数を掛けました。」
M子先生:「切除したものを、ご覧になりますか?」
ヤッチ:「あ、はい。是非見てみたいです。」
M子先生:「これです。」
M子先生はそうおっしゃって作業台を指さします。
ヤッチも自分の分身を確認します。
コテッチャンが二つ、作業台の上に並べられています。
ヤッチ:「頬の方はそのままの大きさみたいですけど、おでこの脂肪腫はそんなに大きくないですね?」
M子先生:「いえ、取り出した時はもっと大きかったんですよ。空気に触れて縮んじゃったんです。今の倍近くは有ったかな?」
ヤッチ:「へえー、縮むんですか~???」
相変わらず、興味のターゲットが変るのはヤッチの悪い癖です…。
(-_-;)
M子先生:「こちらは病理検査に出させていただきますね?」
ヤッチ:「はい。よろしくお願いします。」
M子先生:「で、傷口なんですけど、止血はして、糸で縫ってあります。ただ、特におでこの方は取り除いたところが、空洞になっていて、そこに血液が貯まってしまう可能性があります。赤く腫れたりとか、我慢できない痛みがあるなら、すぐに病院にいらして下さい。」
ヤッチ:「わかりました。」
M子先生:「今は、まだ麻酔が効いていて、感覚があまりないと思いますが、醒めて来ると多少痛みがあるかもしれません。痛み止めと抗生剤を出しておきます。抗生剤の方は3日分出しておきますので、痛くなくても3日間は必ず飲んでください。人によって、お腹がゆるくなる方もいらっしゃるので、胃薬も出しておきますので、それも一緒に飲んでくださいね。」
ヤッチ:「お風呂は?」
M子先生:「今日は我慢してください。」
ヤッチ:「明日から?」
M子先生:「明日からは良いですけど、できれば、明日も手術したところには、お水を掛けない方がいいかな!?消毒薬と軟膏のお薬も出しておきますので、夏の暑い時期なので、清潔を保ってこまめにガーゼは交換するようにしてください。」
ヤッチ:「わかりました。」
M子先生:「抜糸は1週間後です。今度はここ(手術室)ではなく、いつもいらっしゃる外来の診察室でやらせていただきます。」
ヤッチ:「わかりました。どうもありがとうございました。」
この後、会計の手続きをして、調剤薬局に足を運びます。
処方された薬(3日分)は以下の通りです。
- フロモックス錠100mg(抗生物質)
- 1日3回毎食後
- ロキソニン錠60mg(痛み止め)
- 1日3回毎食後
- ムコスタ錠100mg(胃薬)
- 1日3回毎食後
- 0.02%ヘキザック水w(消毒液)
- 1日1回
- ゲンタシン軟膏0.1%(塗り薬)
- 1日1回
※薬剤名をクリックすると詳細をご覧になれます。
調剤薬局で薬剤師さんから薬の説明を受けます。
ヤッチ:「あれ?そう言えば、消毒液は入っているけど、ガーゼとかテープが入っていないよね?」
薬剤師さん:「病院の先生に電話で確認しましょうか?」
ヤッチ:「いや、多分、まだ手術室にいらっしゃると思うから、電話じゃ、つかまらないかも!?直接、自分で聞いて来ますよ。」
まだ、さほど時間が経っていないので、M子先生は手術室にいらっしゃるはず…。
調剤薬局から大学病院の手術室の受付まで戻ると、予想通り、何かの作業をしているM子先生の姿が見えます。
ヤッチ:「先生、処方していただいた薬の中に、ガーゼとかテープが入っていないんですけど?」
M子先生:「ごめんなさい。申し上げるのを忘れました。ガーゼとかテープは衛生材料なので、お出しできないんですよ~。」
ヤッチ:「そうなんですか…。じゃあ、自分で買うっていうこと?」
M子先生:「すいません。ドラッグストア等でご購入いただけますか?」
そう言えば、以前にもこういうことがありましたね!?
ヤッチが顔面神経麻痺で入院して、片目をまだ上手く閉じられなかった時…。
看護師さんがメパッチクリアなる防水性のテープをシャワー前に、ヤッチの片目に貼って、水が入らないようにしてくれたことがあります。
これを『処方してくれ』と言ったら、『自分で買ってくれ』と言われたことを…。
(-_-;)
保険適用でなくても良いから、こういった衛生材料を実費で分けていただければ良いのにと思うのは、ヤッチだけでしょうか…。
(-_-;)
手術日当日は、麻酔が醒めて来ると、頭に鉢巻をきつく巻かれたような痛みが残りました。
喋ったり、ものを食べて運動範囲が広いはずの頬の方は全く、痛みがありませんでした。
画像は、手術前と手術して縫合したばかりの傷口です。
普段、無精ひげははやしていませんが、写真を撮る時だけなぜか無精ひげ状態…。
(-_-;)
ワイルドなヤッチをお楽しみください。
また、サムネイル表示しようと思いましたが、苦手な方もいらっしゃると思いますので、リンクで表示しています。
ご興味のある方はリンクの文字をクリックしてみてください。
1週間後は抜糸です。
頬はやはり手術後もまったく痛みもなく、経過です。
おでこは、髪をかきあげたりする動作をすると、患部を中心に髪を引っ張られるような痛みが走ります。
1週間後8月26日、大学病院に行き、ヤッチは待合室でM子先生に呼ばれるのを待ちます。
ヤッチの名前が呼ばれます。
ヤッチはM子先生の診察室をノックします。
M子先生:「その後どうですか?」
ヤッチ:「頬は特に問題なしですが、おでこの方はまだ少し痛みが残っています。」
M子先生:「そうですか…。まあ、それは仕方ないですね。では、抜糸しますので、そこに横になってください。」
ヤッチは診察室のベッドに仰向けで寝ます。
M子先生がヤッチのおでこの傷口を覗き込みます。
M子先生:「まあ、順調に傷口がふさがってきているんではないでしょうか。抜糸しても大丈夫そうですね。すぐ終わりますからね。」
30秒もかからなかったのではないでしょうか。
抜糸完了です。
M子先生はヤッチの抜糸後の傷口に直接テープを貼ります。
M子先生:「後で、お教えしますけど、今貼っているのと同じテープがこの病院の売店に売っています。それを買っていただき、貼っておいてください。」
ヤッチ:「1階の売店ですか?」
M子先生:「そうです。これを貼っておいた方が傷の治りも早いし、日焼け防止にもなるので、しばらくはこれを貼って様子をみて下さい。」
ヤッチ:「わかりました。」
テープを貼り終わると、M子先生がヤッチに今貼ったテープの見本を手渡します。
残念ながら、メールアドレスは書かれていませんでした。
(-_-;)
テープの見本(画像)
M子先生:「病理検査の結果が今日は届いていると思ったのですが、まだ出ていないんですよ~。」
ヤッチ:「そうなんですか…。」
M子先生:「余裕をみて、2週間後なら出ていると思うので、2週間後の9月9日はいかがでしょうか?」
ヤッチ:「はい。私は先生のご都合に合わせていただいて構いません。」
M子先生:「それでは、9月9日の10時30分に予約を入れておきます。」
ヤッチ:「テープはいつぐらいまで貼り続けなきゃ駄目なんですかね?」
M子先生:「最低1週間は貼っておいていただきたいところですけど、それ以降は、家にいらっしゃるときなら、貼らないでもいいですよ。」
ヤッチ:「わかりました。では、また2週間後に…。」
ヤッチはM子先生に言われた通りに、病院内の売店で傷に貼るテープを購入しました。
購入したテープ(画像)
何だか最初は『壁紙みたいだな!?』なんて思いましたが、意外に貼ってみると、皮膚の色に馴染んで、傷も目立たなくなります。
ヤッチの抜糸が済んだあと、この2日後にアルツ君の入院騒ぎ…。
でもこのテープのおかげで、アルツ君に傷がバレずに済みました。
実は、抜糸前はガーゼの上にテープを貼っている状態だったので、まるで試合後のボクサー状態…。
アルツ君が心配すると思い、面会にも行っていなかったんです。
抜糸後、1週間もすると、おでこの傷も特に傷口を触らない限りは、痛むこともなくなりました。
多少、赤みはあるものの、あまり気にならない程度にまでなってきました。
9月9日、病理検査の結果を聞きに行く日が来ました。
いつものように大学病院の待合室でM子先生に呼ばれるのを待ちます。
ヤッチの名前が呼ばれます。
M子先生:「傷の方を見せてもらってもいいですか?」
ヤッチ:「はい。」
M子先生:「うん、これならまず大丈夫でしょう。少し赤くなっていますが、段々これも取れて、傷口も時間の経過とともに目立たなくなると思いますよ。病理検査の結果も出ています。」
ヤッチ:「ありがとうございます。おでこの方は時折、まだ痛むことがあるんですが?」
M子先生:「そうですね。おでこの脂肪腫は筋肉の裏側でしたからね。筋肉を裂いて取ったので、やはりその分、痛むのかもしれませんね。」
ヤッチ:「それをお伺いしただけで、なんか痛いわ…。」
M子先生:「そのおでこの方ですが、やはり良性の脂肪腫でした。悪性ではない脂肪のかたまりです。頬の方は『脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)』でした。」
ヤッチ:「粉瘤腫というお話でしたが、そうではなかったんですね?」
M子先生:「そうですね。粉瘤腫なら袋状のものが皮膚の中に入っていることがありますが、そういうものも無いようでしたので、まず、『脂漏性角化症』で間違いないと思います。」
ヤッチ:「その『しろうせい何とか』というのは?」
M子先生:「皮膚にできる良性の腫瘍で、長い時間日焼けしたりすると、なりやすいようです。今すぐ日焼けをしたから、すぐにできるというのではなく、長い期間紫外線を浴びてきた、その蓄積が大きいかもしれませんね…。」
後で、自分で調べてわかったことですが、この『脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)』というのは、『老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)』とか、『年寄りイボ』とかの別名があり、紫外線の影響や皮膚の老化よってできるもののようです。
皮膚の色に近いものから、ヤッチのように黒っぽいものまであり、シミと違って、少し盛り上がっていることが特徴のようです。
また、年々大きくなって、数も増えて来るとか…。
良性なものなのは、放置しても構わないようですが、大きくなってから切除しようと思えば、切除跡も大きくなってしまう可能性も有るので、手術して取るかは悩みどころですよね…。
M子先生としては、50歳にリーチのかかったヤッチに『老人性』とか、『年寄り』という言葉を使うのは、あまりに微妙な年齢なので、あえて難しい『脂漏性角化症』という言葉を選んだのかもしれません。
また、長時間の日焼けが原因の一つともおっしゃっていましたが、ヤッチの場合は元々肌の色が白く、若い頃はあまり好んで日焼けをする方ではありませんでした。
若い頃からの紫外線を浴びている時間をトータルすれば、もしかすると、一般の人に比べれば、短い時間なのかもしれません。
ヤッチ:「これ(脂漏性角化症)は、年々大きくなってしまうものなんでしょうか?」
M子先生:「個人差や体質的なものがあるのかもしれませんが、大きくなることはあっても、小さくなるという可能性は低いでしょうね。」
ヤッチ:「それじゃあ、小さいうちに取っておいた方が、取った跡が小さくて済むということですよね?」
M子先生:「良性のものであれば、放置でも構わないので、どうしても気になるので有れば、取っても構わないですけど、いずれにしても切って取る場合は、傷が全く残らないというわけではないので…。」
ヤッチ:「実はこめかみ辺りにもこの『しろうせい何とか』ができているんでよね…。先日取っていただいたものよりはまだ小さいんですけどね…。」
M子先生:「そうですね…。」
ヤッチ:「早いうちに、取ってもらおうかなぁ…。お願いすれば、取ってもらえますか?」
M子先生:「はい、どうなさいますか?」
ヤッチ:「うん~、お願いしちゃおうかな~。」
おおいに悩みどころでしたが、小さいうちに取ってしまうことを選択…。
11月に手術の予約を入れてしまいました。
(-_-;)
ヤッチ:「それにしても、何だって顔面神経麻痺以来、顔にトラブル続きなんですかね…。以前はこんなにたくさん、顔に『しろうせい何とか』は無かったような気がするんですけどね~???」
M子先生:「やはり、年齢的なものではないでしょうか…。」
ん…。
M子先生
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
[参考]:脂漏性角化症|慶應義塾大学病院 KOMPAS
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クラゲちゃんと鳥の腰がツボにはまりました(笑)
腫瘍の写真ないのかな~と思って読んでたら、ありました!
ほ~~ほ~~なるほど。
お大事にして下さい~
ぴよこさん、こんばんは。
私のPCは、学習能力が低く、誤変換が結構あります。
気づかずに記事を書いていることもあるので、過去の記事の中に笑える文字がたくさんあるかもしれませんよ。
クラゲちゃんですが、これを頭にかぶると、気の強そうな人や少々悪人顔の人も、温和な感じになるのはなぜなんでしょうかね。
あと、お風呂や温泉、あるいは太った中年女性を想像してしまうのは、年齢的なものなのでしょうか…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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