アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日、アルツ君のところに面会に行ってきました。
近くの公園に桜の木が有るので、アルツ君にお花見でもしてもらおうという考えです。
関東はお天気が下り坂と聞いていたので、この日を逃すと、見せてあげられない可能性も出てきます。
ヤッチは、いつものように施設の居室の扉をノックします。
アルツ君:「おう!」
ヤッチが居室の扉を開けると、アルツ君、ベッドに仰向けで寝ています。
ヤッチ:「威勢のいい声が聴こえてきたから、起きてるのかと思ったよ。」
アルツ君:「寝てなんていないぞ。目をつぶっていただけだ。」
ヤッチ:「疲れているのか?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。俺が疲れてるわけないじゃないかよ~。まだ若いんですから。」
アルツ君が起き上がり、ベッドに腰かけます。
ヤッチ:「さすがだね~。どうみても85歳くらいにしか見えないね?」
アルツ君:「お前、それ褒めたことにならんぞ。」
ヤッチ:「まあ、あんまり気にするなよ。それより、この部屋少し広くなったんじゃないか?」
アルツ君:「それほどでもないよ…。」
ヤッチ:「それこそ、褒めてないしっ!」
ヤッチはアルツ君の寝ていた掛布団をたたみます。
ヤッチ:「あっ!」
アルツ君:「どうした?」
ヤッチ:「旦那さん、部屋が広くなった原因、わかったよ。」
アルツ君:「なに?」
ヤッチ:「もしかして、寝る時、一枚余計に掛けてなかったか?」
アルツ君:「知らないよ。」
居室のカーテンが外され、そのカーテンがアルツ君の掛布団の下から出てきました。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
居室の窓には、レースのカーテンは掛けられていましたが、遮光カーテンが外されています。
その遮光カーテンがアルツ君の掛布団の下から…。
カーテンレールを見ると、フックが折れ曲がり、どうやら強く手前に引っ張ったような形跡がみられます。
前にもまったく同じような事件があったような…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
この日はとても暖かく、まさか犯人が寒さをしのぐために、カーテンを引きちぎったようには思えません。
犯人が何かをしでかし、証拠隠滅を計ったと思料されます。
ヤッチは取り外されたカーテンをまとめながら、取り調べにかかります。
ヤッチ:「なんだって、こんなもん外したんだ?」
アルツ君:「俺は知らないよ。」
ヤッチ:「かつ丼を食わしたら白状するか?」
アルツ君:「かつ丼よりボタモチが食いたいね~。」
ヤッチ:「じゃあ、後で食わしてやるから。で、誰?」
アルツ君:「さあね。俺が寝ている間に、誰かがそこへしまったんだろ!?」
ヤッチ:「まあ、旦那さんが眠っていたことはバレたから、それで勘弁してやろう。それより、お花見に行こうぜ?」
アルツ君:「誰と?」
ヤッチ:「俺と。」
アルツ君:「かっー!色気が無いね~。まあ、行ってやってもいいぞ。」
ヤッチ:「よっしゃっー!そうと決まれば、準備して出かけよう!」
といっても、施設のすぐそばの公園なんですけどね。
公園のそばまで来ると、春休みのせいもあるのでしょう、子どもたちの元気な声が聴こえてきます。
ヤッチ:「大勢、人が集まってるみたいだな?」
アルツ君:「どうも、そうらしいや。」
ヤッチ:「みんな、桜の花を見に来てるんじゃないのか?この間来た時は、まだチラホラしか咲いてなかったもんな?覚えてるか?」
アルツ君:「ああ、夜だろ?」
夜の公園にアルツ君を連れ出す人間は誰もいないと思うのだが…。
(-_-;)
アルツ君の乗っている車椅子を押していると、段々公園が見えてきます。
桜の花が見ごろを迎えているのも見えてきます。
アルツ君:「かー!咲いてやがるよ。かー!大勢人もいるよ。」
公園の桜の木のすぐ下では、公園に遊びに来た子供のお母さんたちでしょうか、ブルーシートを拡げ、宴を催しています。
俗に言うママ友集団でしょうか。
アルツ君とヤッチは公園の中に入ります。
アルツ君:「かーっ!あんなにイッパイ咲いてやがるぞ。見事だね~。」
ヤッチ:「いい時に来たみたいだな。まだ散ってないし。」
アルツ君:「お前はバカだね~。桜っていうのは、散り際が一番きれいなんだぞ。そんなことも知らないのか?」
ヤッチ:「語るね~。ちゅうことは、旦那さんも今が見ごろっていうわけか?」
アルツ君:「うるさい!」
ヤッチ:「どうやら、この公園の桜はみんなソメイヨシノみたいだな?」
アルツ君:「らしいね…。」
ヤッチ:「あ?でも、あそこに居るお母さんたちが宴会をやっている桜の木…。あいつ、一本だけ他の桜に比べると白いよな…?」
アルツ君:「どこ?」
ヤッチ:「公園の入り口のところだよ。お母さん連中がブルーシートを拡げてるだろ?」
アルツ君:「ああ、あそこか。あれは違うよ。」
ヤッチ:「違うって?」
アルツ君:「ああ、あれは桜の木じゃなくて、梨の木だよ。」
ヤッチ:「梨の木?桜じゃなくて?」
アルツ君:「そうだよ。あれは梨の木だ。花が白いだろ?」
ヤッチ:「陽当たりの関係とかで、あの桜だけ色が白いんじゃないんだ?」
アルツ君:「お前は何にも知らないんだね…。」
ヤッチ:「すいません…。お宅の息子、元花屋で、お宅の跡取りだったんですけど…。」
アルツ君:「ちぇっ。近く行って、見たわけじゃないからわからんけど、多分あれは、梨の木だぞ。桜に比べると、花の色が梨の木は真っ白。」
ヤッチ:「へえ…。でも、花が咲いてなかったら、桜の木と梨の木の区別がつかないよな?」
アルツ君:「これだから、素人はイヤになっちゃうんだよ~。本職が見れば、すぐわかるさよ~。」
ヤッチ:「どうやって見分けるのさ?花びらも一緒なわけだろ?」
アルツ君:「だいたい桜も梨も花びらの形は一緒だ。だけど桜の木の幹はザラザラしてるけど、梨の木の幹はツルンとしてるんだよ。」
ヤッチ:「へえ…。開花時期っていうのは、どっちも同じかい?」
アルツ君:「どうだったけかな…、梨の木の方が早かったかな!?場所によっても違うけど、だいたい同じくらいに咲く。」
ヤッチ:「へ…。だんだん本職(植木職人)の感覚が戻ってきたな?また、軽くハシゴに上るか?」
アルツ君:「やめとく…。」
ヤッチ:「なんで?」
アルツ君:「天気が悪い…。」
ヤッチ:「晴れてるべな。それにしても、世間じゃ、桜、桜って騒いでるけど、あれが梨の花だとしたら梨の花もきれいだな?」
アルツ君:「ああ、梨の花のほうが断然、格が上だ。」
ヤッチ:「どうして?」
アルツ君:「食える!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
まあ、最近のアルツ君といえば、近場の記憶についてはすぐに消え失せてしまいますが、遠い昔の記憶になると、まだまだ職人さんの目に変ります。
それで、生活をできているのですから、記憶障害を『怖いこと』、『恐ろしいこと』、『大変なこと』と考える必要はないのかもしれませんね。
この後、アルツ君が梨の木だと言っていた木を確認しに行こうと思いましたが、ママ友集団の中を割って入る必要が出て来るので、さすがに割って入る勇気はヤッチにも有りませんでした。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
公園を出て、公園付近をアルツ君の車椅子を押しながら、散歩して施設に戻りました。
その途中、またもや白い花の桜の木(?)を発見。
やはり梨の木なのでしょうか…???
ご存知のように暖かい地域と比較的寒い地域とでは、寒いところの方が夜温も低く、日中と夜との寒暖差も大きくなります。
同じソメイヨシノでもこの低温や寒暖差が原因で、寒い地域の方が桜の木のピンクが濃くなるということを聞いたことがあります。
でも、ここに植わっている桜の木は、道路を隔てているだけで、さほど環境の変化も考えにくいロケーションです。
アルツ君にお伺いを立てましたが、『他人の家の木のことまで心配する必要はない』とのご回答でした。
(^^ゞ
アルツ君の言うように、公園で見た白い桜の木がもし梨の木だったとして…。
宴会を催していたママ友集団がそれを聞いたらどう思うんでしょうか…???
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
金曜日、特養からアルツ君に車椅子に乗ってもらい、キノコさんの部屋に行ってきました。
何度かお話していると思いますが、アルツ君、ときどきキノコさんの存在がわからなくなります。
普段、アルツ君、本人のいないところでは、最愛の妻であるキノコさんのことを『ばあさん』と呼びます。
本人を目の前にする時は、『お前』が多いかな?
この『ばあさん』という言葉ですが、常に『ばあさん』と呼ぶわけではなく、下の名前で『キノコ』と呼ぶ時も有ります。
アルツ君が、『キノコ』と口にする時、たいていは昔の記憶に基づいた発言が多いような気がします。
いつの頃を思い浮かべて、アルツ君が『キノコ』と言っているのか定かで有りませんが、まだ二人が若かりし頃の遠い記憶で有る事は間違いなさそうです。
アルツ君が認知症になる前の記憶で、ヤッチがまだ生まれる前かもしれません。
そして認知症になると、最近の記憶が抜け落ちる傾向になるので、アルツ君の中で『ばあさん』が時々行方不明になります。
わかりにくい説明かもしれませんが、現実はというと、『キノコ』は若かりし頃の記憶であって、遠い昔の記憶ですから、アルツ君の言う『キノコ』の方が本当はもう存在しないわけです。
『キノコ』の方が行方不明で、現実には『ばあさん』しか存在しないことになります。
- 『キノコ』 ⇒ 昔の記憶
- 『ばあさん』⇒ 現実
例えば、アルツ君が「さっき、『キノコ』が家から出かけて行った。」と言った場合…。
今は、アルツ君とキノコさんは一緒に住んでいないわけですから、過去の記憶に基づいてこういうことを言ってるんだなということがわかります。
はっきり、いついつということはわかりませんが、まだ一緒に住んでいる時の記憶を頼りにこういうことを言っているんだなということは推測がつくと思います。
ところが、アルツ君、『キノコ』と『ばあさん』をきちんと使い分けしてくれれば、聞いている方もすぐに理解できますが、これがゴッチャになるので、とても厄介です。
(-_-;)
推理力を働かせていないと、聞いている方がわけのわからない脳ミソになっちまいます。
結局のところ、『ばあさんの若かった頃』と『老けたキノコ』では、どっちが年上なのか?という話です。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
毎度のごとく、前置きが長くなってしまいましたが、そんなリアル『キノコさん』が、今週の木曜日、アルツ君のところに面会に行ってきたそうです。
面会から帰ってきたキノコさんからヤッチは電話をもらいます。
もらったのは、電話機本体ではなく、電波にのったキノコさんの声です。
キノコさん:「今日、おじいちゃん(アルツ君)のところに行ったんだけど…。」
ヤッチ:「なんか有った?」
キノコさん:「あまり、元気がないのよ…。」
ヤッチ:「どうしたんだろう?」
キノコさん:「お昼時に行ったんだけど、あまり食欲も無いのよ。」
ヤッチ:「たまには食欲の無いことだって有るんじゃない?」
キノコさん:「ん…。『眠い、眠い』と言って、何だか覇気がないのよ。まるでうつ病みたい。」
ヤッチ:「奥さんが行って、逆に安心してるから眠いんじゃない?」
キノコさん:「ならいいんだけど…。なんだか私の方が居心地が悪くなって早目に帰って来ちゃった。あんた、悪いんだけど、明日でも、おじいちゃんの様子見て来てくれない?」
ヤッチ:「わかった。ちょうど明日行こうと思ってたから、様子を見て来るよ。」
キノコさん:「頼むわね。」
そんなわけで、ヤッチも翌日の金曜日、アルツ君のところへ行ってきました。
居室をたずねると、キノコさんが言っているほど、アルツ君が元気のないようには見えませんでした。
ヤッチ:「なんだか元気がないらしいじゃん。」
アルツ君:「だれが?」
ヤッチ:「旦那さん。」
アルツ君:「俺がかよ?」
ヤッチ:「ばあさんが昨日、ここに来たでしょ?」
アルツ君:「ばあさん?ウソをつけ~。ばあさんなんて、一度もここに来たことないぞ!?」
ヤッチ:「じゃあ、幽霊かなぁ。ばあさんがここへ来て、旦那さんのこと、『うつ病みたいだった』って言ってたぞ?」
アルツ君:「ばっかだね~。俺がうつ病のわけあるもんかよ。そんなことを考える奴のほうがうつ病なんじゃないのか?」
ヤッチ:「おっしゃる通りだな?元気なら、俺も用無しだな?帰るかな?」
アルツ君:「ところで、ばあさんはどうしてる?」
ヤッチ:「旦那さんが昨日元気のないところを見せたから、うつ病なんじゃないのか?それにこの間、ばあさんに『彼女が三人できた。』とか言ってたらしいな?」
アルツ君:「そんなこと言ったか?」
ヤッチ:「言ったから、ばあさんがおぼえてるんじゃないのかい?電話で『これからお前の部屋に三人連れていく。』って言ったらしいな?」
アルツ君:「ははは。バカだな?言ったかどうかわからんけど、真に受けるほうがおかしいってんだよ。」
ヤッチ:「ばあさんのやつ、冗談が通じないんだからさぁ…。ヤキモチ焼いてたぞ。ほんとに連れて来るのかしらって、おろおろしてたぞ。」
アルツ君:「ハッハッハッハッー。」
アルツ君、大笑いしています。
とてもうつ病には見えませんね。
(^^ゞ
ヤッチ:「じゃあさ、今日は暖かいから、そのうつ病患者のばあさんの部屋にでも行ってみるか?」
アルツ君:「行ってどうするのさ?」
アルツ君:「行ってどうするかは、俺の考える事じゃないじゃないかよ。」
アルツ君、まんざらでもない様子…。
支度を整え、キノコさんの部屋に向かいます。
特養からキノコさんの部屋までの会話は、いつも通りのくだらない会話なので、割愛させていただきます。
---------------------
ヤッチ:「もうすぐ、ばあさんの部屋だけど、この間、ばあさんの部屋に行った時の事、おぼえてるかい?」
アルツ君:「ん???ばあさんのところに、行ったことあったけか?」
ヤッチ:「何回か、足を運んでると思うよ。ついこの間は、『狭い部屋だの、へったくれの』って言ってたじゃないかよ?」
ヤッチ:「あれ、ばあさんの家か?そうかぁ…???」
この日はキノコさんの部屋に介護保険を利用して、ヘルパーさんのいらっしゃる日。
週二回、一時間程度、掃除などをして下さって帰られるのですが、アルツ君の訪問と時間が被ってしまいそう…。
ヤッチ:「まだ、ばあさんの部屋にヘルパーさんが来てるから、少しゆっくり行こう。」
アルツ君:「なんだ?その『減るばあさん』って?」
ヤッチ:「ちがうよ。ヘルパー!」
アルツ君:「外国人か?」
一応説明しましたが、わかっているかどうか…。
(-_-;)
余談ですが、ヤッチは『外国人』とは言わず、『外人』と言いますが、これって、世代によって違うんですかね…。
キノコさんの部屋に着くと、ちょうどヘルパーさんが部屋から出て来るところ。
ヤッチ:「どうも、いつもお世話になっています。」
ヘルパーさん:「あ、いえ…。こちらこそお世話になっています。」
ヘルパーさんは足早に帰って行かれました。
アルツ君:「ここはばあさんの部屋なんだろ?」
ヤッチ:「そうだよ。なんで?」
アルツ君:「いや、今、ばあさんとは違う女の人が出て行ったからさ…。」
ヤッチ:「今のが『減るばあさん』、もとい、ヘルパーさんだよ。」
アルツ君:「そうかぁ…。」
返事の様子からして、どうも理解していない様子…。
(-_-;)
今度はキノコさんが部屋から顔を出します。
キノコさん:「どうぞ。いらっしゃいませ。」
アルツ君:「あれ?なんでお前ここに居るんだ?」
キノコさん:「なんでって、ここは私の部屋じゃない。」
アルツ君:「かっー!ここがかよ。」
キノコさん:「いいから、早く部屋の中へ入りなさいよ。」
アルツ君:「いいのか?」
キノコさん:「いいのかって、あんたの家みたいなもんじゃない。」
ここからは前回、アルツ君とキノコさんの部屋に来た時と会話の内容はほとんど同じです。
ヤッチ:「ちょっくら、俺はスーパーに行って水をくんで来るわさ。ボタモチを買ってきたから食べて。」
アルツ君とキノコさんを部屋に残し、ヤッチは席を外します。
スーパーへ飲料用の水を汲みに行った帰り、雨がポツポツと…。
この日は天気が不安定でしたからね。
1時間程度でしょうか、再びキノコさんの部屋に顔を出します。
ヤッチ:「すこし、雨が降って来たね!?」
キノコさん:「大丈夫?車椅子で来たんでしょ?」
アルツ君:「大丈夫さ~。降ったら降ったで、泳いで行けばいいさ~。」
ヤッチ:「泳ぐ前に歩く努力をしようよな?」
アルツ君:「うるさい!」
ヤッチ:「たぶん通り雨だと思うけどな。最悪タクシーだな。」
キノコさん:「早目に戻った方がいいんじゃない?」
ヤッチ:「だってよ。旦那さん?どうする?」
アルツ君:「どちらでも構いませんよん。」
ヤッチ:「少しはのんびりできたか?」
アルツ君:「俺は毎日のんびりしてますよん。」
ヤッチ:「まあ、暖かくなって来たから、ちょいちょい奥さんのところにお茶でも飲みに来ればいいさ。な?旦那さん?」
アルツ君:「そうだな…。」
ヤッチ:「今度来る時は車椅子じゃなくて、自分の足でな?」
アルツ君:「かー。厳しいねぇ~。」
ヤッチ:「じゃあ、施設に戻るか!?ばあさんの顔をよく覚えてから帰ろうな?」
キノコさん:「そうよ。すぐ、あんた、私のこと、忘れるんだから。」
アルツ君:「忘れやしませんよ!」
ヤッチ:「じゃあ、今、旦那さんのとなりに座ってるのは誰?」
アルツ君:「ふん。」
ヤッチ:「『ふん。』じゃなくて、誰?」
アルツ君:「ばあさん…。ばあさんだよ。」
ヤッチ:「ばあさんの名前は?」
アルツ君:「ばあさんは、ばあさんだよ。」
ヤッチ:「じゃなくて、名前だよ?」
アルツ君:「名前なんてあるの?お前?」
ちょっと、アルツ君がキノコさんをからかうように話しかけます。
キノコさん:「有るじゃない。言ってごらんなさい?」
アルツ君:「キ…、キノコだ!」
キノコさん:「わかってるくせに!」
ヤッチ:「おおっ!素晴らしいね!で?キノコっていうのは、今どこにいる?」
アルツ君:「くだらんこと、言うな。俺のとなりだよ。」
ヤッチ:「で、どんな顔をしてる?」
アルツ君がとなりに座っているキノコさんの顔を覗き込みます。
アルツ君:「かっー!お前ずいぶんシワクチャになったね~。」
キノコさん:「失礼ね!あんただって、同じじゃない!」
ヤッチ:「まあ、まあ…。頭の中に叩き込んだか?旦那さん?」
アルツ君:「叩き込まなくたってこんなシワクチャババア、勝手に目ん玉に飛びこんで来るぞ。」
ヤッチ:「じゃあ、おぼえたね?」
アルツ君:「ああ。で?」
アルツ君、少しキョトン顔…。
ヤッチも意味がわかりません…。
(-_-;)
ヤッチ:「ん…?で?」
アルツ君:「そうだよ。で?」
ヤッチ:「『で?』ってなによ?」
アルツ君:「で?若いほうは?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
おわかりになりましたでしょうか…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
意味不明の方のために解答を用意しました。
↓
解答
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こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
金曜日の午後、アルツ君のところに面会に行ってきました。
ヤッチがアルツ君の居室に入ろうとすると、どうやらアルツ君、トイレタイムのようです。
施設の職員さんと個室で何やらおしゃべりしている様子。
ヤッチはアルツ君のトイレ介助が済むまで、居室の前の廊下で待ちます。
しばらくすると、職員さんが居室から出てきます。
職員さん:「あ、どうも。今、お父様にはベッドに座っていただきました。」
ヤッチ:「いつも、お世話になっています。大ですか?小ですか?」
職員さん:「今は、小です。失礼します。」
職員さんは足早に去っていきました。
タッチ交代で、ヤッチが居室に入ります。
アルツ君:「あれ?お前どっから来たんだ?」
ヤッチ:「便器の中かもな!?」
アルツ君:「ちぇッ。」
ヤッチ:「今日も暖かいから、外へ散歩に行こうぜ?」
アルツ君:「今日はダメだよ。」
ヤッチ:「なんで?」
アルツ君:「用が有る。」
ヤッチ:「何の?」
アルツ君:「『何の?』って、ケンちゃんのところに行く。」
ヤッチ:「ケンちゃん?」
アルツ君:「そう、ケンちゃん。」
ヤッチ:「ケンちゃんって誰よ?」
おおよそ、アルツ君の現役時代の仕事関係の人の中にも、そして、親戚にも『ケンちゃん』と呼ばれているような人はいません。
また、アルツ君の居る特別養護老人ホームにも思い当たるような利用者さんはいません。
???
アルツ君:「ケンちゃんはケンちゃんだよ。」
アルツ君、『ケンちゃんも知らないのか?』というドヤ顔で、少し目を剥いてしゃべりだします。
ヤッチ:「いや、だから、その、ケンちゃんって???」
アルツ君:「ケンちゃんは、男だよ。」
ヤッチ:「いや、『ケンちゃん』と聞いて、女を想像する人はいないでしょ?」
アルツ君:「そうだよ。男だよ。」
ヤッチ:「で、そのケンちゃんって何者?」
アルツ君:「何者って聞かれても、困っちゃうけど、人間だよ。」
これ以上続けても、まともに会話が成立しそうに有りません。
(-_-;)
ヤッチ:「で、ケンちゃんってどこにいるのよ?」
アルツ君:「それがさぁ…。俺もちょっとうろ覚えなんだけど、確かそこを出て、右に曲がった辺りだったと思うなぁ…。ケンちゃんのやつ、いるのかなぁ…。」
以前にもお話ししたことがあるかもしれませんが、アルツ君、居室を出たすぐの廊下を屋外だと思い込んでいる時があります。
廊下に設けられたテーブルでいつも食事をしているわけですから、毎日屋外で食事をしていることになります。
ヤッチ:「ケンちゃんはわかったから、そのケンちゃんに何の用が有るんだ?」
アルツ君:「ケンちゃんに用が有るんじゃないよ。奥さんだよ。」
ヤッチ:「奥さん?奥さんて、ケンちゃんの奥さんのことかい?」
アルツ君:「お前は、バカだなぁ。ケンちゃんの奥さんじゃないよ。」
ヤッチ:「じゃあ、誰?」
アルツ君:「奥さんだよ。」
ヤッチ:「だから、その奥さんはケンちゃんの奥さんかって聞いてるんだよ。」
アルツ君:「ケンちゃんの奥さんじゃないんだなぁ…。」
ヤッチ:「ん?ケンちゃんの奥さんじゃないっていうことは…。あ?ひょっとして、ケンちゃんのお母さんなのか?」
アルツ君:「そういうことになるのかなぁ…。」
ヤッチ:「なんだよ、急にテンションが下がってるじゃんかよ?」
アルツ君:「まあ、行ってみれば、わかるさよ~。」
ヤッチ:「で、その奥さんだか、お母さんだかと会う約束でもしてるのか?」
アルツ君:「約束したわけじゃないけど、奥さんに用が有るんだよ。」
ヤッチ:「何の用?」
アルツ君:「あれ?何だっけかな…???お前がゴチャゴチャ言うから忘れちゃったじゃんかよ!」
ヤッチ:「まーた俺のせいかよ!とにかく用が有るのは確かなんだな?」
アルツ君:「そうですね~。」
ヤッチ:「じゃあ、そのケンちゃんだか、ケンちゃんの奥さんだか、ケンちゃんのお母さんだかのところに行ってみようぜ?」
アルツ君:「居るかなぁ…。」
ヤッチ:「『居るかなぁ…。』の前に、『行けるかなぁ…。』じゃないのか?」
アルツ君:「うるさい!まあ、とにかく行ってみるさ。」
ヤッチ:「スーパーカー(歩行車)は要らないのか?」
アルツ君:「どっちだっていいよ。確かすぐそばだから。」
ヤッチ:「じゃあ、念のためにスーパーカーで行こうよ?」
アルツ君:「別に構いませんよん。」
ヤッチは廊下の隅に駐車してあったスーパーカーを取りに行き、居室の中に引き入れます。
ヤッチ:「あいよ。コルベットを持って来たぞ。場所は旦那さんが案内してくれるんだろ?」
アルツ君:「たしか、すぐそばだから、案内するまでも無いよ。」
アルツ君は歩行車(器)を使い、二人は居室を出ます。
アルツ君:「確かそこを右に曲がってすぐだったはずだ。」
アルツ君が、ナースステーションの方向を指さします。
右を曲がったとしても、廊下が続いているだけなんですけどね…。
(-_-;)
しかも、ここは三階…。
(-_-;)
居室とナースステーションまでの距離は10メートル程度でしょうかねぇ…。
特別養護老人ホームがどんなところか、いらしたことの無い方にとっては、イメージしにくいと思いますが、入院設備のある病院を想像していただければ、わかりやすいのではないでしょうか。
居室を病室に置き換え、介護士さんを看護師さんに置き換えてもらえれば、絵が浮かんでくると思います。
小中学校の廊下をイメージしていただいても良いかな!?
アルツ君がナースステーションの直前で立ち止まります。
アルツ君:「どっちだったけかな?左は行き止まりだよな?」
ヤッチ:「左も真っ直ぐも行き止まりだよ。右に行くしかないよ。」
アルツ君:「そうだよな!?じゃあ、やっぱりケンちゃんの家は、ここを右に曲がってすぐだよ。」
右に曲がると、別棟に行く渡り廊下が有り、その渡り廊下を渡ると大きなデイルームが有ります。
アルツ君が少し首を傾げながら廊下を右に曲がります。
ほんの数メートル歩いたところで、アルツ君が立ち止り、アルツ君の右手に有ったドアを開けようとします。
アルツ君:「確かここのはずなんだがなぁ…。」
アルツ君が開くはずの無いドアをガチャガチャとやって開けようとします。
ヤッチ:「あ!旦那さん!そこは防火扉だよ!開けても壁しかないよ!」
アルツ君:「そうかぁ…。おかしいな…。たしかこの辺りだったと思ったんだがなぁ…。」
ヤッチ:「そこは防火扉だから、火事なんかが起きた時に、廊下を間仕切りするためのもんだよ。ケンちゃんはそこには居ないと思うぞ?」
アルツ君:「そうかぁ…。俺の見当違いかぁ…。」
ヤッチ:「壁の向こうに行けたとしても、たぶん空中だぞ?」
アルツ君:「おかしいなぁ…。たしかこの辺だと思ったんだけどなぁ…。こっちかなぁ…???」
今度はアルツ君、防火扉のならびにある扉を開けようとします。
ヤッチ:「あ!旦那さん!そこは女湯!悲鳴が上がるぞ!」
アルツ君:「そっかぁ…。」
これじゃあ、屋外に置き去りにしたら、迷子になること必至ですね~。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
でも、まだ左右は自分で認識できるんですよね。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ヤッチ:「この辺りは、旦那さんの部屋すぐそばなんだから、ケンちゃんがもしこの辺に住んでいれば、逆に旦那さんを訪ねてくるよ。」
アルツ君:「そうかなぁ…。」
ヤッチ:「試しにエレベーターで下りて、一階と二階も捜索するか?」
アルツ君:「ここは一階じゃないのか?」
ヤッチ:「ここは三階…。」
アルツ君:「じゃあ、一階だな!?ケンちゃんがそんな高いところに居るわけないからな!?」
ヤッチ:「その前にケンちゃんが誰なのか俺は知りたいよ。まあ、おっしゃるように一階も探してみるか!?」
アルツ君と一階をさがします。
一階ではデイサービスをやっています。
デイサービスをやっている脇をアルツ君と通り抜けます。
アルツ君:「やっぱここじゃない。こんなところに俺は来たことがない。」
ヤッチ:「じゃあ、外に行ってみるか?」
アルツ君:「べつに構いませんよん。」
アルツ君を車椅子に乗せ、屋外に出ます。
ヤッチ:「ケンちゃんだか、ケンちゃんのお母さんの居そうな方向はわかるか?」
アルツ君:「もう、なんだかわからなくなっちゃったよ。どうだっていいや!」
ヤッチ:「あっ、今、空き缶をけっ飛ばさなかったか?俺にはカンカラコン…って音が聴こえたぞ!?」
アルツ君:「お前の気のせいだろ!?」
ヤッチ:「じゃあ、気分転換に公園に行こう!少し気分転換すれば、思い出すかもしれないし…。」
アルツ君:「どうかなぁ…。」
公園で日なたぼっこしながら、アルツ君にもう一度ケンちゃんのことをたずねます。
ヤッチ:「ケンちゃんっていうのは、旦那さんより年上なの年下なの?」
アルツ君:「あー、俺よりうんと若いぞ。」
ヤッチ:「だいたい、いくつくらいなの?」
アルツ君:「いくつって言われるとわかんないけど、だいぶ若いぞ。」
ヤッチ:「失礼な話だけど、夢の延長じゃないよね?」
アルツ君:「お前ね、俺はもう10年くらい夢なんて見てないぞ。」
ヤッチ:「10年前に見た夢がケンちゃんなんじゃないの?」
アルツ君:「そんな昔の夢を覚えてるわけないだろッ!」
ヤッチ:「たしかに…。俺の友達に八百屋のケンちゃんがいるけど、八百屋のケンちゃんじゃないよな?」
アルツ君:「バカ、ケンちゃんは八百屋じゃないぞ。」
ヤッチ:「そうかぁ…。じゃあさ、今、あそこでブランコをこいでる男の子がいるだろ?」
アルツ君:「ん?あの青い服着ている子か?」
幼稚園に行っているぐらいの子どもさんでしょうか、お母さんと思しき人にブランコを押してもらっています。
ヤッチ:「そうそう。ケンちゃんっていうのは、あの子ぐらいの背格好か?」
アルツ君:「そうだなぁ…。あれくらいだなぁ…。」
ヤッチ;「じゃあ、旦那さんが『奥さん』って言ってたのは、ケンちゃんの奥さんのはずないよな!?どう考えてもお母さんだよな?」
アルツ君:「そうだなぁ…。確かケンちゃんにはおばあちゃんがいるんだよな。もう亡くなってるかなぁ…。」
ヤッチ:「それ、いつの話なんだろうな?最近?」
アルツ君:「それがわかれば苦労しないさぁ…。」
ヤッチ:「旦那さんが未だ東京に出て来る前の話しなんじゃないのか?」
アルツ君:「いや、違うな。ケンちゃんっていうのはこの辺に住んでいるんだから。」
アルツ君が遠い過去の記憶を元に『ケンちゃん』のことを言っているのかヤッチにも正直よくわかりません。
(-_-;)
言えることは、アルツ君にとっては、ごくごく最近のことだということ…。
(-_-;)
ヤッチ:「もう一度聞くけど、ケンちゃんっていうのは、あのブランコに乗ってる男の子ぐらいなんだろ?」
アルツ君:「ああ、あのくらいだな。俺よりだいぶ若い。」
ヤッチ:「でさ?旦那さんは、今、自分のことを何歳くらいだと思ってるわけ?」
アルツ君:「だれ?俺か?」
ヤッチ:「ああ。」
アルツ君:「俺かぁ…、そうだなぁ…、25、6かなぁ…。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日の話になりますが、4月27日(日)にアルツ君のところに面会に行ってきました。
この日、面会に行ったのは、ヤッチの他に友人Yさん(男性)、友人Bさん(男性)、友人Mさん(女性)の計4人です。
Yさんについては、何度かアルツ君とも顔を合わせていて、アルツ君も顔を覚えているようです。
Bさんは、先月一度、面会に来てくれて、アルツ君、なぜか一度だけしか会ったことがないのに、よく覚えています。
たぶん、Bさんの体格のよい風貌ゆえなんですかねぇ~。
わかりやすく言えば、アルツ家の家系にはいないドスコイ体型です。
(^^ゞ
そして、Mさん(女性)とアルツ君とは初対面。
実は、ヤッチ、本日(4月28日)も面会に行ってきたのですが、その時の会話の中で、アルツ君がMさんのことを、ヤッチに目を剥いて『あの子(Mさん)は結婚していない。』と申しておりました。
失礼だったらゴメンなさい…m(__)m
ヤッチ:「どうしてそう思うんだ?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。お前より俺の方が女を見る目は数段上なんだから、見る人が見ればわかるさよ~。」
ヤッチ:「ちゅうことは、俺よりも旦那さんのほうが、数段天国に近い位置に居るっていうことだな?」
アルツ君:「うるさい!」
30秒前の記憶すら危ういアルツ君が前日の出来事を覚えているのですから、上出来です。
ヤッチ:「どんなところがそう旦那さんにそう思わせたのかね?」
アルツ君:「お前みたいなド素人にはわからないが、まだ18、9だな!?」
まあ、女性の年齢について詮索するのは野暮な話しなので、これくらいにして、面会にいらして下さった皆様には、この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとう!(by ヤッチ)
サンキュ・キュ・キュッー!(by アルツ君)
昨日の面会時に話しを戻します。
どこに戻すかは、ヤッチ次第ですが、なんせ、4人というキャストさんなので、会話を如実に再現するのは不可能に近い話なので、『だいたい』ということでご勘弁願います。
誰ですか?
『いつもだいたいだろッ!』って言ったのは?
そうです!
その通りです!
------------------
4人でゾロゾロとエレベーターに乗り込み、アルツ君の居室へと向かいます。
アルツ君の居室まで行き、ヤッチがアルツ君の居室の扉を開けます。
アルツ君、最初は居室の椅子に腰かけていて、こちらに背を向けていました。
扉の開く音に反応し、一瞬、いきなりガサ入れに踏み込まれた被疑者のような目をしましたが、すぐに穏やかな表情に戻り、ベッドに腰かけます。
ヤッチ:「友達を連れて来たよん!」
アルツ君:「あー、それはそれは。」
ヤッチ:「こっちは、Yさん、紹介しなくてもわかるよな?」
アルツ君:「わかるさよ~。」
ヤッチ:「こっちは?覚えてる?」
ヤッチはBさんを指さします。
アルツ君:「わかるさよ~。前に来たことあるよな?」
面会の頻度としては、キノコさんの方が、はるかに上なのに、いきなりの下剋上です。
ヤッチ:「こちら、旦那さんは初対面だな!?」
ヤッチはMさんを紹介します。
Mさん:「○○(Mさんの名前)です。」
アルツ君:「あ?こっちは女の人じゃないかよ。」
女性好きの遺伝子をヤッチも引き継いでいるのでよくわかりますが、女性を見た瞬間のアルツ君、とてもにこやかです。
(*^_^*)
ヤッチ:「旦那さん、BさんとMさんは、九州から来てくれたんだよ?」
アルツ君:「かっー!九州!?ふーーん、九州!?」
この二人、新幹線や飛行機を利用して来たのではなく、自動車で来たというのだから、なかなかのチャレンジャー。(スペースシャトルではありません。)
今度は、アルツ君、目の前に腰かけているYさんに話し掛けます。
アルツ君:「お宅、ずいぶん雰囲気変わっちゃったねえ~?」
Yさん:「え?俺すっか?」
アルツ君:「うん。」
Yさん:「いえ。俺、何も変わってないと思いますよ。」
アルツ君:「いやぁ、変ったよ。」
Yさん:「えー、どこがすっか?」
アルツ君:「いやぁ、ヒゲなんてはやしちゃってさ~。」
Yさん:「え~~。俺、前からヒゲ、はやしてますよ。剃った事なんてないっすよ。」
アルツ君:「そうかぁ…。」
アルツ君の脳の中で、Yさんがどうインプットされているのかわかりませんが、断片的であれ、記憶しているようなので、合格点ではないでしょうか…。(希望的観測)
この後、みんなで外に散歩に行くことにしました。
ヤッチ:「旦那さん、散歩に行くべ?」
アルツ君:「いや、今日は行かない。」
ヤッチ:「そう言わずに行くべ!靴下を履こう!」
なかば、強制です。
(^.^)/~~~
アルツ君:「靴下なんか、有ったっけかなぁ?」
ヤッチ:「ここの中に腐るほど有るじゃん。」
ヤッチはそう言って、クローゼットの中から靴下を取り出し、アルツ君に手渡します。
アルツ君:「で?」
ヤッチ:「『で?』じゃないべな。履くんだよ。」
ちょっとだけ助け舟を出し、アルツ君の片足のつま先に靴下を被せました。
アルツ君、ちょっと混乱しているようで、なかなかアクションを起こしません。
Yさん:「履けないすか?…。自分で履けないすか?」
アルツ君:「こんなもんくらい履けるさよ~。」
Yさんの挑発にまんまと引っ掛かり、アルツ君、いつもより機敏な動作。
BさんからもMさんからも『すごい、すごい』の歓声です。
ヤッチ:「旦那さんと俺と二人だけの時は、足をピクリとも動かさないくせしてよ~。」
アルツ君:「ふん、バカ言っちゃいけないよ~。こんなもん、何ぼだって履けるさよ~。」
アルツ君、片足をベッドに投げ出すようにし、立てひざを付くような動作で靴下を引き上げます。
やはり、見慣れた家族の面会では、無意識にアルツ君に甘えが出るのでしょうか。
認知症の治療には、薬物療法や回想療法、運動療法、回想療法など色々な治療が行われますが、お調子者のアルツ君には衆人環視の中で何かモーションを起こしてもらうことが大事なのかもしれませんね~。
介護を受ける側を被介護者、介護をする側を介護者とするなら、介護者と被介護者の本来の性格や資質、そして関係性も条件のうちに入ると思うので、百人に同じことをしてもらって、百人がそうできるかは、不明ですが、積極的に取り入れていけるのなら、是非取り入れてみたいものです。
そして、今回、友人たちに面会に来てもらったことで、もう一つ気づかされたことがあります。
結論から先に言ってしまえば、『覚えていないことを追求しない』ということです。
もそっと、具体的に申し上げれば、少々もの忘れの進んでいる人と接する時は、『覚えていないことを追求しない』姿勢で接する方がお互いに嫌な思いをしないで済むのではないかということを気づかされました。(クドイ!)
あたりまえの話かもしれませんが、意外にやってしまっている思わぬ盲点とでも言うのでしょうか…。
『覚えていないことを追求しない』は『記憶にないことを詰問しない』と言っても良いかもしれません。
アルツ君の場合、面会に行くと、必ずと言っていいほど、キノコさんの所在や安否の確認をしてきます。
『ばあさんはどうした?』という言葉です。
ヤッチは、よくこの質問に対して、『○○川で洗濯してるよ。』で逃げていますが、この後の問いに対して、いつもどう答えて良いのかわからなくなることがあります。
『もう、ばあさんには10年以上会ってないぞ!?なんで、ちっとも顔を見せないんだ?』です。
ついつい、『ばあさんなら、昨日、来たでしょ?覚えてないの?』と答えそうになります。
いや、何回かに一回はおそらくこう答えています。
周囲に施設などに入所している方がいて、面会に行った際にこういう会話をした経験のある方は多いのではないでしょうか?
介護関連の職に就いていらっしゃる方では日常茶飯事かも?
被介護者からすれば、覚えていない(記憶にない)から、たずねているのであって、逆に『覚えてないの?』と言われれば心外です。
機嫌の良い時であれば、記憶を呼び戻せるかもしれませんが、かなりの荒治療と言わざるをえません。
一方の介護者からすれば、『なんで思い出せないの?』、『何とか思い出させたい』という気持ちと焦りが芽生えます。
ここは、反対意見も有るでしょうが、ヤッチとしては、方便を使って、避けても良いのでは!?という気持ちになりつつあります。
『なんで、ちっとも顔を見せないんだ?』とアルツ君にきかれた場合、キノコさんには失礼ですが、『ごめんな。そんなに長いこと、ばあさんが来ていないのなら、ばあさんに会ったら、面会に来るようにきつく言っておくよ。』の方が、正解なのかな…。
もし、ヤッチがアルツ君に『お前、俺のところに全然顔を見せないな?』と言われたら、『すいません…。もっと頻繁に足を運ぶようにするよ。』あたりがいいのかな!?という考えです。
同じような会話として、『俺のこと、誰だかわかる?』とか『私のこと誰だかわかりますか?』、『私の名前を言ってみて?』と質問する場合も、こういった会話はしない方が良いのかもしれないという気持ちに切り替わりつつあります。
認知機能の低下によって、全くわかっていない場合もありますが、アルツ君のように、質問してきた人間の顔をなんとなくは、覚えている場合が少なくないように思えます。
ただ、質問された際に、その人との関係性や名前だけが出てこないとでも言うのでしょうか…。
あくまでも推測ですが、今回の面会で、アルツ君はYさんのことを『以前に面会に来てくれた人』という認識は持っていたのではないかと思います。
アルツ君の脳の中に、面会者リストのようなものが有って、たまたま誤って、リストの中の違う人物を抽出してしまったのかもしれません。
それと照らし合わせて、以前はYさんがヒゲをはやしていなかったと考えることもできます。
別の考え方として、実はYさんには失礼ですが、覚えていなかった可能性もあります。
上手くまとめられませんが、たとえば、『名前を言ってみて?』と言われた場合、質問された側は、覚えていないのだから、そう詰め寄られても迷惑かも知れません。
親子関係であれば、自分の子供の名前をあっさり『忘れちゃった』と言える親はそうそういないと思います。
他人であれば、せっかく面会に来てくれた人なわけですから、思い出せないのは失礼だと感じるかもしれません。
そう考えると、Yさんのことを実はまったく覚えていなくて、本人を目の前にして『覚えていない』と言えないので、『ずいぶん雰囲気変わっちゃったねえ~?』と言って、取り繕ったのかもしれませんね…。
こうなると、こういう会話はできるだけ避けて、面会でドアを叩く際に、『息子のヤッチです。』とか、『以前面会にお伺いしたYです。』と言う方が、お互いに取って幸せなのかも?
こういう考えって、プロの目から見るとどうなんでしょうかね?
忘れちまったものを思いださせようとするより、記憶にないものを思い出させることは無理だと見切って、被介護者の記憶の抜け落ちてしまった部分を介護する側が先に補充してしまうことってどうなんでしょうかね…???
毎回、真面目な記事を書こうとすると、ボロが出てしまうので今日もこの辺で止めにしておきます。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
あッ、そうそう…。
この後、散歩に出かけるために、アルツ君に靴を履いてもらい、歩行車を使って、施設一階まで歩いてもらいました。
たくさんのお仲間に囲まれて歩いたせいか、いつもより、歩く際の足が12ミリ高く上がっていました。
乱文ご容赦!
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
報告が遅くなってしまいましたが、アルツ君、この間の日曜日の深夜、特別養護老人ホームの居室で転倒してしまいました。
日曜日から連日、アルツ君の様子見に出かけていたので、落ち着いて記事を書く時間を取れませんでした。
m(__)m
月曜日の朝、午前9時前後だったでしょうか、姉から電話をもらいます。
姉:「さっき、施設の○○さん(生活相談員さん)から電話が有って、パパが部屋で転倒しちゃったんだって。」
ヤッチ:「え、それはいつの話?」
姉:「夜よ、夜。昨日の夜中らしいわよ。」
ヤッチ:「で?」
姉:「○○さんの話では、『骨折はしていないようだ』と言ってたけど、けっこう痛がってるらしいから、一緒にこれから病院に連れて行くって言ってるんだわ~。」
ヤッチ:「え、どこをぶつけたんだ?」
姉:「腕だって。左腕。どうも、昔の古傷があるところと、同じ場所らしいんだわ~。」
アルツ君ですが、若い頃の古傷が時々痛むということで、施設では、服の上から使い捨てのカイロを貼ってもらい、患部を温めて過ごしています。
ヤッチといえども、その古傷のある左腕を触ろうとすると、ものすごく怒る時があります。
ヤッチ:「アチャー、また運が悪いなぁ…。」
姉:「そうなのよ。どうも夜中にトイレに行こうとして、転んだらしいのよ。」
ヤッチ:「ということは、まだ尿意は有るっていうことだなぁ…。職員が介助に入らなったのかねえ?」
姉:「うん、○○さんもパパを病院に連れて行くことで忙しいようだったから、詳しいことはまだ聞いてないのよ。」
ヤッチ:「俺は、施設に行った方がいいのかね?」
姉:「いや、今回は○○さんが付き添うから大丈夫みたい。」
ヤッチ:「了解。」
姉:「○○さんが、パパの診察が終わったら、もう一度電話をくれるって言ってるから、そしたら、あんたにも電話するわよ。」
ヤッチ:「まあ、骨折でもしてりゃあ、入院ってことも有りうるからなぁ…。」
姉:「たぶん、大丈夫だと思うけど…。一応そういうことだから。また、連絡するわ。じゃあね、バイバイ。」
-------------------
お昼前ぐらいに、再び、姉からの電話が鳴ります。
姉:「さっき、○○さんから電話が有って、パパ施設に戻ってきてるって。」
ヤッチ:「そうなんだ?」
姉:「○○さんの話では、骨折は無くて、打撲だって。打撲しているところには湿布を貼ってもらって帰ってきたみたい。あと、ひじの辺りを擦りむいていて、その処置もしてもらったって。」
ヤッチ:「骨折じゃなくてよかった…。」
姉:「うん、骨折じゃなくて、打撲でも痛いだろうから、心配だわ~。」
ヤッチ:「ん…、それに医者嫌いの旦那さんのことだから、大騒ぎしているかもしれないからな!?わかった、昼過ぎに施設に行って、様子を見て来るよ。」
姉:「悪いけど、見て来て!頼むわね!」
-------------------
施設での昼食時間が済んだ頃を見計らってヤッチは施設へ自転車を走らせます。
もちろん自転車にはヤッチも乗っています。
施設に到着し、アルツ君の居室を訪ねるまえに、生活相談員の○○さんのいらっしゃる事務所を訪ねます。
???
どうも、席を外している様子…。
仕方ないので、ヤッチはアルツ君の居室に向かいます。
ヤッチは、ベッドに横たわっているアルツ君の姿を想像していたのですが、何のことはない、アルツ君、いつもの定位置に腰かけお茶をすすっています。
ヤッチはアルツ君には話しかけずに、ナースステーションの中にいらっしゃる女性職員さんに声を掛けます。
ヤッチ:「こんにちは。今、○○さんのところにお伺いしたんですけど、席を外していらっしゃるようなんで…。何か父のことについて、お聞きになられています?」
女性職員さん:「こんにちは。先ほど、○○と病院から戻られたようですけど…。」
ヤッチ:「ごめんなさい。お伺いしたいのは、どんな状況で、転倒したのかなんですけど…?」
女性職員さん:「あ、そうでしたか。私のほうは、夜勤でなかったので、詳しいことはわからないんですが…。ちょっとお待ちいただけますか?」
女性職員さんはそう言い残し、事務所の中へ入って行きました。
再び、女性職員さんが、事務所から顔を出し、ヤッチの前へ一冊のノートを持って現れます。
そのノートを見ながら、女性職員さんが話し始めます。
女性職員さん:「夜勤していた者の記録では、お父様が転倒されたのは、午前1時50分って書いてありますね。」
ヤッチ:「まあ、家に居るころも、だいたいその頃に一回は目を覚ましてましてからね。」
女性職員さん:「で、夜勤の者が居室を訪ねたら、トイレの外の床がおしっこで濡れていて、それに足を滑らせたらしいということです。」
居室にあるトイレには、ドアは設置されておらず、シャワーカーテンで仕切られているだけです。
カーテンの丈も床スレスレまで有るわけではなく、おそらく利用者が入っていることがわかるようにすき間が開いています。
また、ベッドの周りはフロアカーペットが使用されていますが、トイレから出たところはフローリングになっていて、板材が使用されています。
ヤッチ:「じゃあ、トイレの中で転倒したのかな?それともトイレの外で転倒したのかな?」
女性職員さん:「居室内で放尿されていたご様子で、職員が居室に入った時は、トイレの外で倒れていたそうです。その後、就寝していただいた後、再び目を覚まされて、3時から4時の間、興奮なさって、廊下で大声を上げていたと書いてあります。」
ヤッチ:「えぇーーー!親父が居室内で小便をまき散らすかなぁ…。便器の周りに失敗することは有っても、トイレの場所はちゃんとわかってるはずなんだがなぁ…。意外とそういうところはちゃんとしてるはずなんだがなぁ…???カーテンの開け閉めをきちんとやってるのを俺は年中目にしてるんだけどなぁ…。」
女性職員さん:「…。」
ヤッチ:「トイレの中で失敗したと仮定して、トイレの外まで、小便が染みだして来るとしたら、相当な量だと思うよ?」
女性職員さん:「すいません…、私が直接見たわけではないので…。」
ヤッチ:「わかりました。もう一度、生活相談員の○○さんとお話ししてみます。ありがとうございました。」
ちょうど、女性職員さんと話を終えた時に、施設の看護師さんがヤッチの方に向かって歩いてきました。
看護師さん:「このたびは、申し訳ありませんでした。」
この言葉から、看護師さんもアルツ君の病院での診察に同行して下さったことがわかります。
ヤッチ:「こちらこそ、お手数をかけちゃったみたいで…。」
看護師さん:「病院での診察ですけど、左腕のところを打撲していたので、湿布を貼って処置していただきました。他の部位にも異常が無いか曲げたりして先生に診てもらいましたけど、大丈夫そうだということでした。レントゲンも撮って骨折している箇所は無いということでした。」
ヤッチ:「打撲は昔の古傷のあるところでしたか?」
看護師さん:「いえ、少し下の方のひじに寄った方です。それとひじの辺りにすり傷が有ったので、それも処置していただきました。」
ヤッチ:「同じ場所でなくて、よかった。」
看護師さん:「あと、お医者さんで、痛み止めを処方されています。」
ヤッチ:「毎食後の処方ですか?」
看護師さん:「いえ、痛い時だけという処方です。」
ヤッチ:「頓服ですね?いろいろとありがとうございました。」
看護師さん:「いえいえ、まだしばらくは痛みが残るでしょうから、こちらでも注意深く診させていただきますね。あ、それと、こちらにお戻りになられてから、少し気分がすぐれないご様子で、室内履きを履いて頂くようにお願いしたんですけど、履いていただけなかったので、お父様、裸足のままです。それで室内履きはお父様の足元に置かせていただきました。」
ヤッチ:「わかりました。ありがとうございます。」
ヤッチは定位置にいるアルツ君のところに行き、アルツ君のとなりに腰かけます。
ヤッチ:「腕、痛むかい?」
アルツ君:「そんなの事関係ない!俺はぶっ壊してやるからな!」
大声を上げるわけではありませんが、アルツ君、相当オカンムリのご様子。
理由はハッキリわかりません。
ヤッチ:「ぶっ壊すってどこを?」
アルツ君:「決まってるだろ!ここ(アルツ君の居室)をだよ!どいつもこいつも、だらしなくしてやがるんだからッ!」
ヤッチ:「ここの人間(職員)のことを言ってるのか?」
アルツ君:「みんなだよ!お前も一緒だッ!」
ヤッチ:「で、部屋をぶっ壊してどうするんだ?」
アルツ君:「そんなこと、俺が知るかよッ!」
ヤッチ:「寝るところが無くなっちゃうじゃん?」
アルツ君:「そんなことを考えたら、何にもできないって言うんだよッ!」
ヤッチ:「よっしゃっー!わかった!どっからぶっ壊す?窓から?便器にするか?家からデカいバールを持ってくるか?それともどっかでユンボ借りて来るか?」
アルツ君:「お前、何もそこまでしなくてもいいよ…。」
ヤッチ:「なんなら、カセットボンベに5寸釘を詰めてもいいぞ!」
アルツ君:「おまえ、やめとけよ!」
ヤッチ:「『腹が減っては戦ができぬ』っていうからな。ぶっ壊す前に腹ごしらえをしようぜ!ボタモチを持って来たけど食うか?」
アルツ君:「ボタモチ?」
ヤッチ:「ああ。」
アルツ君:「それはいいですね。食べたいですね~。」
ボタモチは万能のアイテムですね~!
アルツ君の機嫌が元に戻りました。
(^.^)/~~~
アルツ君にボタモチを食べてもらっている間に、生活相談員さんが戻ってこられたので、アルツ君と少し距離を置いた廊下で相談員さんと話をします。
ヤッチ:「どうも。さっき事務所に寄った時、いらっしゃらなかったみたいで…。」
生活相談員さん:「どうも、すいません。今回、お父様の件、申し訳ありませんでした。」
ヤッチ:「まあ、転倒はどうしても避けられないことも有りますからね…。」
アルツ君のように足腰が弱ってくると、どうしても転倒のリスクが常に付いてきます。
仕方のないことと言えば、仕方のないことですが、できれば避けたいもの…。
そうかといって、転倒したことを100%施設側の責任にするのも微妙なところなので、ヤッチもあまり強気な発言はできません。
この後、生活相談員さんから、女性職員さんや看護師さんから聞いたことと概ね同じ内容の説明を受けました。
ただ、はじめて聞かされたことが一つだけ有りました。
生活相談員さん:「お父様なんですが、職員が訪室したときは、下半身裸だったようで…。」
ヤッチ:「フルチンだったっていうこと?」
生活相談員さん:「だったみたいです。」
ヤッチ:「じゃあ、自分でズボンもリハパンも脱いだんだなぁ…。夜間の見回りっていうのはどんな状況なんですか?」
生活相談員さん:「1時間に一回は訪室させていただいています。」
ヤッチ:「俺だったら、フルチンになって、部屋で小便をまき散らすのに、3分とかからないと思うけど、親父がそれをするには結構な時間がかかると思うんだけどな…。夜勤の人、全然気づかなかったのかねぇ?」
生活相談員さん:「申し訳ありません。」
ヤッチ:「また、父が嫌がるからと言って、部屋を覗いていなかったなんてことはない?」
生活相談員さん:「たぶん、そういうことはないと思いますけど、もう一度確認してみます。」
ヤッチ:「あまり今回のこととは関係ないかもしれませんけど、以前にも申し上げたように、ここの施設では、『嫌がることはしない』が徹底されているみたいですよね?『どうしたら嫌がられないか』を考えるのも大事なことのように思えるんですけど…???」
生活相談員さん:「おっしゃる通りだと思います…。」
ヤッチ:「転倒をゼロにすることは無理なことだとは、私も思っているので、まあ、また何か良い案が浮かんだら、提案させてもらいますよ。」
生活相談員さん:「今日は本当に申し訳ありませんでした。」
ヤッチ:「いえいえ、そんなに謝らないでください。こちらこそご迷惑を掛けて申し訳ありませんでした。」
タイミングが良いというか、悪いというか、アルツ君が席を立って歩き出そうとしていたので、生活相談員さんがそれに気づき、ヤッチとの話はここで中断です。
生活相談員さんが『トイレかな?』と言って、アルツ君のところへ駆け寄ります。
さすが、プロの反応…!
生活相談員さん:「○○さん(アルツ君のこと)、お部屋に行ってスッキリしましょうか?」
アルツ君:「何だか、トイレに行きたくなっちゃったよ…。」
生活相談員さん:「それじゃあ、一緒にお部屋に戻りましょう。」
生活相談員さん、自らアルツ君のトイレ介助をして下さいました。
アルツ君のトイレ介助を済ませたあと、再び元の場所でヤッチと生活相談員さんと話を少し続けましたが、今後の対応については、少し時間を下さいということで終了です。
アルツ君のリハパンのパッドに尿センサーを付けることなども検討するとおっしゃっていました。
ヤッチはアルツ君の居る居室に戻ります。
ヤッチ:「今日は安静にしてる方がいいかもな?」
アルツ君:「なんでよ?」
ヤッチ:「医者に行って疲れてるからさ。」
アルツ君:「お前がか?」
ヤッチ:「はぁ?旦那さんだよ。」
アルツ君:「俺がかよ?」
ヤッチ:「転んで、腕が痛いって医者に行っただろ?」
アルツ君:「それで、腕が痛いんだ…。」
ヤッチ:「あん?」
アルツ君:「そうか…。俺は転んだのかぁ…。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
追記:
施設の説明ではトイレのすぐ外でアルツ君が転倒していたと聞きましたが、なぜ故、アルツ君の寝ているベッド(足元付近)のシーツにこんなに生々しい血痕が付いているのか謎です…。

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