アルツ君は職人進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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入院中、退院後の向精神薬の投与の是非は?

2015/02/08 (日)  カテゴリー: アルツ君
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アルツ君の腕

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

ご報告が遅くなりましたが、アルツ君、2月5日木曜日に退院しました。

冷たい雪の降る中の退院となりましたが、生きて特養に戻ってきました。

この日のアルツ君は特別養護老人ホームに戻ってもほとんど眠ってばかりで、あまり元気とは言えない様子でした。

朝退院し、特養のベッドで夕方までいびきをかいて寝ていました。

入院している時と違って、もう点滴を外されてしまっていますから、水分摂取は自力で自分の口から摂るしかありません。

このままの傾眠傾向が続けば、また危うい状態になってしまうのは確実です。

そんなアルツ君ですが、食事摂取や水分摂取が上手くできず、熱も上がったり下がったりを繰り返していたので、特別養護老人ホームの職員さん、看護師さん、そして特養の嘱託医の勧めもあり、O病院に1月29日木曜日に入院しました。

結局のところ、O病院では、アルツ君の退院までの間、きちんとした病状説明というのは、前回記事にもさせていただいたものだけで終わってしまいました。

しかも入院時の病状説明は看護師さんから入院に際しての留意事項を聞き、いろいろな書類にサインをしてすぐの、まだパタパタしている時の午前中の病状説明でした。

ですから、細かな検査をした後の病状説明ではなかったのではないかという気がします。

アルツ君の入院中、アルツ君の病室内で、医師と質疑応答程度のことはあっても、結局、検査結果の数値だとか、画像を見せられて、時間を掛けて医師と話をする場面というのは、一度も有りませんでした。

当のアルツ君ですが、入院二日目から、同じ病室内の患者さんとトラブルになったらしく、早くも病室を移されてしまいました。

細かな事情はお伺いできませんでしたが、おそらく他の患者さんの話声にアルツ君が『うるさいっ!』と大声を上げ、『お前が一番うるさいんだよ状態』で病室を移されたんだと思います。

移された病室はアルツ君を含め、三人。

他の二人の患者さんは女性でしかも絶食状態の様子で静かな病室…。

お決まりになってしまったナースステーションから監視の目が届く病室でした。

入院初日はヤッチの食事介助の申し出を断られましたが、二日目から一変して、病院側から食事介助をお願いされる始末…。

『ああ、また、なんかやらかしたな?』と察しのつくような変りっぷりです。

入院初日の夕方からアルツ君の点滴治療が始まったようですが、退院日前日になっても、アルツ君の元気な姿を拝むことは出来ませんでした。

入院2日目からヤッチが昼と夜の2回、アルツ君の食事介助に毎日出かけましたが、いつ面会に行ってもアルツ君、眠っています。

声を掛けて起こそうとしても、全く起きてくれない日もあるし、起きてくれたとしても、何だか朦朧としています。

水分については点滴が入っているので、さほど心配しなくてもよいと考えましたが、食事摂取量を増やすための入院だったのにも関わらず、全入院期間を平均すると、まあ出された食事の5割程度の摂取だったのではないでしょうか。

アルツ君が起きてくれたとしても、アルツ君の出す声が日に日に小さくなっていく印象でした。

アルツ君の口元へ耳を近づけないと、しゃべっている言葉を聞き取れない日も…。

目を開けても、穏やかなのは良いのですが、何だか焦点が合わず、遠い目をしていて、アルツ君本来の目ではありません。

正直、入院先のO病院の先生の病状説明通りになってしまうのかと、ちょっと心が折れそうになる日もありました。

もちろん、ちゃんと起きていて、食事もモリモリ食べてくれる日も有りましたが、数えるほどしかなかったとヤッチは記憶しています。

こんな日が続き、入院も後半になって来ました。

2月2日月曜日にアルツ君のお昼ご飯の介助をしていた時、担当の先生が病室にいらっしゃいます。

ヤッチの食事介助の様子を背後からご覧になり、介助が終わるのを待って、先生がヤッチに声を掛けます。

アルツ君は眠ってしまいました。

先生:「そうやって、お父さんとコミュニケーションを取りながら食事を摂ってもらうのは実によいことだと思うよ。上手だね。」

ヤッチ:「いえいえ、まだ数えるほどしか、やった事が無いので…。」

先生:「実は今日は相談したいことがあって…。」

ヤッチ:「はい、何でしょう?」

先生:「実は、お父さんのことなんだけど。」

ヤッチ:「はい…。」

先生:「今は静かに眠っていらっしゃるし、ご家族がご面会にいらっしゃってる時は穏やかなんだけど、どうも夜中になると、さびしくなるのか騒ぎ出すらしいんですよ…。」

ヤッチ:「うん…。それは昔からなんですけどねぇ…?」

先生:「でね、昨日の夜もかなり大きな声を出すことが有って、ご存知のように、ここは病院でしょ?」

ヤッチ:「他の患者さんの迷惑になっちゃう…?」

先生:「そう…。」

ヤッチ:「で?」

先生:「ネットで検索して調べてもらってもいいんだけど、今日の夜から『リボトリール』っていう薬を使おうと思ってるんですよ。」

ヤッチ:「『リボトリール』…。」

先生:「そう、お父様の睡眠を改善するお薬です。これを0.5mgから始めようと思うんですよ。」

ヤッチ:「どんな薬かわからないから、0.5mgとおっしゃられても、弱いのか強いのかわからないんですけど…。」

先生:「その辺は心配しなくても大丈夫、そんなに強い薬じゃないから。」

ヤッチ:「…。」

先生:「ここにお父様が入院していらっしゃる間、僕がちゃんと様子を診させていただきますから。それに、その方がお父様の昼夜逆転傾向も改善されていいと思うし、施設に戻られてからだって、きっと睡眠のバランスが取れて今よりはずっと健康的になると思うよ。」

ヤッチ:「ん…。で使うのは、夜だけですか?あと、それは点滴で入れるんですか?」

先生:「今日の夜から使おうと思っています。点滴で入れるのではなく、飲薬です。夕食の時に服用してもらおうと思っています。」

ヤッチ:「なんだか、ちょっとこわいな…。」

先生:「その辺は注意深く見守らせていただきますから、心配しないで。お父様にとっても、他の患者さんのためにも決してマイナスになることではないから。」

ヤッチ:「一応、ここに父が居る間だけと考えてよろしいんですね?」

先生:「その辺は経過をみて判断させて下さい。」

ヤッチ:「ん…。他の患者さんのことを言われると、私の方も何も言えなくなっちゃうよな…。姉にも連絡させていただきますけどよろしいですか?」

先生:「もちろん、もちろん。」

ヤッチ:「『リボトリール』ですね?」

先生:「そうです。今日の夜から処方します。」

早速、家に帰り、O病院の先生のおっしゃった通りにネット検索です。

▽引用
リボトリール錠0.5mg
成分(一般名)
クロナゼパム
製品例
リボトリール錠0.5mg~1mg~2mg、リボトリール細粒0.1%~0.5%、ランドセン錠0.5mg~1mg~2mg、ランドセン細粒0.1%~0.5%
区分
抗てんかん剤/ベンゾジアゼピン系/抗てんかん剤
概説
てんかん発作を予防するお薬です。そのほか、体のふるえやパニック障害などの治療に応用されることがあります。
作用
脳の神経をしずめて、てんかん発作が起こりにくい状態にします。とくに、顔や手足がぴくつくミオクロニー発作に効果が高いです。他の抗てんかん薬が十分効かないときに切り替えたり、併用することもあります。
神経をしずめる作用があることから、医師の判断により、いろいろな精神・神経系の不調に使用されています。たとえば、体の不随意運動(無意識な体の動き・ふるえ)、レストレスレッグ症候群(むずむず脚症候群)、不安神経症やパニック障害をふくめ各種の不安障害、躁病やうつ病、さらに鎮痛補助薬として神経痛などの治療に応用することがあります。
特徴
ベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬です。正式な保険適応症は各種のてんかん治療になりますが、それ以外のいろいろな精神・神経系の病気に対しても広く用いられています。
同類薬のなかでは、作用が強く、作用時間は長いほうです(作用/時間:強/長時間型 24時間以上)。比較的安全性が高く、副作用も少ないほうです。
重い副作用
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
呼吸抑制、睡眠中の多呼吸発作..息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。
刺激興奮..興奮、もうろう状態、取り乱す、かえって眠れない。(もともと精神障害がある場合などに、まれに出現)
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
△引用

抗てんかん薬のようですが、『向精神薬』に指定されています。

抗てんかん薬の多くは服用するとたいてい『眠気』が伴いますから、O病院の先生は、アルツ君の睡眠導入剤として使おうと考えたのかもしれません。

この『リボトリール』という薬の名前ですが、あとあと厄介な話が出て来るので、記事をご覧になる間だけでも、記憶にとどめておいてくださいね。

釣り糸を巻き取る道具の名前ではありません。

O病院の先生がおっしゃったとおりに、アルツ君の夕食時にこの薬が出されました。

え?液体なの?

乳液などの化粧品のサンプルを小さくしたようなパッケージに液体が入っています。

ヤッチは看護師さんにたずねます。

ヤッチ:「今日から処方になった薬ですけど、これ、内服液なの?」

看護師さん:「そうみたいですね。」

ヤッチ:「にがくないのかな?チョクで飲ませるの?」

看護師さん:「はい。スプーンの上に薬を出してもらって、服用してもらうのがよいかと思いますよ。」

ヤッチ:「ちょっと、悪いんだけど、はじめてなんで、飲ませてもらえませんか?」

看護師さん:「わかりました。」

看護師さんが少量のおかゆをスプーンに載せ、薬をその上に出し、アルツ君の口へ運びます。

アルツ君:「にがい…。」

ヤッチ:「だよな。我慢してゴックンしちゃいな。」

アルツ君がしかめっ面をして、薬を飲みほします。

ヤッチ:「やっぱ、にがいみたいですね?」

看護師さん:「ですね?」

次の日の夕食時も同じ薬が出ました。

昨日看護師さんがやっていた時と同じやり方でアルツ君に飲ませます。

アルツ君:「にがい…。」

この日はアルツ君、薬を口から出してしまいました。

ヤッチはアルツ君が口から出してしまった薬を再びスプーンですくい取ります。

飲ますのは至難の技だよな…。

だいたい、自分の唾液でも誤嚥しそうになるのに、サラサラした液体は勘弁です。

ヤッチは看護師さんをさがします。

ちょうど昨日担当して下さった看護師さんを発見。

ヤッチ:「薬なんですけど、やはり、にがいらしく吐き出されちゃったんですけど…?」

看護師さん:「薬はどうされました?」

ヤッチ:「全部はキャッチできなかったけど、スプーンに残ってますよ。」

看護師さん:「じゃあ、もう一度挑戦してみましょうか?」

看護師さんがアルツ君に再び薬を飲ませます。

アルツ君:「にがい…。」

やはり、口から出してしまいます。

看護師:「口に含んだだけでもすこし薬の成分は体内に入ると思うので今日はこれくらいにしておきましょう。」

ヤッチ:「内服液(液体)じゃなくて、錠剤とかないんですかね?せめてOD錠辺りにしてもらえるとありがたいんですけど?」

看護師さん:「それでは、医師に報告して明日から剤形の変更ができるか聞いてみます。」

ヤッチ:「よろしくお願いします。」

翌日はこの薬、内服液から錠剤に改められました。

白い錠剤一粒です。

後から考えると、どうもこの錠剤、0.5mgではなくて、1mgだったような気がします。

この日はアルツ君の入院最後の夕食です。

姉も面会に来ていて、姉が食事介助をし、アルツ君にこの薬も飲ませます。

そこへ、O病院の先生が病室に入ってきます。

入院時の病状説明した先生でもあり、『リボトリール』を処方した先生でもあります。

先生:「ちょっといいかな?」

姉はアルツ君の食事介助中なので、ヤッチが応答します。

ヤッチ:「どうも、こんばんは。」

先生はA4サイズの用紙を2枚、ヤッチに手渡します。

先生:「一枚はお父さんのCRP血液検査の結果をグラフ化したもので、もう一枚はお父さんの入院中の体温変化をグラフ化したものです。」

▽引用
CRP血液検査とは?
 CRP血液検査とは、血液中に含まれる「C反応性たんぱく」の含有量を測定する検査のことです。
 C反応性たんぱくは、一般的に「免疫比濁法(定量法)」と呼ばれる一定量の血液中に含まれる定量を測定する形で検査が行われます。
 C反応性たんぱくは、人体内で炎症性の刺激や細胞の破壊が生じると急激に増加してくるタンパク質成分であり、このように症状に反応して増加する物質を「急性相反応物質」と呼びます。
 CRP血液検査は、炎症の発症時に体内に増加する「C反応性たんぱく」の血中量を測定することで炎症の度合いを測定する検査です。

CRP数値の基準値の範囲 単位(mg/dl)
一般的な基準値の範囲
 → 0.3以下
軽い炎症などが検討される範囲
 → 0.4~0.9
中程度の炎症などが検討される範囲
 → 1.0~2.0
中程度以上の炎症などが検討される範囲
 → 2.0~15.0
重体な疾患の発症の可能性が検討される範囲
 → 15.0~20.0
△引用

画像はO病院の先生からいただいた用紙ですが、拡大しても小さな文字を読み取ることは出来ないと思うので、こんなものをいただいた程度で、ご容赦下さい。

先生は続けます。

先生:「入院された時はCRPの値が15.84と結構高かったんだけど、抗生剤を点滴で入れて、ご覧のとおり今はそこそこの数値に落ち着いています。膀胱炎のほうも、もうよくなっていると思いますよ。」

アルツ君が膀胱炎も発症していたとは初耳です。

しかもアルツ君、結構入院時はヤバヤバな状態だったようですね。

ヤッチ:「…。」

先生:「こっちの用紙はお父さんの体温をご覧いただこうと思って持って来たんだけど、当初高かった熱も今は36度台に戻って来ています。」

ヤッチ:「ありがとうございました。」

先生:「明日、ご退院ですよね?」

ヤッチ:「はい、そうです。」

先生:「お父さん、ちょっと元気がなくてご心配でしょ?」

ヤッチ:「そうですね…。」

先生:「元気がないのは抗生剤の他に実はもう一つ薬を入れてるからなんで、特別養護老人ホームに戻られたら、徐々にいつも通りのお父さんに戻ってくると思いますよ。」

ヤッチ:「???」

先生:「点滴で、セレネースという薬を入れていましたが、今日はその点滴の針は抜いてあります。どういうことかというと、もうその薬は切れてくるので、だんだん覚醒してくれると思いますよ。あすの退院の時は僕も時間が有れば、お見送りできると思うので。それじゃあ!」

先生は足早に立ち去って行きました。

おいおい、また初耳事項…。

しかもセレネースというのは向精神薬(抗精神病薬)じゃん!

▽引用
セレネース注5mg
主成分
ハロペリドール(Haloperidol)
剤形
注射剤
この薬の作用と効果について
脳内の神経伝達物質(ドパミンなど)の働きを整えることにより、強い不安や緊張感をやわらげ、気分を安定させます。また、抑えることのできない興奮状態や行動を抑えます。
通常、統合失調症,躁病の治療に用いられます。
副作用
主な副作用として、パーキンソン症状(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様顔貌、嚥下障害など)、不眠、焦燥感、肝機能異常(全身倦怠感、食欲不振)、発疹、蕁麻疹、かゆみ、光線過敏症、喉頭れん縮(急に咳込む)、呼吸困難などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
くすりのしおりより抜粋して引用
△引用

先生からもらった用紙の『体温表』の下の方にはアルツ君の入院期間中、どのような処置が行われたかの看護記録のようなものも書いてあったので、ヤッチはその場で細かくチェックします。

おいおい、『セレネース』という向精神薬、入院2日目からずっと入ってるじゃん!

アルツ君の入院期間中、この『セレネース』と『リボトリール』という向精神薬が2剤使われたことになります。

やられた感、満載です。

弱って体力のない人間に強い薬を投与してよいものなのか…。

ヤッチはさらに細かくチェックします。

O病院の先生がヤッチに『リボトリールをアルツ君に使いたい。』とおっしゃった日付に目をやります。

2月2日~2月4日です。

そこに書かれている文字は『リボトリール』ではなく、『リスぺリドン』…。

認知症の薬でおなじみのアリセプトも製薬会社が出している製品名で、一般名はドネペジルと言ったりしますから、別名が記載されているのかと最初は思いました。

は~い、また検索です。

▽引用
リスぺリドン
成分(一般名)
リスペリドン
製品例
リスパダール錠1mg~2mg~3mg、リスパダールOD錠0.5mg~1mg~2mg、リスパダール細粒1%、リスパダール内用液1mg/mL
区分
神経系用剤(含む別用途)/非定型抗精神病薬(SDA)/抗精神病剤
概説
心の不具合を調整し、気持ちをおだやかにするお薬です。心の病気の治療に用います。
作用
【働き-1】
気持ちの高ぶりや不安感をしずめるほか、停滞した心身の活動を改善する作用があります。そのような作用から、統合失調症にかぎらず、強い不安感や緊張感、抑うつ、そう状態などいろいろな精神症状に応用することがあります。
【働き-2】
心の病気の一つ「統合失調症」は、脳の情報伝達系に不調を生じる病気です。現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなります。幻聴など幻覚、妄想を生じることも多いです。
このお薬は、そのような脳内の情報伝達系の混乱を改善します。おもな作用は、ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質をおさえることです。2つをおさえることで、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想、興奮)と陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)の両方によい効果を発揮します。
効能
統合失調症
副作用
悪性症候群(Syndrome malin)..急激な体温上昇、筋肉のこわばり、体の硬直、飲み込みにくい、発汗、ふるえ、意識がはっきりしない。
遅発性ジスキネジア..頻回なまばたき、口の周辺がピクピクけいれん、口をすぼめる、口をモグモグさせる、舌のふるえ。
麻痺性イレウス..食欲不振、吐き気、吐く、激しい腹痛、ひどい便秘、お腹がふくれる。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)..だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気、けいれん、意識もうろう、気を失う。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。
高血糖、糖尿病性昏睡..異常にのどが渇く、多飲、多尿、食欲亢進、多食、脱力感、もうろう、意識がうすれる。
低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
無顆粒球症、白血球減少..発熱、喉の痛み、口内炎、咳、だるい。
静脈血栓症、肺塞栓症..手足(特にふくらはぎ)の痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、胸の痛み、急な視力低下、視野が欠ける、目が痛む。
持続勃起症..不相応な続勃が長く続く。
△引用

『リスぺリドン』というより『リスパダール』の方が聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか。

『リスぺリドン』と『リスパダール』は同じものですが、当初O病院の先生が使用するとおっしゃっていた『リボトリール』という抗てんかん薬とは明らかに違います。

同じなのは、『リスぺリドン(リスパダール)』も『リボトリール』も向精神薬であること…。

あとは、『リ』から始まる薬ということでしょうか…。

しかもしかも、この『リスぺリドン(リスパダール)』という薬、退院前日に0.5mgから1mgに増量されています。

もう先生は不在のようです。

翌日はアルツ君の退院日だというのに、またヤッチはお医者さんと喧嘩をしなくちゃいけないんですかねぇ…。

翌日になり、アルツ君の退院の日を迎えます。

朝から雪です。

午前9時に迎えに来るように言われていましたが、O病院の先生と話をしたかったので、早目に病院に向かいます。

病室に着くと、アルツ君、看護師さんに着替えをしてもらっています。

ヤッチ:「おはようございます。」

看護師さん:「おはようございます。今、朝食を召し上がられて、着替えをさせてもらっています。あとは下を履けば終わりです。」

アルツ君、目を閉じたままです。

ヤッチ:「旦那さん、帰るよ。目を開けられるかい?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「『わかんない…。』って、今自分で言ったのはわかるかい?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「名前は?」

アルツ君:「わかんない…。」

答える気力無しです。

看護師さんと一緒にアルツ君にズボンを履かせ、そのまま、特別養護老人ホームの車が迎えに来るまで、横になってもらうことに…。

すぐに寝息をたてて、眠ってしまいました。

ヤッチは看護師さんにたずねます。

ヤッチ:「退院後のことについて、先生とお話をしたいんですけど、先生は御不在ですかね?」

看護師さん:「お約束か何か、なさっていらっしゃるんでしょうか?」

ヤッチ:「いえ、アポなしです。」

看護師さん:「どういったご用件でしょうか?」

ヤッチ:「夕食後に服用している薬のことで。」

看護師さん:「リスぺリドン?」

ヤッチ:「そうです。増量になっているので、納得がいかないもので…。」

看護師さん:「すぐに先生をお呼びしないといけない重要なことなのでしょうか?」

ヤッチ:「はい。本人、家族にとっては、とても重要なことです。」

看護師さん:「わかりました。それでは担当医師と連絡を取ってみます。もうしばらくお待ちいただけますか?」

ヤッチ:「わかりました。施設の車が迎えに来てしまうので、出来ればお早目にお願いします。」

先生は朝礼中だということで、その間待つことに…。

ほどなく先生が病室にいらっしゃいます。

先生:「薬の事で何かご質問があると伺いましたが?」

ヤッチ:「申し訳ありませんが、廊下で?」

先生:「あ、ごめんごめん。」

二人で廊下に出ます。

ヤッチ:「実は『リボトリール』という薬のことなんですが?」

先生:「ごめんなさい。あれは僕の言い間違いでした。『リボトリール』ではなく、『リスぺリドン』の誤りでした。『ネットで調べて?』なんて言っておきながら、大変失礼しました。『リスぺリドン』というのは、『リスパダール』という薬で、そっちのほうがなじみがあるかな?」

ヤッチ:「いずれにしてもどちらも向精神薬ですよね?」

先生:「厳密な言い方をすると難しい面もあるけど、一般的にはそういうことになるかな?」

ヤッチ:「で、先生から昨日いただいた用紙を拝見すると、0.5mgから1mgに増量になっていますよね?このまま、先生の診療情報提供書(紹介状)をご覧になった施設の嘱託医はそのままの処方を継続すると思うので、その辺が気になって…?」

先生:「ああ、それはね、入院時から『セレネース』という薬を入れていました。そう、後半は『セレネース』と『リスぺリドン(リスパダール)』のダブルでお父さんの治療を行いました。」

ヤッチ:「…。」

先生:「でも、もう退院ですから、当然、点滴の針は抜いちゃってます。つまり、『セレネース』は入っていません。この『セレネース』が抜けた分を補うために『リスぺリドン(リスパダール)』を0.5から1.0に増量させていただいたんですよ。」

ヤッチ:「でも、向精神薬に抵抗が有るので、増量というのは勘弁願えないでしょうか?今、1mgに増量したら、増量分の0.5mgは『セレネース』ではないわけで、当然、今までの薬ではないわけです。どういった症状が出るかわからないわけで…。やはり、施設に戻るという現状もあるわけで先生に見守りしてもらえないんですよね?」

先生:「ただ、『リスぺリドン(リスパダール)』には、0.5mgの錠剤というのが確か無いんだよね。」

ヤッチ:「割線が有るなら、割って使うっていう方法もあるし、出来れば、ゼロmgにしてもらう方がなおいいんですけど…。ご存知のように、父には薬剤過敏も有るし、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症など、いろいろな診断を受けて来ています。ここへ来て、薬で苦しませたくないんですよ。それに施設の嘱託医は認知症専門医ではないので、単純に増量されてしまうことも有りうるし…。」

実際にはもう少し長い会話のやり取りがあります。

先生:「わかりました。息子さんがそこまでお父さんのことを考えておっしゃるなら、僕のほうももう一度、(診療情報提供書)を書き直します。お父さん、元気になるといいね?」

ヤッチ:「ありがとうございます。お世話になりました。」

あとで、『リスぺリドン(リスパダール)』に0.5mgの錠剤が有る事が判明し、看護師さんを通して後から訂正が入りました。

でも、結局、増量をやめてもらっただけで、向精神薬の『リスぺリドン(リスパダール)』の処方はゼロにはならず、0.5mgのままになってしまいました。

しかも特養で出されているのは、なぜか『リスぺリドン(リスパダール)』の1mgの錠剤を割ったもの…。



退院後のアルツ君ですが、前記事のコメント欄でもすこし書かせていただきましたが、回復しているのか、下降線なのか傾眠傾向が続いているため、よくわかりません。

薬が効きすぎてそうなのか、やはり体力的な衰えなのか、それともその両方なのか、もう少し様子を見ないとわからない感じです。

入院したものの、水分摂取、食事摂取、ともに上手くいっていないし、むしろ入院前よりも落ちているので、そろそろ施設から『看取り介護』を提案してきそうな気配です。

それにしても、アルツ君、何のために入院したんでしょうかねぇ…。

O病院の先生はなにかお考えがあって、こうした治療をされたのだとは思うのですが、十分な説明を伺えなかったのは残念です。

病室は精神科の病室ではなかった気がするが…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

参考 2015年11月06日追記

日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(案)を作成しました。
リンク
高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015(案)【PDF 20.8MB】
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」に関するパブリックコメントの募集

上記ガイドライン中の用語の意味
エビデンス
その治療法がよいとされる証拠
ストップ
高齢者に対して、中止を考慮すべき薬物もしくは使用法のリスト
スタート
高齢者に対して推奨される薬物もしくは使用法のリスト


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