アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日アルツ君のところに面会に行ってきました。
この日はアルツ君、『定位置』ではなく、居室のベッドのところに腰かけ、漢字のお勉強中です。
面会のたびにヤッチが持って行っている『読めそうで読めない漢字』です。
アルツ君、漢字に興味があるというより、自分が読めた漢字を他の入所者さんに自慢することに生きがいを燃やしているようです。
でも、不思議とキノコさんやヤッチの存在は忘れてしまうのに、漢字に関しては、ある程度までは、おぼえているのですから、大したもんです。
過去にアップしたものを含めて、読めそうで読めない漢字を再度アップしておきましょうかね!?
過去にアップしたものはファイル名を変えてありますが、中身は同じです。
ご自身でも是非やってみてくださいね。
ヤッチ:「おっ?お勉強中かい?」
アルツ君:「まあね!!」
ヤッチ:「ずいぶんと熱心にやってるから、頭の中は漢字だらけでしょ?」
アルツ君:「そうでもないぞ!?今日は頭の中に浮かんでくるのは、食い物ばかりだ。」
ヤッチ:「『今日は』じゃなくて、いつもだろ?」
アルツ君:「うるさい!!失礼な。」
ヤッチ:「どうせ、そんなこったろうと思って、今日はいいもの、持って来たよ。」
アルツ君:「んっ?ボタモチか?」
ヤッチ:「どうしても、そこからは縁が切れないんだね?脳ミソはあんこで、できてるんじゃないのか?」
アルツ君:「かもな!?そのかわり、つぶあんだぞ!?」
ヤッチ:「つぶあんとこしあんだったら、どっちが頭がいいのかね?」
アルツ君:「そりゃあ、つぶあんに決まってるだろう~。」
ヤッチ:「その根拠たるをきかせて欲しいものだねぇ…???」
アルツ君:「つぶあんの方が美味い!!」
ヤッチ:「全然、理屈が合わないじゃないかよ!!まあ、いいや。今日はボタモチじゃないよ。イチゴだよ。」
近所のスーパーマーケットでイチゴを安くゲットしたので、アルツ君にもお裾分けです。
アルツ君:「かー!!イチゴ!?お前の畑で獲れたのか?」
ヤッチ:「あの~、畑を持つほど、お金持ちじゃないんですけど…。」
アルツ君:「まあ、いいや。それにしても美味そうだな~。こんなちょっとじゃなく、畑ごと持ってくればよかったのに。」
ヤッチ:「だから、畑は持ってないって!!」
アルツ君:「盗んできたのか?」
ヤッチ:「盗みもしないって!!」
アルツ君:「どらどら、食ってやろう!!おーい!!そこの赤いの!!今、俺の口に放り込んでやるからな!!」
アルツ君がイチゴを一粒手に取って、口の中に放り込みます。
ヤッチ:「どう?」
アルツ君:「甘い!!」
ヤッチ:「辛かったら、怖いもんな?」
アルツ君がもう一粒口の中に放り込んだところで、居室のドアをノックする音が聴こえます。
特養の生活相談員さんとアルツ君の成年後見人である司法書士さんです。
成年後見人さんは、毎月、月の中ごろと月末に定期的にアルツ君の面会にいらしています。
生活相談員さん:「すいません。○○先生(成年後見人さんのこと)がいらしたので、お連れしました。」
ヤッチ:「どうも、いつもお世話になっています。どうぞお掛け下さい。」
そう言って、ヤッチは居室に有った椅子を差し出します。
生活相談員さんは、すぐに事務所に戻って行ってしまいました。
後見人さん:「あっ、すいません。お食事中か何かではなかったのですか?」
ヤッチ:「いえいえ、ちょっと家からイチゴを持って来たので、父に食べてもらっていたところです。」
後見人さん:「すいません、月末にお伺いしようと思ったのですが、野暮用が入って伺えなかったものですから…。お父様、お元気にしてらっしゃいましたか?」
アルツ君:「元気元気!!元気すぎて困ってるよ~。どっこも悪くないんだから、困っちゃうよ~。」
たしか、元気な人は特養には入れなかったような…。
(-_-;)
後見人さん:「それはそれは、何よりです。顔色も良さそうですね?」
アルツ君:「まあね!!この間もあんまり俺が元気なのをみて、ここの人が『おじさん、いくつなの?』って言うから、考えたら、俺、もう83なんだよね~。」
ウソウソ!!85だろがっ!!
後見人さん:「そうですよね。失礼ですが、年齢の割にお若く見えますものね?」
アルツ君:「まあ、それほどでもないよ!!」
木に登るのは結構だが、後で降りられなくなるタイプ…。
(-_-;)
後見人さん:「じゃあ、食事も美味しく召し上がるんですね?お父様は、好き嫌いとかは無いんですか?」
アルツ君:「そうだね~。たいていの物は食っちゃうね~。ゴキブリ以外なら何でも食っちゃうよ!!」
後見人さん、ちょっと苦笑…。
後見人さん:「それはすごい!!特に甘い物が好きとか、辛いものが好きとかは?」
アルツ君:「まあ、どちらかというと甘い物だね。」
どちらかというより、甘い物オンリーだろがっ!!
後見人さん:「イチゴを食べていらっしゃったようですが、イチゴが好物だとか?」
アルツ君:「いえいえ、これはコイツ(ヤッチのこと)がたまたま持って来たから食ってやってたんです。」
後見人さん:「そうでしたか…。実は僕も甘い物が大好きなんですよ。」
アルツ君:「私と一緒だね~。」
後見人さん:「特に甘い物だと、お父様はどんなものがお好きなんですか?」
アルツ君:「甘い物なら、何だっていいけど、強いて言うなら、『ボタモチ』かね~。」
出た出た!!!強いてあげなくても、ボタモチだと思われます。
(-_-;)
後見人さん:「そうですか、いえ、実は僕もボタモチとかお萩が大好きなんですよ!!」
アルツ君:「へえ、こりゃまた、奇遇だねえ~。」
後見人さん:「特に、こしあんより、ちょっとゴツゴツしたつぶあん…。」
アルツ君:「へえ、じゃあ、俺と一緒だ!!」
後見人さん:「あ、お父様もそうなんですか?どうも人間が古いせいか…、失礼。どうも昔ながらのものが好きなんですよ~。」
アルツ君:「うん、うん、わかりますよ。だいたい私くらいの年代は、ボタモチと言ったらつぶあんだよ~。」
後見人さんはアルツ君よりはるかにお若いと思われるが…。
(-_-;)
後見人さん:「じゃあ、大判焼きとか今川焼といった類のものは?」
アルツ君:「あーあ、あれも嫌いじゃないね!!」
後見人さん:「最近じゃ、よくあれにチーズが入っていたり、カスタードが入っていたりするじゃないですか!?僕はやっぱり、つぶあんが王道の気がするんですよ。」
アルツ君:「まあ、そうだね。つぶあん以外は邪道だね。」
他のものは食ったことが無いだろがっ!!
後見人さん:「あ、やっぱり、お父様もそうですか?でも何と言ってもつぶあんのボタモチは美味しいですよね?」
アルツ君、すでに口元からダレヨが垂れかかっています。
まぃぅ―( ´)艸(` )―♪
アルツ君:「そうだね、ボタモチさえありゃ、私なんか他の物はいらないね~。」
後見人さん:「そうでしたか~。そうしたら、今度はお父様に、ボタモチをお持ちしますよ。」
アルツ君:「それはそれは…。待ってます!!」
ちっとは遠慮しろいっ!!
後見人さん:「ところでここ(特養)はそう言った和菓子を持ち込むのは大丈夫なんですか?」
後見人さんはヤッチの方に向き直ります。
ヤッチ:「はい、ナマモノの場合、残した時は持ち帰るように言われていますが、特に父の場合、食事制限があるわけではないので、ほどほどの量なら構わないと思いますよ。」
アルツ君:「お前ね、俺がボタモチ持って来られて、残すと思うか?」
ヤッチ:「思いませんっ!!」
後見人さん:「そうですか?僕はまた、こういったところは、外部から飲食物を持ち込むのは禁止なのかと思っていました。知らないこととはいえ、失礼しました。」
ヤッチ:「いえいえ、あまりお気づかいなさらず、手ぶらでいらしてください。」
アルツ君、不満そう…。
(-_-;)
後見人さん:「いえいえ、今度お伺いするときは、たくさんは無理なご様子ですが、美味しいボタモチをお持ちしますよ。」
アルツ君、後見人さんを見据えてうなずいています。
フムム(゚ω(゚ω`(゚ω`,,)フムム
後見人さん:「それでは、私はこのくらいで…。また月の中ほどで、こちらにお伺いしますよ。お父さん、その時は…。」
アルツ君:「よろしく、たのんますね!!」
後見人さんは、そうおっしゃってアルツ君の居室を後にされました。
居室に居るのはアルツ君とヤッチの二人だけ…。
しばらくアルツ君、後見人さんが出て行った居室のドアの方を見つめていましたが、ふと我に返ってヤッチに話しかけてきます。
アルツ君:「ずいぶんと、いい人だな!?誰なんだ?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
だいぶ春らしい陽気になってきましたね。
昨日も暖かかったので、アルツ君に散歩してもらおうと、面会に行ってきました。
ヤッチがアルツ君の居室に入ると、アルツ君、外をぼんやり眺めています。
ヤッチ:「な~に?飛び降りようと思っているのか?」
アルツ君:「お前は来るなり失礼だね。鳥が来てるか見てたんだよ。」
ヤッチ:「鳥?」
アルツ君の居室の窓を開けると、先日の強風ですっかり葉桜になってしまいましたが、階下には桜が植わっています。
アルツ君:「あいつら、花が終わったら、すっかり遊びに来なくなっちゃったなぁ…。花見に来てたのかなあ…。」
ヤッチ:「花が咲いてると、虫も飛んでくるから、その虫を食べに来てたんじゃないかなぁ?」
アルツ君:「ここには食いしん坊の鳥しかいないってことかぁ…?」
ヤッチ:「類は友を呼ぶって言うからね…。」
アルツ君:「うるさい!!」
ヤッチ:「そう言えば、食いしん坊の旦那さんにもおやつを持って来たぞ。」
アルツ君:「ボタモチか?」
ヤッチ:「それがスーパーでボタモチを買おうと思ったら、売ってないんだよ。」
アルツ君:「な~んだ…。ボタモチじゃないのかよ…。」
ヤッチ:「そのかわり、セブンイレブンで『みたらし団子』を買って来たよ。ボタモチじゃないから、要らないっか??」
アルツ君:「ばか!!そんなもったいないことするなよ。食うぞ!!」
ヤッチ:「じゃあさ、外に散歩に出かけてから、その後に食べようぜ?歩行訓練、歩行訓練…。」
アルツ君:「かー!!きびしいね~。」
アルツ君と屋外に散歩に出かけます。
施設の中で一緒に歩いていて、気にはなっていましたが、この日はアルツ君、どうも歩行の調子がよく有りません。
(-_-;)
アルツ君の腰に手を回しズボンをつかみ、もう片方の手は腕を支えていましたが、その腕にものすごい圧が掛かってきます。
(-_-;)
ヤッチ:「なんかさぁ…、俺が旦那さんの身体を全部引きずってるみたいなんだけどさぁ…。ほんとに歩いてる?」
アルツ君:「一応は互い違いに足が出てるぞ。」
ヤッチ:「一応じゃ困るんですけど…。箸より重いものを持ったことが無い腕がうめき声を上げてるんですけど…。」
アルツ君:「だから、鍛えてやってるんじゃないかよ!!」
今日のアルツ君、今までに例をみないほどの絶不調…。
(-_-;)
5メートルも歩いたら、足を止めて休憩しないと、歩行を続けられません。
(-_-;)
ヤッチ:「まだ、外に出てないんだよ!?外まで行けるのか?」
アルツ君:「大丈夫、大丈夫!!お前の方こそ、腕は大丈夫なのか?」
ヤッチ:「そこ、心配するところじゃないでしょ!!もう車椅子も近いなぁ…。」
アルツ君:「嫌だっ!!」
ヤッチ:「端折って、黒塗りの車でも呼ぶかぁ?長めにクラクション鳴らしてもらって…。」
アルツ君:「よけい、嫌だっ!!」
休み休み何とか歩いてもらい、ようやく施設の外に出ることができました。
(^^ゞ
ヤッチ:「これじゃあ、遊歩道の方までは無理そうだね?今日は短い距離にして、公園だけ行こうよ?」
アルツ君:「お前がそう言うんだったら構わないぞ。」
ヤッチ:「じゃあ、そうしよう。その前に一回ちゃんと止まって背筋を伸ばしてみん?」
アルツ君:「いつだって、伸びてるさよ~。バカ言っちゃいけないよ~。」
ヤッチ:「そうかなぁ…。俺には、前のめりになってるとしか見えないんだけどな…。」
アルツ君:「お前の目が変なんだろっ!?」
ヤッチ:「じゃあ、俺が今写真撮ってやるから、そこでちょっと気を付けの姿勢をしてみん?」
アルツ君:「いいさよ~。」
アルツ君に携帯で撮った写メを見せます。
アルツ君:「なっ?真っ直ぐじゃんかよ~。」
ヤッチ:「汚ねえなぁ~!!今、撮る瞬間、グイッと力を入れたべ?」
アルツ君:「バカ言え!!そんな事しないよ~!!」
ヤッチ:「じゃあ、俺は支えないから、支え無しでゆっくり歩いてみな?転ぶなよ!!」
アルツ君:「へいへい。」
ヤッチ:「ほーら!!やっぱりじゃん!!」
アルツ君が写メを覗き込みます。
アルツ君:「…。」
ヤッチ:「なっ?前のめりだろ?それに危うく転びそうになったよな?」
アルツ君:「それは誰か違うじいさんだ!!」
ヤッチ:「じゃあ、誰よ?」
アルツ君:「どっかで拾ってきたじいさんだ!!」
ヤッチ:「ぬぬ!!この期に及んで、まだしらを切り通すと申すかっ!!ええい!!控えおろう!!」
アルツ君:「ちぇっ!!そのうち、元に戻りますよ~んだ!!棒切れを背中に刺して寝るかなぁ…。」
ヤッチ:「公園に鉄棒があるから、少しぶら下がってみるか?」
アルツ君:「おう、そうしよう。キュッと元通りになるかもしれないからな!?」
ヤッチ:「その前に伸びきって、デレーンと元に戻らなくなったりしないかな…。」
アルツ君:「大丈夫だよ!!お前とは鍛え方が違うんだからっ!!」
…やっとのことで公園にたどり着き、少し休憩を挟んでから、アルツ君に鉄棒にぶら下がってもらいます。
というより、アルツ君の方がやる気満々…。
一応、一番低い鉄棒から挑戦してもらいます。
ヤッチ:「久しぶりなんだから、ゆっくりやれよ。無理そうなら、すぐやめろよ。」
アルツ君:「わかってますよ!!」
アルツ君、何とか腰を落とすことができました。
これじゃあ、ぶら下がっているというよりも、和式トイレに屈み込む姿勢…。
(^^ゞ
アルツ君:「おいっ?」
ヤッチ:「なに?」
アルツ君:「おーい!!」
ヤッチ:「だから、何?」
アルツ君:「何とかしろよっ!!」
ヤッチ:「何とかしろって、何?」
アルツ君:「何は何に決まってるだろ。おーい、立てないぞ…!?」
そうなんです…。
腰を落としたものの、自分の身体を起こすことができません。
(-_-;)
ヤッチ:「だから、言ったじゃないか!!そんなに若くないんだから…。」
アルツ君:「俺は若いつもりだったんだけどな…。」
ヤッチ:「日本の魂は奪われたな!?和式トイレには入れないな!?」
アルツ君:「エゲレス人だからな!?」
ヤッチはアルツ君のお尻をグッと持ち上げます。
ヤッチ:「もう、筋力が無いんだから無理できないのはわかったろ?」
アルツ君:「たまたまだよ~。何も食って無いから、力が入らなかったんだよ!!」
ヤッチ:「昼ご飯はちゃんと食べたんだろ!?」
アルツ君:「昼飯は多分食べたと思うが、みたらし(団子)はまだだ。」
何で、他の事はすぐ忘れちゃうのに、食べ物のことだけは忘れないんですかね~。
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
以前の記事にも書かせていただきましたが、キノコさん、自宅アパートの入り口付近で転倒してしまいました。
[関連記事:転倒の連鎖]
鼻の頭を擦りむいてしまった上、膝を打撲し、おでこ付近には大きな青あざまで出来てしまいました。
順調に回復して、そろそろアルツ君のところに面会に行ける頃かなと思っていたところ、不調を訴え、自分で歩いてかかり付けの病院に行ったようです。
以下はキノコさんから聞いた話になりますので、若干不明瞭な個所もありますが、ご了承ください。
転倒した日の翌日か、その翌日に病院の診察を受けて帰って来たわけですが、病院では打撲している範囲が広いので、『湿布薬などは貼らない方がいい』、『自然回復を待って、安静にしていてください』と言われ帰って来たそうな…。
『どうしても痛い時だけ、飲みなさい』と言われ、痛み止めも処方されたそうな…。
で、お医者さんから言われた通り、あまり外出もせず、安静にしていたわけですが、ここ2,3日はどうも膝を打撲したところが痛くて仕方がない…。
幸い、診てもらった病院はキノコさんでも歩いて行ける距離だったので、シルバーカーをまた引っ張りだして、診察を受けに行ったそうです。
病院に着き、シルバーカーを何処ぞに置き、いざ待合室に入ろうと思ったら、足が痛くて待合室までたどり着けない…。
(-д-`*)ウゥ-
待合室で診察を待っていたご親切な方がいらして、その方に介助してもらって、ようやく待合室に入ったそうです。
特養にも歩行困難な職人さんが約一名おられますが、もっと重度な歩行困難者がここにも居たんですね…。
(-_-;)
キノコさん、アパートの部屋に居る時は、ややスローではありますが、自分で歩いていたので、ヤッチもそこまでひどい状態だとは思いませんでした。
介護保険でヘルパーさんも週2回ほどいらして、部屋の掃除などは手伝って下さっていました。
買い物に出られないので、ヤッチが買い物を引き受け、さほど不自由しているようにも見えなかったんですけどね…。
(-_-;)
診察室に入ると、お医者さんから、『膝のところに水が貯まってるな…。』。
打撲している箇所はどちらかというと、弁慶の泣き所付近なので、お医者さんがおっしゃった『膝』が『膝関節』のことなのか、『打撲箇所』なのかは、キノコさんの話からは分かりません。
『貯まっている水を抜きましょう。』と言われ、大きな注射で水を抜かれたそうな…。
キノコさん曰く、出て来たのは『水』ではなく、『血の塊』だったそうです。
注射針で吸い取るのですから、塊は出てこない気もするんですけどねぇ…。
(-_-;)
おそらく、内出血していて、それが痛みを伝えていたのだと思います。
ここで、特筆すべきは、お医者さんから『痛み止めは飲まない方がいいかもしれないな…。』と言われたことです。
痛いのに、えっ?どうして?とお思いになられる方もいらっしゃると思いますが、ヤッチもそれは同じです。
痛いんだから、痛み止めの薬を処方してくれるのがお医者さんじゃないの…???
実はキノコさん、以前から、ワーファリンという薬を飲んでいます。
血液を固まりにくくするお薬で、主に心筋梗塞や脳卒中の治療に使われる薬です。
キノコさん、心臓に若干問題が有り、この薬を服用しています。
この薬、血液をサラサラにしてくれる薬ではありますが、反面、出血しやすくなるという欠点もあります。
かなり前の話になりますが、キノコさん、足の爪を切っている際に、自分のお肉を切ってしまい、血が止まらなくなって、救急搬送された事が有ります。
記事の中でも紹介させてもらったことが有りますが、この時ヤッチはキノコさんの服用している薬がワーファリンではなく、バイアスピリンと書いてしまい、修正した記憶も有ります。
[関連記事:メマリーと眠気]
このワーファリンという薬ですが、前述のように、血液を固まりにくくする薬です。
反対に血液が固まるのに必要な物質の一つにビタミンKがあります。
Kはカリウムではありません。
韓国人歌手でもありません。
ワーファリンはこのビタミンKの働きを邪魔することで、その作用を妨げ、その結果、血液を固まりにくくしています。
その時に学んだことで、『納豆』を食べると納豆菌が腸の中でビタミンKを大量に作るために、ワーファリンの効果を打ち消してしまうということ…。
やっつける相手であるビタミンKが増加するので、それだけワーファリンの効果が弱まってしまうということです。
他に、クロレラや青汁なんかも同じようにビタミンKを多く含んでいるのでワーファリンの効果を弱めてしまうようです。
骨粗しょう症の薬もビタミンKが使われる場合は、同じくワーファリンの効果を弱めてしまうらしいです。
まあ、お決まりパターンで話しが逸れてしまいましたね。
(^^ゞ
で、なんでお医者さんは痛み止めを処方してくれなかったのか…???
実は鎮痛下熱剤いわゆる痛み止めのほとんどは、ワーファリンの効果を弱めるのではなく、逆に今度はその効果を増強させてしまうそうなんです。
つまり、ワーファリンの効果が増強されれば、それだけ血が固まりにくくなるわけですから、出血しやすくなり、内出血のリスクも高くなるということなわけです。
キノコさんの場合、ワーファリンの血中濃度を測定し、一日の最適量を測って服用しています。
心臓の薬としても飲んでいるわけですから、ワーファリンの方が服用の優先順位は上だとお医者さんが判断して、痛み止めを処方しなかったのだと思います。
ワーファリンを服用していると、いろいろ制約が有りますね!?
風邪薬だって注意しなくちゃならないし、歯医者さんで抜歯したりするときだって出血のリスクが高まるわけですから…。
(-_-;)
結局、そのお医者さんでは何の薬も処方してもらわず、『良いサポーターがあるからこれを使いなさい。』と言われ、自費で4,500円のサポーターを購入させられてきたようです。
(-_-;)
まだまだ、アルツ君のところにキノコさんが面会に行けるのは、先の話になりそうですね…。
そして、ヤッチのキノコさんの『パシリ』からの卒業も先になりそうです…。
ご家族にワーファリンを服用している方いらっしゃる場合は、是非気をつけて下さいね。
そうそう…。
なんで痛み止め(鎮痛下熱剤)がワーファリンの効果を増強させてしまうのかって?
そ…、それだけは、教えられません…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
…なんて、よろしければ以下を参考にしてください。
記事に書かない理由がわかると思います。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ついでにランキングの応援もよろしくお願いしますね!!
- ワーファリンの相互作用(調剤薬局日記)
その他の参考サイト:
- ワーファリン錠0.5mg(おくすり110番)
- Eisai~製品情報(ワーファリン)
ワーファリンを内服されている患者様へ( 加古川東市民病院ホームページ)
↑ リンク切のようです~2013/07/25追記- ワルファリン(ウィキペディア)
- ワーファリンについて(心臓血管外科最前線)
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日の朝、姉から電話をもらいました。
内容はここ数日、アルツ君が特養で興奮したり、怒りだすことが有って、落ち着かない様子だというのです。
直接姉がこれを目の当たりにしたわけではなく、施設の職員さんから姉が聞いた話です。
姉:「私が昨日面会に行った時なんだけど、○○さん(特養の生活相談員さん)が居るでしょ?」
ヤッチ:「うん。」
姉:「その人の話では、パパがずいぶん怒りっぽいんだって。」
ヤッチ:「俺も昨日、お昼ごろに面会に行ったけど、別にそんな様子はなくて、実に穏やかだったよ。職員の人も何にも言ってなかったぞ?」
姉:「まあ、あんたはパパの身元引受人じゃないし、施設の職員さんは、あんたに心配をかけたくなかったんだと思うけど…。でも私が行った時もニコニコしてて、すごく穏やかだから、○○さんにも『そんなはずないと思うんですけどねえ。』って言ったのよ。」
ヤッチ:「人間なんだから、たまにはイラッとすることぐらいあるでしょ?」
姉:「それがね、いつの話なのかは知らないんだけど、パパの特養にも他に入所している人がいるわけじゃない?」
ヤッチ:「まあ、当然ね…。」
姉:「で、パパは廊下のいつもの『定位置』に座ってたんだけどさあ、パパのすぐそばで女の人二人がもめてたんだって!?原因はなんだか私は知らないよ。」
ヤッチ:「うん、それで?」
姉:「けっこう大騒ぎしてたから、パパが仲裁に入ったんだって。」
ヤッチ:「まあ、旦那さん(アルツ君)はああ見えて、お節介のところが有るからねぇ…。」
姉:「そしたら、もめている一人の女の人がパパに向かって『バカっ!!』って、かなりきつい口調で言ったらしいのよ。」
ヤッチ:「ありがちなパターンだね。八つ当たりっていうわけだ…。」
姉:「そうなのよ…。そうしたら今度はパパの方が怒りだしちゃって、『バカとは何だっ!!』って大声を張り上げたんだって。」
ヤッチ:「なかなかナイスじゃん!!」
姉:「今度は施設の職員さんが仲裁入ったらしいんだけど、もうその時は、みんなに殴り掛からんばかりで、慌てて職員さんが、入所している人たちを居室に避難させたんだって!?」
ヤッチ:「だからどうなの?って話しじゃん。だいたい旦那さんがまだ元気だったころに、旦那さんに『バカ』なんて言ったら、大変なことになるよ。俺なんか、何回襟ぐり掴まれたかわからないぞ。」
姉:「ただ、施設の職員さんは、『こういうことが有ると困るんですけど…』って言いたくて、私にその話を持って来たんだと思うんだわっ!?もちろん、報告しなくちゃっていう責任感もあると思うんだけど…。」
ヤッチ:「悪いけど、自分たちの不手際を露呈しに来たようなもんじゃないかい?仲裁に入るなら、旦那さんじゃなくて、まず最初は職員さんじゃないのかい?」
姉:「まあ、そうなんだけど…。あそこ(特養)も人手が足りてないじゃない!?」
ヤッチ:「いやいや、それは人手のせいにしちゃいかんでしょ。万が一人殺しでも有ったら、人手が無かったからとは言えんでしょ…。」
姉:「そうなんだけどね…。パパの症状が進行してるのかなぁ…。認知機能がだいぶ衰えているとか…???」
ヤッチ:「それは関係ないと思うよ。怒り出すきっかけが有ったわけじゃん!?それが、急に誰かにつかみ掛かったり、わめき散らしたって言うなら、話しは違うと思うけど…。」
姉:「まあね…。施設の職員さんも『薬のせい(メマリーを減量したから)ではないと思うんですけど…。』って言ってたからね…。」
[関連記事:何でメマリー飲んでるの?]
ヤッチ:「お姉さま、その考え方はちと違うかもしれないぜ?」
姉:「どういうこと?」
ヤッチ:「『薬のせい』だと思っていなかったら、普通はそんな言葉は出ないよ~。『薬のせい』だと、どっかで思ってるから、そういう言葉が出るのかもしれないよ。」
姉:「相変わらず、ひねくれてるね?」
ヤッチ:「顔も曲がっていますが何か?」
姉:「まあね…。そろそろ暖かくなってきたから、一回大きな病院でパパのことを診てもらわないとだしね…。」
ヤッチ:「まだ、旦那さんも人に向かっていく体力があるんだから、大丈夫だよ。若い、若い。」
姉:「まあ、それもそうね…。」
ヤッチ:「それはそうと、旦那さんのメマリーはゼロになったのかい?」
姉:「1日5mgまでになったまでは聞いてるけど、そう言えば、まだ確認してないわ。」
ヤッチ:「流石だね~。心配するなら、まずそっちでしょ?いつ確認するんですか?今でしょ。」
姉:「そうだよね!?わかったっ!!今日の夜でも面会に行った時に確認して来るわ。じゃあね!!」
気持はわからんでもないですが、姉はヤッチに『どうしろ』と言いたかったのかは結局わからずじまい…。
(-_-;)
前述したように、姉が夜面会に行く前に、ヤッチは日中面会に行っています。
もしかすると、アルツ君の興奮騒ぎはヤッチの面会の直前に有ったのかもしれません。
元気は元気でしたが、何となく、アルツ君はお疲れのご様子…。
一緒に散歩に行くために靴下を履いてもらおうと、ヤッチがクローゼットから靴下を取出し、アルツ君に手渡した時もまったく上手く履けませんでした。
腰が思うように曲がらなくなって、履きにくくなっているのはわかっていましたが、この日はいつになく、パワー不足…。
とうとう、自分では履くのを断念してしまいました。
(-_-;)
アルツ君:「最近、ボタモチ食ってないからな!?」
ヤッチ:「今、アンパン食ったばかりじゃないかよ!!」
アルツ君:「そうだっけ?食ってないだろ?」
ヤッチ:「自分で口の中をなめまわしてみろよ?」
アルツ君:「ホントだ?あんこの味がする…。誰が放り込んだんだ?」
ヤッチ:「その右手もなめてみろよ。」
アルツ君:「まあ、俺だっていうことにしておこう!!」
ヤッチ:「それより、靴下履けよ。」
アルツ君:「足の奴が履きたくないって。」
ヤッチ:「足に指令を出してるのはどこだ?」
アルツ君:「胃袋!!」
ヤッチ:「ちぇっ、仕方がないなぁ…。今日だけだぞ?俺が履かしてやると高くつくぞ?」
アルツ君:「まあ、まあそう言わず、出世払いでお願いしますよ。」
いつもはできるだけ、自分で靴下を履いてもらうようにしてもらっていますが、この日はヤッチの出血大サービス…。
ベッドのところに腰かけているアルツ君の正面にヤッチはひざまずきます。
靴下をクシュクシュと束ねて、アルツ君の足の指を目がけてブッ挿します。
アルツ君:「おっ、お前上手だな?上野に居たのか?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
解説を付けないと難しいですかね?
今でもいらっしゃるのでしょうか…???
もう40年以上も前くらいでしょうか…。
東京は上野、新橋、新宿、渋谷などの繁華街に行くと、路上で靴磨きで生計を立てている人がたくさんいらっしゃいました…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
認知機能とは…
認知機能とは、五感(視る、聴く、触る、嗅ぐ、味わう)を通じて外部から入ってきた情報から物事や自分の置かれている状況を認識したり、言葉を自由に操ったり、計算したり、何かを記憶したり学習したり、問題解決のために深く考えたりといった、いわば人の知的機能を総称した概念です。健康長寿ネットより引用
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
特に忙しかったわけではないのですが、なかなか落ち着いて記事を書く暇がなかったので、結果として、ブログの更新をさぼる結果になってしまいました。
(^^ゞ
アルツ君も歩行に衰えはあるものの、元気でやっています。
(^_^)/~
さて、今日はヤッチの話題です。
久しぶりに書かせていただくので、かなりの長編なので、寝付けない夜にでも読んでやって下さい。
…顔面神経麻痺を発症してから、もうそろそろ1年になろうとしています。
以前の記事で書かせてもらったように、今まで、病院でずっとリハビリを受けていましたが、そのリハビリも今年の3月で打ち切りになってしまい、STさん(言語聴覚士)から指導を仰げなくなってしまいました。
未だに、食事をする時に口を開けると、片目が閉じそうになってしまう共同運動は改善されず…。
良くも悪くもなっていない様子なので、どうやらこの後遺症(?)と一生お付き合いして行かないといけないような雰囲気です。
(-_-;)
こっちとしては、結婚を前提に交際を申し込んだわけではないので、できる事なら、円満に手を切りたいところなんですけどね…。
(-_-;)
次回の顔面神経麻痺の耳鼻科(入院していた大学病院)での診察は5月の末です。
それまで少し、間があるので、かねてより気にかかっていたおでこにできた脂肪腫をこの機会に取っちまおうと、同じ大学病院の皮膚科を受診してきました。
はじめてこのブログをご覧になる方は何を話しているお分かりにならないと思いますので、以下のリンクをたどってみてください。
[関連記事:脂肪腫と顔面麻痺のリハビリ]
実は皮膚科の診察を受けに行ったのは先週の火曜日のこと…。
予約を取っていたわけではなかったので、かなり早い時間に家を出ました。
早く家を出たせいもあって、その日の午前中に診察してもらえることができました。
去年の9月に一度診察を受けているわけですが、その時診てくださった先生はこの日はお休み…。
別の先生の担当です。
今回の先生もとてもお若い女医さんです。
先生:「前回の診察は去年の9月18日になっていますけど、その時と比べてどうですか?」
ヤッチ:「特に、痛みがあるとか、大きくなってきたという感じはしていないです。前回は顔面神経麻痺のリハビリ中でおでこのシワが上手く寄らなかったので、先生と相談して、顔面神経麻痺がもう少し改善してから取りましょうという話で終わっています。おでこにはシワが寄るようにはなってきたので、もう一度相談させていただこうと思って伺った次第です…。」
先生:「そうですか…。ちょっと大きさを測ってみましょうかね!?」
先生はノギスのようなものを取り出して、ヤッチのおでこにそれを当てます。
先生:「ん…。2.5cm位の直径ですね。前回(去年の9月18日)では1.5cmの直径でしたから、大きくなっていますね?」
ヤッチ:「ホントですか?自分の顔を毎日見ていると、逆に変化に気づかないもんですね…。」
先生:「あまり大きくならないうちに手術で、摘出してしまった方が良いかもしれませんね…。3、4日入院してもらって、取ってしまうのが早いでしょう。」
ヤッチ:「えっ?3,4日(入院)ですか?前回の先生の診察では、最悪1日くらいのことをおっしゃっていたような気がするんですが…。日帰りの手術というのは無理なんですか?」
先生:「良性の脂肪腫ですが、やはり、全くリスクが無いわけではありません。入院していただいて、こちらでケアさせていただくのがよいと思いますよ。」
ヤッチ:「なるほど…。」
正直、ヤッチの考えでは、ピッと切って、チュッと出すくらいの簡単なイメージしかありませんでした…。
せいぜい1日くらいの前処置として入院は有っても、3,4日も入院しなくてはならないとは予想もしていませんでした。
(-_-;)
先生:「それに脂肪腫といっても、皮膚の表にあるのではなく、皮膚の内部に有ります。神経や血管が通っているところを切るのですから、場合によってはその部分が麻痺を起すことだって有るんですよ。」
ヤッチ:「ますますおっかない話ですね…。今、リハビリは終了したとはいえ、顔面神経麻痺の治療中です。そんな時に、バッサリやっちまって大丈夫なもんでしょうか…???」
先生:「いずれにしても、(手術前に)一度エコーを撮る必要が有りますね。こちらの病院で撮れるのかなあ…??ちょっと上司に相談してきますね?」
ヤッチ:「と、おっしゃいますと?」
先生:「おでこのしこりが何なのかをエコーで確認するんです。またどのように出来ているかを合わせて確認するんです。この病院で検査をできるのか聞いてきますね?」
どうやらこの先生、赴任して間もなかったようですね~。
自分の上にまだ先生がいらっしゃるようです。
確認しに席を外されました。
診察室で待つこと数分…。
看護師さん一人と、これまた上司と思しき女医さん、そして現在診てもらっている先生の三人が診察に入ってらっしゃいます。
何年ぶりでしょう…。
こんなにたくさんの女性に囲まれるのは…。
(^^ゞ
上司と思しき先生がヤッチのおでこを触診します。
上司と思しき先生:「入院しっちゃった方が治療も治りも早いわよ。入院しましょ?」
ヤッチ:「入院するのは構わないんですけど、顔面神経麻痺との兼ね合いは、いかがなものなんですかね?」
上司と思しき先生:「特に脂肪腫を取ることと、顔面麻痺とは関係ないと思いますよ。もし、御心配なら、手術は形成外科でやらせていただきますから、形成外科の先生に相談されてみては?」
ヤッチ:「ん…。そうですね。その方が良さそうですね!?」
看護師さんと上司と思しき先生は足早に診察室を出て行かれました。
残ったのは、赴任して間もないと思われる皮膚科の先生とヤッチだけ…。
ヤッチ:「いろいろお伺いして申し訳ないですけど、おでこの他にもう一つ診てもらいたいところが有るんですけど…?」
先生:「何でしょ?」
ヤッチ:「実は右手なんですけど、中指の付け根に、これもパチンコ玉くらいのしこりがあるんですけど?」
先生:「それはいつからですか?」
ヤッチ:「気がついいたのは、1ヶ月、もしかすると2ヶ月ぐらい前ですかね!?何もしていない状態では痛みは有りませんが、なんせ効き手の手のひらですから、固いものを握ったり、持ったりすると、少し当たって痛いんですけど…。」
そうなんです…。
ちょうどマウスで右クリックしたりすると、手のひらに違和感を覚えるようになったのが、おそらく1ヶ月くらい前…。
食事の後、中性洗剤を使い、スポンジでお皿を洗っているときは、右手でスポンジを持つので、気になりませんでしたが、いざスポンジを置いてすすぎの段になると、お皿の上でビー玉やパチンコ玉を転がしているような感触です。
おでこの脂肪腫は自分で触ると、プニュプニュしていますが、この右手の中指の付け根にできたしこりは、皮膚の中にまるでパチンコ玉を埋め込んだようなゴツゴツとした固い印象です。
先生:「ちょっと診させてもらいますね?」
ヤッチ:「あ、はい。」
ヤッチは先生に右の手のひらを差し出します。
先生は指でヤッチのしこりを触診します。
先生:「痛みはないんですよね?」
ヤッチ:「はい。」
先生:「このしこりは皮膚ではないですね。」
ヤッチ:「はあ…。」
先生:「(しこりが)皮膚に付いているのではなくて、関節か骨の方に付いていますね。」
ヤッチ:「皮膚科ではないっていうことですか?整形外科かなにかの管轄ですか?それとも形成外科の先生に相談すればいいのかな?」
先生:「そうですね。形成外科の先生でも大丈夫です。皮膚科から形成外科に紹介を出しておきますので、脂肪腫のことも含めてそちらで診察を受けて下さい。」
結局、この日の診察はこれで終わり…。
改めて、同じ病院で、形成外科を受診することになりました。
予約は今週の月曜日、4月22日でした。
んなわけで、今週の月曜日も病院に行ってきました。
(-_-;)
予約済みなので、今回はさほど待つことなく、診察室に通されました。
今回の形成外科の先生も女医さんです。
皮膚科の先生もきれいな先生でしたが、こちらの形成外科の先生もきれい…。
( 人+・ω・)キレィィィ★.:゚+。☆
次回、どこぞの科を受診するような事が有り、担当の先生が男性だったら、残念な気持ちにさせられる予感です…。
先生:「皮膚科から紹介を受けて、私が担当させていただくことになりました。○○と申します。よろしくお願いします。」
ヤッチ:「こちらこそよろしくお願いします。(まずはお友達から…)」
先生:「さっそく診察させていただこうと思いますが、顔面神経麻痺は他の病院で治療中ですか?」
ヤッチ:「いえ、こちらの耳鼻科を受診して、ちょうど去年の今頃(5月)に入院させていただきました。」
先生:「そうですか。結論から申し上げて、脂肪腫を取り除くことと、顔面神経麻痺とは直接関係ありません。つまり悪化するとは考えにくいです。」
この先生、顔に似合わず、バッサリくるタイプ…。
ヤッチ:「はい…。」
先生:「逆のことを申し上げれば、脂肪腫を手術で取ったら、顔面神経麻痺が改善されるというものでもありません。」
ヤッチ:「そうですね。おっしゃる通りだと思います。ただ、皮膚科で手術の時に麻痺が残るようなことが有ると言われたものですから…。」
先生:「それはおそらく、最悪のケースを説明されたのだと思います。通常はそういう難しい手術ではありませんよ。」
ヤッチ:「それをお伺いして少し安心しました。」
先生:「まずは脂肪腫の中身が何のかMRIを撮ってみましょうか?手術して取るのか、取らないかはMRIを撮ってから、また改めて相談しましょうか?」
皮膚科を受診したときはエコーとおっしゃっていましたが、MRIなんですねえ~。
ヤッチ:「わかりました…。」
バッサリタイプの先生のテンポに付いて行けず、ついついうなずいてしまうヤッチ…。
(^^ゞ
ヤッチ:「で、もう一つ皮膚科の先生に相談していたことが有るんですけど?」
先生:「はい。」
ヤッチ:「右の中指の付け根なんですけど…。多分ガングリオンとかいうやつじゃないかと思うんですけど…。」
先生:「診てもよろしいですか?」
ヤッチは右手を先生の机の上に置きます。
ヤッチ:「ガングリオンだなんて、聞いたことはあるんですけど、何なんですかねえ?」
先生:「御存知かと思いますが、関節といっても骨と骨が単純につながっているわけではなくて、骨と骨を囲むように膜でおおわれています。」
ヤッチ:「はい…。」
先生:「その膜の中には関節液という液が有って、関節を覆っています。ガングリオンの場合は、その膜が何かの異常でピュッと飛び出して、そこに関節液が溜まってしまうんです。」
ヤッチ:「ちゅうことは、盲腸みたいなものっていうことですか?」
先生:「盲腸ではないですけれども、同じような事が関節で起きているんです。」
ヤッチ:「じゃあ、この固いしこりの正体は液体なんですか?こんなにコリコリしてるのに?」
先生:「液体は液体なのですけれども、抜いてみるとわかりますが、どちらかというとゼリー状のかたまりのようなものが出てきます。抜いてみますか?」
ヤッチ:「えっ?そんなに簡単に抜けるんですか?」
先生:「はい。でも痛いですよ?どうします?」
ヤッチ:「痛いのには慣れているので、やってみてくれます?」
先生:「注射針の太いので中の液体を抜きますから、痛みがあるかもしれませんよ。いいですか?」
ヤッチ:「大丈夫です。」
先生が注射器を取り出します。
なるほど針はかなりぶっとい感じでストロー状になっているのがよくわかります。
先生が机の上に置いたヤッチの手のひらを消毒薬でなでなでします…。
どうやら麻酔は使わないようです…。
先生:「じゃあ、挿しますよ。チクっとしますよ。」
先生は注射針を指先方向から中指の付け根に挿しはじめました。
拡げている手のひらに垂直に挿すのではなく、ほとんど中指に沿って水平に挿すような感じです。
先生が驚かすほどの、飛び上がるような痛みはありません。
注射器に中には、無色透明なゼリー状の液体が貯まり始めます。
血液が混じるのかと思いきや、全くきれいなナタデココ状態…。
先生:「ああ、やっぱりガングリオンですね…。ゼリー状のもの出てくればガングリオンですね…。」
ヤッチ:「脂肪腫と違って、ずいぶん簡単に取れちゃうんですねえ?」
中の液体が無くなりかけて、終盤に近づき、先生が注射針を抜こうとした瞬間に、マックシェイクのシェイクの無い部分を吸ったときのようなジュルジュルと鈍い音が聴こえたのはヤッチの気のせいでしょうか…。
(^^ゞ
先生:「はい、ただこれは中の関節液を取り除いただけで、実際にはガングリオンそのものを取り払ったわけではないですからね…。」
ヤッチ:「ということは、またここにナタデココが貯まるっていうことですか?」
先生:「そうですね…。また出来てしまうかもしれませんね…。」
ヤッチ:「もし再発したら、またここにお伺いすれば、抜いてもらえるんですか?」
先生:「はい。私でも構わないですよ。切開して、中の膜を取り除くには、こんな小さな場所でも、かなり大がかりな手術になってしまいます…。しばらくは右手を使えなくなってしまうので、皆さんだましだまし水を抜いてるかなあ…。言葉は悪いですけど…。」
ヤッチ:「わかりました。(先生にだまされます。)」
かなり不純ではありますが、こんなにきれいな先生にチューチューしてもらえるなら、ガングリオンはいくつできても良いです。
( ̄^ ̄)
病院嫌いの御主人や病院嫌いの男性のご家族がいらっしゃる方には、この病院をおススメします。
後遺症として、確実に鼻の下が伸びます。
もしくは、片耳が大きく真っ赤に腫れ上がること必至です。
冗談はさておき、ガングリオンについては、再発の可能性はあるものの、一応しこりはその場でなくなってしまいました。
まだ注射針を刺した箇所はちょびっとだけ痛むものの、ゴロゴロとした不快感はなくなりました。
ヤッチ:「先生、もう一つだけお伺いしてもいいですか?」
先生:「はい、何でしょうか?」
ヤッチ:「おでこの脂肪腫は人から『おでこを何処かにぶつけたの?』と言われることがある程度で、自分ではそんなに気にしているわけではないのですが、実は、右頬にホクロがあるんですが、以前はこんなに大きくなかったような気がするんですよね~。むしろこっちの方が気になるんですよね…???」
前回の皮膚科の診察の時に『入院』という言葉がチラホラしているので、どうせ入院するなら、この機会に日頃気になっていることを全部ぶちまけてしまえという魂胆です。
ヤッチは形成外科の先生に右頬を見せます。
ちょうどほっぺの一番柔らかいところに、アルツ君の大好きなボタモチのあずきを貼りつけたようなホクロが有ります。
大きさとしてはあずきをつぶしたくらいでしょうかね…。
おそらく、若い頃の写真を見るとこのホクロは無かったような…。
いつの間にやら大きくなって、少し隆起しています。
ごく稀にT字のカミソリでひげを剃ったりすると、引っ掻いてしまい、出血することも…。
先生:「あーこれですか!?」
先生がヤッチの顔を覗き込みます。
ヤッチ:「はい。どうも年々大きくなっているようだし、色も黒っぽいから、悪性だったら嫌だなと思って…。」
先生:「ん~。これはホクロのようにも見えるけど、『粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)』の類じゃないかしら?」(追記参照)
ヤッチ:「なんですか、それは?ホクロじゃないんですか?」
先生:「違いますね…。粉瘤腫は簡単に言ってしまうと、皮膚の老廃物が貯まってできたものです。」
ヤッチ:「俺の顔の洗い方が足りないんですかね~?」
先生:「そういうことではないと思いますけど、これもなぜできるかという、ハッキリした原因はわかっていないんですよ。」
ヤッチ:「ホクロではないんですかぁ…。自分じゃてっきりホクロとばかり思っていました。でも悪性じゃないですよね?」
先生:「はい、おそらく悪性のものではないと思いますよ。MRIを撮ってからになりますが、脂肪腫の手術ということになれば、その時に一緒に取ってしまうことも可能です。」
ヤッチ:「なるほど…。いずれにしてもみんなMRIをやってから、相談ということですね?」
先生:「そうですね。で、MRIの予約はどうしましょう?今とても混んでいるんですよね…。」
ヤッチ:「そうなんですか?いつぐらいなら空きがあるんでしょう?」
先生がパソコンをパチクリやって、MRI検査の空き状況を確認します。
先生:「うん、一番早くて6月26日ですね…。どうしてもお急ぎなら外部の機関を紹介しますから、そこで撮って来てもらって、診察させていただくことも可能ですけど…。」
ヤッチ:「いやいや、すごい混み具合ですね…。MRIの装置自体が脳梗塞になりそうな勢いですね!?まだ、私は顔面神経麻痺の診察もあるので、こちらの検査で予約をお願いしますよ?」
先生:「そうですか?では、MRI検査は6月26日にお取りして、そこからの診察ですから…。次回の診察は7月1日になりますけど、ご都合の方は?」
ヤッチ:「いやいや、そんなに先までの予定は立てていないですよ。是非そこに予約を入れてください。」
さすがに大きな大学病院ですね…。
4月の受診で次回が7月って…。
(-_-;)
そして7月以降、場合によっては入院になるかもしれません。
(-_-;)
それにしても、顔面神経麻痺以来、何だってこんなに原因不明の病気に見舞われるんですかね…。
今後は悪性のものが出ないことを祈るばかりです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
脂肪腫とは…
概要
脂肪腫は、最もよく目にする良性の軟部腫瘍です。通常は単発性に見られます。多発性であることはまれです。皮膚のすぐ下に発生することが多いため、外見から腫瘤(しゅりゅう:こぶ)として認識できます。深い部分の筋肉の間などにできた場合は外からはわかりにくいことがあります。
病理組織学的には成熟した脂肪細胞からなり、一見、正常脂肪組織と区別がつきにくいですが、細胞は正常よりやや大きいとされます。外から触れても境目がわかりにくい場合がありますが、脂肪腫自体は、薄い被膜をかぶり、境界は比較的はっきりとしています。割面は白っぽい黄色からオレンジがかった黄色を示します。いくつかの房に分かれているものもあります。脂肪腫は40~50歳代に好発し、女性に多いとされています。また、肥満者に多いとも言われています。背中、肩の周辺、臀部の皮下によく発生し、筋肉のなかに発生する場合は大腿部によく発生します。20歳以下に脂肪腫ができることは稀です。
病因
全身に発生する脂肪腫の場合、遺伝子異常の報告や、飲酒やステロイド剤などの薬剤が関係するという報告がありますが、どのようなメカニズムで脂肪腫ができるのかということについては詳しくわかっていません。
ガングリオンとは…
ガングリオン(ganglion cyst、結節腫)とは、手足などの関節にできる腫瘍。多くは良性であり、欧米ではしばしば聖書ダコ(bible bump)と呼ばれる。
概要
関節近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体がたまる弾力性の腫瘤で、超音波検査上は低エコーの病変である。液体は穿刺吸引が可能である。内容物が線維化すると硬結と触知され、やや高エコーとなり穿刺吸引できなくなる。無症状だが、神経や腱を圧迫すると痛みを生じる。若い女性の発症率が高い(メルクマニュアル家庭版によれば男性の3倍)と言われている。発症メカニズムは現在も詳しくは分かっていない。「軟骨が出てきた」と誤解されている場合がある。ウィキペディアより引用
粉瘤腫とは…
粉瘤腫(ふんりゅうしゅ、 atheroma (アテローマ))とは、新陳代謝によって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚内部(真皮)に溜まることによってできる良性の嚢胞性病変の総称(-omaという接尾語をもつが新生物とは考えられていない)。表皮嚢胞(epidermal cyst)あるいは類表皮嚢胞(epidermoid cyst)とも呼ばれる。ウィキペディアより引用
2013年08月19日に脂肪腫と粉瘤腫の摘出手術を受けました。
摘出した部位は病理検査に出し、粉瘤腫については、『脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)』で有る事がわかりました。
下記に詳しい記事をアップしていますので、あわせてご覧くださるようお願い申し上げます。
関連記事:
- MRI検査の前に知っておきたいこと
(手術前の検査や手術の方法について書いています。) - 脂肪腫の摘出と脂漏性角化症
(手術の様子や術後について書いています。)
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