すっかりご無沙汰しております。
お変わりありませんでしょうか?
ヤッチの「お変わり」といえば、髪の本数がさらに減ったことでしょうか。
この頃はお風呂に入ると、「BE MY BABY」を熱唱しながら、シャンプーしています。
もとい、地肌のマッサージをしています。
さて、先日は姉の付き添いで、税務署へ確定申告に行ってきました。
というのも、父アルツ君、母キノコさんの年金が姉名義の口座に、「未支給年金」として去年(2018年)振り込まれたからです。
これから書く内容は、以前書いた記事と重複するところがたくさんありますが、ご了承くださいね。
ご存じのように父アルツ君は2016年11月に、母キノコさんは去年の2018年4月に亡くなっています。
本来、父母が一人一人もらうはずだった年金です。
でも、お二人ともこの世にいないので、国に請求して、姉の銀行口座に振り込んでもらいました。
実際の年金請求の手続きはヤッチがしましたが、請求者の名前、口座名義人は姉です。
年金を受けている人が亡くなったときに、まだ受け取っていない年金などは、「未支給年金」としてその人と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。
「未支給年金」は、年金を受給していた方がお亡くなりになると、ほぼ生じることなので、ご存じない方は、ぜひこの機会に頭の片隅にでも入れておいてください。
海馬と連携を取りやすい位置の大脳皮質がベストだと思います。
未支給年金を受け取れる遺族の範囲は以下のとおりです。
年金を受けていた方が亡くなった当時、その方と生計を同じくしていた、
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- その他1~6以外の3親等内の親族
「生計を同じくしていた」とは、実際に一緒に住んでいなくても、音信や面会が有ったなど、証明(第三者の証明)が得られれば、認められます。
また、「遺族」なんていうと、遺産相続を連想してしまいますが、この未支給年金は、相続税の対象ではなく、所得税の対象です。
「一時所得」の扱いです。
参考:
未支給の国民年金に係る相続税の課税関係

(国税庁)
年金事務所で聞いたところ、一時所得の金額が50万円を超えた場合は、確定申告が必要になる場合があるとのこと。
50万円以下の場合は確定申告の必要ないとのことでした。
この50万円という数字、後からキーワードになりますので、よく覚えておいてください。
ついでに、「サクラ、猫、電車」の3つも覚えておいてください。
実際にどの程度の税額になるか、年金事務所で質問しましたが、「それは税務署でおたずねください。」と教えてもらえませんでした。
責任問題になるので、かん口令が敷かれているようですね。
姉は会社勤めをしていて給与所得者です。
たいていのことは、年末調整で完結するわけですが、どうも年金によって一定額以上の収入を得た場合は、確定申告が必要になるようです。
未支給年金は、一度に振り込まれたわけではありませんが、姉の口座に振り込まれた合計は500万円近く。。。
父アルツ君は老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給していました。
アルツ君の特養での生活は主にこの年金が原資です。
アルツ君の年金加入記録についてですが、当時の社会保険庁(現在の日本年金機構)に記録されていない記録(未統合記録)として、アルツ君が亡くなった後に見つかりました。
昭和22年3月から昭和23年4月までの約1年間の厚生年金に加入していた期間の記録です。
本人の年齢からすると、19歳から20歳まで厚生年金の適用事業所(会社)に勤務していた時の記録です。
かれこれ70年前の記録です。
年金の支給開始年齢は、アルツ君の年代だと、60歳から支給されていますから、亡くなる88歳までの約28年間もらい損ねたことになります。
たった1年程度の加入記録ですが、年金額に反映されるわけで、仮に年額1万円でも28万円のもらい損ねです。
現在、年金時効特例法が施行されているので、アルツ君のようなケースの場合は「時効特例給付」として、過去にさかのぼった分も一時金として、支給されます。
参考:
年金時効特例法について

(日本年金機構)
しかも、「遅延特別加算金」と称して、利息のようなものも一時金として支給されます。
全部一括して振り込まれれば、わかりやすいのですが、時効の関係上、直近5年分が先に振り込まれ、後から残りの額と、2回に分けて振り込まれます。
たった1年間の加入記録ですが、200万円以上。。。
未統合記録として、このもらい損ねた年金をアルツ君が亡くなった後に、母キノコさん名前で請求しました。
しかし、このもらい忘れの年金の請求中に、今度は母キノコさんが入院&亡くなってしまったわけで、いわば姉の請求した年金は、未支給年金の未支給年金のようなものです。
「会議をどこでやるかを会議する」、「親亀の背中に子亀を乗せて~」、「賛成の反対なのだ。」みたいな面倒な話です。
しかしながら、これだけでは済まないんですね。。。
キノコさんのほうはキノコさんで、本来60歳からもらえる自分の老齢基礎年金・老齢厚生年金をもらっていなかったという事実が。。。
ややこしくなるので、端折りますが、かれこれ25年分の年金をもらい損ねていました。
ご存じのように年金は請求しないともらえません。
仮に30年前に手続きすれば、年金をもらえたのに、請求せず放置し、今になって、請求し忘れていたことに気づいて、慌てて請求したとします。
年金の請求権には5年という時効がありますから、請求しても、もらえるのは最近の5年分だけで、30年-5年=25年の年金は時効消滅して、もらうことはできません。
25年分の年金はパーです。
上記のように、単に自分が請求するのを忘れていて、「請求遅れ」となった場合、忘れていた自分が悪いのであって、25年分がパーになったとしても仕方のないことです。
「請求遅れ」の場合は一般的には年金時効特例法も対象外の扱いで、給付されません。
ところが、事情があって、キノコさんの場合はそうでなかった。
乱暴な言葉を使えば、当時の役所(社会保険事務所=年金事務所)の手違いによって、もらえなかったという話です。
ヤッチサイドとしては、「受理しなければ、社会保険審査会に審査請求する」、「訴訟も視野に入れる。」で、臨みました。
年金事務所は「時効特例には該当しない。」、「時効を援用する。(時効の成立を主張する。)」と互いに譲らず平行線のまま。。。
ようやく去年(2018年)、こちらの言い分が認められ、「時効特例給付」としてキノコさんのもらい損ねていた年金も支給されることになりました。
キノコさんの場合は、アルツ君のように長く会社勤めをしていませんでした。
戦後、連合軍総司令部(GHQ)の配下で、ウエイトレスを2年に満たない程度やっていただけです。
正確には19カ月の短い厚生年金の加入期間ですが、それでも今回、時効特例給付として振り込まれた金額は180万円を超えます。
また、さらにさらにややこしい話ですが、父アルツ君が亡くなったことによる遺族厚生年金をキノコさんは受給(実際には支給停止扱い)していましたから、この金額も修正され、一時金として、支給されました。
さらに、去年(2018年)4月にキノコさんは亡くなっていますから、この4月の1カ月分の年金も未支給年金として、支給されました。
年金をもらっている人が亡くなった場合、死亡した月の年金がたいてい未支給となるので、請求すれば、最後に表示したはがき一枚が届くだけで、我が家のように、たくさんの通知が届くようなことはないと思います。
掲載させてもらった画像ほかに、内訳も同封されて来ましたから、届く書類は多量です。
実際の手続きはヤッチがやったと申しましたが、送付先は姉にしていました。
たぶん、お姉様、わけのわからない状況だったことが推測されます。
なので、事情をよく知っているヤッチが姉の税務署への確定申告のお供に。
事前に、去年(平成30年)、姉の口座に振り込まれた年金関係の金額を表にしておきました。
未支給年金の内訳 | ||
---|---|---|
種別 | 期間 | 金額 |
アルツ君 時効特例給付 老齢 基礎・厚生 | 昭和63年03月 ~ 平成24年11月 (297カ月分) | 2,010,858円 |
アルツ君 遅延特別加算金 老齢 基礎・厚生 | 185,159円 | |
アルツ君 未支給年金 老齢 厚生 | 平成24年12月 ~ 平成28年11月 (48カ月分) | 329,409円 ※ |
キノコさん 時効特例給付 老齢 基礎・厚生 | 昭和63年10月 ~ 平成24年05月 (284カ月分) | 1,875,716円 |
キノコさん 遅延特別加算金 老齢 基礎・厚生 | 172,714円 | |
キノコさん 老齢 基礎・厚生 | 平成24年06月 ~平成30年03月 (70カ月分) | キノコさん 本人に支給済 |
キノコさん 未支給年金 老齢 基礎・厚生 | 平成30年04月 ~ 平成30年04月 (1カ月分) | 24,378円 ※ |
キノコさん 未支給年金 遺族 厚生 | 平成28年12月 ~平成30年04月 (17カ月分) | 135,996円 ※ |
合 計 | 4,734,230円 |
上記のほかにも、払いすぎた介護保険料の還付だとか、わずかな金額ですが、入金されています。
課税対象となりそうな金額は、微妙に50万円を超えそうです。
自分で、手続きしていないのだから、姉に何のお金なのか説明できるはずありません。
なので、税務署で説明を求められたときに、答えられるようにヤッチも税務署へ出向いたわけです。
税務署の相談窓口は1階ではなく、2階でした。
1階は、申告書の提出のみの窓口で、相談してから申告書を作成する人はまず2階に行くようです。
2階に上がり、1時間近く待たされて、ようやく職員さんとご対面です。
姉:「父母が亡くなって。去年、その父母の年金が私の口座に振り込まれたのですが?」
そう言って、姉はヤッチが作成した表を税務署員さんに見せます。
税務署員さん:「これは、去年1年間だけのものですか?」
姉:「???」
ヤッチが割って入ります。
ヤッチ:「去年(前年)のものも含まれていますが、ほとんどは時効特例給付として、過去に遡及して支払われたものです。昭和63年から支払われるものも含まれています。振り込みは、一時金で去年一括です。」
税務署員さん:「ちょっとお待ちくださいね。」
何やらこの署員さんにはご理解いただけなかったようで、席を外し、別の署員さんと相談しています。
別の署員さんが私たち二人の前にいらっしゃいます。
税務署員さん:「確定申告は前年の所得についてやっていただくものですから、お伺いした限りでは、申告の必要はないかと存じます。」
ヤッチ:「と、おっしゃいますと?」
税務署員さん:「過去にさかのぼって、1年ごとに収入・所得金額に換算しても、その金額が20万円におそらく満たない金額になるので、必用ないかと…。」
20万円???
未支給年金は、「一時所得」であって、「雑所得」ではないような気がするんですけどね…。
給与所得者が副収入などで収入を得た場合、その所得金額(収入金額-必要経費)の合計額が20万円を超えると、確定申告が必要です。
ブログ等でアフィリエイトをされている方なら、ご存じかと思いますが、おそらく税務署員さんはこの「20万円」のことをおっしゃっているのだと思います。
ヤッチ:「各年に按分して、所得金額を割り出すということですか?」
税務署員さん:「そうです。そうです。」
ヤッチ:「となると、去年1年間分として、相当大きな金額の年金が振り込まれないと、確定申告の必要はないということですよね?」
税務署員さん:「そうですね。」
税務署員さん、忙しいのか、足早に去って行ってしまいました。
そもそも、時効特例給付は、年金の請求の時効である「5年」を国が「特例」によって支給する年金です。
おそらく、時効特例給付の過去にさかのぼって5年を超える部分については、所得税の課税徴収権(5年)は消滅しています。
つまり、過去にさかのぼって5年を超える部分については、こちらサイドとしては、税金を支払わなくてもよいものだと思います。
この辺はヤッチもうすい頭だけに、「支払わなくてもよい」と、うすうす気づいていました。
でも、直近(最近)の5年分について支払われた年金については、課税徴収権の時効は消滅していないので、一定額(20万円ではなく、50万円)を超えれば、「一時所得」として課税されるというのが、ヤッチの考えです。
自分の懐からではないので、払う気満々なのに…。
「20万円」という控除額も本来は「50万円」というべきものであって、所得の種類も違うもののような気がしますが、税務署が「申告しなくてもよい」というものを「いや!申告して支払う!」というのも変なので、その場を後にしました。
少しというか、大いに納得がいかなかったので、税務署の1階でも同じ質問をぶつけてみました。
税務署員さん:「2階の人がそう言っているなら、それで間違いないと思いますよ。2階のほうが専門だから。」
姉と二人で、税務署を出ます。
姉:「せっかく会社休んで来たのに…。こんな簡単な話なら、電話で教えてくれればいいじゃん!」
お姉様、さすがです…。
そして、ごもっともです!
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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キーワード検索 : 未支給年金 時効特例給付 確定申告 年金時効特例法 未統合記録 遅延特別加算金
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