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ケースワーカーというのは、おそらく自治体の行政職で、福祉事務所で生活保護を受給している人たちに、いろいろと働きかけをして下さる職員さんで、地区担当員などとも呼ばれているようです。
今日の午前中は、そのケースワーカーさんが、3月9日にキノコさんと兄が申請していた生活保護申請について実態調査にいらっしゃいました。
この実態調査のあと、2週間以内に受給できるか、受給できないかの決定が下りることになっています。
3月9日の申請の時は、アルツ君、キノコさん、兄、ヤッチの4人世帯での申請でした。
しかし、ご存知のように、ヤッチのキノコさんに対する虐待で、キノコさんは自治体の高齢者相談センター(地域包括支援センター)に保護を求め、現在も自治体に保護され、アルツ君も保護されています。
状況が変わってしまったため、アルツ君とキノコさんの居ない兄とヤッチの二人世帯での生活保護の受給申請で良いかのか、ケースワーカーさんから確認を求められました。
ヤッチは兄と二人の生活など考えられないため、答えは『ノー』です。
兄も『置いてある荷物がどうの…』と、わけのわからんことをブツブツ言っていましたが、結局、「彼(ヤッチ)がそう言うならそれで構いません。」と答えます。
ヤッチがあまり言いたくは有りませんでしたが、口をはさみます。
ヤッチ:「そういう言い方じゃなくて、自分の意思で決めようよ。」
兄がもう一度答えます。
兄:「二人別々の申請でお願いします。」
ヤッチは、ケースワーカーさんに訊ねます。
ヤッチ:「今までのように私自身が、父の介護につききりではなく、介護保険を今まで以上に、上手く利用し、空いている時間に働くなどして、できるところまで在宅で、父の世話をし、世帯全員、もしくは、兄を除いた3人で、生活保護を受給するというのは、無理なのでしょうか?」
ケースワーカーさんが淡々と答えます。
ケースワーカーさん:「今はお父様、お母様は保護されて、別の暮らしを始めようとしていますので、二人のことは考えないで、ご自身だけのことを考えて下さい。お父様、お母様の暮らしについては、部署が違うので、詳しいことはわかりませんが、高齢(者相談センター)で、適切に対処しますので、今は、自分だけのことをお考えになられたら、いかがですか?第一、働きながら介護もし、生活保護も受給するというのは、この制度の主旨からも(受給するのは)難しいことです。」
悪い言い方をすれば、ここでも役所の縦割り主義が露呈した結果になってしまいました。
もちろん、滞納家賃が20か月もあるという中島知子状態の中で、この先、この家に住み続けるわけにはいかないのは、十分わかっています。
でも、自分一人が、生活保護をもらい、やがては保護の必要のない生活を営めるようになっても、本当に、両親二人が、施設で生活を続けることが、しあわせなのでしょうか。
アルツ君は、保護されたときに、デイサービスに持って行くときの荷物だけを持って家を出ています。
後からフェルガードなどの、医師の処方ではない自己購入のサプリメントを高齢者相談センター(地域包括支援センター)の方にお渡ししていますが、医師の処方ではないサプリを認めてもらえているのか…。
キノコさんは、おそらく買い物に行くときの手提げバッグだけで、着替えも何も持って出てはいません。
腰の圧迫骨折の後は背骨も曲がり、『要支援』という身の上ながら、家事や掃除もしないホテルのような生活が、健全と言いえるかどうか…。
ヤッチは、どうしてもこの辺りが気にかかっていたので、もう一度、ケースワーカーさんにたずねます。
ヤッチ:「父母は、身の回りの荷物と呼べるようなものも、ろくに持って家を出ていません。この先、この家に住めないにしても、二人が必要とするこの家の荷物を二人の元へ届けることもできないのでしょうか?」
ケースワーカーさん:「はい。おそらく、お二人は施設で生活していらっしゃると思いますので、多分生活に必要なものは、すべて施設側で用意しています。また、新たに施設に持ち込むと言っても、衛生面や病原菌などの問題が有るので、荷物を施設に持ち込むのは無理だと思います。」
つまり。ケースワーカーさんの提案した生活保護の受給方法はこうだ。
まず、アルツ君とキノコさんについては、高齢者相談センター(地域包括支援センター)の保護の元、そちらで適切な処置が取られる。
ヤッチはこの家を出て、53,700円以内で新しいアパートなどを探し、そこへ引越し、生活保護をもらいながら、働き口を探し、生計を建てていく。(就職できるかは、微妙ですが…。)
兄についてもヤッチとまったく同じ…。
ただし、兄の場合、多額の債務が有るようなので、債務整理を視野に入れ、相談などの援助を受けていく。
アルツ君、キノコさんの荷物や不必要になってしまったものは、この家に残し、役所が費用を掛けて処分する。
この家の滞納家賃については、ヤッチと兄の生活保護申請が通った後に、別途相談という図式です。
かなり周到かつ合法的な『夜逃げ』のような印象です。
しかも、残整理は皆さんが必死に働いて、納めた税金です。
ケースワーカーさんは付け加えました。
ケースワーカーさん:「もし、お父様やお母様の荷物で、取っておきたいものが有れば、なるべく早いうちに、お姉さまも含め、ご兄弟で、おのおの保管するなどして、取り置きしてください。」
まるで、遺品整理のような話です。
しかし、ヤッチには受け入れるしか術が有りませんでした…。
ケースワーカーさんには、過去の仕事の略歴や病歴、収入状況、債務等々色々なことを聞かれました。
兄は、過去の聞かれてもいない仕事上の武勇伝を得々とケースワーカーさんに聞かせ、かなり長い時間の訪問調査になってしまいました。
結局、兄の口からは母や父の安否を気遣う言葉は、一言も出てきませんでした。
ケースワーカーさんが、お帰りになった後、兄弟二人になった茶の間で、ヤッチはどうしても聞いて置きたかったことを兄に聞いてみることにしました。
ヤッチ:「多分、このまま家族別々の生活になって行くことになると思うんだけど、どうしても気になることが有るから教えてもらえないかな?もちろんこうなった張本人は俺だから、偉そうなことは言えないんだけど、お兄さんとキノコさんが、生活保護の相談に一緒に行ったときのことだけど…。」
ヤッチが福祉事務所に相談に行った次の日に、兄とキノコさんは二人揃って福祉事務所に相談に行き、生活保護の申請もその日に済ませているようです。
また、福祉事務所と高齢者相談センター(地域包括支援センター)は同じフロア内にあり、総合窓口は同じ(受付は一つ)です。
ヤッチは続けます。
ヤッチ:「その時、生活保護の相談も、当然したと思うんだけど、別件でキノコさんは、俺のことを高齢者相談センター(地域包括支援センター)の人に相談してきたの?キノコさんが事前に相談もしないまま、いきなり高齢者相談者センターの人が家に来て、二人を連れて行くということは、ありえないと思うんだけど…。」
兄の口調が荒くなります。
兄:「俺がそんなこと知るわけないじゃないかっ!あの時は、福祉事務所の○○さんに生活保護の相談に行っただけで、高齢者相談センター(地域包括支援センター)の人に、お袋は相談なんかしていないっ!」
先ほど、ヤッチの携帯に、姉からの電話が有りました。
ヤッチは姉に、今日の訪問調査のことを伝えます。
姉:「うん。わかった。明日休みだから、またゆっくり話をしよう。それより今日も高齢者相談センター(地域包括支援センター)に電話したんだけどさ…。」
姉は、会社で仕事をしているというのに、タイミングを見計らっては、高齢者相談センター(地域包括支援センター)に電話をかけ、アルツ君やキノコさんの様子を伺っています。
これは、ヤッチが電話をかけると、おかしなことになってしまうという姉の配慮です。
姉は続けます。
姉:「今日も高齢者相談センター(地域包括支援センター)に電話したんだけどさ…。○○(兄のこと)とキノコさんが、生活保護の申請をした日に、やっぱりキノコさんは、あんたのことを高齢者相談センター(地域包括支援センター)の人に訴えたらしいわよ。直接担当者から聞いたんだから間違いないわ。その時、○○(兄のこと)も、となりに居たってさ。」
姉もヤッチと同じことが、疑問だったようで、直接高齢者相談センター(地域包括支援センター)に聞いていてくれたようです。
なんで、ここまで来ても、兄はウソをつくのか…。
兄弟なのに本当に悲しいことです…。
そして、生活保護申請が受理され、受給できるかの決定は、まだ出ていませんが、仮に、受給できるという決定が出て、ヤッチが新生活をスタートとしたとして、アルツ君やキノコさんとの面会がかなわぬまま、償うこともできずに、このまま重い十字架を背負って生きて行かなければならないのは、いくらお気楽なヤッチでも応えます…。
何の落ち度もない姉から、アルツ君を遠退けてしまったのは、何と言っても心が痛みます。
せっかくのお彼岸…。
まさにボタモチの季節なのに…。
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福祉事務所のケースワーカーさんからです。
メッセージ:『正式に生活保護の決定が出そうなので早目にアパートを探して下さい。』
決定が下りていないのに見切り発車せよとのお達しです。
今朝は不動産屋さん巡りをしようと決め、とりあえず、福祉事務所にも顔を出しました。
すでにいつもいらっしゃる受付の方には顔を覚えられているらしく、にこやかな笑顔で応対してくださいました。
あまり、ヤッチ的には顔を覚えられて欲しくない印象ですが、覚えられているもの仕方が有りません。
ほどなく、ケースワーカーさんとご対面です。
ヤッチから先に切り出します。
ヤッチ:「昨日お電話をいただいたみたいなんですが…。」
ケースワーカーさん:「あっ。わざわざ来ていただいたんですか?電話でもよかったのに…。」
ヤッチ:「どっちみち、何軒か不動産屋さんを当たろうと思っていたので、ついでと言っては失礼ですが、お伺いしました。」
内容について特別変更は有りません。
今月(3月)中に部屋を見つけて、転宅してくれとのお話で、4月までに今住んでいるところを完全に引き払ってくれということです。
ヤッチ:「もう一度確認なんですが…。」
ヤッチがケースワーカーさんに問い直します。
ヤッチ:「もう一度確認なんですが、アパートを探す時の賃料は、管理費や共益費を除いた額の53,700円でよろしいんですよね?」
ケースワーカーさん:「はい、そうです。共益費や管理費を含めて、53,700円をオーバーしても構わないのですが、オーバーした分は区からの補助は出ませんので自己負担になります。ただ、こちらとしては、できれば、53,700円の範囲内で探して欲しいと考えています。保証人になってくれるような方はいらっしゃいますか?」
ヤッチ:「はい。まだ確認は取っていませんが、多分姉が引き受けてくれると思います。」
ケースワーカーさん:「そうですか、それなら少し安心ですね。この辺りにもたくさん不動産屋さんは有りますから、当たってみて下さいね。」
ケースワーカーさんは、不動産屋さんのある場所を事細かに教えて下さいました。
ヤッチ:「その際に不動産屋さんに対しては、生保(生活保護)を受給予定だときちんと伝えないといけないんですよね。」
ケースワーカーさん:「もちろんです。生活保護を受けているという理由だけで部屋を貸してくれない大家さんもいらっしゃいますから、最初に伝えて、物件を探して置いた方が、後でトラブルになる確率は少なくなりますから、事情を説明して探して下さい。」
一応、物件を見つけたら、そこで見積もり書をもらい、それを福祉事務所に提出し、審査をあおぐことになっています。
福祉事務所や不動産会社、大家さんの審査が通れば、晴れて引越しへのGOサインが出ることになっています。
決して手付金などを打たないで下さいとケースワーカーさんに釘を刺されましたが、そんなお金を持っていれば、生活保護のお世話になる必要ないと思うのだが…。
福祉事務所の階下に一軒の不動産屋さんを発見。
ヤッチはさっそく店に入ります。
ヤッチ:「すいません。生活保護を受給している人間でも借りられる物件を探しているのですが…。」
不動産屋さん:「はい。少々お待ちください。そうしますと、賃料は53,700円以内ということでよろしいのでしょうか。」
さすがに、福祉事務所の下にある不動産屋さん。
ヤッチのような人間をやって言うほど応対しているのだろう…。
手馴れた様子で、物件情報を机の上に並べ始めました。
不動産屋さん:「今、この物件がおススメなんですよ。」
もともと商売をやっていたヤッチ、「おススメ」と言われると「裏が有る」と勘繰るひねくれ者です。
ヤッチ:「二番目におススメの物件が有れば教えて下さいますかね~。」
一瞬、応対して下さった方はどきっとしていましたが、2番目チョイスを提示して下さいました。
少しヤッチの今住んでいるところから電車の線路を挟んで遠い位置にあるが、比較する材料を持っていないので、何がおススメなのか正直良くわかりませんでした。
昨晩、ネットで賃貸情報なんぞをサーフィンしましたが、完全に船酔い状態での今回の参戦です。
贅沢は言えない身の上ですが、譲れないのは暗い間取りの部屋だけには住みたくないということ…。
我がままですが、許していただけるとありがたいと思う次第で有ります。
不動産屋さん:「今は入学や異動のシーズンでもありますので、物件がすぐに決まってし合う可能性も有りますので、なるべく、これはというものが有れば、お早めに手続きされた方が良いですよ。」
出たっ!!セールストーク!!
やっぱりこれを言ってもらえないと不動産屋さんではありません。
ヤッチ:「福祉事務所がOK出せばの話だからね…。でもなるべく早いうちにそちらにお伺いしますよ。」
こっちも社交辞令で応戦です。
結局、一件の見積もりを書いていただき、その不動産屋さんを後にしました。
お次は、その不動産屋さんからはそう遠くない距離にある不動産屋さんです。
事務所のガラスに目を通し、物件案内を注意深く、慎重に見ていきます。
ちょっと気になるお手頃価格のものが有ったので、聞いてみることに…。
ヤッチ:「外に出ている物件案内なんですけど、あのA-17は生活保護受給者にも借りられる物件ですかね?」
若い男性社員がなにをやぶからぼうにという表情を見せましたが、すぐに営業スマイルに戻り、奥にいた店長らしき方に目くばせします。
奥から店長が笑顔を見せ、ヤッチに「どうぞおかけください。」と名刺を差し出します。
ヤッチは、いただいた名刺をかたわらに置き、話しはじめます。
ヤッチ:「まだ、正式決定ではないのですが、生活保護受給しながらの物件探しなんですけど…。」
店長さん:「そうですか~。お役に立てるかわかりませんが、お手伝いさせていただきますよ。」
そう言いながら、店長さんは、先ほどの不動産屋さんと同じように机に物件情報を並べていきます。
店長さん:「なにかネットとかで物件をお探しになりましたか?もし、気になったものが有れば、こちらでも探しできますよ。」
ヤッチ:「気になるものが有り過ぎて覚えてないですよ。見れば見るほど欲が出てくるので、途中で手打ちにしました。」
店長さん:「そうでしたかぁ~。こんなことを申し上げるのは失礼なんですけど、この地区は福祉を受けている方に理解の無い大家さんが多いんですよ。福祉が面倒見てくれるのだから、滞納などのトラブルが無く、逆に安定収入なんですけどね。」
ヤッチ:「でも、それわかるなぁ~。『なんとなくやだ』という印象かな!?俺が大家さんだったらやはり福祉は御免と言うかもしれないもんなぁ~。」
結局、調べてくれて提示してくれたものは、微妙に53,700円をオーバー。
有るじゃんと思えば、女性限定だったり、敷金、礼金の面で福祉が援助してくれる額でなかったり…。
結局、予算の範囲のものが一件出てきて、そこの店長さん電話で確認をとってくれました。
店長さん:「すいません。1階の物件はもう決まってました。二階なら同じ建物で紹介できるお部屋が有るのですが…。」
特別、ヤッチは一階がいいとか、二階がいいとかの希望は出していません。
ヤッチ:「二階が有るのなら、二階でも構わないのですが…。」
店長さん:「それがですね…。二階のお部屋の方が賃料が若干高いんですよ。」
ヤッチ:「なるほどね。じゃあ、予算内の物件はこの近辺では無理と言うことかな?」
店長さん:「まあ、大家さんと交渉して、福祉を受けられる方を受け入れてもらえないか説得すれば、何件かは見つかると思いますが、それには少しお時間をいただかないと…。」
ヤッチ:「そうですかぁ…。」
店長さん:「今のお二階のお部屋ですけど、大家さんとお話しして、数字を動かせないか聞いて差し上げますよ。」
店長さんは再度、大家さんに電話を掛けてくれました。
店長さん:「大家さんのお宅に電話をかけたのですが、奥さんしかいらっしゃらなくて、お値段については、大家さん旦那さんしかわからないので、帰ってきたら返事をしてくれるということです。」
ヤッチ:「わかりました。じゃあ、大家さんの返事を待つということで、オーバーした金額のままで結構なので、見積もりを出して下さい。」
店長さん:「わかりました。見積書を書いている間に、うちの者に物件を実際に案内差し上げましょうか。」
特段、断る理由もなかったので物件を見に行くことに…。
予算をオーバーしている物件なので、もうヤッチとしては、見たとしてもこれ以上に高望みはできないわけですからケチをつける理由は有りません。
車で数分のところにアパートは有りました。
二階の角部屋です。
カギを開けていただき、部屋に入ります。
間取り図で見るよりは、広く感じます。
社員さん:「いかがですか?」
ヤッチ:「一人で住むにはもったいないくらいだね~。多分持ってくる荷物もそんなに無いし…。」
社員さん:「あまりお気に召さなかったですか?」
ヤッチ:「いえいえ、十分過ぎますよ。」
風呂やら、バルコニー、ロフト見て回り、このアパートも後にすることに…。
帰りの車の中で、案内してくれた若手の社員さんがヤッチに質問してきます。
社員さん:「確か、保証人とは別に、この物件には信用保証協会の審査が有るのですがその辺のところは大丈夫ですか?」
えっ!!!
ヤッチ:「あの…。自己破産の経験が有ってブラックリストに載ってると思いますよ。」
こういうことは先に言ってよ~。
不動産屋さん
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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不動産屋さんの車で何軒かの物件を案内されたのですが、結局姉の意見とヤッチの意見は同じでした。
前回記事にさせてもらった物件です。
信用保証協会の審査が有るというちょっとヤッチ的にはちょっとハードルの高いことになるかもしれない物件です。
不動産屋さんの話では、福祉からきちんとお金が支払われ、家賃の滞納などの問題は事実上皆無になるので、審査は通るのではという話に落ち着きました。
しかも、この物件、福祉の提示ししている予算53,700円を微妙にオーバーしていました。
でもこれについても、不動産屋さんに賃料を下げてもらう交渉をしてもらい、なんとか予算内の金額にまけてもらうことができました。
後は、この物件の見積もりを今度の月曜日に福祉事務所に持って行き、福祉事務所のOKが出れば、ようやく住む場所が決まりそうです。
物件巡りは午前中でしたが、午後は、現在住んでいるアルツ家の荷物の片づけです。
ヤッチの荷物や兄の荷物はそれぞれ住むアパートに持って行けば、それで終わりですが、キノコさんとアルツ君の荷物を整理しないとなりません。
福祉事務所の話では、必要なものが無ければ、そのままこの家に置き去りにしても良いという話…。
それぞれ、父母の荷物について取って置きたいものが有れば、取って置いて各自で保管してくださいという遺品の整理のような話です。
物件巡りの後、姉と昼食をとり、その後に、アルツ君とキノコさんの寝室の荷物を片づけ始めました。
でもこれってホントにやって良いことなんですかねえ…。
いくら、子供と言えども、処分しようとしているものは、仮に靴下1枚ににしても、キノコさんのものであり、アルツ君の財産です。
二人が財産権を放棄しているという情報は何も入っていないのに、すべてゴミとして処分しても良いものかどうか…。
結局、姉との相談の結果、キノコさんやアルツ君が取って置きたいと思うような荷物をヤッチの新しく住むアパートに持って行こうということになりました。
ヤッチ一人の荷物なら、狭いワンルームのアパートでも十分スペースは有ると思います。
特に、アルツ君やキノコさんの普段着や下着類はすぐに探し出せる状態で運んでおこうという結論です。
お分かりになりますかねえ~。
この微妙なニュアンス…。
もう二人と生活を共にすることはないということは頭では分かっているんです。
でももし、万が一二人が帰って来て(どこに帰って来るのかは別問題として…)自分たちの長年愛用してきた普段着があっさりと捨てられていたとしたらということをどこかで考えてしまうんです。
もちろん、ヤッチも姉もそのことを口にしたりはしませんが、おのずとそういう選別をしています。
姉:「あっ。これ、パパに私があげたレッグウォーマーだ。履いて出ていなかったんだ!?」
ヤッチ:「そんなこと言ったら、これだって、そんなの捨てちゃえよと言ったって来ていたキノコさんのカーデガンだぜ。」
姉:「ほらっ。これあんたの母子手帳よ。どうする?」
ヤッチ:「いいよ。そこまで履歴書に書くわけじゃないから…。」
こんな会話をしながらですから、はかどるはずがありません。
間違いなく、これだけはやって置こうと二人の一致した意見は、キノコさんの桐の箪笥…。
今は着物などは全く着たりすることは有りませんが、着物もたくさん入っていました。
新しく見つけたヤッチの物件について、福祉事務所のOKが出れば、これをそのロフト付のワンルームに運びこもうという話です。
着物については、どうするかは決まっていませんが、桐の箪笥は今買おうと思って簡単に手に入るものではないという結論から保管しようということになりました。
中々和洋折衷の部屋になりそうです…。
まだ、部屋は正式に決まっていませんが…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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寝耳に水と言う言葉は良く聞きますが、先週の金曜日あたりから、どうも左耳に違和感が…。
今朝起きると、とうとう左耳がほとんど聞こえなくなってしまいました。
どうもプールなどで一泳ぎした後に、耳の中に水が入って良く聞こえない状態と同じような感じです。
耳が塞がった感じで、痛くはないのですが、どうにも不自由な状態です。
今日は、先日不動産屋さんに出してもらったヤッチの新しく住むアパートの見積もり書を福祉事務所に持って行き、OKをもらう日でもあります。
ついでに福祉事務所に相談してみるか!?
今現在、福祉事務所に国民健康保険証は預けてあるし、生活保護の申請はしましたが、受給の許可は降りていないという不安定な身の上…。
果たして、上手い具合に、お医者さんに診てもらえるものなのか…。
福祉事務所が開く時間を見計らって、家を出ます。
担当者(ケースワーカー)が朝から不在なことも多く、電話を掛けてから家を出ればよかったと後悔しましたが、結果オーライで、担当者がいらっしゃいました。
まずは、不動産屋さんからもらった見積書からです。
ヤッチ:「一応、不動産屋に大家さんと交渉してもらい、予算内に収まる物件を見つけてきました。」
ケースワーカーさん注意深く見積書に目を通します。
ケースワーカーさん:「これなら、すべて予算内なので、物件については、問題なく通ります。それではこちらに署名捺印をお願いします。」
差し出されたのは、『生活保護の受給申請書』。
おいおい、また書くの?と言った感じですが、今度は、ヤッチ一人の生活保護申請です。
3月の何日かまでは、アルツ君を含めた4人世帯の申請…。
その後が、兄とヤッチの2人世帯の申請…。
そして今日が、ヤッチ単独世帯での申請になるようです。
最初の話から、ずいぶんと話が変わってしまったためにこんな申請になるようですが、何とも面倒な話です。
『生活保護の受給申請書』の他に署名しなければならない書類がまだ何枚か有り、やっと手続きが終わったという感じです。
後は、受給者証なるものを数日後に発行してもらえれば、晴れて(?)生活保護者の仲間入りです。
すべてに印を押し、ヤッチはケースワーカーさんにたずねます。
ヤッチ:「別の話で恐縮ですが、先週の金曜日あたりから左耳がよく聞こえなくなってしまって、お医者さんに診てもらいたいのですが…。」
ケースワーカーさん:「そうですか。それはいけませんんね。今診てもらえるお医者さんを探してみますね。」
厄介なもので、生活保護になると、自分の好きなお医者さんに診てもらうというわけにはいかないようです。
ケースワーカーさんがしばし、事務所に戻り、1枚の書類(A4サイズ)を持って再びヤッチのところに登場です。
ケースワーカーさん:「あそこに背の高いマンションが見えるでしょ?あそこの1階に耳鼻科が有るので、そこでこの書類を提示して、診てもらってください。」
ケースワーカーさんは窓越しに見えるマンションをを指さし、場所を説明してくださいます。
歩いてもそう遠くない距離です。
さっそく書類を持って耳鼻科に向かいます。
まだ、新しく開業したばかりなのでしょうか。
真新しい造りのきれいな耳鼻科です。
さっそく受付に書類を見せに行くことに…。
ヤッチ:「すいません。福祉事務所でこれを見せれば診察していただけるというのでお伺いしたんですが…。」
応対して下さったのは、若い御嬢さん…。
受付の女性「これは、そちらで福祉事務所に提出するもので、これではお手続きできないんですよ…。」
ヤッチ:「でも、これを今福祉事務所でもらって来たんですから、おかしな話ですね!?できれば、福祉事務所に問い合わせてみてくれませんか?」
受付の女性:「わかりました。本来は医療券のようなものが有るはずなんですけどね…。」
後でわかったことですが、ヤッチが持って行ったものは、まぎれもなく医療券…。
余計なひと言が無ければ、じゅうぶん可愛い御嬢さんだったのに…。
御嬢さんは福祉事務所に電話を掛けてくれました。
受付の女性:「申し訳ありません。これでお手続きが可能だそうです。こういう患者さんがいらっしゃったことがなかったものですから…。」
お医者さんに診察を受けるのも前途多難です。
症状を告げると、なんと2時間待ち…。
どうやら、ネットで予約ができ、自分の診察時間が近づくと、メールで知らせてくれるシステムを採用しているみたいです。
待合室には2時間待ちと言えるほどの人は待っていないのになるほどです…。
仕方なく、待合室で待ち、ようやく診察室に通されます。
先生はまだけっこうお若い感じの方です。
耳鼻科に行くのはおそらく小学校低学年以来なので、看護師さん頼りに言われるままに席に座ります。
先生:「ちょっと、耳の中を見せてもらいますね、右を向いてもらえますか?」
何を勘違いしたのか口を開けそうになった自分に苦笑いです。
先生:「ははあ~。鼓膜の中(?)に水が貯まっていますね。風邪かなにかを引きましたか?」
ヤッチ:「はい。つい先日まで風邪を引いていて、まだ鼻水が出たりします。」
先生:「多分、強く鼻をかんだかなにかで鼓膜に水が貯まり、それで耳が聞こえにくくなっているのだと思いますよ。」
鼓膜の中だか鼓膜だかよくわかりませんが、水が貯まっているだけの一過性のものでちょっと一安心です。
でも、水と言いますが、耳に貯まっているのは鼻水!?
先生:「鼓膜を切開して、そこからお水を抜き取りましょう。その前に聴力の検査をしておきましょう。」
切開なんてずいぶんまた大事になっちまったと思いましたが、今から帰るとは言えません。
聴力検査を終え、今度はベッドに寝るように言われます。
わけのわからん器具を腕に巻きつけられ、やがて先生登場です。
先生:「これから鼓膜に麻酔をかけていきますね。」
ヤッチは横たわって目をつぶっているので、何をやられているのかよくわっていません。
しばらくすると、耳の中に液体を投入されたようです。
最初はやや暖かく感じたのですが、これが浸透してくるとものすごく痛い~。
耳の中をドリルが掘り進んでくるような痛さ…。
思わず、目頭を強くつまんでしまいました。
麻酔がだいぶ効いてきたようです。
タイミングを見計らって再び先生登場…。
先生:「今度は鼓膜に小さな穴をあけていきますね。」
たぶんレーザーかなにかなのだろう…。
麻酔が効いていれば、そんなに痛くはないだろう…。
そう思い込んでいました。
なぜかヤッチの場合、歯医者さんに行ってもそうなんですが、緊張すると握っている両手の人差し指が、立ってきます。
痛くないと思うのですが、今回もすでに、人差し指君は直立不動です。
先生:「それでは、穴をあけていきますね。」
ズキューンッ!!
ものすごい衝撃です。
あまりの痛さに枕からはみ出してしまいました。
ヤッチ:「すいません…。」
なんで俺が謝らなくてはいけないんだと思いつつ、この言葉を…。
先生:「あ。いえ…。」
先生も変な返しで、2発目を打ち込む構えです。
まるでロシアンルーレットのような恐怖感と痛みです。
開けている穴はミリ単位でしょうが、ヤッチにはワルサーP38を突きつけられているような恐怖感…。
ズキューンッ!!
もう1発撃ち込むと言ったら逃げ出したい心境です。
先生:「これで1ミリの穴が開きました。ここからお水を吸引しますね。」
吸引は痛みが無かったので助かりました。
先生:「どうですか?耳の方は聞こえるようになりましたか?」
ヤッチ:「あっ。はい。塞がっているのは抜けたような感じです。」
正直、まだ麻酔が効いているし、寝ている状態なのでこう答えてよかったものかどうか…。
でも、もう一度診察台に座らせられた時は、耳の通りも良くなり、聞こえも良くなりました。
でも打ち抜かれた銃痕が痛い…。
それと右耳と左耳から入ってくる音が、普通は頭の中で一つになる感じが有ると思いますが、バラバラに脳に入ってくる感じです。
先生:「まだ、すこし違和感が残ると思いますが、時間が経つと無くなってくると思いますよ。風邪を引いていたということなので、鼻の処置もしておきましょう。」
鼻処置してもらい、最後にネフライザーです。
ガスホースの先が二股に分かれていて、鼻をそれに突っ込むと薬液が出てきて、一定時間吸引すると終了と言うやつです。
二股になっているところはディスポーザブルになっているらしく、終わったら取り外して、容器に捨てるように看護師さんに言われます。
なんだか間抜け姿です。
小学校の水飲み場のような場所に、ガスホースみたいなものが数本取り付けられていて、ヤッチの隣では、小さな男の子が同じことをやっています。
幼稚園くらいのお兄ちゃんでしょうか。
ちょっと退屈な儀式だったので、隣の男の子に変顔の披露です…。
男の子はヤッチの変顔に吹き出してしまい、ネフライザーの先端(二股部分)を床に落としてしまいます。
当然、ヤッチは看護師さんににらまれていしまいます…。
またしても…。
幼児虐待疑惑ですか…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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色々と手続き上、面倒な過程を踏まないと、キノコさんの治療は受けられない状態でしたが、何とか福祉事務所で、治療を受けられるようにしていただいてきました。
高齢者相談センター(地域包括支援センター)やキノコさんの生活保護の担当ともいろいろとありましたが、あまりこの辺について、記事にしてしまうと、読んでいる方に不快感を与える内容なので割愛させていただきます。
今のヤッチは役所に噛みつくよりは、明日のわが身を考えようという気持ちに切り替わりつつあります。
かなり冷静さを欠く発言を役所の人にもしてきましたし、このブログでも不適切な内容が有ったことを反省しています。
今さらですが、やはり、お金もなければ、住む家も無いのですから、行政の手を借りなければ、生きて行けません。
もうこれ以上、役所批判は止めようと思います。
一昨日のキノコさんの治療の手続きの中で、高齢者相談センターの支援係長とも話しあう機会が有り、その時、ヤッチは施設を拒むキノコさんに独居(一人暮らし)も有りなのではないのかという提案もしてきました。
高齢者相談センターにこの考えはなかったらしく、少しビックリした様子でした。
キノコさんはまだ介護保険上、要支援の身の上なので、身の回りのことはじゅうぶん自分でこなすこともできます。
生活保護のお世話になりながら、独居の生活ならば、ヘルパーさん(介護保険)を使うことが可能です。
体力的にかなり不安ではありますが、脱出までしてきた施設の生活よりは精神的な負担はこちらの方が軽いはずです。
これを高齢者相談センターに提言してきました。
そして、家に帰り、キノコさん、兄、姉、ヤッチの4人で今後について話し合いました。
まずはキノコさん…。
養護老人ホームなどの施設での生活について…。
自ら脱出してきたくらいですから、この選択肢はなくなりました。
では、キノコさん、兄、ヤッチの3人の生活は?
これについては、ヤッチがどうしても兄との同居が嫌です。
この選択肢も無し。
兄とキノコさんとの生活は?
当初はこれがベストかなと思ったのですが、兄は口では構わないと言うものの、言葉の端端にあまり気が進まないオーラが出ています。
また、ヤッチ的に兄の金銭感覚に疑問が有るので、不安は残ります。
キノコさんも最初はこれを望んでいたようですが、なんとなく浮かない表情です。
ヤッチがキノコさんに問いただします。
ヤッチ:「今ここで、自分の気持ちをはっきりと言わないと、後で脱走はできないんだよ。嫌なら嫌とはっきり言わないと後悔するからね。」
キノコさんの答えは兄との生活はやはり嫌だとの事…。
今度はヤッチとキノコさんの生活について…。
ヤッチはウェルカム状態です。
これには姉が異議を唱えます。
姉:「お前は自分だけのことを考えなさい。もうお前にこの家の犠牲になってもらうのは、私の方がつらくなるから…。お願いだから我慢して。キノコさんも分かってあげて。」
キノコさんも首を縦に振ります。
少ない選択肢ではありますが、残るはキノコさんの独居(一人暮らし)です。
果たして、一人暮らしが高齢のキノコさんに出来るのか?
まわりに家族が居るから、自分のことができているように思えるだけで、実際に一人になったらどうなの?
でも、意外や意外…。
キノコさんにとってはこの選択肢が一番『アリ』だったようです。
キノコさん:「一人だって大丈夫よ。」
姉:「ほんとに?お金の事だって、何でも自分でやって行かなくちゃならないのよ。強がり言って、後で『やっぱり…。』はできないんだからね。」
切り出したのは姉です。
キノコさん:「わかってるわよ。」
姉:「ほんとにわかってるのかしら?後で、気が変わって施設が良かったなんて言わない?」
キノコさん:「二度とあんなところに行くもんですかっ。」
一人暮らしをするくらいなら、施設の方が楽なんじゃないかとも思えるのですが、彼女の価値観なので仕方ありません。
少ない選択肢の中で本人のベストな選択なのですから、それを尊重しないわけにはいきません。
姉:「じゃあ、住むなら家族誰かのそばに住むのがいいわね。しかもパパのいるところに気軽に足を運べる場所がいいわね。明日物件探しに行ってみようか?」
思い立ったが吉日の姉です。
アルツ君はまだどこに居るかわからないんですけどね…。
逆らえる相手は誰も居ません。
「あんた(ヤッチのこと)のアパートを探してくれた不動産屋さんに行こう!もう一人お客さんを連れてきましたって言うのよ。」
さっそく次の日、姉、キノコさん、ヤッチで不動産屋さんに向かいます。
不動産屋さんに行くと、ヤッチにアパートを紹介してくれた社員さんもいます。
ヤッチはその社員さんに声をかけます。
ヤッチ:「北朝鮮からの脱北者を連れてきました。母なんですけど、亡命を希望しています。」
不動産屋さんキョトン顔です。
不動産屋さんには脱走のことは教えていませんでしたが、これまでの経緯については説明しています。
社員さん:「ほんとですか?帰って来られたのですか?」
ヤッチ:「帰ってきたのではなく、脱走もしくは逃げ出してきたんですよ。」
社員さん:「マジですか?」
ヤッチ:「そうなんですよ。それで迷える子羊の物件を探して欲しいんですよ。しかもまたもや生保(生活保護)前提です。」
社員さん:「失礼ですが、お一人で生活されるのですか?」
ヤッチ:「83歳、多分、棺桶に片足がどっぷりつかっていますが何か?」
社員さん:「ほんとですかぁ…。有るかな…。」
ヤッチ:「足ならまだ有りますよ。無いのは住む家ですよ。」
83歳と言う高齢に加え、生保ですから狭き門は必至です。
社員さん:「うん…。」
ヤッチ:「これを探すことができれば、宅建を返上して、司法試験に合格できるよ。ちょっと探していただけませんか?」
不動産屋さんの店内があわただしい雰囲気に変わります。
なんと、社員の皆さん総出で物件探しに当たってくれています。
電話をかける人、パソコンをパチクリする人、片っ端から物件情報をピックアップする人…。
でも、出てきた物件はたった3件だけです。
今の御時世、高齢者と言うだけで敬遠されてしまうようです。
でも、物件が有っただけでも喜ばないといけないかもしれません。
今度は不動産屋さんの車でそのピックアップされた物件巡りです。
最初の1件目。
駅から最寄り駅まで徒歩1分のナイスなロケーションです。
商店街の中ほどの少し奥まった路地を入ったところです。
通勤の人には申し分のない物件です。
少々間取りが狭い感じは有りますが、高齢者の一人暮らしなら、さほど気にならない程度です。
ただ、残念なことに、洗濯機置き場が見当たりません。
室内、玄関前の外、ベランダにも水道や電気のコンセントが見当たりません。
不動産屋さんにも問い合わせてもらい、確認してもらいましたが、やはり洗濯機置き場は最初から無いようです。
洗濯好きのキノコさんにはちとかわいそうな部屋となってしまいました。
近くにコインランドリーも無いので、やはり物理的に無理が有ります。
ヤッチ:「近くに、桃が流れてくる川でも有ればいいんだけどなぁ…。」
ヤッチがため息を漏らします。
駅まで徒歩1分なのに部屋が空いているのはこのせいかもしれません。
この部屋はボツとなりそうです。
次は2件目の物件。
不動産屋さんの車に乗っていると、何だか見覚えのある風景。
そうです。
ヤッチの決めたアパートのすぐ近くです。
案内された物件は、ヤッチの決めたアパートから200mくらいのところに有りました。
外観もとてもきれい…。
日当たりもよく、ベランダも広いのでちょっとした家庭菜園でもできそうな感じです。
カギを管理会社の人が持ってくると言うので少し待ちます。
しばらくすると、管理会社のお姉さんが来てカギを開け、部屋を見せてくれました。
おっと!!
中もきれい…。
お姉さんもきれい…。
ヤッチ:「なんだよ、こっちの方が俺が決めた物件より良かったじゃん!!」
ヤッチはちょいと後悔の言葉を漏らします。
もちろん、後悔した要素の中にお姉さんがきれいだったことが一つに有ることは否めません。
ただ、この物件…。
生活保護の条件となっている賃料53,700円を4,300円オーバーてしまいます。
つまり、福祉事務所が認めても、4,300円は自己負担になってしまいます。
また、賃料が高すぎるということで、許可が出ない可能性も有ります。
キノコさん、この物件が気に行っている様子です。
バス、トイレが別で、綺麗なフローリングだし、ロフトも付いています。
高齢のキノコさんがロフトにハシゴで登るのはとても無理だし、危険なので、必要ないと思いますが、綺麗な内装にキノコさんは一目惚れのようです。
姉が不動産屋さんに声をかけます。
姉:「母と弟の二人がそちらで仲介していただくんだから、(家賃のほう)何とかなりませんか?」
やや無謀とも思える値切り交渉です。
それでも、自己負担額を3,000円にまで縮めることに成功しました。
微妙ではありますが、この金額なら、福祉事務所も認めてくれそうな感じも有ります。
物件を見終ったあと、管理会社のお姉さんが、「一階にもう一部屋空き部屋が有りますよ。」の一言にヤッチの後悔はマックスです。
しかし、すでにヤッチが決めてしまった物件には、もう大家さんに家賃の振込口座を書いてもらうお願いまでしている状態なので、後戻りすることはできません。
先にヤッチの決めた物件は保証協会の審査が有るので、この審査が通らなかった時には、新たにこっちを押さえてもらおうということになり、3件目に移動です。
3件目はまだ部屋に人が住んでいます。
近日中に退居予定の物件なので、中を見ることはできません。
しかし、中を見なくても結果は出ています。
日当たりが悪すぎです。
しかも、1階とは言え、段差が有り過ぎて、とても高齢者向きではありません。
何よりも、キノコさんは、2件目の綺麗なお姉さんの居た物件に心づもりを決めているらしく、3件目の物件に興味を示しません。
結局、消去法の末、ヤッチの先に決めた物件にそう遠くない2件目の物件にキノコさんの新居を移す予定に…。
これを福祉事務所が認めてくれなければ、また振り出しに戻らなくてはなりません。
そして、その前に、福祉事務所がキノコさんの独居を認めてもらえないと、生活保護の受給の仕方そのものを考え直さなくてはなりません。
月曜日にキノコさんと福祉事務所に出向き、生活保護の受給申請をするつもりです。
またまた、通る通らないによって、新たな選択を迫られることになってしまいました。
そして最後にアルツ君のことです。
脱走してきたキノコさんの話によると、高齢者相談センターで兄とキノコさん、アルツ君が面会したその日に、アルツ君はこれまで保護されていた施設とは違う、別の施設に移送されたようです。
キノコさんとアルツ君もその日を境に会っていません。
そして、アルツ君が特養(特別養護老人ホーム)に移送されたと記事に書かせていただきましたが、まだ特養に移っているわけではなく、特養の空きを待つために、さらに新たな施設で保護されているようです。
今回の脱走で、キノコさんのヤッチの虐待は取り消される形になりましたが、ヤッチはアルツ君に対しては、虐待者のままです。
賛否分かれるところですが、身の潔白を晴らそうとすると、アルツ君は特養には入れなくなってしまいます。
また帰る家も無くなります。
特養には入所待ちの方がたくさんいて、そう簡単には入所できないと聞きます。
アルツ君の『進行性核上性麻痺』という病気の進行が進めば、在宅介護では手におえないという事実も有ります。
このまま、ヤッチがアルツ君に対して虐待者のままでいれば、アルツ君は手厚い保護を受けることができるわけです。
複雑な心境ですが、ヤッチは虐待者のままでいようと考えています。
家族の意見もこれで一致しています。
高齢者相談センターの異例の配慮で、アルツ君の保護されている施設ではなく、高齢者相談センター内ならヤッチを含め家族全員がアルツ君と面会できるように段取りを組むという回答もいただき、これも月曜日にどうかと聞かれています。
家族全員の意見をまとめて返答するように言われています。
ヤッチはずいぶん長い時間、アルツ君の声を聞いていないし、顔を見ていません。
家族の意見調整はまだしていませんが、ヤッチは当面の間アルツ君と面会するのは辞退しようと考えています。
アルツ君の顔を見たら、今のままでは、心変わりしてしまうのが怖いです…。
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