アルツ君は職人進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。

顔面神経麻痺のリハビリ方法

2012/07/15 (日)  カテゴリー: 顔面神経麻痺
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こんにちは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

記事にしようか迷ったのですが、近況報告をかねてあえて自分の顔面神経麻痺について書きたいと思います。

そもそもの発症は5月のゴールデンウィーク明けくらいだった思います。

歯を磨こうとするとどうも口が上手く開かない…。

何とか磨き終わり、水を口に含み、ゆすごうとすると、今度は口から水がこぼれて落ちてしまう…。

そんなことがきっかけで、耳鼻科に診察を受けに行くと、顔面神経麻痺だという事が判明し、近くの大学病院を紹介されます。

大学病院で診察を受けると、ベッドが空き次第入院するように促されます。

ベッドにすぐ空きができて、即入院くらいの勢いです。

入院翌日からプレドニンというステロイド点滴の治療が始まります。

入院中、毎日プレドニンを点滴で入れていくのですが、その量は徐々に逓減されて行き、最初の量の確か半分くらいの量で終了となります。

結局、入院は12日間。

退院するころには、元の顔に戻るだろうと楽観的な考えでいましたが、残念ながら、顔面神経麻痺は入院前とさほど変わらず…。

(つд⊂)エーン

現在もその大学病院で週1回リハビリを継続中です。

発症から2ヶ月を経過したことになります。

一般的には2ヶ月くらいすると変化が出て来るそうなのですが、状態はというと、今も顔の左半分は動かないままです。

ただ、全く症状が改善されていないというのではなく、当初有った舌の味覚障害はなくなっています。

以前は麻痺側のおでこもシワが寄らず、動きが有りませんでしたが、まゆを上にあげ、おでこにシワを寄せようとすると、ほんのわずかですがまゆ山の上の辺りが動くようになりました。

しかし、意識してそこだけを動かそうとしても、やはり動かすことはできず、他の筋肉に引っ張られてまゆ山あたりが動くのかなぁという感は否めません。

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自撮りのヤッチのおでこ

上の画像は別に片側だけ力を入れてシワを寄せているわけではなくて、自分では必死に左右両方おでこにシワを寄せようとしています。

わかりにくいかもしれませんが、まゆ毛の位置がずれて、麻痺側が下がったままです。(向かって右が麻痺側)

でも、おかしな話です。

麻痺の無い健常側はおでこにシワが寄ります。

麻痺側にはシワは寄りません。

シワを寄せようとしなくても健常側はすでにシワは寄っているのですが、力を入れるとこのシワが一層深くなり、麻痺側は力を入れない状態でもシワはなく、のっぺりしています。

もし女性だったら、このまま麻痺が治らない方がシワができなくていいんじゃないかと思うような状態ですが、やはりバランスに欠けます。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

治ってくるとシワが増えていくというのも本当に面白いものですねえ…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

顔面神経麻痺ではない人にこんな話をしてもつまらないと思いますが、顔の各部分のリハビリの方法をヤッチのリハビリをして下さっているST(言語聴覚士)さんの受け売りで解説したいと思います。

余談ですが、リハビリは理学療法(PT=physical therapy)、作業療法(OT=occupational therapy)、言語聴覚療法(ST=speech therapy)に大別されます。

そのうち顔面神経麻痺は言語聴覚士(ST=speech therapist)さんの仕事なんですねえ~。

そうそう、言い忘れましたが、リハビリというと身体に負荷をかけて、何か重いものでも持ち上げるような印象が有りますが、顔面神経麻痺のリハビリは主にマッサージが中心で、おもたいオモリを顔で持ち上げるといった荒業はしません。

前述のように麻痺側のおでこにシワが寄らないヤッチですので、おでこのマッサージは欠かせません。

麻痺側のおでこをまゆの生え際から3本の指で円を描くようにマッサージします。(図①)

あまり、グリグリと力を込めてやるのではなく、皮膚の張りなどを確かめながらソフトにやるのがコツのようです。

また、必ず鏡で自分の顔を見ながらやるのも大事な事のようです。

STさん曰く、麻痺のない健常側の表情を見て、麻痺側が元に戻った時の状態をイメージしながらやるのがとても大事なんだとか…。


次にあごのマッサージ。(図②)

あごというより顔の輪郭と言った方が良いかもしれませんね。

やはり3本の指を使って顔の輪郭に沿って、あごの下から耳たぶに向かってマッサージしていきます。

どの3本の指を使うかはお好みで…(笑)

顔面神経麻痺のマッサージですが、何だか小顔効果も有りそうなマッサージです。

そんな話を姉にしたら、いろいろなグッズを持って来てくれました。



せっかく持って来てくれたのに文句を言うのは忍びないのですが、やはり人間の指に勝るものは有りません。

(^^ゞ

結局ほとんど使っていません。

(^^ゞ

続けてこめかみのマッサージです。(図③)

さすがにこめかみに照準を合わすと3本の指でははみ出てしまうので…。

麻痺側を1本の指でこめかみを転がすようにマッサージします。

ちなみにヤッチはこの時薬指を使います。

何でだって?

特に理由は有りません。

まだまだマッサージは序盤戦です。

今度はまゆのマッサージです(図④)

麻痺側のまゆを3本の指で円を描くように眉間に向かってマッサージします。

ヤッチの場合、退院したての頃はこの辺がこわばっていたので、暇さえあればここをマッサージしていました。

今では、気がつくとこの辺をいじくるようになり、ちょっと癖がついてしまっているようにも思えます。

今度はまぶたのマッサージです。(図⑤)

今まで指の動きは円を描くようにでしたが、まぶたはグルグルとはやらずにまぶたを1本の指で撫でるように往復マッサージです。

目の下も同様にお往復マッサージです。

ヤッチの場合、自力でまぶたを閉じられないので、ここはいつも時間をかけてやっています。

なんせ、片目だけ閉じようとしても当然閉じられませんが、両目を閉じても麻痺側の目は白目をむいてしまっているようです。

顔を洗うときなども、いつも通りの顔の洗い方ができません。

両手に水をためて顔をうずめると、手のひらに眼球の感触が伝わってきます。

つまり目を水の中でも閉じていないわけです。

しかも手のひらで眼球を触っても目を閉じられないので、角膜を傷つけてしまう恐れも出てきます。

寝る時も片目が開いてしまうわけですから、片手で押さえて寝るわけにもいかず、角膜保護用のテープを貼って寝ています。

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メパッチ クリア01

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メパッチ クリア02

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メパッチ クリア03

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メパッチ クリア04

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Mクリア SG_01

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Mクリア SG_02
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、『メパッチ』という商品です。

これ、実は入院中に看護師さんが貼ってくれて、実に使い勝手良かったので、自身でもネットで購入して利用しています。

色(ブルーorピンク)の帯が付いた部分には糊が付いておらず、この部分を上にして、直接まぶたに貼りつけます。(剥がす時に糊が付いていないと剥がしやすくなるため!?)

最初は入院中にシャワーを浴びる時にシャンプーが目に入ってしまうので、シャワー前に看護師さんが貼ってくれたものです。

糊がそんなにきつくないので、剥がす時に痛みがなく、また、まつげやまゆ毛が抜けません。

メパッチを貼っていれば、目が強制的に閉じられた状態を保てるので、ドライアイになって、目が痛くならなくて済みます。

いつしか、看護師さんに就寝前にも貼り換えてもらい、就寝時にもこれを貼って寝るようになってしまいました。

自宅でも使ってみたかったので、主治医に処方してくれないかと頼んだのですが、なぜか処方はしておらず、自分で購入してくれとの事…。

何だかケチくさいなと思いつつも、ようやくネットで購入できるところを探し当てました。

こやつMサイズとLサイズが有るようです。

まだメパッチのLサイズは試したことは有りませんが、片目を覆うにはMサイズで十分の大きさなのでMサイズを利用しています。

通常であれば、貼るのなんて簡単なのですが、目を閉じた状態で貼らなくてはなりません。

でも、麻痺側の目を閉じるには、片目だけを閉じることができないので、麻痺していない目の方も閉じなくてはならないのです

つまり、両目を閉じないと貼れないわけです。

そうなると、目を開けている間にある程度の見当をつけて、手探り状態で貼らなくてはならないので、結構これが大変です。

。・゚・(ノД`)・゚・。

毎日貼っては、剥がしたりの繰り返しなので、だいぶ貼るのも上手くなってきましたが、それでも時折失敗して、無駄にしてしまうことも…。

最近になってメパッチにメパッチ クリア(ブルーの帯)というのとメパッチ クリア SG(ピンクの帯)というのが有る事を知りました。

SGの方が値段がよいので、ちょっと購入をためらっていましたが、やっぱり値段だけのことは有ります。

値段の高いSGの方がごわつかないし、剥がす時に非常に楽です。

少々話が横道にそれてしまいましたが、話をマッサージに戻します。

お次は鼻の脇。(図⑥)

麻痺側の鼻の脇をこれも1本指で下から上へ眉間の辺りまでグリグリします。

ヤッチの場合、鼻骨の出っ張ったところ辺りに少し痛みが有る事が多く、痛みが取れるまで念入りにマッサージしています。

頬については3本指で行いますが、上、中、下と3つに分けて行います。(図⑦)

上はこめかみに向かって。

中は耳の穴に向かって。

下は耳たぶに向かってマッサージします。

最後は唇の上下のマッサージです。

3本の指で唇の上下を交互に、円を描きながらマッサージします。

以上がヤッチがリハビリを受けているSTさんから教えてもらった自主トレのメニューですが、マッサージ以外にも鏡を見ながら表情を作る練習をしたりします。

鏡相手に自分自身とにらめっこです。

また、一定期間経過すると、麻痺している部位の筋肉が固縮してくることが有るようです。

個人差があると思いますが、発症から2ヶ月を経過したヤッチにも頬骨の下あたりがやや硬くなってきている箇所が有ります。

痛みが出る箇所も少し出て来ています。

痛んでいる箇所をマッサージしていると、その部分の痛みは取れるのですが、近くの別の個所に痛みが出たりするときが有ります。

この辺の事をSTさんに聞いたところ、あまり心配しないでも良いとの事です。

元々痛い箇所より広い範囲に筋肉の張りが有って、たまたま痛い箇所をマッサージした結果、その張りの有る別の部分が痛み出すので、逆にこれはマッサージの効果が出ていると考えて良いのだそうです。

マッサージの強さですが、まぶたと口の周りは多少強めでも構わないそうですが、まぶたと口の周りは他の神経を傷つけてしまうこともあるので、ソフトにやった方が良いそうです。

そう言えば、今までまぶたのマッサージというより、グリグリと強めにマッサージして、眼球のマッサージをしていたかもしれません。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

いずれにせよ、一足飛びには治らない顔面神経麻痺のようですが、諦めずにリハビリと自主トレを続けたいと思います。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

[追記]
顔面神経麻痺のリハビリは、回復していく過程で、たとえば、口を開けると、目が閉じてしまうなどの病的共同運動と呼ばれるいわゆる後遺症が出る場合が少なくありません。
私自身も実際に今なおこの後遺症が残ったままです。
これは神経が繋がっていく過程で、混線し、誤って繋がってしまうことによって起こるものです。
後遺症は他にも色々とあるようです。
リハビリについてですが、たとえば足を骨折した場合などは、骨折箇所周囲の弱った筋肉をできるだけ多く運動させて元の状態に戻すリハビリが行われます。
しかし顔面神経麻のリハビリは、がむしゃらに顔の表情筋を動かすのではなく、後々上記のような神経の混線が起こらないようする意味合いもかねていますから、STさんとよく相談しながら、慎重に進めていった方が良いように思われます。
リハビリを現在されている方、これからリハビリをしようとする方、焦らずがんばってくださいね。
2014/01 追記


メmメパッチクリアSG
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内服薬の管理

2012/07/16 (月)  カテゴリー: 認知症の薬の事
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こんにちは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

みなさんは、ご自身やご家族が服用する内服薬の管理ってどうしてらっしゃいますか?

内服薬を小分けに切り分けたり、ピルケースに入れたりと、様々な方法が有ると思いますが、どれもけっこう面倒臭いですよね!?

ヤッチの場合も、100円ショップで買ってきたピルケースに1週間分作って、それに入れたりして、地味な作業をしていました。

でも、先日顔面麻痺で入院したとき、面白い内服薬の管理が有る事を知りました。

『管理』と呼べるほどのものかどうかはわかりませんが、ヤッチには目から鱗の画期的な方法です。

入院中も内服する薬が有り、看護師さんが1週間分まとめて持って来てくれたのですが、その薬のパッケージというか包装紙に手が加えて有るのです。

薬を小分けに切り分けるでもなく、ただ薬のパッケージに切り込みを入れてあるだけのものです。

最初はなぜ故こんな風になっているのかわからず、あまり気にもせず、飲んでいたのですが、ある時、このことをヤッチを担当していた看護師さんにたずねてみました。

ヤッチ:「薬のパッケージに切り込みが入っているけど、これって何か意味が有るんですか?」

看護師さん:「意味というほどのものではありませんが、薬が取り出しやすく有りませんか?こんなことをやっているのは私だけかもしれませんが、こうすることで、パッケージごとの飲んでしまう患者さんの誤飲も防げるし、何錠飲んだかもすぐにわかるんです。」

ヤッチ:「なるほどねえ~。」

多分、その看護師さんは他の患者さんにも、同じことをしているのは間違いないことなんですが、『こんなことをやってるいるのは私だけ』という言葉に、悲しいかな、男の性が、何か特別な感情でも有るのかという錯覚を起こさせます。

(^^ゞ

結局、交際を申し込む勇気は有りませんでしたが、この方法すごいと思いません!?

そんなの前から知っていたよとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、確かにこうすることで、薬が格段に取り出しやすくなります。

おそらく、力の無いお年寄りでも楽に取り出せるのでは!?

しかも薬をバラバラに小分けにしてしまって、パッケージごと薬を飲んでしまう誤飲も防げます。

キノコさんが、以前小分けにして、パッケージごと飲んでしまい、救急車で運ばれたことが有るので、ヤッチは小分けにするのに少しナーバスになっているからかもしれませんが、こんな単純な事でこれが防げれるなら、利用させてもらわない手は有りません。

しかも飲み終わった薬も空のパッケージが付いたままになりますから、飲んだか飲まなかったかもすぐわかります。

たくさんの種類の薬を服用されている人には不向きかもしれませんが、ヤッチのようにそんなにたくさんの薬を服用していない人間には、ピルケースにあらかじめ薬を取り出して置く必要はないので、こっちの方がはるかに楽です。

賛否両論あるとは思いますが、最近はすっかりこの方法で薬を管理するようになっています。

お気に召すようでしたら、是非やってみて下さい。

もちろん、薬を飲み忘れてしまえば、意味は有りませんが…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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妾(めかけ)を囲う職人

2012/07/17 (火)  カテゴリー: 認知症の症状
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

連日、茹だるような暑さが続いています。

東京も梅雨明けしたようですね。

そんな暑いさなか、アルツ君のいる施設に面会に行ってきました。

午後の一番暑い盛りに自転車を漕いで行ってしまったので、帰ってきたら、腕が真っ赤です。

^_^;

アルツ君の部屋は今日は引き戸が閉まったままです。

いつもは、開けたままのことが多いのですが、昼寝でもしているのでしょうか。

コンコンとノックすると、中から声が聞こえてきます。

アルツ君:「おうっ!!」

ヤッチは引き戸を開けます。

アルツ君、ベッドからちょうど起き上がったところみたいです。

ヤッチ:「寝てたのか?」

アルツ君:「いや、ちょうど寝ようかなと思ったところだ。何にもやることないからなぁ…。」

この言葉を聞くと、ヤッチも返答に困ります。

(-_-;)

ヤッチ:「今日は外はものすごく暑いよ。」

アルツ君:「夏だからな。」

ヤッチ:「おっ。夏だってわかるんだ!?」

アルツ君:「わかるさよ~。これで冬だなんて言ったらボケてるって言われるぞ!?」

ヤッチ:「いや。じゅうぶんボケてるよ。」

アルツ君:「それより、ばあさんはどうした?」

アルツ君が言う『ばあさん』とはもちろん最愛の妻であるキノコさんの事です。

最近、アルツ君の記憶の中ではしばしばキノコさんが行方不明になります。

ヤッチ:「ばあさん!?ばあさんなら家に居るよ。」

アルツ君:「そっかぁ…。仕事に行ったんじゃないのかぁ…。」

ヤッチ:「仕事なんてもともとしてないじゃないかよ。だいだいいくつだと思ってんだよ?」

アルツ君:「俺よりちょっと若いくらいだろっ!?」

ヤッチ:「じゃあ、いくつ?」

アルツ君:「38。」

ヤッチ:「えっ~。38がそんなにハゲ散らかしてるわけないだろっ。八十いくつの間違いだろっ!?」

アルツ君:「そうだっけっ!?八十いくつだっけ?」

ヤッチ:「84。」

アルツ君:「そうかぁ…。そんななるのかぁ…。じゃあ、ばあさんも結構な歳だなぁ…。」

ヤッチ:「そういうことになるねえ~。」

キノコさんも9月になると、アルツ君と同じ84歳になります。

アルツ君:「で!?俺は今日、家からここに来たんだよな!?」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「朝は家に居たんだよな?」

ヤッチ:「家ってどこ?」

アルツ君:「俺の家だよ。」

ヤッチ:「俺の家はわかるけど、俺の家なんて有るのか?」

アルツ君、すでにここ特養に住所を移して、以前住んでいたアルツ家はもう大家さんにカギを返してしまっています。

アルツ君が高齢者虐待防止法で保護されている間の出来事ですから、事情は説明して有りますが、覚えてはいないようです。

しかし、その間、アルツ君は自宅などには帰っていません。

アルツ君:「家くらい有るさよ~。」

ヤッチ:「どこに有るんだ?」

アルツ君:「道路沿いだよ。」

ヤッチ:「いや、だいたい家は道路沿いだろ!?」

アルツ君:「きれいな道路沿い…。」

ヤッチ:「多分、今日は家から来てないと思うよ。ずっとここに居て、そのベッドで寝てたと思うよ。」

アルツ君:「いや、そうじゃないなぁ…。確かここにすっ飛んできたはずだ。」

ヤッチ:「すっ飛んで来たって!?だいたい走れるのか?」

アルツ君:「そうだよなぁ…。じゃあ、どっから来たんだろ!?」

ヤッチ:「だから、ずっとここに居たって!!。昨日も一昨日もその前からずっとここに居たって!!」

アルツ君:「俺がか?こんな山奥に!?ここをどこだと思ってんだよ。山の中だぞ!?」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「だから、ここは山の中!!」

ヤッチ:「何で急に山の中になっちゃうのかなぁ…。ここは東京だぞ!?しかも23区内!!」

アルツ君:「ウソっ~!!」

ヤッチ:「ウソじゃないよ、ホントだよ。周りを見渡してごらんよ?」

アルツ君:「木がいっぱい有るなぁ!?やっぱり山奥だ。」

ヤッチ:「山奥じゃないよ。山なんてどこにも見えないじゃないか。」

アルツ君:「そうか???」

ヤッチ:「そんなに疑うなら、廊下の窓から景色を眺めてごらんよ?山なんてどこにもないから…。」

アルツ君と一緒に廊下に出て、一番景色が良く見える窓のところに行きます。

ヤッチ:「なっ?山なんて無いだろ?」

アルツ君:「ホントだ。山が無くなってる。」

ヤッチ:「無くなってるんじゃなくて、最初から無いよ。」

アルツ君:「そうだったっけ!?で、ばあさんはどこに居るんだ?」

ヤッチ:「さっき、言ったじゃないか、家だよ。」

アルツ君:「そうじゃないよ。どこに居るのかって聞いてるんだよ。」

ヤッチ:「ああ、そういう事かぁ。あそこに高圧線が見えるだろ!?あの2本目の高圧線の辺りかな!?」

アルツ君:「ぶら下がってるのか?」

ヤッチ:「何でぶら下がるんだよ。ぶら下がってたら、この世にいないよ。」

アルツ君:「そうかぁ…。で、何してるんだ?」

ヤッチ:「だから家に居るよ。洗濯物でも取り込んでる頃じゃないのかな!?」

アルツ君:「えっー!?ばあさんだぞ!?」

ヤッチ:「そうだよ。ばあさんが洗濯物を取り込んじゃいけないなんて法律有る?」

アルツ君:「無いかも知れないけど、俺は仕事に出かけてるとばかり思ってた。」

ヤッチ:「またそれかよ。」

アルツ君:「でさあ、改まって聞くけど、キノコ(キノコさん)はどうした?」

↑便宜上、キノコと書きましたが、アルツ君、この時キノコさんの本名を下の名前で呼んでいます。」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「キ・ノ・コ!!」

ヤッチ:「だからさあ…。それは今言った通り洗濯物を取り込んでるって…。」

アルツ君:「それはばあさんの事だろっ!?俺の行ってるのはキノコがどこに居るんだっていう事だよ。」

ヤッチ:「だから、あの高圧線のところだよ。」

アルツ君:「バカ言えっ!!一緒に居るわけないだろっ!!」

???

……

やっと、わかりました…。

アルツ君ですが、どうも『キノコさん』と『ばあさん』を別物と考えているようです。

(-_-;)

一方は若いキノコさん…。

もう一方はばあさんのキノコさん…。

短期記憶の欠落、現実と過去、幻視と夢が錯綜してアルツ君の頭の中で物語が暴走しているようです…。

(-_-;)

もしかすると、アルツ君の元へキノコさんの30~40年くらいも前の写真を届けてしまったからかもしれません。

(-_-;)

まだキノコさんも背筋が伸びてハツラツとしている頃の写真です。

施設の職員さんの話によると、その写真の一枚を大事そうに持ち歩いて、職員さんが見せてくれと言っても、見せてくれなかったそうです。

知っているという事は結局見たんでしょうけど…。

( 一一)

ヤッチ:「いったいどういうこと?もしかして、『キノコ』っていう名前の人物は『ばあさん』より若い?」

アルツ君:「そうだよ。うんと若いさ…。」

ヤッチ:「もしかして、『ばあさん』と『キノコ』の二人いる?」

アルツ君:「そうだよ。俺がこんなところに居るから、居場所がわからなくなっちゃったんだよ…。」

ヤッチ:「お言葉を返すようで、悪いんですけど、『ばあさん』と『キノコ』は同一人物だぞ!?」

アルツ君:「え?そうなのか?うっそっ…!?」

ヤッチ:「う~ん…。多分、キノコさんの昔の写真を見たんじゃないのか?」

アルツ君:「ああ。見たよ…。写真は見たけど、ばあさんはあんなに若くないぞ!?」

ヤッチ:「そうじゃないよ。写真が古いんだよ!!若い『キノコさん』が今は『ばあさん』になってるんだよ!!『キノコさん』と『ばあさん』は同一人物だよ。」

アルツ君:「へー。そうなのかー!!こりゃまた驚いた…。」

アルツ君、首をうなだれちゃってます…。

(-_-;)

ヤッチ:「驚いたのはこっちだよ。だいたい妾を囲えるほどの甲斐性ないだろっ!?」

アルツ君:「まあ、そりゃそうだ…。じゃあ、『キノコ』はあんなに、ばあさんになっちゃったのか!?」

ヤッチ:「だいたい、自分の歳を考えればわかるだろがっ。」

アルツ君:「まあ、そりゃそうだなぁ…。そうか。そういう事だったのかぁ…。」

ヤッチ:「やっとわかったようだね!?どう、スッキリした?」

アルツ君:「ああ、わかった。スッキリしたよ。で、ばあさんはどこに居るんだ?」

ヤッチ:「さっきも言った通り、高圧線のところっ。」

アルツ君:「バカっ!!それは『ばあさん』だろっ!?俺の言ってるのは『キ・ノ・コ』っ!!」

時として、こっちの思考の方がやられちまいそうです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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脱走を試みる職人

2012/07/21 (土)  カテゴリー: アルツ君
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

またまた、アルツ君のところへ面会に行ってきました。

このところ、東京は猛暑が和らぎ、少し寒いくらいです。

半袖の上になにか一枚上には羽織りたいくらい…。

アルツ君のところに行ったのは、こうなる前のとても暑い日でした。

空調が入って涼しくなっているのに、窓を全開にして、外の暑い空気を呼びこんじゃってます。

^_^;

前回面会したとき、アルツ君は昼寝をしようとしていたところでしたが、今回は何だかアルツ君、とても忙しそうにしています。

部屋に備え付けてあるクローゼットを全開にして、中身を全部ベッドの上や床の上に出してしまっています。

クローゼットの中身はほとんどが衣類で、アルツ君が入所するときに家族が用意したものです。

アルツ君の失禁回数が多いという事で、後からズボンや下着なども買い足しているので、入所当時よりは荷物の量はかなり多くなっているのは事実です。

ヤッチはびっくりしてアルツ君に声をかけます。

ヤッチ:「何?探し物でもしているのか?」

アルツ君:「いや、探し物なんかしてないよ。」

ヤッチ:「じゃあ、何?」

アルツ君:「へへ…。」

アルツ君、笑ってごまかします。

ヤッチ:「なに笑ってんだよ?」

アルツ君:「へへ…。」

ヤッチ:「『へへ…。』じゃわからないだろ!?何をしようとしてたんだ?」

アルツ君:「別に…。」

ヤッチはアルツ君がだいたい何をしようとしていたのかわかっていましたが、あえて本人の口から吐かせようとします。

多分、アルツ君は施設(特別養護老人ホーム)から出ようと目論んでいるに違いありません。

(-_-;)

先日もこのようなことが有ったので、クローゼットにしまってあった荷物を入れるボストンバックは持って帰って来てしまいました。

ヤッチ:「またエリカ様かよ。どうせろくな事考えてなかったんだろ!?」

アルツ君:「へへ…。もう、こんなとこ(施設)に居るのは飽きちゃったんだよ。」

ヤッチ:「飽きちゃったのはわかるけど、飽きてどこに行こうとしてたんだ?」

アルツ君:「さあ、どこかね…。」

ヤッチ:「だいたい、こんなにたくさんの荷物を一人で持って行けないだろう!?」

アルツ君:「それはやってみなくちゃわからないぞ。俺にだってまだ手は付いてるんだから。」

ヤッチ:「二本の手じゃ足りないね。」

アルツ君:「足も有る。」

ヤッチ:「歩けなくなるぞ。」

アルツ君:「じゃあ、身体にくくりつけてでも持っててやる!!」

ヤッチ:「持って行くってどこに?」

アルツ君:「そんな事を考えたって仕方ない話だ。とりあえず、ここを出てから考えればいいことだ。」

ヤッチ:「ここがどこだかわかってるのか?」

アルツ君:「ああ、わかってる。山の中だ。」

ヤッチ:「え~!!山の中じゃないんですけど…。」

アルツ君:「バカ言え。山の中だよ。」

ヤッチ:「先日も申し上げた通りで、また申し上げるのは恐縮なんですが、ここは東京都内の山のない場所なんですが…。」

アルツ君:「へ~!!こいつは初耳だ。山奥じゃなければ、ここから出るのはもっと簡単だ。」

ヤッチ:「だから、出るなら先に行き先を考えようよ。」

アルツ君:「ばあさんのところは俺が一人くらい寝られるようなところが有るのか?」

ヤッチ:「ばあさんって、キノコさんの事?」

アルツ君:「そうだよ。どっちだっていいさ。」

ヤッチ:「まさか二人居ると思ってないよね?」

ヤッチは先日の一件が有るのでここは慎重です…。

^_^;

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アルツ君:「なこと有るわけないだろっ。一人に決まってる。それじゃあ、お化けだよ。お化け…。」

今日はこっちの認識に関しては調子が良いようです。

ヤッチ:「キノコさんのところは、寝ようと思えば、寝られるけど、一緒に住んじゃいけないことになってる。」

アルツ君:「どうして?男でもできたのか?」

ヤッチ:「男ができるわけないだろがっ。生活保護の条件が一人暮らしだし、アパートの方も男を連れ込んじゃいけないことになってる。」

アルツ君:「ずいぶん真面目な大家だな、ふんっ!!」

ヤッチ:「別にここに居ても不自由ないだろう?食事は三食出るし、風呂だって入れてもらえるし…。」

アルツ君:「そういえば、今日風呂に入ったかなぁ????」

ヤッチ:「多分入っていると思うよ。風呂に入ると入ったこと忘れるんだから、入ったっていう証拠だよ。」

アルツ君:「お前は簡単に言うけど、入ると入らないとではえらい違いなんだぞっ。」

ヤッチ:「何が違うって言うんだよ…?」

アルツ君:「金魚だって水が無いと死んじゃうだろ!?それと同じだ。」

ヤッチ:「あんたは魚かっ。」

アルツ君:「わからない。魚かも知れない…。」

ヤッチ:「一日くらい入らなくたって死にやしないだろっ!?」

アルツ君:「いや、死んじゃうかもしんない…。」

ヤッチ:「じゃあ、施設の人に頼んでもう一回入れてもらえば?」

アルツ君:「それができないんだなぁ…。」

ヤッチ:「なんで?」

アルツ君:「今、忙しいからだよ。」

ヤッチ:「もう、荷物はほっぽり出したんだんだろ?それなら、忙しくないじゃん。」

アルツ君:「まあ、そうなんだけどなぁ…。」

なんだか最近のアルツ君、言っている内容はメチャクチャですが、会話がスムーズです。

上手く言葉で表現できませんが、会話にキレが有るというか、レスポンスが良いというか…。

これもフェルガード効果なのでしょうか…。

しかしっ!!!

油断してはいけません!!!

アルツ君の股間を見ると、ズボンの色が変わっています。

ヤッチ:「それはそうと、トイレに行ったのか?」

アルツ君:「もう10年くらいは行ってない…。」

ヤッチ:「ズボンが濡れちゃってるじゃないかよ。紙パンツをトイレ代わりにしてるんだろ?」

アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ。これは水が掛かったんだよ。」

ヤッチ:「いや違うな。見せてみんっ?」

そう言ってヤッチはアルツ君にベッドの手すりに摑まるように言い、紙パンツを交換するため、ズボンを脱がしにかかります。

やはり、紙パンツはキャパをオーバーし、フロートをはじめています。

ヤッチ:「ああ、紙パンツが重たいって悲鳴を上げてるよ。かわいそうに…。原発なら大変な放射能漏れだぞ。」

アルツ君:「そうかぁ…。俺は鍛えてやってるつもりなんだけどなぁ…。」

ヤッチ:「紙パンツを鍛えたって仕方ないじゃないかよ。鍛えるなら自分のムスコを鍛えろよ。」

アルツ君:「だからお前を鍛えてやってんじゃないかよ。」

ヤッチ:「その息子じゃないよ。自分にくっ付いてるムスコだよ。」

アルツ君:「ああ、これはダメだ。老いぼれだからな。」

ヤッチ:「それにしても、こんなにやらかしてたら重たいし、気持ち悪いと思うんだけどなぁ…。」

アルツ君:「それがへっちゃらなんだよなぁ…。」

ヤッチ:「そんなことに慣れるなよっ!!」

アルツ君:「前世は金魚かもな!?それにしてもこんなにイッパイの荷物を誰が引っ張り出したんだろうなぁ…???」

ヤッチ:「えっーーー!!覚えてないのっ~???ほんのちょっと前の事だよ~~。」

アルツ君:「朝来たら、ここに有ったんだよなぁ…。」

ヤッチ:「なわけないだろがっ!!朝からずっとここに居るんだからっ。」

アルツ君:「そうだっけっ?」

ヤッチ:「ホント、便利な脳ミソだなぁ~。犯人は一人しかいないと思うよ。」

アルツ君:「誰っ!?ばあさんか?」

ヤッチ:「ばあさんは今日はここには来ていないよ。」

アルツ君:「そうか~。じゃあ誰だろう?」

ヤッチ:「俺の目の前にいる約一名しかいないと思うよ。しかも荷造りするのによくこんな事考えついたよなぁ~。」

アルツ君の衣類を入れるボストンバッグは持って帰ってしまったので、この部屋には有りません。

そこでアルツ君が苦肉の策として思いついたのがこの方法です。

なんと、アルツ君のベッドに敷いてあった失禁用の防水シーツで衣類を包んじゃってます。

防水シーツを風呂敷のように使って衣類を包んでいるのです。

少しゴワゴワした生地なので結んで止めるというのが難しいので、どこかで見覚えのある色のひもをつなぎ合わせて、それを使って止めています。

そうです…。

ヤッチが先日、アルツ君のために持って行ったハーフパンツの腰ひもです。

どれもジャージ素材だったのですが、ご存知のように最近のジャージのパンツには、ゴムひも以外に腰ひもが付いていて、緩い時にはこれを締めて結べば良いようになっています。

アルツ君、この腰ひもをハーフパンツから引き抜いてしまって、荷造り用のひもにしてしまっているのです。

ヤッチ:「よくもまあ、こんな事思いつくよなぁ…。自分で引き抜いたのか?」

アルツ君:「…。」

アルツ君、思い出したのか返事をしません。

(-_-;)

ヤッチは、アルツ君が荷造りした防水シーツをほどき、中の衣類をクローゼットに戻しはじめます。

もちろん、衣類はこれだけではなく、まだベッドの上にも床にも散乱しています。

ヤッチ:「これだけの洋服を外に出しやんじゃ、かなり大変だったんじゃないか?」

アルツ君:「どうかなぁ…。」

ヤッチ:「どうかなぁってことは自分がやったっていう事を認めるわけだね?」

アルツ君:「へへ…。どうかなぁ…。」

なかなかホシは口を割りません。

ベッドの上の衣類をしまい終わったので、ホシはベッドの上に仰向けになり、天井を見つめ、不敵な笑みを浮かべています…。

ヤッチ:「洋服だけ持って行ったって、肝心の紙パンツをクローゼットから出してないじゃないか?大事なお宝を…。」

紙パンツも施設の方でストックをクローゼットに入れてくれているのですが、きちんと棚の上に重ねられ、手付かずのままです。

アルツ君:「ふふ~ん。そんなものは必要ないさぁ…。」

ヤッチ:「いったい誰がこんだけの荷物出したんだろうね?時間も結構かかったんじゃないか!?」

アルツ君:「ふ~ん、どうかなぁ…。」

ヤッチ:「あくまで白を切り通すんだね!?」

アルツ君:「ふふっ…。どうかなぁ…。」

ヤッチ:「出したのは誰だろうねえ?」

アルツ君:「出したんじゃなくて、暑くて勝手に飛び出してきたんだろっ!?」

ヤッチ:「じゃあ、紙パンツは?」

アルツ君:「寒がりなんだろっ!?」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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2012/07/21 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

縁起を担ぐ職人

2012/07/26 (木)  カテゴリー: 音楽療法
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

昨日、アルツ君のお世話になっている特別養護老人ホームで、音楽療法が有ると聞いていたので、午後から見学をしてやろうと、アルツ君のところに面会に行ってきました。

午後の何時からやるのかは聞いていなかったのですが、やるとしても午後1時過ぎくらいかなと思って、そのくらいの時間に施設に到着するように自転車を走らせました。

でも、午後1時と言えば、暑い盛りじゃないですか…。

アトゥ─(+ω+;`暑)─イ!!

日焼け止めを塗っての出陣です。

施設に着くとお昼御飯が終わってお昼寝時なのでしょうか…。

いつもはロビー代わりになっている廊下にたくさんの入所者さんがくつろいでいるのですが、今日は人気もまばら…。

ひょっとして、もう音楽療法が始まってしまっていて、どこか違う場所に集まっているのかなと思い、慌ててアルツ君の部屋に飛び込みます。

でも、そこにアルツ君の姿はまだ有りました。

ベッドにちょこんと腰かけて、ポロシャツをたたむような仕草をしています。

ヤッチ:「珍しいね?洋服をたたむなんて…。」

アルツ君:「いや~、そうじゃないんだよ。このシャツ俺のシャツかなぁ???」

アルツ君が手に持っているのは、あまり着ている姿を見たことのないポロシャツです。

洗濯をしてくれる職員さんが専門にいて、部屋に来て、回収してはそれを洗濯して、再びそれを部屋に持って来てくれる何とも至れり尽くせりの環境です。

そのかわり施設にはたくさんの入所者さんがいらっしゃいますから、洋服のタグにはすべて名前を書いて置かないといけません。

アルツ家の苗字は割と一般的な苗字なので、どうもこの施設にも、同じ名字の入所者さんが何人かいて、時々間違って他の入所者さんのものが紛れ込むことが有るようです。

ヤッチ:「タグに自分の名前が書いてあるか見てごらんよ。」

アルツ君:「タグ?なんだタグって?食い物か?」

ヤッチ:「それは多分、『フグ』だろう。そうじゃなくて、どこかに自分の名前が書いてあるだろう?」

言われてはじめて気づいたのですが、『タグ』という言葉を使わないとすると、思い当たる言葉が見つかりません。

(^_^;)

アルツ君:「わかんないよ。ちょっと見てくれよ。」

ヤッチ:「だいたいこれを着たことが有るのか?」

アルツ君:「それがわかんないんだよな~。」

ヤッチはアルツ君からポロシャツを受け取り、めくり上げてポロシャツの左わき腹あたりを探ります。

多分、そのポロシャツは今年になってから、新しく姉が購入したものだと思うのですが、ヤッチにも見覚えが有りません。

(^_^;)

タグを見ると、アルツ君の名前が書いてあります。

ヤッチ:「やっぱり旦那さん(アルツ君)のポロシャツだよ。ちゃんと名前が書いてあるもん。」

アルツ君:「ちゃんと書いてなくたって、名前が書いてあれば、俺のっていうことだろっ!?」

ヤッチ:「相変わらず、口が減らないね~。」

アルツ君:「口は生まれた時から一つだぞ。」

ヤッチ:「まあ、いいや。それより今日音楽療法が有るの知ってたか?」

アルツ君:「なんだ!?音楽療法って?」

ヤッチ:「この間、後半の方に少しだけ参加したじゃないかよ。楽器の演奏に合わせて歌を歌ったりするやつだよ。」

アルツ君:「あ~あぁ。そう言えば、ごちゃごちゃやってたなあ。あれが今日有るのか?」

ヤッチ:「おっ。よく覚えていたね。そうだよ。」

アルツ君:「でも何でお前が知ってるんだ?俺には誰も教えてくれなかったぞ!?」

ヤッチ:「教えたとしてもすぐに忘れちゃうから教えなかったのか、教えたけど旦那さんが忘れてるかのどっちかだろうな!?」

アルツ君:「あいつら、俺をバカにしやがって…。で何時その音楽なんとかと言うのをやるんだ?」

ヤッチ:「それがわからないから、早目に来たんだよ。」

アルツ君:「お前もその音楽なんとかというのを受けるのか?」

ヤッチ:「俺は受けないよ。見学だよ。保護者かな!?」

アルツ君:「ちぇっ。保護者はいらないよ。」

ヤッチ:「まあ、そんなこと言わずに、どこでやってるのか、ここ(施設)の人に聞いてみてよ?」

アルツ君:「俺がかよ~???面倒臭いなぁ…。」

そう言いながらもアルツ君、興味津々というか、ノリノリ…。

すぐさま、立ち上がって廊下に出て行き、職員さんの姿を探します。

(^_^;)

職員さんが見当たらないのか、廊下にいらっしゃる入所者さんに声をかけちゃってます。

多分聞いても無駄だと思うのですが…。

(^_^;)

アルツ君:「ねえ。音楽なんとかってどこでやってるか知ってる?」

入所者さん:「〇〇行きのバスは2台連なって来てます…。」

やっぱり会話が噛みあいません…。

(-_-;)

そのうち、廊下を忙しそうに通る職員さんの姿が見えます。

アルツ君もそれに気づき、声をかけます。

アルツ君:「ねえ。音楽なんとかっていつやるの?」

職員さん:「音楽療法の事ですか?」

アルツ君:「『りょうほう』だか『かたほう』だか知らないけど、その音楽なんとかってやつだよ。」

職員さん:「音楽療法なら、今日は2階でやりますよ。」

アルツ君:「もう、やってるのか?」

職員さん:「いえ、まだ準備が整わないので始まっていません。利用者さんに順次お声掛けをして、お連れしているので、多分午後2時半くらいから始まると思いますよ。」

アルツ君:「俺も行ってもいいのか?」

職員さん:「もちろんですとも。お声掛けしますのでお部屋で待っていてくださいね。」

前回音楽療法が行われたのは、アルツ君の部屋が有る3階だったのですが、2階でやるようです。

『部屋で待っていてくれ』と言われたのに、もうアルツ君、2階に行こうとしています。

(-_-;)

ヤッチ:「まだ、準備ができてないんだって。声をかけてくれるまで部屋で待ってたら?」

アルツ君:「そんなことしてたら、日が暮れちゃうぞ。」

ヤッチ:「まあ、そんなに急いでも、先生が来ないと始まらないんだから…。」

アルツ君:「仕方がない…。待ってやるか…。」

ようやく自分の部屋のベッドの上に腰かけます。

その後も何か物音がすると何度もベッドと廊下を往復です。

やっとアルツ君に声が掛かりました。

アルツ君:「おっ。音楽なんとかに行ってみることにするか…。」

今まで短い距離しか歩いていなかったので気づきませんでしたが、3階から2階までのちょっとだけ長い距離を歩くと、アルツ君、足がふらつきます。

ついこの間は歩行が改善していると喜んだばかりなのに…。

(つд⊂)エーン

ヤッチ:「なんだよ。ヨレヨレじゃないかぁ。車椅子のお世話にならないとダメなんじゃないか?」

アルツ君:「そんなことないさ。あんなもんの世話になるくらいなら、足を切ってやる。」

足を切ったら絶対に車椅子なのにわけのわからぬ論理です…。

(-_-;)

2階に着くと、まだ入所者さんはそんなにたくさん集まっていない様子で、用意されたアルツ君の席は先生のピアノのすぐそばです。

ヤッチ:「なんだよ。特等席じゃないかよ~。大変だ。」

ヤッチはアルツ君の後ろに席を用意されました。

参加希望の入所者さんがだいたい全員集まったところで、先生登場です。

最初は先生のピアノの演奏とともに手拍子をして、演奏が途切れたら隣の人と手をつなぐというもの…。

傍から見ていると、幼稚園に居るのかと思ってしまうようなことをやっていますが、運動機能の低下している方もいらっしゃるようで、なかなかこれができない人もチラホラ…。

先生はこれを段々と複雑なものにしていきます。

先生:「今度は私が演奏を止めた時に『カミナリ』と言いますから、皆さんはある動作をして下さい。『カミナリ』と言ったら普通何をしますか?」

「おへそをかくす。」

入所者さんのどなたかが即答です。

先生:「そうですね。『カミナリ』と言ったら、おへそをかくしますねえ。では、私がピアノをやめて『カミナリ』と言ったら、皆さんはおへそをかくして下さいね。それでははじめますね。」

アルツ君は先生が『カミナリ』と言ったら?とたずねた時、小声で『傘をさす』と言っているのをヤッチはしっかりと聞いてしまいました。

(-_-;)

先生の演奏が始まります。

聞き覚えのある童謡を弾いています。

先生は突然、ピアノをストップし、『カミナリ』と大声を出します。

入所者さんは一斉におへそをかくします。

もちろんできない人もいますが、実に皆楽しそうな表情です。

(*^_^*)

音楽療法が始まる前は、全く表情が無く、能面のような表情だった入所者さんが顔の筋肉を緩めています。

先生は今度は『麦わら帽子』と言ったら、頭に手を持って行くように指示します。

選択肢を増やすことで、このゲーム(?)は複雑になります。

先生:「私が『カミナリ』と『麦わら帽子』のどっちを言うかわからないので、よーく聞いていて下さいね。」

先生の演奏が始まります。

先生がピアノをストップし、『麦わら帽子』と声を発します。

入所者さんの中には、おへそをかくしている人もいます。

やはり認知症が進むとこの程度の事も難しくなってしまうということでしょうか…。

幸いアルツ君は、難なくクリアしている様子です。

さらに先生は『盆踊り』という言葉を加え、この言葉を言ったら、入所者さんが各々思い描く盆踊りのポーズをとるというのを加えます。

こうなってくると、選択肢は3つですからここの入所者さんにとってはかなり高度なものです。

何回かこれを繰り返していると、お隣に教える人や、常におへそをかくしているだけの人と様々です。

中には、先生が『カミナリ』と言うと、その声に反応して、皆に聞こえるように『おへそ!!』と声をあげる人まで出てきます。

そう…。

我が父…、アルツ君です…。

自分はこんなものは簡単だよと皆にひけらかしたいのが前面に思いっきり出ちゃってます。

そのくせ『盆踊り』と言われたときの手は、バレーボールの時のトスを上げるような恰好で、あまり形になっていません。

まあ、本人は楽しんでいるし、他の入所者さんがアルツ君を煩わしいと感じているような反応も見られないので良しとしますかぁ…。

^_^;

音楽療法は他にも色々なことやりましたが、とにかく驚くのは昔の曲を歌ったりするときに、皆さんがしっかりと歌詞を覚えていることです。

歌詞カードなしに2番を歌える方までいて、びっくりです。

そして、過去の記憶をよみがえらせているのでしょうか、泣き出してしまう方までいたりして…。

終盤は前回もやった、先生がピアノを演奏中はマリを回して、ピアノの演奏がストップしたときに、マリを持っている人に質問をして行くと言うやつです。

[関連記事:アルツ君、音楽療法に参加]

今回のお題は『夏と言えば?』です。

マリを受け取って、入所者さん達が答えるのは、たいていは『海』とか『プール』など泳ぎに関する答えが多かったような気がします。

先生が『泳ぎは得意ですか?』などと質問して、話を広げていきます。

多分、この辺りが音楽療法の良いところではないかと自分で勝手に思っています。

自宅などで、脳トレをやろうといっても、面倒臭がるし、すぐ飽きてしまい、長続きしませんが、ここでは自ずと参加しないわけには行きませんし、車座になった他の入所者さんの前で自分の考えていることを発言しなくてはなりません。

適度な緊張なり、プレッシャーが加わるので、脳の活性化にはとても良いように思えます。

(^^ゞ

先生は演奏を続け、またもやアルツ君のところにマリが回ってきたところで演奏がストップします。

先生がアルツ君に質問をします。

先生:「夏と言えば?」

アルツ君:「氷あずき!!」

即答です…。

やっぱりボタモチ関連から離れられないんですね…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

先生:「まあ、素敵な答えですね。冷たいものはお好きですか?」

アルツ君:「まあ、甘い物は全般に好きだねえ~。」

(質問の答えになってないだろがっ!!)

先生:「夏に冷たいかき氷を食べるのは私も大好きですよ。」

アルツ君:「氷あずきを食べないと、夏は始まらないし、終わりもしないねえ~。」

(まだこの夏一度も食べさせてないんですけど…汗)


こうして楽しい音楽療法は終了し、アルツ君と二人で部屋に戻ります。

音楽療法は1時間強くらいやっていたのでしょうか…。

おそらく、アルツ君の紙パンツも大汗をかいている頃です。

部屋に戻り、アルツ君に声をかけます。

ヤッチ:「トイレに行かなくて大丈夫か?」

アルツ君:「ああ、大丈夫だ。」

ヤッチ:「でも、パンツ取り替えとくか?」

アルツ君:「取り替えなくても大丈夫だよ。そんなに俺のパンツが欲しいのか?」

ヤッチ:「ああ欲しいね。」

アルツ君:「じゃあ、くれてやる!!」

アルツ君の紙パンツを交換です。

やはりグッショリ…。

紙パンツは毎度の事なので良しとして、ちょっと気になったことが有ります。

いつもは好んで紙パンツの上はハーフパンツを履いているのに、その日に限って、長めの厚手のスウェットを履いています。

???

ヤッチ:「何で今日に限ってこんな長いパンツを履いてるんだ?」

ヤッチは紙パンツを交換しながらアルツ君に質問をします。

アルツ君:「人が死んだんだよ…。」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「人が死んだのっ!!」

ヤッチ:「それとパンツとどういう関係があるの?」

アルツ君:「誰だか知らんけど、この中の人が死んだんだってよ。俺が短いパンツを履こうとしてた時に聞いたから…。」

後で姉からのメールで知ったことなのですが、入所者さんのどなたかが、廊下を手すりにつかまって歩いている途中に転倒したそうです。

職員が目を離した隙だったかはわかりませんが、頭を打ち、救急車で運ばれたそうです。

不幸にして、その方は搬送先の病院でお亡くなりになられたそうです。

ヤッチ:「それを聞いたから長いパンツを履いたって言うこと?」

アルツ君:「そうだよ…。俺がちょうど短い方のパンツを履こうとしている時だったからなぁ…。」

ヤッチ:「でも…。そんなの気にすることないじゃん。今日は暑いから短い方のパンツ履こうよ。」

アルツ君:「やだっ!!」

ヤッチ:「どうして?」

アルツ君:「人が死ぬから!!」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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2012/07/26 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

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