こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日、アルツ君のところに面会に行ってきました。
アルツ君は、いつも自分の居室にいるか、『定位置』に腰かけているか、どちらかです。
しかし、ヤッチが三階に上ると、珍しくアルツ君、別棟の大きなデイルームに居ました。
デイルームにあるテーブルの前に座り、女性の入所者さんとおしゃべりをしているようです。
女性の入所者さんに向かって何か話しているようです。
アルツ君の表情は険しいわけではなく、どちらかというと、ニコニコ顔です。
アルツ君:「最近、ずっとメシを食わしてもらってないんだよ…。」
女性入所者さん:「あら?そうなの?ここ(施設)の人に言って、何か食べさせてもらったら?」
アルツ君:「そうなんだけどさぁ…。俺が言ったところで、『さっき食べましたよ。』って言われるだけだからさぁ…。」
女性入所者さん:「そんなことないでしょ。言ってみたら?」
そこへヤッチが二人に近づいて行きます。
アルツ君がヤッチに気づきます。
アルツ君:「あ?お前どっから来たんだ?」
ヤッチ:「超高級三ツ星レストランからだよ。」
アルツ君:「かっー!高級レストランだってよ。こっちは10年くらいメシを食わしてもらってないっていうのによぉ~。」
女性入所者さんがヤッチに向かって話しかけてきます。
女性入所者さんは、当然ヤッチとアルツ君との関係を理解していません。
女性入所者さん:「この人、ずっとご飯を食べさせてもらってないんだって。なにか食べさせてあげたら?」
ヤッチ:「ありがとうございます。そう思って、ボタモチを持って来たけど、どうする?」
アルツ君:「どうするも、こうするもあるかよ。食うに決まってんだろ。」
まさか、施設のほうで、アルツ君だけ食事を支給しないということはないはず…。
(-_-;)
たぶん、食べたことを忘れてしまうんでしょうね。
(-_-;)
ただ、アルツ君に『食べたはずだ。』と言っても逆ギレされるだけです。
本人の記憶にないのだから、仕方のないことです。
(-_-;)
しかも食べた事は覚えていないのに、食べていないことは覚えているのも面白いところです。
ヤッチ:「じゃあさ、腹の足しになるかどうかわからないけど、部屋でボタモチを食べようぜ。」
ヤッチはアルツ君を立たせ、女性入所者さんに軽く会釈し、席をあとにします。
居室に戻る廊下で、ヤッチはアルツ君に質問します。
ヤッチ:「どいつが、旦那さんにメシを食わしてくれないんだ?」
アルツ君:「ドイツもエゲレスもあるかよ。みんなだよ。」
ヤッチ:「そうか…。そしたら全員タコ糸でふん縛る(ふんじばる)か?」
アルツ君:「そんなことしたって、食わしてくれるもんかよ。」
ヤッチ:「ふん縛った後はどうする?チャーシューにする?それとも炭火であぶる?」
アルツ君:「なにもそんなことまでしなくてもいいよ。」
ヤッチ:「そうかぁ…?それじゃあ、旦那さんの腹の虫が腹を空かせたままだろ?俺があとで旦那さんにちゃんとメシを出すようこっぴどく怒っておくよ。」
居室に戻り、ボタモチのパーッケージを拡げます。
アルツ君:「かっー!ボタモチなんて食うの何年ぶりだろ?10年は食ってないな…。」
ヤッチ:「俺はそのセリフ聞き飽きてるけどな?」
アルツ君すぐさまボタモチをパクつきます。
アルツ君:「やっぱりボタモチはいいね~。」
ヤッチ:「そうとう腹が減ってるみたいだな?」
アルツ君:「当たり前さよ~。もう10年もメシを食わしてもらってないぞ?」
ヤッチ:「水も?」
アルツ君:「ああ、水もお茶も。」
ヤッチ:「よく生きてるなぁ…???」
アルツ君:「そうなんだよ。それが不思議なんだよ…。」
アルツ君ですが、急に食べる手を止めてしまいました。
???
ヤッチ:「どうした?最初にパクつき出した時の勢いがないね?」
アルツ君:「何だかずっと食わしてもらってないのに、胃袋に入って行かないなぁ…。」
ヤッチ:「あんまり長いこと食わなかったから胃袋が拒絶反応を起こしてるのかもよ?」
アルツ君:「お前に少しやろか?」
ヤッチ:「めずらしいね。でもあと少しだから食っちゃえば?いつまた食わしてもらえるんだか、わからないんだから。」
アルツ君:「そうだよな~。食いだめしておかないとだよな~。」
結局、少し時間はかかったものの、ボタモチを一個完食。
(o^―^o)ニコ
ヤッチ:「そう言えば、カラオケの本、読んでるか?」
実は先月の2月27日はアルツ君の誕生日。
御年86歳。
アルツ君と近くのTSUTAYAまで行き、そこでヤッチがプレゼントしたものです。
当初は文字の少ない野鳥や樹木、花などの写真集があれば、それをプレゼントしようと思ったのですが、どうしても本人がカラオケの本がいいと言うので、それを購入…。
アルツ君:「ああ、あれかぁ!?読んでますよん!でもマイクが無いんだよなぁ…。」
ヤッチ:「どこでお披露目するんだよ?それにそれは本だから、音が出るわけじゃないんだぞ?」
アルツ君:「わかってますよ。でも、マイクが有ったら感じが出るぞ?」
ヤッチ:「引き出しの中に『なわとび』が入ってたべ?」
以前、アルツ君の歩行訓練に使おうとヤッチが100円ショップで購入した『なわとび』です。
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パーキンソンロード
アルツ君:「かっー!」
ヤッチ:「『かっー!』のあとは、『うれしい』か?」
アルツ君:「そういうことにしておく…。」
あれだけ難読漢字を読めたアルツ君ですが、今はもう、ひらがなも、読めないかもしれません。
時計の針はおろか、時計の数字を読めなくなってきています。
そのくせ、電柱などに貼られている広告の難しい漢字をときどき読めたりしますから、ちょっと脳の構造を確かめたくなります。
ヤッチ:「もうすぐ、『大江戸捜査網』が始まるけどどうする?」
アルツ君:「大江戸捜査網?なんだっけか?」
ヤッチ:「時代劇。テレビで再放送やってるよ。」
アルツ君:「ああ、チャンバラか?観る!観る!」
ヤッチ:「じゃあ、向こうの棟まで行って観ようぜ?」
アルツ君:「別に構いませんよん!」
ヤッチ:「その前に確認な?今、何食った?」
アルツ君:「なんか食ったか?」
ヤッチ:「ボ・タ・モ・チ。」
アルツ君:「ああ、食った食った!」
ヤッチ:「旦那さんが覚えていなくても、俺が覚えておくからな?」
アルツ君といつものように別棟まで歩行車を使って行き、設けてあるテレビで『大江戸捜査網』の視聴です。
アルツ君:「かー、やってやがる。ずいぶん古い映画だな?」
ヤッチ:「30年くらいは経ってるかもな?」
もうこの会話…。
86回はしています…。
(-_-;)
小一時間視聴してもらったところで、部屋に戻ります。
ヤッチ:「面白かったか?」
アルツ君:「まあね…。」
ヤッチ:「主演の俳優さん誰だかわかったか?松方弘樹だぞ?」
アルツ君:「そうかぁ…。松方弘樹かぁ…。」
アルツ君、なんか浮かない表情…。
はい…。
もうお分かりですね?
ヤッチ:「出ちまったか?」
アルツ君:「わからん…。」
ヤッチはアルツ君の背後に回りこみ、リハパンの中を覗き込みます。
アルツ君がヤッチに力の無い声で問いかけてきます。
アルツ君:「どう?出てるか?」
ヤッチはうなずきます。
(-_-;)
アルツ君:「おかしいなぁ…。メシは食ってないはずなんだがなぁ…。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
先月の20日(2014/02/20)に顔面神経麻痺の後遺症(共同運動)の治療のため、顔にボトックス®注射を受けたヤッチですが、前回の記事で2、3日経っても顔に変化が現われないということを書かせていただきました。
でも、一週間くらい経ったあたりでしょうか…。
口元に少し変化が出てきました。
左の下唇(したくちびる)が少しニワトリのトサカのように飛び出していたのですが、飛び出していません。
鏡を見るまでもなく、これが実感できました。
一応、鏡で確認です。
ん…。
やはり、飛び出しておらず、口を閉じた状態では、左右対称で、普通になっています。
口を大きく開けてみます。
ボトックス®を打った左側の下唇が普通に口を開けているのに、丸め込まれたようになっています。
むしろ健側の右の口元の方が相対的に、だらしなく下がって見えます。
やはり、ボトックス®が効いて来たんですね。
(^^ゞ
というより、少し効きすぎているのかな?という印象です。
ちょっと唇が麻痺して(感覚はあります)、健側と同じような唇の形に修正されたとわかりやすいでしょうか…。
口全体としては、閉じている時は、トサカ部分が無くなったため、左右対称で、大きく開けると、左右非対称…。
ボトックス®注射を受ける前は、全くこの逆です。
診察して下さったH先生は、『あまり変化が無いかも知れない。』とおっしゃっていましたが、一番最初に現れた変化は唇だったようでようです。
特に食事をする時に口の開け閉めに支障をきたす感じでもなかったので、もうしばらく様子を見ることに…。
そして、鏡の前で口を開けた時に、いつもなら左目が閉じてしまうのに、まぶたがあまり下がって来ないことも、この時気づきました。
まだ、強く口を丸め込んだり、舌を出すと、目は閉じてしまいますが、ボトックス®を打つ前に比べると、不快感は軽減されているように思われます。
翌日になると、この口を開けると目が勝手に閉じてしまうという共同運動がまた少し緩和され、徐々に口を開けても、勝手に閉じなくなってきました。
その翌日と、日を追うごとに、目が勝手に閉じなくなってきました。
ボトックス®注射というのは、突然、薬が効いて来るのではなく、ジワリジワリと効いて来るようですね。
ボトックス®の効き具合を診てもらうために、大学病院には2週間後の3月6日(2014年)に診察の予約を入れてありました。
もうこのころには、大きく口を丸め込んだりしない限りは、左目は勝手に閉じたりしないようになっていました。
いや、むしろ意識しても閉じることができなくなってしまったとういうのが正解かもしれません。
顔面神経麻痺になったときに、最初に味わった『片目が開いたまま』の状態に逆戻りしてしまったかのような…。
(-_-;)
まばたきが健側の右目に比べて遅いようにも感じます。
軽く目を閉じた時もやや薄目になっている感覚すらあります。
まばたきが緩慢な分、左目だけちょっくらドライアイです。
ボトックス®注射を打つ前の診察では、副作用として、こういった事があるとういう説明を受けていたので、辛抱のしどころかな…?
…と、ここまで書いて、『お前の説明わかりづらいよ!』とお嘆きの方々!
要は片目が開きっぱなしっていうことであります!
下唇の片側だけ麻痺ってる状態!
( ̄^ ̄)キッパリ!
まぶたが下がって来てしまう『眼瞼下垂(がんけんかすい)』も副作用として有りうるという説明も受けましたが、ヤッチの場合はこの逆で、まぶたが下がらない状態です。
ある意味、眼瞼下垂の患者さんがこのボトックス®注射を受けたら、症状が緩和されるのかもしれないですね~。
保険適用にならないのかな???
唇の方は最初にボトックス®の効き目を感じた時とそう大きな変化は見られませんが、目のほうは、時々目薬でもささないと辛いという印象です。
どっちみち、H先生の診察を控えていたので、H先生に相談してみることに…。
予約時間は3月6日の17時からでしたが、3時間くらい待ったんじゃないかな…。
ようやく診察室に入るよう、ヤッチの名前が呼ばれます。
H先生:「前回はボトックス®を打ったんでしたっけ?どうですか?その後は…???」
ヤッチ:「おかげさまで共同運動のほうは緩和されて、食事もずいぶんストレスなく摂れるようになりました。」
H先生:「それはよかったですね~。」
ヤッチ:「ただ、今度は目が開いたままになっていることが多いのか、涙がよく出ます。ついつい、無意識に目をこすってしまうのか、目尻がすこしヒリヒリします。」
H先生:「最初にご説明申し上げたように、ボトックス®を打ってすぐは、よくこういうことが有ります。そのうち、薬の効果がだんだん薄れてきて、気にならなくなると思いますよ。」
ヤッチ:「寝ている時も、片目だけちゃんと閉じられていない状態なのかな…。」
H先生:「軽く目を閉じてみてください?」
ヤッチは言われた通り両目を閉じます。
H先生:「強く閉じてみてください?」
ヤッチは言われた通り両目を強く閉じます。
H先生:「今度は『あ』?」
ヤッチは言われた通り『あ』の発音…。
H先生:「じゃあ、『いー』?」
ヤッチは言われた通り『いー』の発音…。
H先生:「じゃあ、『う』?」
ヤッチは言われた通り『う』の発音…。
H先生:「唇のほうは、前回診させていただいた時は、麻痺していた側にうんと引っ張られていて、少し口が曲がっているように見えましたけど、今回は元に戻ってるなぁ…。ただ、これはボトックス®のせいで麻痺しているから、そうなるんであって、薬が切れて来ると、だんだん戻って来てしまうかもしれませんねえ~。」
ヤッチ:「そうなんですかぁ…。」
H先生:「目のほうは、閉じてもらうと、やはり片目が少し開いた状態になってるかなぁ…。」
ヤッチ:「やっぱりそうですか。乾かないように薬を出してもらえませんかね?」
H先生:「わかりました。目尻につけていただく軟膏をお出ししておきます。これは、日中より、夜寝る前に塗って下さい。」
ヤッチ:「わかりました。」
H先生:「あと、目が乾くということなので、点眼薬をお出しします。これは、就寝前というのではなく、乾いたら点けるようにしてください。」
ヤッチ:「わかりました。」
H先生:「目が乾いたりして、最初はお辛いでしょうけど、薬の効果が薄れていくのと並行して徐々に緩和して来ると思います。だいたいボトックス®の効果は3ヶ月程度で消失します。そのころにまた診察させて頂こうかな?」
ヤッチ:「わかりました。まあ、毎度毎度、ウィンクしながら食事をするより、こっちの方が楽ですから…。それと、先生、もう一つお伺いしたいことがあるんですが?」
H先生:「なんでしょう?」
ヤッチ:「ボトックス®をしていただいたおかげで、目のほうの共同運動も治まっている状態なんですけど、まだ、やはり口を開けたり、曲げると耳の中で風切り音が入ってきます。口や表情筋を動かした時だけなるので、常時耳鳴りがするというわけではないですが…?」
H先生:「耳鳴りかぁ…。」
ヤッチ:「たとえば、耳のそばにボトックス®注射を打ったらこれが改善されるなんていうことはないんですかね?」
H先生:「ん…。おっしゃっているのは、耳の中の話だと思いますよ。耳の中の話になると僕の専門じゃないからなぁ…。耳鼻科が専門になるのかな…。」
ヤッチ:「先生のほうで何とかできないのでしょうか?」
H先生:「ボトックス®を耳の中に打つということはできないんですよ…。」
ヤッチ:「以前顔面神経麻痺で入院していた病院の先生にこのことを申し上げたこともあるんですけど、『気のせいだ。』、『慣れるしかない。』と言われちゃったもんですから…。」
H先生:「僕のほうは、専門外だけど、この病院の耳鼻科に顔面神経麻痺専門の先生もいらっしゃいますから、もしよろしければ、紹介させていただきますけど?」
ヤッチ:「ん…。まだ、ボトックス®を打ってから、日数が経っていないので、もう少し様子見てみることにします。目の共同運動が楽になったことで、耳鳴りも気にならなくなるかもしれませんので…。」
本当のところは、すぐにでも耳鼻科の先生を紹介してもらいたかったのですが、また初診の受付、予約、問診票に記入、診察待ち、検査…等々と、先のことを考えるとついつい億劫になってしまいます。
(-_-;)
まだボトックス®を打っばかりで、これから先、もう少し効果が拡がって来るかもしれません。
そうしたら、耳鳴りも無くなるかもしれません。
3か月後にまた診察をしてもらうので、どうしても耳鳴りの事が気になるなら、その時にでもということで…。
(^_^)/
H先生:「顔面神経麻痺の時にやられたように、毎日鏡を見ながら、顔(の表情筋)を動かすようにしてくださいね。」
ヤッチ:「わかりました。」
最後に顔の写真を撮っていただき、処方せんと3ヶ月先の次回の予約を取って終了です。
処方してもらった薬は以下になります。
- ヒアレイン点眼液0.1%
目の表面保護する。 - タリビッド眼軟膏0.3%
細菌の感染による目の炎症をしずめる。
診察後の最近のヤッチですが、ボトックス®注射を打つ前は、口を開けさえすれば、ウィンクできたのに、今はまぶたの力だけではウィンクできません。
かなり険しい表情を作らないと片目が閉じません。
ちなみに昔は早智子派でしたが、最近は翔子派です。
冗談はさておき、ポストよりピア美が好きです。
(さておいてないじゃん!)
目薬は今やヤッチの必須アイテムです。
また、明るい屋外に出ると、まばたきが緩慢な分、ものすごくまぶしく感じます。
サングラスも必要ですかねぇ~???
髪を切り、ピエール瀧さんのようになった佐○○内氏に余ったサングラスをもらうかな~。
あっ!
ヤッチのほうは大丈夫ですよ。
耳鳴りがするだけで、音はちゃんと聴こえますからっ!
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日、アルツ君のところへ面会に行ってきました。
久しぶりにヤッチの友人Yさんも一緒に面会に行ってくれました。
この日は、アルツ君のいる特養の入所者さんの何名かがインフルエンザに罹ったとかで、面会の自粛を呼びかけていたようですが、来ちまったものは仕方ありません。
受付で、手指の消毒とマスクの着用をうながされ、アルツ君の居るフロアへと向かいます。
話が前後しますが、先週、姉がアルツ君のところへ面会に行った時に、アルツ君の両太ももに湿疹のようなものを発見し、施設の看護師さんにこのことを報告していました。
で、アルツ君は、施設の職員さんに連れられて、昨日ヤッチたちが面会に行った日の午前中に皮膚科を受診してきたようです。
話を元に戻します。
アルツ君の居るフロアの着くと、アルツ君、廊下のいつもの『定位置』に腰かけ、カラオケの本を読んでいます。
ヤッチがアルツ君の誕生日のプレゼントとして渡した演歌の歌詞が書かれた本です。
ヤッチ:「どう、ちっとは知ってる歌は見つかった?」
アルツ君:「どうもこうも無いよ。毎日眺めてるから、飽きちゃったよ。」
Yさん:「お久しぶりです。」
アルツ君:「どうも。久しぶり。」
Yさんのことを覚えていて、アルツ君が『久しぶり』と言ったかどうかは定かではありません。
ヤッチ:「飽きちゃったか…。今日は外も風が強いから、散歩っていうわけにもいかないなぁ…。」
昨日18日の関東には、春一番が吹いたようですね。
アルツ君:「ああ、ダメだよ。外は風が強いからな。」
Yさん:「風が強いってよくわかりますね?」
アルツ君:「ああ、さっき、外を見たからね。」
Yさん:「流石です。」
ヤッチ:「(病院に行って)疲れてるのか?」
アルツ君:「疲れてるわけないじゃないかよ。」
ヤッチ:「腹は空いてないのか?」
アルツ君:「ああ、あんまり空いてないね。」
ヤッチ:「ボタモチを持って来たけど、腹イッパイじゃ、いらないかぁ…。」
アルツ君:「ボタモチ?ボタモチなら食べるぞ。」
結局、いつも通りの会話で、結局いつも通りにボタモチを食べるアルツ君…。
ヤッチは、姉にアルツ君の皮膚科の受診結果を聞いておくよう頼まれていたことを思い出します。
アルツ君がボタモチを食べている間にカウンターにいらっしゃる女性職員さんに声を掛けます。
ヤッチ:「父なんですけど、今日、皮膚科に連れて行ってもらったようなんですが、何か聞いています?」
女性職員さん:「ああ、そのことでしたら、ちょうどうちのナースがそこにいますので、ナースからご説明させていただきます。」
女性職員さんが近くに居た看護師さんを呼びます。
アルツ君の居室のすぐそばの入所者さんのお世話をしていた看護師さんがヤッチのところに姿を現します。
ヤッチ:「あ。どうも。診察結果の方はどうでした?」
看護師さん:「皮膚科にお連れしたんですけど、なんでも『ないいんせい』の皮膚炎だそうで…。」
ヤッチ:「ないいんせい?心的ストレスかなにかが原因っていうこと?」
ヤッチは『ないいんせい』と聞いて、頭に浮かんだ文字は、まず『内陰性』です。
『内陰性』という文字が、医学用語に有るか無いかは別として、『内』という文字は間違ってないような気がします。
看護師さん:「わたしもよくわからないんですけど、皮膚科の先生がそうおっしゃるものですから…。一応、ステロイドの塗り薬を処方してもらってきました。おそらく、外的なものではないという意味なんだと思いますけど…。」
ヤッチ:「旦那さん?なんか心理的な問題でも抱えてるのか?」
看護師さんとアルツ君の座っているテーブル近くで会話していたので、アルツ君にも会話の内容は聞こえているはずです。
アルツ君:「ふん。そんなもん、有るわけないじゃないかよ。」
アルツ君、ボタモチを食べるのに必死で、それどころではないようです。
ヤッチは看護師さんに向き直ります。
ヤッチ:「で、その何たら皮膚炎ちゅうのは、感染する皮膚炎ではないのですね?」
看護師さん:「先生は、感染するものではないと、おっしゃっていました。」
ヤッチ:「ありがとうございました。いつもご面倒をおかけして申し訳ありません。」
看護師さん:「いえいえ、しばらくはこちらも注意深く、診させていただきますね。」
看護師さんは、足早に去っていきました。
この後、ヤッチもアルツ君の患部をまだ見ていなかったので、リハパンをチェックするときにちょっとアルツ君に居室で確認させてもらいました。
画像ではわかりにくいかも知れませんが、患部がうっすら赤くなっています。
水疱とまではいかないまでも、ところどころ、うっすら皮膚がケロイド状に隆起いるところもあります。
これが両方の太ももに…。
元々乾燥肌のアルツ君ですが、乾燥肌が痒くて掻きむしったような感じではありません。
どちらかというと、低温やけどでもしたかのような雰囲気です。
ヤッチ:「旦那さん、痛くないのか?」
アルツ君:「みんなで俺のところに来て大騒ぎしてるけど、俺はどっこも悪くないぞ?」
ヤッチ:「かゆくもない?」
アルツ君:「当たり前さよ~。」
本人がそう言うので、まず間違いはないでしょう…。
ちょっとでもかゆいところでもあると、制止を振り切り、かきむしるアルツ君ですから。
アルツ君にズボンを履いてもらい、今日もお決まりとなった『大江戸捜査網』のテレビ放送を観て、面会は終了です。
施設を出て、Yさんと食事を摂りながら、話をしましたが、この『ないいんせい』という言葉、どうもわかったようなわからないような、曖昧な言葉です。
帰宅し、ヤッチもこの言葉が気になったので、ちょっと『ないいんせい皮膚炎』を検索語にググってみました。
ん…。
『内陰性』という言葉はヒットしないようです。
(^^ゞ
ヒットするのは、『内因性湿疹』、『アトピー性皮膚炎』、『内因性アトピー性皮膚炎』というのが、上位候補でしょうか…。
そうか?
『内陰性』ではなく、『内因性』か?
なんか、ほんの少しモヤモヤがとれたような…。
今度は『内因』で検索です。
引用▽
内因△引用
- それ自体に内在する原因。そのものの内部にある原因。⇔外因。
- 病気の原因となる、生体側の素地。免疫や抵抗力の低下、遺伝、特異体質など。
kotobankより引用
by小保方
ヤッチがアルツ君に『心理的な問題でも抱えてるのか?』とたずねたのは、この内因性に内包される意味になるのかどうかわかりませんが、『心因性』的な意味合いだったかもしれません。
いずれにしても、『外因性』の対義語として、この『内因性』という言葉が有るわけで、アルツ君の皮膚炎ないし、湿疹は、外的な刺激によって炎症を起こしているものではないようです。
また、アトピー性皮膚炎というのは、外因性アトピー性皮膚炎と内因性アトピー性皮膚炎に大別されるようです。
その前にアトピー性皮膚炎って何?
よく耳にする言葉ですが、しっかりとした定義を知らないまま当たり前のように使っている代表格ではないでしょうか?
引用▽
アトピー性皮膚炎とは△引用
アトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん、英語:atopic dermatitis)とは、アレルギー反応と関連があるもののうち皮膚の炎症(湿疹など)を伴うもので過敏症の一種。
アトピーという名前は 「場所が不特定」 という意味のギリシャ語 「アトポス」 (atopos - a=不特定、 topos=場所) から由来し、1923年 コカ(coca) という学者が 「遺伝的素因を持った人に現れる即時型アレルギーに基づく病気」 に対して名づけた。
「アトピー性皮膚炎」 という言葉が医学用語として登場するのは、1933年である。
アメリカ人のザルツバーガー皮膚科医が、皮膚炎と結びつけて 「アトピー性皮膚炎(Atopic Dermatitis)」 という病名をはじめて使用した。
医学用語としては気管支喘息、鼻炎などのほかのアレルギー疾患にも冠されるが、日本においては慣用的に「アトピー」のみで皮膚炎のことを指すことが多い。
概要
日本皮膚科学会ガイドラインでは、アトピー性皮膚炎は表皮、なかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる、慢性に経過する炎症と掻痒をその病態とする湿疹・皮膚炎群の一疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。
日本皮膚科学会の診断基準は、で、3つすべて当てはまるものをいう。
- かゆみ
- 特徴的な皮疹とその分布
- 慢性・反復性の経過
Wikipediaより引用
by晴子
ますます、わからなくなっちまいました…。
(-_-;)
わかったと仮定して、外からの物質が原因でアレルギーが起きるものが外因性アトピー性皮膚炎。
体内の状態が原因でアレルギーが起きるものが内因性アトピー性皮膚炎。
でも、上記のWikipediaの引用文の中で、日本皮膚科学会の診断基準では、アトピー性皮膚炎には『かゆみ』が伴うことになっています。
アルツ君はかゆみは無いと言っています。
そうすると、内因性アトピー性皮膚炎ではないことになります。
『内因性湿疹』で検索すると、今度は『はげしいかゆみ』という言葉が目につく結果になります。
(-_-;)
こうなってくると、『アレルギー』という言葉ですら、『エネルギー』に見えてきます。
で、『エネルギー』って何よ?
アルツ君を診察したお医者さんが、原因がはっきりしないので、内因性の皮膚炎と診断したのだと思いますが、調べた結果、アルツ君の皮膚炎の原因は余計謎になってしまいました。
(^^ゞ
だいたい、皮膚炎と湿疹の違いってわかります?
理○○研究所に電話してみますかぁ~。
たぶん、外部の刺激よるものではない、あるいは外傷性のものではない湿疹が内因性湿疹なんでしょうね。
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日、アルツ君のところに面会に行ってきました。
まだ、特養の入所者さんの何人かが、インフルエンザにかかっているらしく、この日はアルツ君の居る棟と別棟は防火扉で仕切られ、別棟に行くことができない状態になっていました。
たしか去年もこんな日が有って、アルツ君が大騒ぎしたような…。
フロアに上がると、アルツ君は居室に居るようです。
ヤッチはアルツ君の居室の扉をノックします。
アルツ君:「おうっ!」
ヤッチは扉を開けます。
アルツ君、クローゼットの中にしまってあった大半の洋服をベッドの上にひろげています。
ヤッチ:「また、脱走計画でも企ててるのか?」
アルツ君:「違うよ。」
ヤッチ:「じゃあ、なに?」
アルツ君:「誰かがここに荷物を置いて行ったんだよ。」
ヤッチ:「荷物たって、これ、全部旦那さんの物じゃないかよ?」
アルツ君:「そう、みたいだな…。」
ヤッチ:「『みたい』じゃなくて、旦那さんの洋服だよ。」
アルツ君:「かー!誰が置いて行ったんだろ…。」
ヤッチ:「サンタクロースは季節外れだと思うがな…。だいたい、旦那さんは靴下を履いているのを見たことないしな?」
アルツ君:「ちぇっ。」
ヤッチは、アルツ君がベッドの上にひろげた洋服を再びクローゼットにしまい始めます。
ヤッチ:「ずいぶんとお店を拡げたな…?」
アルツ君:「知らない…。」
ヤッチが片付けをしていると、ある異変に気づきます。
施設では週に二回しか入浴ができないので、姉が時々アルツ君の足などを『からだふき』で拭いています。
その『からだふき』は、普段は引き出しにしまって有りますが、ベッドサイドの机の上に置いてあります。
しかも、シール部分をめくって中身を取り出すのではなく、破いて出してしまっています。
(-_-;)
ヤッチ:「なにこれ?旦那さんが使ったのか?」
アルツ君:「知らない…。」
居室にハサミを置いておくと危険だということで、ハサミは居室には無いので、手で引き裂いたものと思われます。
ヤッチ:「なんだって、こんなことをするのかねぇ…。」
アルツ君:「だから、俺じゃないって。」
ヤッチ:「まあ、いいや。証拠写真を撮って、沢口靖子に渡しておくから。」
アルツ君:「誰だそれ?」
鼻をかもうとでも思って、ティッシュを探したのでしょうか…?
でも、ティッシュの箱は、『からだふき』のすぐそばに置いてあります。(画像中央上にチラッと)
ティッシュの枚数が少なくなって、年寄りには引き出しにくい状況になっています。
でも、ティッシュの枚数が少なくなると、アルツ君が箱の横を開け、そこから取り出しているのをヤッチは知っています。
ヤッチ:「ティッシュが見当たらなかったからか?」
アルツ君:「だから、知らないよ。ばあさん(キノコさん)がそこへ置いて行ったんじゃないのか?」
ヤッチ:「ばあさんなら、今日は家に居るよ。」
アルツ君:「家で何してるんだ?」
ヤッチ:「炊事・洗濯・掃除・順不同…。」
アルツ君:「かっー!美味いもん食ってやがるんだろ?俺は最近、何にも食わしてもらってないんだけどな…。」
ヤッチ:「食って無い奴が、そこまで肥えるわけはないと思うけどな?」
アルツ君:「お前の気のせいだろ。ちゃんとした人が見たら、普通だよ、普通…。むしろ痩せてるくらいだ。」
ヤッチ:「まるで俺がちゃんとしてない人間みたいじゃないかよ。」
アルツ君:「ふふ…。」
ヤッチ:「今日もボタモチを持って来たけど食うか?」
アルツ君:「それはありがたいですね~。何年ぶりだろ?口の中にものを入れるの…。」
ヤッチはアルツ君がボタモチを食べている間に部屋の中を細かくチェックします。
見れば、パッケージを引き裂いているのは、『からだふき』だけではありませんでした。
(-_-;)
机の上にあるウェットティッシュ、引き出しの中にあった『おしりふき』、それにトイレに置いてあったお掃除シートまで引き裂いています。
中身を取り出したウェットティッシュ類は、隠すように机の奥に乱雑に積み重ねられ、本を立て掛け、目につかないようにしてありました。
シール部分をめくって中身を取り出すタイプのウェットティッシュの類はすべて、破かれてしまっています。
(-_-;)
ヤッチは、袋から取り出され中身だけになった、積み重ねてあるウェットティッシュの山を指さし、アルツ君に話し掛けます。
ヤッチ:「だれがこんなのところに積み重ねたのかね?」
アルツ君:「さあ…。」
ヤッチ:「鼻をかむなら、ここにティッシュが有るじゃんかよ。」
アルツ君:「ああ…、そう言えば、さっきスズメがここへ来て、鼻をかんでたな…。」
ヤッチ:「スズメも花粉症になるのかねぇ…。」
アルツ君:「花粉症かどうかは知らんけど、鼻をかんでたなぁ…。」
ヤッチ:「鼻をかむとしたら、仰向けかねぇ…?」
アルツ君:「いや、器用に片手でかんでたぞ。」
もしかしてだけど…。
アルツ君がウェットティッシュの類を全部引き裂いているのは、お腹が空いていたからではないでしょうか…。
もちろん、施設で食事を出してもらっていますが、記憶はすぐに飛んでしまいます。
部屋の中に食べ物が無いかとアルツ君が部屋を探し回ります。
引き出しを開けると、きれいな包装紙に包まれた『からだふき』が…。
見ようによっては、ウェットティッシュ類のパッケージはポテトチップスなどのスナック菓子のパッケージに見えないこともありません。
中身が食べ物ではないとわかると、新たなターゲットを物色します。
次々にきらびやかな包装紙を見つけては、袋を引き裂いて行くの図式です。
ヤッチ:「ん…。スズメが犯人だとすると、こんなにたくさんのティッシュはいらないと思うがな…。」
アルツ君:「あいつら、なにしでかすか、わかったもんじゃないからな!?」
ヤッチ:「たぶん、犯人はこの部屋の中にいると思うな…。」
アルツ君:「お前か?」
ヤッチ:「なんで犯人が犯人探しをしなくちゃならないんだよっ!だいたい、これ袋から外に出しちゃうと、みんな乾いちゃうんだぜ。」
アルツ君:「そうか…。それでカッチリした袋に入ってたんだぁ…。」
墓穴を掘りました…。
(●`w´●)ニァ・・
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
アルツ君
♪ウェットティッシュを
見つけ出し
♪それを引き裂いては
中身を見るんだ
♪もしかしてだけど
♪もしかしてだけど
♪パッケージが
スナック菓子に
見えてるんじゃないの
たぶん、あなた『♪もしかしてだけど』が耳から離れなくなります。
おんなじにしてやるぅ~
(●`w´●)ニァ・・
ちなみに
ヤッチも
HAGEです…。
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© 2023 アルツ君は職人
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
記事タイトルが固すぎましたね。
『易怒性(いどせい)』とは、いわゆる認知症の周辺症状と呼ばれているものの一つで、簡単に言ってしまえば『おこりやすい』ということです。
医学的なことはよくわかりませんが、認知症を発症する前段階ある軽度認知障害(MCI)にこの『易怒性(いどせい)』が現われると聞いたことがあります。
軽度認知障害(MCI)というのは、かなりザックリですが、疑いはあるものの認知症とは言えないレベルの人ということになります。
そして、なぜこの『易怒性』が出現し、どうすれば改善されるのかが皆さんも一番知りたいところだと思いますが、それがわかれば、認知症なんて、治ったも同然というのがヤッチの現在の結論です。
(^^ゞ
さて、昨日、アルツ君のところへ面会に行ってきました。
昨日(3月25日)の東京はとても暖かく、上着もいらないくらいの陽気。
久しぶりにアルツ君と外に散歩に出かけ、近くの公園で、アルツ君にほんの少しだけ、歩行訓練をしてもらってきました。
施設に戻り、アルツ君に廊下の『定位置』に腰かけてもらい、近くにいらした女性職員さんにお願いをしました。
ヤッチ:「こちらの廊下で、よくラジオを点けていらっしゃるようですけど、CDも聴けるんですよね?」
女性職員さん:「はい。」
ヤッチ:「テレサ・テンのCDを持って来たんですけど、もしよかったら、曲をかけてもらえませんかね?」
女性職員さん:「はい、構いませんけど!?」
ヤッチの持って来たのは、テレサ・テンの『テレサ・テン~昭和歌謡を歌う』というCD二枚組です。
テレサ・テンのオリジナルの曲は入っていませんが、昭和のヒット曲ばかりをテレサ・テンが歌っているカバーアルバムのようです。
ヤッチ:「たぶん、ここにいらっしゃる方(入所者さん)たちも、みなさんよく御存知の曲ばかりなので、お渡ししておきますので、もし、迷惑でなければ、手隙の時にでも曲を流してやって下さい。」
ヤッチはCDを女性職員さんに手渡します。
女性職員さん:「よろしいんですか?」
ヤッチ:「はい、さっそく一枚かけてもいいですか?」
女性職員さん:「どうぞ。」
ヤッチは、女性職員さんに渡したCDから、一枚を取り出し、プレイヤーにセットし、曲を流します。
今度はヤッチ、アルツ君に向かって話しかけます。
ヤッチ:「旦那さんはテレサ・テンって知ってる?」
アルツ君:「なんだそれ?食い物か?」
ヤッチ:「歌手の名前だよ。今流れてる曲、わかるべ?」
アルツ君:「ああ、何だか聴いたことあるかなぁ…。」
ヤッチ:「『津軽海峡・冬景色』だよ。石川さゆりが歌った曲だよ。」
アルツ君:「ふ~ん。」
アルツ君、曲名や歌手の名前まではわからないようですが、聴き覚えはあるようです。
このCD、近くの書店で安売りしていて、購入したばかりのもの。
(結局定価でしたが…。)
ヤッチも施設に来るまで聴いていませんでした。
しかし、予定があったため、曲の途中で施設を後にします。
ヤッチ:「旦那さん、今度来た時までに、全曲歌えるようにしておいてくれよ。」
アルツ君:「あん。」
そして、今日の朝、姉にメールをもらいました。
姉も昨日、施設に行っているようです。
姉からのメールですが、いつもメール本文にまったく改行が無く、しかも文末のほとんどに『下げマーク』が付けてあるので、添削どころ満載です。
以下は、ヤッチの修正した、姉からのメール本文です。
▽引用
【姉からのメール】
おはようございます。
パパ、CDのこと、喜んでいた~。
パパは
『××(ヤッチのこと)が持ってきた』と言っていました。
パパですが、
このところ早朝にかなり激怒して、介護士を呼びつけ、廊下の椅子に
『座れ!』
と命令し、
『誰が俺をここに連れてきた!』
『俺はこんなに元気で、どこも悪くないのに、ばあさん(キノコさん)と生活出来ず、なんで一人でいるのかを答えろ!』
と怒鳴るそうです。
女性介護士さんがー昨日、
『娘さんに私は頼まれて、○○さん(アルツ君)にお食事出したり、お世話を頼まれているんですよ。詳しいことは、娘さんが夕方来た時に聞くのが良いのではないかしら?』
と言ったそうです。
そしたら、パパは、
『すまなかった』
と言い、怒りはおさまったらしいが、
女性介護士さんは、
『(アルツ君が)かなり悩んで苦しんでいるからかわいそうだ』
と言って、
『職員に共通した対応させるので、ストレスを○○さんに与えないような良い説得言葉は、ないでしょうか?』
との話が有りました。
嘘でもよいから
『もっと歩けるようになればママと生活出来る』
と言ってあげたいもんだ…
。・゚・(ノД`)・゚・。
△引用
MOCO'Sキッチンじゃないんだから、ヤッチにたずねられてもねぇ…。
(-_-;)
『オリーブオイルのたんまりかかったボタモチに、高い位置から砂糖をぶちまけ、食わせろ。』と返すわけにもいかず、久々に長文のメールを返しました。
普段『了解しました!』しか書かないヤッチが長文メールを書くのは10年ぶりです。
以下、ヤッチの返信メールです。
▽引用
【ヤッチのメール】
説得して理解できるなら、認知症とは言わないと思います。
説得して理解できるなら、介護保険(施設)も必要ないと思います。
マニュアルを作っても、マニュアル通りに行かないのが認知症だと思います。
かえってマニュアルを作るほうが、症状の悪化を招くと思います。
直近で受けた大学病院の先生の診察では、『怒らない』、『否定しない』 、『説得しない』が三原則でした。
今できることは、この原則通りに、否定や説得をせず、旦那さんの話しを最後まで聞くことでは?
解決にはなりませんが、旦那さんの怒りモードの時は、気持ちを理解した上で、『お辛いですね?気分をかえて、散歩でもしましょうか?』、『温かいお茶でもいれましょうか?』と言って、怒りの矛先を変えることぐらいしか出来ないように思えます。
怒りモードの時には、方便を使っても、『ウソをつけ!』と言われてしまうのがオチかと…。
職員の逃げ越しの姿勢はよそよそしさを招き、その姿勢ではいつまでたっても、信頼関係を築けないと思います。
怒りモードではない時に、積極的に働きかける努力をしてもらえていないので、旦那さんが『住み心地がよくない』と思うことを職員にもわかってもらいたいものだが。。。
追伸
旦那さんが機嫌の悪い時はたいてい失禁しています。
早目早目のトイレ介助が施設でまずやってもらいたいことです。
『ほったらかし』→『寂しい』→ 『怒り』です。
△引用
文章にすると、かなり冷酷非情な内容に見えますね。
はい、大丈夫です。
そう言う文章ですから。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
本当は今回、真面目な記事を書きたかったのですが、やはりキャラ設定に無理が有ります。
以下、乱文ご容赦下さい。(以上もか!?)
姉のメールの中、アルツ君が『誰が俺をここに連れてきた!』と言っていますが、本当にそれを知りたくて言っているのでしょうか?
まともに返事するなら、『ヤッチの高齢者虐待が原因で、アルツ君が保護され、特別養護老人ホームに入所した。』が答えで、『誰が?』は『ヤッチ』という答えになります。
これをアルツ君に言って、納得してくれるんでしょうかねぇ…。
(-_-;)
アルツ君が言いたいのは、『どうして俺がこんなに居心地の悪いところで生活をしなくちゃいけないんだ?』と、置き換えてもいいんじゃないでしょうか?
勘違いしないでくださいね。
施設批判をするつもりではありませんから。
また、姉のメールでは、施設での対応をどうしたら良いかという問い合わせだったので、そこだけに答える形でメールを返しているので、施設に批判的なメールと、とらえられてしまうかもしれません。
『居心地を悪い環境を作っているのは、誰か?』という問いに対して、その主体には、家族も含めて考えないといけません。
居心地を悪くしたことには、当然家族にも責任が有ります。
家族が、アルツ君のお世話を施設に押し付けた結果、アルツ君が怒っているという考え方に改めないといけないかもしれません。
じゃあ、やっぱり張本人はヤッチじゃん!
テレサ・テンの哀愁に満ちた曲を聴かせちゃったからかなぁ…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
うん…。
言い訳すれば、するほど批判的な文章だよな…。
関係者の方、すいません。
m(__)m
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