こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
アルツ君ですが、先週から施設内で歩行車(器)を利用させてもらっています。
この歩行車ですが、歩行器に車輪が付いているものなので、あえて『歩行車』と書かせていただきましたが、正式名称はよくわかりません。
最近のアルツ君はと言うと、施設内で歩く際にも、身体が前傾し、フラフラとおぼつかない様子なので、施設の生活相談員さんが、この歩行車を勧めてくれたようです。
杖を持つのも嫌だと言っていたアルツ君なのに、どういう風の吹きまわしか、この歩行車をすんなり受け入れたようです。
いや、むしろ、嫌がるどころか率先して、利用させてもらっている様子…。
昨日、ヤッチもまだ見ぬアルツ君の歩行車姿を拝ませてもらおうと、面会に行ってきました。
施設の廊下に設けられたテーブルの前にアルツ君が腰かけています。
傍らには歩行車もあります。
アルツ君の方が先にヤッチの姿に気づきます。
アルツ君:「あっ!お前、ちょうどいいところに来た。金が一銭も無いんだよ~。」
ヤッチ:「俺も一円は持っているけど、一銭は見たことないぞ!?」
アルツ君:「ボタモチを買いに行こうと思ったんだけど、金がないんだな…。」
ヤッチ:「買に行くって、売っているところわかるのか?」
アルツ君:「わからないけど、外に出て、ゴチャゴチャ歩いてれば、そのうちわかるだろ!?それにこれもあるしな。ただ、金が無いんだよな…。」
アルツ君が歩行車を指さします。
施設内は当然のことながら、許可なく一人で外に出ることはできません。
お金の必要になる場面もまず無いと言って良いでしょう…。
方向感覚も無くなっているので、まず外に出れば徘徊確定です。
(^_^;)
ヤッチ:「しかし、まあ、なんていい息子なんだろうな~。孝行息子の鏡だね!?」
アルツ君:「なんでよ?お前がかぁ?」
ヤッチ:「そんなことだろうと思って、ボタモチを買って来たよ。」
アルツ君:「かー!!それは、それは…。」
ヤッチ:「『それは、それは…。』の後は何よ?『ありがたい。』か『ありがとう。』だろ?」
アルツ君:「それは、それは、言えません。」
ヤッチ:「まったく失礼なやつだな…。」
アルツ君:「そんなことはどうだっていいから、早いとこ、ちっと食わせろや?」
ヤッチ:「ちっとで、いいのか?」
アルツ君:「いや、全部だ。」
ヤッチ:「少しぐらい、息子にも分けてやろうっていう優しさはないのか?」
アルツ君:「無いんだなぁ~。」
ヤッチはボタモチのパーッケージを開け、アルツ君の前にフォークと一緒に差し出します。
アルツ君:「かっー!!ボタモチなんて食うのは何十年ぶりだろ!?美味そうだな…。おいっ。」
早速、アルツ君、ボタモチにパクつきます。
ヤッチ:「ゆっくり、食えよ。喉に詰まらせるなら、正月じゃないと、ニュースに出ないから…。」
アルツ君:「わかってますよ!」
そう言っている間にも、もうヤッチの持ってきたボタモチは終盤戦…。
(-_-;)
アルツ君:「こんなに美味いもんなら、100個でも200個でも食えるね~。」
ヤッチ:「それを食い終わったら、外に出かけようぜ?」
アルツ君:「何しに?ボタモチ買いに行くのか?」
ヤッチ:「今食ってるべ!!散歩!!」
アルツ君:「散歩か…。」
ヤッチ:「少し歩かないと、足のむくみが取れないだろう?」
アルツ君:「バカ言え。俺のは、むくんだんじゃなくて、太ったんだよ。」
ヤッチ:「どっちでも同じだろがっ。太ったんだったら、なおさら歩いて痩せなきゃだろがっ。」
アルツ君:「少しカンナで削れば、いいだけの事よ~。」
ヤッチ:「また、それかよ。外に出ないと腐るぞ。」
アルツ君:「腐りかけの肉の方が美味いぞ!?お前、知らないでしょ?」
ヤッチ:「うるせーよ。とにかく、今日は散歩に行くべ!!」
アルツ君:「しようがない…。行ってやるか…。」
ヤッチ:「何、その上目線な態度は?」
アルツ君:「別に…。で、どうやって行くんだ?」
ヤッチ:「歩いてに決まってるでしょ。これ(歩行車)を使って行ってもいいぞ?」
アルツ君:「あ…。これ(歩行車)はいいぞ~。スイっこスイっこ動くんだから…。」
ヤッチ:「スイっこスイっこ動くのは、自分の足じゃなくて、歩行車だよな?」
アルツ君:「お前、そう固いこと言うなよ…。」
普段、アルツ君と散歩に行くときは、アルツ君のいる3階から1階までは、エレベーターを利用しますが、歩いて下りてもらっています。
施設の玄関からは施設の車椅子をお借りし、アルツ君はそれに乗って、近くの公園などに出かけます。
なので、アルツ君の歩く距離は施設内の移動だけなので、ほんのわずかしかありません。
ヤッチ:「多分、この歩行車は、室内用だと思うんだけど、これで外まで行ってみるか?」
アルツ君:「お前、あんまり、無茶すんなよ。」
ヤッチ:「大丈夫だよ。無茶して怪我するのは、俺じゃなくて、旦那さんなんだから。」
アルツ君:「あーいう事言ってやがるんだからな…。」
ヤッチ:「そういう事!!」
準備をして、アルツ君と一緒に歩行車で散歩に出かけます。
施設の廊下をアルツ君と一緒に歩いているときに、ヤッチはアルツ君にたずねます。
ヤッチ:「その歩行車、どう?調子はいい?楽?」
アルツ君:「あー、調子いいぞ。これなら、どこまでだって、行けるぞ!?」
ヤッチ:「じゃあ、地獄まで行くか?」
アルツ君:「嫌だっ!!」
負けず嫌いのアルツ君、口にはしてしませんでしたが、今まで、自分の歩行がおぼつかなくなってきていることは、わかっていたんでしょうね。
転倒したりするのが嫌だから、歩くのも億劫になっていたのかもしれません。
歩行車を利用させてもらったおかげで、行動範囲が広がり、機嫌も良いようです。
(^.^)/~~~
ただ、この歩行車、ちょっとした段差でも車輪が引っかかってしまうので、注意が必要…。
屋外で利用するにはちょいと厳しいようです。
(^^ゞ
歩行車を利用し、1階まで下りてきました。
ヤッチ:「どうする?ここで車椅子に乗り換えて、座って公園に行く?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。これ(歩行車)があるんだから、これで行けばいいじゃないか。」
ヤッチ:「でも、途中で『抱っこ!!』とか言うなよ?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。これ(歩行車)が無くたって、まだ自分の足があるわいっ!!」
ヤッチ:「じゃあ、これ(歩行車)は、いらないんじゃないの?」
アルツ君:「あんまり、お前、難しいこと言うなよ~。」
途中、段差や傾斜のあるところは、ヤッチがサポートしましたが、公園まで歩くことができました。
一年前くらいは歩行車などを使わずに、当たり前に出来たことなんですけどね~。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
公園で休憩し、アルツ君がまだ歩けそうだというので、遊歩道まで足をのばしてみました。
公園から遊歩道までは数十メートル程度ですが、自動車の通る道を行くしか選択肢がありません。
さいわい、自動車の往来は少なくて良かったのですが、身体の前傾しているアルツ君にとって、歩行車の車輪がよく回る箇所では、どうしてもつんのめり気味になってしまいます。
歩行車と一緒にアルツ君の歩く速度も上がってしまいます。
この辺りは今後の課題といったところでしょうか???
ヤッチ:「あんまり早くならないようにしな。『いち、に、いち、に』って数えながら歩いたらいいと思うよ。」
アルツ君:「そんなにいっぺんにあれもこれもできないぞ!?」
ヤッチ:「う~ん…。確かに…。」
歩行車にまだ慣れていないせいもあるし、そもそも歩行車を屋外で使うのが無謀だったかもしれません。
(-_-;)
なんとか、無事、アルツ君の居室まで帰って来ることができました。
ご本人、口にはしませんでしたが、相当疲れていたと思います。
その証拠に、まぶたが落ちて来ています。
ヤッチ:「疲れたでしょ?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。お前とは鍛え方が違うんだから~。でも、どこに行ってたんだっけな…。」
つい、さっきまで公園まで行き、遊歩道を抜けて施設まで戻ってきたことをおぼえていません。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
アルツ君:「なんだか、腹減っちゃったなぁ…。」
ヤッチ:「あの…。さっきボタモチを食べて、まだ口の中にあんこの味が残ってな~い?」
アルツ君:「無いな…。」
ヤッチ:「ん…。そうだ!!食い物じゃないけど、旦那さんに本を持って来たんだ!?すっかり忘れてた。」
アルツ君:「お前は忘れん坊だなぁ?」
ヤッチ:「オタクの息子ですから…。」
実はアルツ君のために本を買って、持って来ていたんです。
Amazonで購入した『ふしぎルックス珍獣ずかん
630円という低価格でも送料無料で配達してくれるんですねえ~。
しかも、頼んで翌日に届くという迅速さ…。
恐るべしネット通販です。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
この本は、後で知ったことですが、朝の情報番組でも紹介された本らしいです。
表紙の写真は『エクリス』というウマとシマウマの混血。
頭とお尻だけがシマウマの毛色をしています。
こんな面白い動物たちが、本の中で写真付きでたくさん紹介されています。
動物好きなアルツ君が興味を持つのではないかと思い購入し、持参してきてわけですが、散歩をしたことで、ヤッチもすっかり記憶から抜け落ちていました。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ヤッチは、この『ふしぎルックス珍獣ずかん
アルツ君:「かっー!!」
アルツ君、表紙を見入っています。
ヤッチ:「おっ?どうやら、お気に召したか?おもしろい動物の写真がイッパイ載ってるぞ。」
アルツ君:「かっー!!美味そうだな~。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
介護の話しとは関係ありませんが、最近、言葉の使い方について気になっていることがあります。
どこかに行く予定(さして重要ではない予定)が有って、なかなかそこに行くことができないことを誰かに話す時、皆さんはどんな表現を使いますか?
ヤッチの場合は、『まだ行っていない。』とか『なかなか(そこに)行けない。』です。
ところが、テレビ番組などで、出演者がこういった状況の時に、『いや~、なかなか行けて(い)ないんですよ~。』などと話していたりするのをよく耳にします。
自分の時間的都合や怠惰が原因で、予定を完了していないのに、『行けていない』という表現は、何だか責任感の無い、あたかも他人事のような印象を受けます。
『行けて(い)ない』だけでなく、『食べれて(い)ない』、『謝れて(い)ない』、『見れて(い)ない』など、同じような表現もたくさん耳にします。
これ、昔からある言葉使いなんですかね~。
という、ヤッチもいつの間にか、この言葉を使っているのを気づけて(い)ませんでした。
(^^ゞ
これ、意識し始めると、なかなか話しず(づ?)らく、もしくは、話しにくくなります。
(^^ゞ

さて、今日はコールマットの話題です。
以前にも書いたことがありますが、このコールマットというのは、離床センサー、センサーマットとも呼ばれたりするものです。
[関連記事:肺炎予防と肺炎球菌ワクチン]
このマットをベッドサイド等の床に置き、ベッドで寝ていた人が、起き出して、このマットを踏むと、ナースコールで知らせるシステムです。
一人でベッドから離れると転倒の恐れがある人、ベッドから車椅子やポータブルトイレに移乗する際に転倒の恐れがある人、あるいは徘徊する恐れのある人に対して利用し、いち早く介助者や介護する人に知らせるシステムです。
余談ですが、メーカーの製品情報に飛んでもらうとお分かりになると思いまいますが、けっこうなお値段…。
(-_-;)
[参考サイト:コールマットの製品情報]
アルツ君の場合も、上記と同じように、アルツ君がトイレなどで、ベッドから離れた時に、このマットのセンサーが反応し、ナースステーションに居る介護職員さんに音で知らせるようになっています。
アルツ君がマットを踏んでいる時は、ナースコールと同じようにステーションに居る職員さんと会話をすることもできます。
アルツ君がコールマットを利用させてもらっているのは、就寝時だけで、昼間スイッチは切っています。
なんせ、最近のアルツ君はよちよち歩きの子供のようで、歩き出すと、どんどんスピードが速くなり、いずれは前のめりになり、転倒してしまう危険性があります。
施設側としても、転倒させては責任問題になりかねませんから、このコールマットの利用したいところなのでしょう…。
コールマットを設置したのは、アルツ君が誤嚥性肺炎で入院し、退院直後くらいからですから、もうかれこれ3ヶ月にはなろうかというところ…。
でも、設置当初からですが、このコールマットをアルツ君、どかしてしまいます。
(-_-;)
しかも、どけるだけなら、まだしも、壁面にあるスイッチボックスから、ナットを自分の手で緩めて、コードを引き抜く周到ぶり…。
コードはご丁寧に八の字に束ねられていることも…。
ちなみに最近は上着のチャックも満足に自分で閉めることができないんですけどねぇ~。
時には、コールマットのコールでアルツ君の居室に駆け付けた職員さんを居室に入れさせない、怒鳴る、暴力を振るうということも…。
設置当初は、なぜ自分が立ち上がると、職員さんが居室のドアをノックするのか不思議そうに思っていたようですが、鋭いアルツ君ですので、時間の経過とともに、コールマットを設置していない側のベッドサイドに下り、抜き足差し足で歩くようなこともあったようです。
アルツ君が嫌がっているのは事実ですから、コールマットを設置し続けるかどうかは難しいところですねぇ…。
『拘束』や『抑制』といったことに繋がりかねませんから、慎重に行きたいところです。
ヤッチも施設の生活相談員さんには、何度かこのことについて話をさせていただきました。
『嫌がってるなら、やめちゃえば!?』とか、『コールが鳴って駆けつけても、結局それは転倒した後だよね!?』とか…。
でも、施設としては、コールマットを続けたい様子です。
コールマットを外せないなら、せめてコールマットそのものの存在感を無くせないかという事も考えました。
居室のベッド周りはタイルカーペットが敷かれているので、このタイルカーペットを外して、コールマットを敷き、その上に再びタイルカーペットを敷くというようなことも…。
でも、コールマット上にタイルカーペットを載せてしまうと、コールマットの厚みでどうしても段差ができ、デコボコしてしまいます。
転倒防止のためにコールマットを敷くわけですから、これでは意味がありません。
(-_-;)
コールマットの大きさは50cm×80cmです。
これをすっぽり覆いかくすものがあれば、良いわけです。
60cm×90cmはせめて欲しいところ…。
敷いたがために転倒してもらってはまずいわけで、滑り止めが付いている必要もあります。
また、失禁などで、汚すこともあるので、洗濯ができる素材もしくはそれに近いもので、お手入れが楽に行えるものでなくてはなりません。
ネットで、これに見合うマットや敷物を探してみました。
既成サイズで60cm×90cmなら、すぐに見つかると思ったら、意外に無いものですね…。
最初は玄関マットで探してみましたが、高価なものばかり…。
良いものが有って、使用してみて、使い勝手が良ければ、何枚か購入したいと考えていたので、高価なものは却下です。
今度はキッチンマットで探すと、無駄に寸法が長いか、45cm×○○cmというのが、最近の主流のようです。
ラグで探すと、マイクロファイバーの毛足の長いものばかりヒットします。
毛足が長いものは、普段のメンテナンスが容易ではありません。
半ばあきらめていたら、たまたまバッチリのサイズのものが見つかりました。
画像は楽天市場で購入した商品です。
低反発ウレタンの入っていないものが欲しかったのですが、なかなか思い通りにいかないものです。
第一、ウレタンが入っている分、厚みができてしまうので、コールマットの上にこのマットを敷いた時に、段差ができてしまうのが心配です。
ニトリあたりに行って、実際に商品を見ながら購入すればよかったのですが、ネット―サーフィンしているうちに、段々と面倒になり…。
エイ!!クリックじゃ!!
…購入してしまいました…。
最悪、段差ができた場合は、養生テープですき間を塞げばよいという安易な発想です。
届けられた商品を持って、さっそくアルツ君の居る施設に行ってきました。
直接アルツ君の居室に行く前に、生活相談員さんのいらっしゃる事務所をたずねます。
ヤッチ:「こんにちは。今、御手隙ですか?」
生活相談員さん:「はい。」
ヤッチ:「以前から、お話ししていたコールマットの上に敷くマット(ややこしい)なんですけど、今日持って来たんですよ。で、低反発のウレタンが入っているので、これを敷いて、ちゃんと反応するかどうか確認してもらおうかと思って…???」
生活相談員さん:「ありがとうございます。で、品物は?」
ヤッチは袋に入ったマットを手渡します。
生活相談員さん:「ん?けっこう厚みがありますね?」
ヤッチ:「いや、袋の中で二つ折りになっているので、出してみないと実際の感触はわからないと思いますよ。」
生活相談員さん:「出してもよろしいですか?」
ヤッチ:「もちろん。どうぞ、どうぞ。袋もプレゼントしますよ。」
生活相談員さんが中身を確認します。
生活相談員さん:「はは…、これですか!?これなら、多分大丈夫だと思いますよ。」
ヤッチ:「大丈夫そうですかね?」
生活相談員さん:「コールマットはお父様がベッドから降りた時の衝撃で反応するのではなく、重さで反応するので、問題ないと思います。お父様のお部屋で実際にこのマットを敷いて試してみますか?」
ヤッチ:「そうしてもらえるとありがたいんだけど、父がいるとバレバレになっちゃうからな…。」
生活相談員さん:「とりあえず、お部屋に行ってみましょう。」
生活相談員さんと一緒にヤッチはアルツ君の居室に向かいます。
居室に向かう途中、アルツ君の姿が見えます。
どうやら、居室にはおらず、フロアでテレビを観ているようです。
ヤッチはアルツ君に声を掛けます。
ヤッチ:「めずらしいね?旦那さんがテレビを観ているなんて?」
アルツ君:「ははあ、テレビの奴もそう思ってやがら…。」
ヤッチ:「テレビを観ている間に、ちょっくら部屋に入らせてもらうよ?」
アルツ君:「どうぞ~。お茶は無いぞ。」
アルツ君にコールマットの隠ぺい工作を見られると、激怒しかねないところですが、幸い居室には戻って来ない様子…。
ヤッチ:「今のうちに、マットを敷いて、確認してみましょう。」
ヤッチは生活相談員さんに耳打ちします。
ちょっくら後ろめたい気分です。
生活相談員さんと居室に入り、生活相談員さんは、コールマットのコードを壁面にあるスイッチボックスに接続します。
生活相談員さん:「これで、この上に載って、向こう(ナースステーション)で音が出れば、お持ちいただいたマットを敷いても問題ないと思います。あっ、載っちゃった!!」
生活相談員さんがコールマットの上に敷いたヤッチの持って来たマットの上に誤って載ってしまいます。
すぐさま、別の職員さんがアルツ君の居室に飛んできて、居室のドアをノックします。
生活相談員さんが、その職員さんに笑いながら話しかけます。
生活相談員さん:「ごめん、ごめん。今、実験中だったんだ。(音が)鳴っていたんだよね?」
職員さん:「はい。鳴っていたので、こちらに伺わせてもらいました。」
今度は生活相談員さん、ヤッチに向かって話しかけます。
生活相談員さん:「という事で、問題ないようですね。」
生活相談員さんはコールマットのスイッチを切ります。
ヤッチ:「ありがとうございます。まあ、音が鳴るのは問題ないとして、子供だましの策だから、すぐに見破られちゃうよね!?」
生活相談員さん:「まあ、○○さん(アルツ君)は他の方に比べると、勘の鋭い方ですからね…。」
ヤッチ:「一応、敷いてみて、父が嫌がったりするようなら、外して構いませんので、そちらでちょっと様子を見てやって下さい。」
生活相談員さん:「わかりました。」
そこへタイミングよく、アルツ君が居室に戻ってきます。
アルツ君:「なんだ?お前たち?そこで何やってるんだ?」
ヤッチ:「何をしようかの会議だよ。」
アルツ君:「どうせ、ろくでもない話でしょ!?」
生活相談員さんは席を外していきました。
ヤッチ:「旦那さん、ちょっと見てみん?」
アルツ君:「なに?」
ヤッチ:「ベッドのところに敷いているマットだよ。ばあさん(キノコさん)が持って行けって言ったから、持って来たんだよ。」
アルツ君:「うん?ばあさんが…?」
ヤッチ:「そうだよ。今までのマットだと貧乏たらしいから持って行けって…。」
アルツ君:「あいつ、俺にそんなことを言ってやがるのかぁ??」
ヤッチ:「まあ、いいから、この上に乗っかってみん?歩くと足跡が付くぞ。」
アルツ君:「かっー!!どれどれ?」
アルツ君は裸足になり、マットを踏みます。
アルツ君:「かっー!!何だかフカフカしてるぞ!?」
ヤッチ:「中にウレタンが入ってるんだよ。」
アルツ君:「ん?足が黒くなりはしないか?」
ヤッチ:「セキタンじゃなくて、ウレタン。スポンジだよ。」
アルツ君:「かっー!!そんなもんが入ってるのか!?何だか温かいぞ!?」
ヤッチ:「カイロは入ってないぞ。」
アルツ君:「かっー!!何だかフカフカして、雲の上にいるみたいだ。」
ヤッチ:「みたいじゃなくて、ひょっとしたら現実かもよ。心臓は動いてるか?」
アルツ君:「あんまり、難しいこと言うなよ。多分動いてるんだろうなぁ…。」
ヤッチ:「どう?気にいった?」
アルツ君:「あー。これ、俺の足跡が付くぞ。ほら。はは~ん、面白いなぁ…。」
ヤッチ:「この下に、今まで敷いていたコールマットが敷いてあるんだけど気にならないだろ?」
アルツ君:「あー、そんなもんどっちだっていいや。それにしても面白いなぁ…。」
アルツ君、ベッドに腰掛け、マットにたくさんの足跡を付けて喜んでいます。
ヤッチ:「気にいらなかったら、持って帰るけど、大丈夫そうか?」
アルツ君:「せっかく、持って来たんだったら、なにも持って帰らんでもいいだろうに…。」
ヤッチ:「里芋の煮物も、ばあさんに持って行けって言われたんだけど、持って帰るか?」
アルツ君:「バカ!!それこそ置いていきなさいよ。かっー!!里芋?俺は10年くらい食ってないぞ!?」
ヤッチ:「その話を聞くと、10年前から何も食ってないようだな?」
アルツ君:「のようだな…。」
ヤッチはキノコさんが作った里芋の入った容器をアルツ君に手渡します。
ヤッチ:「新しいマットなんだから、汁をこぼすなよ。」
アルツ君:「こぼれたら、舐めるから大丈夫だ。」
一応気をつかっているのか、アルツ君、汁をマットの上にこぼさないように、いつもより一層ドッグイート気味で、里芋を食しはじめます。
ヤッチ:「気持ちのいいマットの上で、好物を食ってる感想は?」
アルツ君:「(食うのに)忙しい!!」
ヤッチ:「全部食べられそうも無ければ、持って帰るぞ?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。食べられなきゃ、俺の胃袋にしまっておく。」
良かったのか、悪かったのかわかりませんが、一応コールマットの存在感をちょっとばかり中和できたというところでしょうか…。
新しく持参したマットの方は気にいってくれているようです。
その証拠に食べながらも、足でマットをスリスリして、感触を確かめています。
ヤッチは低反発素材が苦手の方ですが、アルツ君には新鮮だったようです。
ヤッチ:「それを食べ終わったら、俺は帰るけど?」
アルツ君:「構いませんよ~。用なんて無いよ~。」
アルツ君が里芋を食べ終わり、ヤッチは洗面所で容器を洗い、帰り支度をします。
アルツ君:「それにしても気持ちいいなぁ~。」
ヤッチ:「気にいったか?」
アルツ君:「ああ。」
ヤッチ:「じゃあ、俺は帰るね?」
居室を出ようとしたときにアルツ君がヤッチを呼び止めます。
アルツ君:「おい。お前に訊きたいことがあるんだけどさ…???」
ヤッチは振り返ります。
ヤッチ:「なに?」
アルツ君:「俺は今日からどこで寝ればいいんだ?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
【追記】
低反発のマットを持って行った2、3日後に施設に行ったところ、アルツ君の手によって、コールマットのコードは外されてしまっていました。
(-_-;)
低反発のマットは設置したところとは別の場所に…。
アルツ君になぜそこに置いたのかを聞くと、『知らない…。誰かが日に干してるんだろ!?』という答えでした。
その翌日、面会に行った姉からの電話で、姉は『買ってくれたマット、パパすごく気に入ってるみたいだよ。』と言っていました。
どっちが正解なんですかね~。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
【追記2】
我が父アルツ君は、2014年11月に脳梗塞を起こし、片麻痺となり、現在は要介護5の寝たきり状態です。
(記事:アルツ君、脳梗塞! [ アルツ君は職人 ]~2014/11/26)
自分自身で起き上がることはできませんし、ましてや歩くこともできません。
しかし、今もコールマット(離床センサー、センサーマット)を使用しています。
特別養護老人ホームという集団生活を行う施設ですから、施設内を徘徊する入所者さんもいらっしゃいます。
こうした入所者さんが職員さんの目の届かない時に、父の居室に入ってこられて、歩けない父とトラブルになりかねないという理由で、今もコールマットの使用を継続しているのです。
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
道路交通法(道交法)の一部が改正され、平成25年12月1日から施行されますね。
自転車走行、路側帯は左側だけ 改正道交法施行2013/12/1付
6月に公布された改正道路交通法の一部が1日、施行された。自転車が道路の路側帯を走る場合、車道と同じ左側通行に統一されたほか、自動車についても無免許運転などが厳罰化された。交通事故対策を強化し、道路上での安全性を高めるのが狙いだ。各都道府県警察はチラシや街頭などで注意を呼び掛けている。
歩道のない道路を白の実線などで区切った外側の「路側帯」ではこれまで、自転車は左右どちらも通行できていた。今回の施行で路側帯の通行を左側に限定した。自転車は道交法上、軽車両扱いで、車道を走る場合は左側走行が義務付けられており、今回の措置は「自転車は左側通行」という原則を徹底させる狙いもある。路側帯の左側通行に違反した際の罰則は「3カ月以下の懲役か5万円以下の罰金」を科される。
警察庁によると、右側通行の自転車が駐車車両や歩行者などを避けようとすると、路側帯からはみ出し、自動車との正面衝突のリスクが高まるという。歩道上はこれまで通り、左右どちらも通行できる。
また、ブレーキに不備がある自転車などを警察官が発見した場合、その場で検査と応急措置命令や乗車禁止をできるようにした。命令違反には「5万円以下の罰金」とした。
一方、改正道交法では、無免許運転の罰則が「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」から「3年、50万円」に強化された。無免許運転者に車を提供した場合は「3年、50万円」、依頼や要求して同乗した者には「2年、30万円」の罰則を新たに設けた。
改正道交法は今年6月に成立。車の運転に支障を及ぼす可能性のある病気の患者が、免許の取得時に病状を虚偽申告した場合の罰則新設は来年6月までに、悪質な自転車運転者に対する安全講習の義務化は2015年6月までに、それぞれ施行される。
メディアでも取り上げられているので、御存知の方も多いと思います。
ですが、運転免許を持たない方からすると、何だかピンと来ない、ご自身とは無関係の事のように思えるかもしれません。
今回改正された点はいくつかあるのですが、特筆すべきは、自転車の右側通行には罰金が科せられるということです。
自転車が路側帯(ろそくたい)を通行する場合は、自分の進行方向の左側の路側帯のみ(左側通行)で、右側の路側帯を走ってはいけないというふうに改められました。
路側帯の中を走行する時も左側通行が原則です。
改正前までは、自転車は右側でも左側でも、どちらの路側帯も走行できましたが、今回の改正で、左側の路側帯に一本化されたわけです。
路側帯というのは、歩道の無い道路の端に設けられている主に歩行者が通行するためのエリアの事です。
よく目にするとは思いますが、白い実線で区分されて車道との境界を示しているあの部分のことです。
もし、道路の両サイドにこの路側帯が設けられていたとして、自転車が進行方向の右側の路側帯を走行したら、アウトです。
もちろん、自転車がアウトではなく、その自転車を運転している人が法律違反です。
『私は運転免許持っていないから関係ないわ。』と思った方、これもアウトです。
人を殺めてしまって、『そんな法律が有ったのを知らなった。』と言っても遠山桜は許してくれないのと一緒です。
『自転車って、歩行者と同じ扱いじゃないの?』と思った方、これまた、アウトです。
自転車も道路交通法の中に規定されている立派な『車両』で、『軽車両』というカテゴリーに入り、『歩行者』とは区別されます。
これは自転車も自動車やバイクと同じ『車両』であるという事を意味します。
今でこそ、あまり見かけなくなりましたが、リアカーも『軽車両』です。
道路交通法は自動車やバイクだけを対象とした法律のように思えますが、自転車にもその効力が及ぶわけです。
付け加えさせていただくと、上記の『路側帯』と大きな幹線道路などに設けられた『歩道』とは違うので注意が必要です。
『歩道』は歩行者の通行するために設けられた道路(縁石や柵で仕切られている)ですから、『車両』である自転車は原則として、通行してはいけないので、車道を走行することになります。
『歩道』の中で歩行者を蹴散らすようにベルを鳴らして走行している自転車を見かけますが、完璧アウトです。
道路標識等によって、自転車の走行が認められている歩道等では走行も可能ですが、前回の改正で、原則として自転車も自動車と同じように、車道を走ることとされています。
他にも自転車が歩道を走れる条件がありますが、省略させていただきます。
運転免許を持っている人でも、この辺のルールを知らない人が多いので、車道を自転車で走っていて、クラクションを鳴らされたり、幅寄せをされたら、睨み返してあげましょう。
[参考サイト:自転車の交通ルール(警視庁ホームページ)]
自転車には運転免許を必要としないので、こういった錯覚を起こすのは無理のないことなのかもしれませんね。
でも、今回の改正で、もし右側部分の路側帯を通行すれば、道路交通法上の通行区分の違反となり、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されることになります。
さらりと、書いてしまいましたが、『罰金』ですからね~。
法律用語で、『過料』と言うのがありますが、こちらの方はいわば行政罰でお金を支払えば、前科者にはなりませんが、『罰金』となると、こちらは、刑事罰ですからね~。
前科者になる可能性があります。
前科者にでもなってしまうと、仕事や資格にも影響が出て来るかもしれませんね。
歩行者扱いになるものとならないものの区別が難しいと思うので、以下にピックアップしてみました。
歩行者とは…
- 道路を車両によらない方法で移動している人(一般的には道路を歩いている人)
- ジョギングしている人も歩行者
- 身体障害者用の車いすを通行させている人
- 乗っている人も押している人も歩行者
- 電動車いすを通行させている人
- 一定の条件を満たせば歩行者
- シルバーカー=高齢者向けの手押し車を押している人
- 歩行補助車(いわゆる歩行器)を通行させている人
- ショッピングカートを引いている人
- 小児用の車=子供用自転車のうち、小学校入学前までの子供が乗車するために作られたもので以下の条件を満たす場合(認められない場合もあります。)
- 6歳未満の子供が乗車する程度の車体(車輪が概ね16インチ(直径40cm)以下)
- 走行・制動操作が簡単
- 4~8km程度の速度しか出せない
- 乳母車=ベビーカーを押している人
- 幼児用の三輪車
- 補助輪付の自転車(小児が走行させている場合)
- 自動二輪車(バイク)、原付自転車、自転車を降りて押している人で、以下の場合
- エンジンがかかっていないこと。
- ペダルに足をかけていないこと。
- サドルに腰かけていない完全に降りた状態であること
まだまだピックアップできるものがありますが、今回は自転車の右側走行禁止がテーマなので、どうしても自転車で右側通行したい場合は、自転車から完全に降りて、他の歩行者の迷惑にならぬよう、自転車を押して歩くなら、歩行者扱いになるということを覚えておきましょう。
【追記 ~ 2015年7月】
さらに平成27年6月1日から改正道路交通法が施行され、自転車の運転中に、信号無視などの危険なルール違反を繰り返すと、都道府県公安委員会から「自転車運転者講習」の受講を命ぜられることになりました。
自転車の運転中に危険なルール違反を繰り返し、3年以内に2回以上摘発されると、講習の受講が義務付けされます。
講習は有料(平成27年現在一回5,700円)で、都道府県公安委員会の出すこの「自転車運転者講習」の受講命令に違反した場合は、5万円以下の罰金が科せられるようになりました。
「自転車運転者講習」の対象となる危険行為は以下の通りです。
- 信号無視
- 通行禁止違反
- 歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)
- 通行区分違反
- 路側帯における通行方法違反
- 遮断踏切立入り
- 交差点安全進行義務違反等
- 交差点優先車妨害等
- 環状交差点安全進行義務違反等
- 指定場所一時不停止等
- 歩道通行時の通行方法違反
- 制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
- 酒酔い運転
- 安全運転義務違反
わかりやすく説明されたファイルが公表されていますのでリンクを貼っておきます。(リンク切れになる可能性有り)
- 自転車の定義と走行のルール(pdfファイル)
- 自転車運転者講習の対象となる危険行為(pdfファイル)
と、まあ、毎度のごとく、ダンダリン話が長くなりましたが、アルツ君のところに面会に行ってきました。
最近、気温が低くなってきたので、アルツ君と散歩に出かける機会も減ってきています。
できるだけ風の無い良く晴れた日は、足を運ぼうかなと考えています。
いつものように、施設のエントランスで車椅子を借りて、近くの公園へと向かいます。
ヤッチ:「外は施設の中と違って、寒いでしょ?」
アルツ君:「そう言われれば、そうかもしれんけど、ちっとだけだな!?」
ヤッチ:「でも、冷たいものと温かいもの、どっちを飲む?って言われたら、どっちを飲みたい?」
アルツ君:「そりゃあ、お前、甘いもの決まってるさよ~。」
ヤッチ:「親子で温度差を感じますね~。」
アルツ君:「お前がそんなこと言いやがるから、なんだかボタモチ食いたくなっちゃったなあ~。」
ヤッチ:「ボタモチ?ボタモチは無理だな…。あっ、そうだ。あそこの自動販売機で『おしるこ』売ってないかな?」
アルツ君:「そんなの、俺が知ってるわけないだろ。」
ヤッチ:「美味いか、まずいかわからないけど、もし、自販機に有ったら、飲むか?」
アルツ君:「いいね~。そのかわり、冷たいのはダメだぞ。」
施設の駐車場の出入り口に自動販売機が設置してあります。
ヤッチはアルツ君の車椅子を押し、自販機へと向かいます。
ヤッチ:「おっと、有るじゃん!!旦那さん、飲んでみるか?」
アルツ君:「俺は、甘いもんだったら、何だって飲むぞ。」
ヤッチは小銭入れから100円玉をさがします。
突然、ヤッチの耳元で、自転車の急ブレーキの音が響きます。
ヤッチのすぐ横にスマホを片手に持ち、自転車に乗った女子高生の姿が…。
耳にはイヤホンが見えます。
竹内結子なら、完璧に、是正勧告もしくは逮捕です。
女子高生:「す、すいません…。」
アルツ君:「ケガしてないか?」
ヤッチより先に、アルツ君が反応します。
女子高生はペコリと会釈して、立ち去ってしまいました。
ヤッチ:「危うく、ひかれるところだったな?」
アルツ君:「そうだな…。」
ヤッチ:「そう言えば、道交法が今度からかわって、自転車の右側通行に対しては厳しくなるらしいぞ。あの子、今、右側通行だったよな?」
アルツ君:「俺には関係ないね。自転車なんか乗らんから。」
ヤッチ:「まあ、そりゃそうだけどさ…。」
アルツ君:「だいたい、自転車は左側を通るもんじゃないのか?」
ヤッチ:「さすが、運転免許持ってるだけ有るね~。俺もそういう風におぼえていたんだけど、今までは、どうも自転車は右でも左でも、どっちを走ってもよかったみたいだね~。」
アルツ君:「ふ~ん…。で、これはどうなるのよ?」
アルツ君が車椅子のタイヤ付近をポンポンと叩きます。
ヤッチ:「車椅子か…????」
アルツ君:「そうだよ…。」
ヤッチ:「俺が今、旦那さんの後ろで車椅子を押してるじゃん?」
アルツ君:「そうだよ…。」
ヤッチ:「これを勢いつけて、そこの塀に激突させるっていうのはどう?」
アルツ君:「ふん、そうすると?」
ヤッチ:「旦那さんは気持ちよくなれるし、俺は、お巡りさんが来て、車椅子が歩行者の扱いか、車両の扱いか聞けるじゃん。」
アルツ君:「嫌だっーー!!」
ヤッチ:「なんて、うそだよ。車椅子は歩行者の扱いで、ばあさんの押してる押し車(シルバーカー)も、赤ちゃんをのせてるベビーカーも車輪が付いていても、歩行者の扱いだよ。確か、小さな子どもの乗っている自転車も歩行者じゃなかったかな…。」
アルツ君:「どっちでもいいけど、『おしるこ』はまだなのか?」
ヤッチ:「おっ、悪い悪い。」
ヤッチは自販機に小銭を入れ、缶入りの『おしるこ』を購入します。
ヤッチ:「けっこう熱いから、公園で飲むまで俺が持ってるね?」
アルツ君:「飲んじゃうなよ。」
ヤッチ:「警戒心が強いな…、公園は目の前だろうが。」
アルツ君:「だから、あぶない…。」
公園は道路を挟んで向かい側です。
道路を渡り、公園のベンチのあるところまで、車椅子を移動させます。
ヤッチ:「ここなら、お日様が当たって、暖かいかな?」
アルツ君:「早く出せ!!」
ヤッチ:「しかし、そういう事だけはよく覚えてんだな?」
アルツ君:「食い物の恨みは恐ろしいぞ。」
ヤッチは上着のポケットから購入した『おしるこ』をアルツ君に手渡します。
ヤッチ:「自分じゃ開けられないべ?今、開けてやるから、待ってて。」
ヤッチは車椅子をロックし、アルツ君の傍らに座り、再びアルツ君から、『おしるこ』を受け取ります。
ヤッチ:「『粒入り』って書いてあるけど、旦那さんは最後まで多分飲み干せないと思うよ。」
アルツ君:「へー、そんなもん入ってるのか!?どれどれ貸してみろ。」
ヤッチ:「フタが開いてるから、こぼすなよ。」
ヤッチがアルツ君に缶入りの『おしるこ』を渡します。
アルツ君が『おしるこ』のパッケージをじっーと見つめます。
ヤッチ:「『粒入り』って、小さく書いてあるだろ?」
アルツ君:「んん…。お前、変なもん、買ったんじゃないだろうな?」
ヤッチ:「なんで?どうして???まあ、飲んでみろよ。」
アルツ君が缶入りの『おしるこ』に恐る恐る口をつけます。
アルツ君:「やっぱりダメだ!!変な味がする!!」
アルツ君はヤッチに缶を押し返します。
ヤッチ:「なんだよ?美味くないのか?俺がちょっと飲んでもいいかい?」
アルツ君:「ああ、いいから、飲んでみろよ。」
ヤッチは一口、味見します。
ヤッチ:「別に何ともないじゃん!!普通の『おしるこ』だぞ!?」
アルツ君:「かっー!!お前、よくそんなもん飲めるな?」
ヤッチ:「美味いじゃん。」
アルツ君:「かっー!!お前、そこ(缶のパッケージ)を読んでみろよ。」
ヤッチもパッケージの文字を読み返します。
ヤッチ:「『おしるこ』って書いてあるぞ????」
アルツ君:「バカっ!!よく読んでみろっ!!『金玉のおしっこ』って書いてあるっ!!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
結局、最後まで、あずきの粒に苦戦していました。
(; ̄ー ̄川 アセアセ

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【追記】
ヤッチが面会する日の前日、施設に小学生の女の子たちが慰問に来てくれたそうです。
アルツ君の居室には女の子たちの作ってくれたかわいい折鶴がたくさん置いてありました。
慰問に来てくれた女の子たちと『しりとり』などをして、しばし楽しいひと時を過ごしたようです。
施設の職員さんの話では、『しりとり』の最中、アルツ君に『お』が回ってきて、その時も『おしっこ』と答え、女の子たちを絶句させたそうな…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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