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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
先日、アルツ君の入所している特別養護老人ホーム(特養)の職員の方とアルツ君の今後のケアについての打ち合わせが有りました。
特養の男性係長さん、姉、ヤッチ、そして高齢者相談センターの職員さん二人の計5人で特養の会議室をお借りしての打ち合わせです。
アルツ君が正式にこの特養に入所してから1ヶ月を経過したところですが、まだきちんと特養の職員の方たちと話をしたことは有りませんでした。
特養の施設にどのようなサービスが有り、どんなサービスが受けられるのか、反対に施設側に家族側からどの程度までアルツ君のお世話を要求して良いものやら、これまで何も話をしていませんでした。
御存知のようにアルツ君は高齢者虐待防止法に基づく措置入所の形を取っていましたから、家族側からすると、アルツ君に何か介護サービスを受けさせたいといっても、直接特養の施設に対してお願いして良いものなのか、それても高齢者相談センターを通して施設側にお願いしなくてはならないのかはっきりしていませんでした。
特異なケースで入所したものですから、事前にどんなサービスが有るのかなどという予備知識も無かったわけです。
また一般の方のご家族が特養に入所する時と違うので、どうしても高齢者相談センターにお伺いを立てないと、特養とアルツ家で勝手になんでも決められません。
こういった不安を解消すべく、高齢者相談センターの配慮で、今回話し合いの場を設けていただいたわけです。
結論から先に申し上げてしまえば、結局アルツ家も一般の入所者と同じように、ある程度のことは高齢者相談センターを介さないで、特養とアルツ家で決めて良いという結論です。
ある程度以上のことが何なのかはわかりませんが、まあ普通になんでも施設と話し合いをしても良いということで考えても良いのではないでしょうか。
姉が気にしていることは、アルツ君の入所している3階のフロアにアルツ君の話し相手になれるような他の入所者さんが居ないこと…。
まだヤッチもすべての入所している方たちを把握しているわけではありませんが、まあ見渡す限り、アルツ君と会話が成立する人がいないように思えます。
失礼な話ですが、ほとんどの方は、車椅子で、声をかけても何をおっしゃってるかわからないか、反応の無い方たちがほとんどです。
フロアにはうめき声や奇声が飛び交っているというのが実際のところでしょうか…。
(・・;)
会話が成立するアルツ君がこの中に居ると、おかしな話ですが正常な人間にまで見えてきます。
(・・;)
最近では姉の方が施設に面会に行っている回数はおそらく多いので、この辺りが気になって仕方がない様子です。
ヤッチからするとアルツ君に面会に行ったりすると、アルツ君が、
「また誰か騒いでやがるな?」
と入所者さんのどなたかが奇声を上げているのを耳にすると、自分の居る部屋から廊下に出てフロアを見渡しているのを目にすることがよく有ります。
以前であれば、自ら重い腰を持ち上げて立ち上がるということも減っていたわけですから、これはこれで良い刺激になって、アルツ君の興味をひく対象物になっているし、脳も少しは動かしていることにはなります。
ただ確かにおしゃべりでお調子者のアルツ君にとって、話し相手が誰もいないというのは、やはりストレスになるかもしれません。
会話ができる施設の職員さんもたくさんの人の面倒をみなくてはならないので、アルツ君一人の話し相手になっているわけには行きません。
姉がこの辺のところを施設の係長さんに申し上げました。
係長さんが答えます。
係長さん:「実は急きょの入所だったので、たまたま空いているお部屋が3階だったということで、お父様の居室の変更ができないということではありません。」
今度は姉がたずねます。
姉:「失礼だということは重々わかっているのですが、2階のフロアは認知のある方が少ないと聞いたのですが…。もし、2階で有れば父の話し相手になってもらえる方もいらっしゃるのではないでしょうか?」
ここの施設は聞いたところによると、入所者が入っているフロアは2階と3階で、3階には認知症の方を入所させている様子で、2階には認知症ではないような方が入所しているとか…。
そのため、2階と3階では施設の嘱託医も違います。
3階は認知症専門の嘱託医で2階は何とアルツ君が以前自宅から通っていた主治医。
介護保険の主治医の意見書もこの先生に書いてもらっています。
そのため、この施設でも本来3階の認知症専門の先生の診察を受けるのではなく、二階の馴染みの主治医の診察を受けています。
係長さん:「わかりました。ちょっとだけお時間を下さい。居室の変更が可能かどうか調べてみます。」
施設の係長さんがこう答えます。
2階に移れたら移れたで寝たきりの方ばかりでまったく話し相手がいないなんてこともあるので、事前に下見に行く必要はありそうです…。
(^^ゞ
支援係長さん:「他に何かございますか?」
今度は高齢者相談センターの支援係長さんが切り出します。
もちろん、この支援係長さん、以前ヤッチと散々やり合った方でも有ります。
今度は特養の施設の係長さんに対してヤッチが質問をします。
ヤッチ:「父は2階の嘱託医になっている○○先生にお世話になっていると思うのですが、○○先生には紹介状を書いてもらって認知症専門の先生に診てもらっていた時期が有ります。進行性核上性麻痺の疑いが有ると診断を受けたのも紹介先のこの先生です。今は父が施設に入所したことで、この先生の手を離れています。今後、もし、進行性核上性麻痺の症状が進行するようなことが有れば、専門の先生に診ていただくこともできるのでしょうか?」
係長さん:「それはもちろんです。専門医の診察はもちろん、うちの嘱託医ではなく、その先生の所へ通院していただくことも可能です。現在の嘱託医の定期的な診察受けていただいて、病状に異変が見つかれば、ご家族様にご連絡するのはもちろん、専門の先生に診ていただく体制も取らせていただいています。」
ヤッチ:「ありがとうございます。姉は話し相手のことが気になっているようなのですが、私は別の事で気になっている事が有ります。実は父の歩行のことです。家族の面会が無いと屋外で散歩ということができないようなので、どうしても施設内を歩くだけでは足が弱ってくるような気がします。歩行訓練のようなことはやっていただけないんですかねえ?」
係長さん:「職員が屋外にお父様を外に連れ出して散歩すというのは、人員の関係で少々無理なところですが、場合によっては、リハのようなものも有りますが…。お父様、お見受けする限りでは元気に歩いておられる様子ですが…。」
これは少々はぐらかされた感じですが、あまり強く突っ込めないところ…。
(^_^;)
ヤッチ:「介護の職員さんも1対多の状況で忙しいとは思いますが、施設内でも良いですから、できるだけ歩くように声かけしていただけないでしょうか?父がここの施設にお世話になる前の施設では、施設内を歩くことを『仕事』と言って、結構歩いて歩行訓練をしていたようです。歩行が改善されたのもそのお蔭かもしれません。何か目的なり、興味をひくことを与えることで症状の進行は食い止められると私は思うのですが…。」
係長さん:「なるほど…。では、うちの介護職員のリーダーに○○というのがおります。○○に言って、声掛けをするように伝えておきます。そうそう、興味をひくというので気になったのですが、お父様は何か興味を持っておられることがお有りですか?」
『ボタモチ』と即答したいところでしたが、場の雰囲気がそういう雰囲気ではなかったので、ヤッチは他の事を思い浮かべます。
ヤッチ:「そうですねえ。これと言って見当たらない感じですが、あえて言うなら、植木とか庭木のことですかねえ…。」
係長さん:「そうですかぁ…。以前そう言った関係の職業に就かれていたとか…。」
ヤッチ:「元花屋で植木職人です。この施設ができて間もない頃に、この施設に植わっている木の剪定の仕事もさせていただいた言っています。父は『剪定の仕事』のことを『いたずら』と言います。『ここの木をいたずらさせてもらった』というのは『ここの木を剪定させてもらった』ということになります。」
係長さん:「相変わらず、面白いお父様ですねえ…。」
ヤッチ:「あまり、褒めすぎると木から降りられなくなります。」
またしても、場の空気を読まずに勢いでしゃべってしまったので、誰も反応してくれませんでした・
(; ̄ー ̄川 アセアセ
係長さん:「他には何か興味をお持ちのことは有りますか?」
ヤッチ:「釣りですかねえ…。でもここ何年かは釣りにも出かけていないので興味がまだ有るかは疑問ですね…。」
係長さん:「そうですかぁ。歌なんかはどうですか?」
今度は姉が口を挟みます。
姉:「そうそう。先日ここでカラオケ大会みたいものが有ったでしょ!?そのことをよく口にするのでカラオケなんかが興味が有るんじゃないかしら!?」
係長さん:「カラオケ大会というほどのものではなかったのですが…。ときどきこの施設でもやらせていただいています。」
姉:「歌は聴くのも歌うのも多分嫌いじゃないと思います。」
係長さん:「そうだ。うちの施設では音楽療法というものを取り入れているのですが…。」
姉&ヤッチ:「音楽療法?」
後になって知ったのですが、最近では『音楽療法』なるものを取り入れている施設も多いらしく、決して珍しいものではないそうな…。
ヤッチ、『音楽療法』なるものをこの時はじめて知りました。
(・・;)
係長さん:「そうです。しょっちゅうやっているわけではありませんが、歌が好きというので有れば、こういったものに参加されて見ては?」
ヤッチ:「音楽療法というのを存じ上げないのですが、いったいどんなものなんですか?」
『療法』などと聞くと、すぐにヤッチは医療めいたものを想像してしまいます。
頭の中にはメスや注射が飛び交います。
係長さん:「簡単に言ってしまうと、音楽を聴いてもらったり、歌を歌ってもらったりすることで脳を活性化してもらう療法です。時には楽器を演奏したりと…。専門の先生も付きます。」
ヤッチ:「先生も付くんですか?」
係長さん:「そうです。専門の先生が付いて、確か月に2回ほどやっていると思います。」
姉がちょっとためらいの表情を浮かべます。
姉:「費用については?」
実はアルツ君の懐の管理は家族ではなく、高齢者相談センターが行っているのです。
いずれ高齢者相談センターが後見人制度を利用して後見人をつけるということで手続きも進められ、今度はアルツ君の懐は選任された後見人さんが管理することになります。
現在はまだ財布の紐は高齢者相談センターが握っています。
姉が高齢者相談センターの支援係長さんの顔を見やります。
支援係長さん:「うち(高齢者相談センター)の方は大丈夫ですよ。」
今度は特養の係長さんが割って入ります。
係長さん:「いえいえ。これについて、うち(特養)が負担するというか、費用のことはご心配なく…。」
たぶん、介護保険で賄えるという意味合いなのかもしれません。
姉:「それなら、ぜひぜひ受けさせてもらいたいですね!!」
姉とヤッチの意見は一致です。
係長さん:「これはお父様がやりたいというのがもちろん前提ですが…。」
姉:「もちろん、確認しますが、多分『やりたい』って言うんじゃないでしょうか!?」
その他、施設についての説明などを受け、打ち合わせは終了しました。
打ち合わせを終え、姉とヤッチはアルツ君の部屋に戻ります。
部屋にはキノコさんも来ています。
アルツ君:「なんだよ。なんだよ。大勢して…。」
アルツ君が少し驚いた表情をしています。
姉が切り出します。
姉:「パパ。音楽教室に参加してみる?」
アルツ君:「なんだ?音楽教室って?」
姉:「歌を歌ったりするんだって。カラオケとかもやるんじゃない!?」
アルツ君:「へえ…。カラオケやるのか?カラオケは嫌いじゃないねえ…。」
姉:「やるかどうかはわからないけど、歌を歌ったりするんだって。月に2回有るらしいよ。」
アルツ君、まんざらでもない様子…。
アルツ君:「へえ…。2回も有るのか?」
姉:「そうだよ。歌のレッスンかもよ!?」
アルツ君:「何だか知らないけどなぁ…。やってやってもいいけど、俺は今さら歌手にはならないぞ!?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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2012/07/07 | コメント (6) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Topアルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
ここ数日、夜アルツ君が寝る頃になると不穏になると、アルツ君を担当している看護師さんから言われてしまいました。
どんなふうに不穏になるのか、失礼な話ですが、その看護師さんの言葉からはイマイチつかめず…。
(-_-;)
ならば、直接この目で確かめようとアルツ君のいる施設に行ってきました。
夜に不穏になるというのだから、本来は夜に行けば良いのですが、施設の面会時間の制限も有るので日中に出かけることに…。
エレベーターを利用してアルツ君がいる3階に。
エレベーターを降りるとすぐにロビーの様な所が有るのですが、今日は入所者さんが大勢います。
普段はテーブルが置かれ、入所者さんたちがテレビなどを観てくつろぐ所ですが、そのテーブルは片づけられ、入所者さんたちが車座になって、一点を見つめています。
なにか催し物でもやっているのかな!?
最初はそう思ったのですが、どうも違うようです。
すると今度はオルガンの音が聴こえてきました。
ヤッチはピンときました。
もしかして、これが音楽療法かな!?
やはり図星でした。
近くにいた施設の介護士さんにたずねると、やはり音楽療法をここでやっているとの事。
療法士さんらしき女性がピンクのてまりの様なものを持って大きな声をあげています。
じっくり観察していると、オルガンの音が鳴っている最中は療法士さんがそのてまりを入所者さんに渡して、てまりを受け取った入所者さんは音楽が鳴っている間、てまりを次々に隣りにいる入所者さんに手渡していきます。
そう、ちょうど椅子取りゲームのような要領です。
オルガンの音が鳴り止むと、療法士さんがてまりを持っている入所者さんに他の人にも聞こえるように色々な質問をしていきます。
その方への質問が終わると、隣の入所者さんにも質問をして、面白い答えが出ると、その話を広げているようです。
でも、音楽療法に参加すると言っていたアルツ君の姿は有りません。
車座になっている入所者さんはおそらくほとんどが女性で、男性は見当たりません。
しかも車椅子率の高いこと…。
30人から40人くらいはいらっしゃったと思いますが、車椅子以外の普通の椅子に腰かけている人はホントに数人といったところでしょうか…。
そんなことに気を取られていると、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきます。
アルツ君:「おい、ここだよ。俺の部屋に行くのか?」
声の主はアルツ君です。
車座からけっこう距離のある位置の廊下にソファが有り、そこにアルツ君が腰かけています。
仲間に入れないのか遠巻きに楽しそうな車座をのぞき込んでいるという風にも見えます。
ヤッチが近寄ってアルツ君に声をかけます。
ヤッチ:「何?そんなところに座って…。参加しないのか?」
アルツ君:「いや、音が聴こえたから、何をやってるのか見に来ただけだよ。俺の部屋に行くのか?」
ヤッチ:「いや、ここでこんなに楽しそうなことやってるんだから、部屋に行ったって意味ないよ。」
アルツ君:「俺の部屋に行っても誰もいないぞ!?」
ヤッチ:「そんなことわかってるよ。それにしても何で加わらないんだ?みんな楽しそうにしてるぞ!?」
聞けば、アルツ君、音楽療法の誘いを介護士さんから受けたらしいのですが、『嫌だ』と言って誘いを断ってしまったようです。
そのくせ遠巻きに眺めているわけですから、参加したいに決まっています。
介護士さんに許可を受けて、ヤッチは近くに有った椅子を借り、車座の空いているスペースにその椅子を置いてしまいます。
そしてアルツ君に一声かけます。
ヤッチ:「ほらっ!行くべ!!」
アルツ君:「どこへ?」
ヤッチ:「どこって決まってんだろ!?あそこの椅子に座るのっ。」
アルツ君:「座ってどうするんだ?」
ヤッチ:「イマイチ盛り上がってないみたいだから、旦那さんが行って盛り上げて来てよ。」
アルツ君、拒絶する割にアルツ君の手を引くヤッチにホイホイついてきます。
ヤッチ:「じゃあ、頼むね!!」
ヤッチは車座から離れ、遠巻きに傍観です。
椅子取りゲームのようなゲームは続けられていて、療法士さん(先生)の質問も続いています。
タイミングよく、アルツ君のところへ質問の順番が回ってきます。
療法士さんがアルツ君に質問をします。
先生:「先日は七夕でしたが、どんなお願い事をしまいましたか?」
ヤッチの記憶ではアルツ君の願い事は『元気になりますように』です。
[関連記事:七夕に何を願う?]
アルツ君が答えます。
アルツ君:「そうだねえ…、確か『美味しいもんが食いたい』じゃなかったかなあ…。」
Σ(・ω・ノ)ノエー!Σ(*・ω・*)ウッソー!Σヾ(*・ω・)ノホントー!
先生:「それは良いお願い事ですね!?どんな食べ物がお好きなんですか?」
ヤッチは心の中で『ボタモチ』を連呼します。
アルツ君:「そうだねえ…、甘いものかな!?」
何を気取っちゃってんですかね!!
『ボタモチ』と答えろっー!!
先生:「甘い物は多分、皆さんもお好きですよね!?それでは最後に皆さんもよく御存知の歌を歌って終わりにいたしましょう。」
どうもヤッチが来たのは、この音楽療法が終盤に近い頃だったらしく、他に何か違うアプローチで入所者さんとコミュニケーションを取っていたのかもしれませんが、それを見ることはできませんでした。
(´uдu`)゚.+:。
歌詞が書いてある用紙を渡され、童謡をみんなで歌って音楽療法は終了です。
アルツ君が歌い終わって、ご満悦の表情でヤッチの方に戻って来ます。
実にこの辺はわかりやすいアルツ君…。
^_^;
ヤッチ:「音楽療法は月に2回しかやってないらしいから、チャンスを逃さず、参加しないと…。」
アルツ君:「そりゃあ、そうだけどやってたの知らなかったんだよなあ…。」
ヤッチ:「ま~たぁ~!?そんなこと言って最初から見てたんじゃないのかあ~?」
アルツ君:「いや、そんなことないぞ。たまたま音が聴こえたから来ただけだ。」
憶測ですが、参加したくて参加したくて仕方が無かったアルツ君は、なかなかきっかけがつかめずに、遠巻きで眺めていたような気がします。
ヤッチ:「まあ、仕方がないや。あんなに女性がたくさん居たら、旦那さんはモテモテだもんな!?」
アルツ君:「そんなことあるかいっ!!ばばあばっかりだぞ!?」
ヤッチ:「まあまあ。次回は最初から参加しなね?」
結局、この日はアルツ君は機嫌がよく、夜中に不穏になってしまうということの原因はつかめず…。
(^^ゞ
家に戻って、アルツ君の音楽療法のことをキノコさんに伝えます。
ヤッチがキノコさんに教えます。
ヤッチ:「旦那さん(アルツ君)、女性ばかりの車座で、照れ臭かったのか、輪に入ろうとしなかったけど、やっぱり歌が好きなのかねえ!?最後には楽しそうに歌ってたよ?」
キノコさんが、答えます。
キノコさん:「違うわよ。歌が好きなんじゃないわよ。女が好きなのよ!!」
キノコさん
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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2012/07/11 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Topアルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
昨日、アルツ君のお世話になっている特別養護老人ホームで、音楽療法が有ると聞いていたので、午後から見学をしてやろうと、アルツ君のところに面会に行ってきました。
午後の何時からやるのかは聞いていなかったのですが、やるとしても午後1時過ぎくらいかなと思って、そのくらいの時間に施設に到着するように自転車を走らせました。
でも、午後1時と言えば、暑い盛りじゃないですか…。
アトゥ─(+ω+;`暑)─イ!!
日焼け止めを塗っての出陣です。
施設に着くとお昼御飯が終わってお昼寝時なのでしょうか…。
いつもはロビー代わりになっている廊下にたくさんの入所者さんがくつろいでいるのですが、今日は人気もまばら…。
ひょっとして、もう音楽療法が始まってしまっていて、どこか違う場所に集まっているのかなと思い、慌ててアルツ君の部屋に飛び込みます。
でも、そこにアルツ君の姿はまだ有りました。
ベッドにちょこんと腰かけて、ポロシャツをたたむような仕草をしています。
ヤッチ:「珍しいね?洋服をたたむなんて…。」
アルツ君:「いや~、そうじゃないんだよ。このシャツ俺のシャツかなぁ???」
アルツ君が手に持っているのは、あまり着ている姿を見たことのないポロシャツです。
洗濯をしてくれる職員さんが専門にいて、部屋に来て、回収してはそれを洗濯して、再びそれを部屋に持って来てくれる何とも至れり尽くせりの環境です。
そのかわり施設にはたくさんの入所者さんがいらっしゃいますから、洋服のタグにはすべて名前を書いて置かないといけません。
アルツ家の苗字は割と一般的な苗字なので、どうもこの施設にも、同じ名字の入所者さんが何人かいて、時々間違って他の入所者さんのものが紛れ込むことが有るようです。
ヤッチ:「タグに自分の名前が書いてあるか見てごらんよ。」
アルツ君:「タグ?なんだタグって?食い物か?」
ヤッチ:「それは多分、『フグ』だろう。そうじゃなくて、どこかに自分の名前が書いてあるだろう?」
言われてはじめて気づいたのですが、『タグ』という言葉を使わないとすると、思い当たる言葉が見つかりません。
(^_^;)
アルツ君:「わかんないよ。ちょっと見てくれよ。」
ヤッチ:「だいたいこれを着たことが有るのか?」
アルツ君:「それがわかんないんだよな~。」
ヤッチはアルツ君からポロシャツを受け取り、めくり上げてポロシャツの左わき腹あたりを探ります。
多分、そのポロシャツは今年になってから、新しく姉が購入したものだと思うのですが、ヤッチにも見覚えが有りません。
(^_^;)
タグを見ると、アルツ君の名前が書いてあります。
ヤッチ:「やっぱり旦那さん(アルツ君)のポロシャツだよ。ちゃんと名前が書いてあるもん。」
アルツ君:「ちゃんと書いてなくたって、名前が書いてあれば、俺のっていうことだろっ!?」
ヤッチ:「相変わらず、口が減らないね~。」
アルツ君:「口は生まれた時から一つだぞ。」
ヤッチ:「まあ、いいや。それより今日音楽療法が有るの知ってたか?」
アルツ君:「なんだ!?音楽療法って?」
ヤッチ:「この間、後半の方に少しだけ参加したじゃないかよ。楽器の演奏に合わせて歌を歌ったりするやつだよ。」
アルツ君:「あ~あぁ。そう言えば、ごちゃごちゃやってたなあ。あれが今日有るのか?」
ヤッチ:「おっ。よく覚えていたね。そうだよ。」
アルツ君:「でも何でお前が知ってるんだ?俺には誰も教えてくれなかったぞ!?」
ヤッチ:「教えたとしてもすぐに忘れちゃうから教えなかったのか、教えたけど旦那さんが忘れてるかのどっちかだろうな!?」
アルツ君:「あいつら、俺をバカにしやがって…。で何時その音楽なんとかと言うのをやるんだ?」
ヤッチ:「それがわからないから、早目に来たんだよ。」
アルツ君:「お前もその音楽なんとかというのを受けるのか?」
ヤッチ:「俺は受けないよ。見学だよ。保護者かな!?」
アルツ君:「ちぇっ。保護者はいらないよ。」
ヤッチ:「まあ、そんなこと言わずに、どこでやってるのか、ここ(施設)の人に聞いてみてよ?」
アルツ君:「俺がかよ~???面倒臭いなぁ…。」
そう言いながらもアルツ君、興味津々というか、ノリノリ…。
すぐさま、立ち上がって廊下に出て行き、職員さんの姿を探します。
(^_^;)
職員さんが見当たらないのか、廊下にいらっしゃる入所者さんに声をかけちゃってます。
多分聞いても無駄だと思うのですが…。
(^_^;)
アルツ君:「ねえ。音楽なんとかってどこでやってるか知ってる?」
入所者さん:「〇〇行きのバスは2台連なって来てます…。」
やっぱり会話が噛みあいません…。
(-_-;)
そのうち、廊下を忙しそうに通る職員さんの姿が見えます。
アルツ君もそれに気づき、声をかけます。
アルツ君:「ねえ。音楽なんとかっていつやるの?」
職員さん:「音楽療法の事ですか?」
アルツ君:「『りょうほう』だか『かたほう』だか知らないけど、その音楽なんとかってやつだよ。」
職員さん:「音楽療法なら、今日は2階でやりますよ。」
アルツ君:「もう、やってるのか?」
職員さん:「いえ、まだ準備が整わないので始まっていません。利用者さんに順次お声掛けをして、お連れしているので、多分午後2時半くらいから始まると思いますよ。」
アルツ君:「俺も行ってもいいのか?」
職員さん:「もちろんですとも。お声掛けしますのでお部屋で待っていてくださいね。」
前回音楽療法が行われたのは、アルツ君の部屋が有る3階だったのですが、2階でやるようです。
『部屋で待っていてくれ』と言われたのに、もうアルツ君、2階に行こうとしています。
(-_-;)
ヤッチ:「まだ、準備ができてないんだって。声をかけてくれるまで部屋で待ってたら?」
アルツ君:「そんなことしてたら、日が暮れちゃうぞ。」
ヤッチ:「まあ、そんなに急いでも、先生が来ないと始まらないんだから…。」
アルツ君:「仕方がない…。待ってやるか…。」
ようやく自分の部屋のベッドの上に腰かけます。
その後も何か物音がすると何度もベッドと廊下を往復です。
やっとアルツ君に声が掛かりました。
アルツ君:「おっ。音楽なんとかに行ってみることにするか…。」
今まで短い距離しか歩いていなかったので気づきませんでしたが、3階から2階までのちょっとだけ長い距離を歩くと、アルツ君、足がふらつきます。
ついこの間は歩行が改善していると喜んだばかりなのに…。
(つд⊂)エーン
ヤッチ:「なんだよ。ヨレヨレじゃないかぁ。車椅子のお世話にならないとダメなんじゃないか?」
アルツ君:「そんなことないさ。あんなもんの世話になるくらいなら、足を切ってやる。」
足を切ったら絶対に車椅子なのにわけのわからぬ論理です…。
(-_-;)
2階に着くと、まだ入所者さんはそんなにたくさん集まっていない様子で、用意されたアルツ君の席は先生のピアノのすぐそばです。
ヤッチ:「なんだよ。特等席じゃないかよ~。大変だ。」
ヤッチはアルツ君の後ろに席を用意されました。
参加希望の入所者さんがだいたい全員集まったところで、先生登場です。
最初は先生のピアノの演奏とともに手拍子をして、演奏が途切れたら隣の人と手をつなぐというもの…。
傍から見ていると、幼稚園に居るのかと思ってしまうようなことをやっていますが、運動機能の低下している方もいらっしゃるようで、なかなかこれができない人もチラホラ…。
先生はこれを段々と複雑なものにしていきます。
先生:「今度は私が演奏を止めた時に『カミナリ』と言いますから、皆さんはある動作をして下さい。『カミナリ』と言ったら普通何をしますか?」
「おへそをかくす。」
入所者さんのどなたかが即答です。
先生:「そうですね。『カミナリ』と言ったら、おへそをかくしますねえ。では、私がピアノをやめて『カミナリ』と言ったら、皆さんはおへそをかくして下さいね。それでははじめますね。」
アルツ君は先生が『カミナリ』と言ったら?とたずねた時、小声で『傘をさす』と言っているのをヤッチはしっかりと聞いてしまいました。
(-_-;)
先生の演奏が始まります。
聞き覚えのある童謡を弾いています。
先生は突然、ピアノをストップし、『カミナリ』と大声を出します。
入所者さんは一斉におへそをかくします。
もちろんできない人もいますが、実に皆楽しそうな表情です。
(*^_^*)
音楽療法が始まる前は、全く表情が無く、能面のような表情だった入所者さんが顔の筋肉を緩めています。
先生は今度は『麦わら帽子』と言ったら、頭に手を持って行くように指示します。
選択肢を増やすことで、このゲーム(?)は複雑になります。
先生:「私が『カミナリ』と『麦わら帽子』のどっちを言うかわからないので、よーく聞いていて下さいね。」
先生の演奏が始まります。
先生がピアノをストップし、『麦わら帽子』と声を発します。
入所者さんの中には、おへそをかくしている人もいます。
やはり認知症が進むとこの程度の事も難しくなってしまうということでしょうか…。
幸いアルツ君は、難なくクリアしている様子です。
さらに先生は『盆踊り』という言葉を加え、この言葉を言ったら、入所者さんが各々思い描く盆踊りのポーズをとるというのを加えます。
こうなってくると、選択肢は3つですからここの入所者さんにとってはかなり高度なものです。
何回かこれを繰り返していると、お隣に教える人や、常におへそをかくしているだけの人と様々です。
中には、先生が『カミナリ』と言うと、その声に反応して、皆に聞こえるように『おへそ!!』と声をあげる人まで出てきます。
そう…。
我が父…、アルツ君です…。
自分はこんなものは簡単だよと皆にひけらかしたいのが前面に思いっきり出ちゃってます。
そのくせ『盆踊り』と言われたときの手は、バレーボールの時のトスを上げるような恰好で、あまり形になっていません。
まあ、本人は楽しんでいるし、他の入所者さんがアルツ君を煩わしいと感じているような反応も見られないので良しとしますかぁ…。
^_^;
音楽療法は他にも色々なことやりましたが、とにかく驚くのは昔の曲を歌ったりするときに、皆さんがしっかりと歌詞を覚えていることです。
歌詞カードなしに2番を歌える方までいて、びっくりです。
そして、過去の記憶をよみがえらせているのでしょうか、泣き出してしまう方までいたりして…。
終盤は前回もやった、先生がピアノを演奏中はマリを回して、ピアノの演奏がストップしたときに、マリを持っている人に質問をして行くと言うやつです。
[関連記事:アルツ君、音楽療法に参加]
今回のお題は『夏と言えば?』です。
マリを受け取って、入所者さん達が答えるのは、たいていは『海』とか『プール』など泳ぎに関する答えが多かったような気がします。
先生が『泳ぎは得意ですか?』などと質問して、話を広げていきます。
多分、この辺りが音楽療法の良いところではないかと自分で勝手に思っています。
自宅などで、脳トレをやろうといっても、面倒臭がるし、すぐ飽きてしまい、長続きしませんが、ここでは自ずと参加しないわけには行きませんし、車座になった他の入所者さんの前で自分の考えていることを発言しなくてはなりません。
適度な緊張なり、プレッシャーが加わるので、脳の活性化にはとても良いように思えます。
(^^ゞ
先生は演奏を続け、またもやアルツ君のところにマリが回ってきたところで演奏がストップします。
先生がアルツ君に質問をします。
先生:「夏と言えば?」
アルツ君:「氷あずき!!」
即答です…。
やっぱりボタモチ関連から離れられないんですね…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
先生:「まあ、素敵な答えですね。冷たいものはお好きですか?」
アルツ君:「まあ、甘い物は全般に好きだねえ~。」
(質問の答えになってないだろがっ!!)
先生:「夏に冷たいかき氷を食べるのは私も大好きですよ。」
アルツ君:「氷あずきを食べないと、夏は始まらないし、終わりもしないねえ~。」
(まだこの夏一度も食べさせてないんですけど…汗)
こうして楽しい音楽療法は終了し、アルツ君と二人で部屋に戻ります。
音楽療法は1時間強くらいやっていたのでしょうか…。
おそらく、アルツ君の紙パンツも大汗をかいている頃です。
部屋に戻り、アルツ君に声をかけます。
ヤッチ:「トイレに行かなくて大丈夫か?」
アルツ君:「ああ、大丈夫だ。」
ヤッチ:「でも、パンツ取り替えとくか?」
アルツ君:「取り替えなくても大丈夫だよ。そんなに俺のパンツが欲しいのか?」
ヤッチ:「ああ欲しいね。」
アルツ君:「じゃあ、くれてやる!!」
アルツ君の紙パンツを交換です。
やはりグッショリ…。
紙パンツは毎度の事なので良しとして、ちょっと気になったことが有ります。
いつもは好んで紙パンツの上はハーフパンツを履いているのに、その日に限って、長めの厚手のスウェットを履いています。
???
ヤッチ:「何で今日に限ってこんな長いパンツを履いてるんだ?」
ヤッチは紙パンツを交換しながらアルツ君に質問をします。
アルツ君:「人が死んだんだよ…。」
ヤッチ:「はあ?」
アルツ君:「人が死んだのっ!!」
ヤッチ:「それとパンツとどういう関係があるの?」
アルツ君:「誰だか知らんけど、この中の人が死んだんだってよ。俺が短いパンツを履こうとしてた時に聞いたから…。」
後で姉からのメールで知ったことなのですが、入所者さんのどなたかが、廊下を手すりにつかまって歩いている途中に転倒したそうです。
職員が目を離した隙だったかはわかりませんが、頭を打ち、救急車で運ばれたそうです。
不幸にして、その方は搬送先の病院でお亡くなりになられたそうです。
ヤッチ:「それを聞いたから長いパンツを履いたって言うこと?」
アルツ君:「そうだよ…。俺がちょうど短い方のパンツを履こうとしている時だったからなぁ…。」
ヤッチ:「でも…。そんなの気にすることないじゃん。今日は暑いから短い方のパンツ履こうよ。」
アルツ君:「やだっ!!」
ヤッチ:「どうして?」
アルツ君:「人が死ぬから!!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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2012/07/26 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Topアルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
今日はアルツ君の施設に面会に行ってきました。
入館手続きを済ませ、アルツ君の部屋の有る3階まで行くと、施設の職員さんから、
職員さん:「今、○○さん(アルツ君)と奥様は2階で『音楽クラブ』に出席されていますよ。二階にいらっしゃれば、すぐに見つけられると思います。」
そうです。
キノコさんもヤッチより一足早く面会に来ていました。
(^^ゞ
『音楽クラブ』というのは、ヤッチもよくわからないのですが、いつもやっている『音楽療法』とは別のもので、先生も違います。
クラブというくらいだから、入会していないと参加できないようにも思えますが、別にそんなわけではなく、自由参加型のサークル活動的なものでしょうか…。
まっ、とりあえず、2階に行ってみましょう。
階段を利用しようとしたのですが施錠されていたので、エレベーターで…。
エレベーターで降りるとすぐに大広間の様な所が有ります。
さっそくピアノの音が聴こえ、入所者さんたちがたくさん集まって、ピアノに合わせて歌を歌っています。
歌詞カードと思しきA4サイズ紙を片手に持って歌っている入所者さんもたくさんいらっしゃいます。
ヤッチはアルツ君とキノコさんの姿を探します。
はいはい、いました…。
片づけられて隅の方に置かれたソファにふんぞり返っているのは元植木職人です。
その横できちんと腰かけ、歌詞を見ながら歌を歌っているのは愛妻キノコさんです。
ヤッチがアルツ君の方に近づいて行くと、アルツ君も気がつきます。
アルツ君:「俺の部屋に行っても誰もいないぞ!?」
ヤッチ:「わかってるよ。そこにいるんだから…。それよりみんな歌ってるんだから、早く歌えよ。」
アルツ君:「いいんだよ。歌わなくたって。代わりにばあさんが歌ってるぞ。」
聞けば、アルツ君、この音楽クラブに最初は参加しないとダダをこねていたのをようやくキノコさんが手を引っ張り連れて来たようです。
ヤッチが来た時には違う曲が掛かっていましたが、アルツ君とおしゃべりしている間にその曲は終わってしまいました。
次に歌う曲の歌詞を先生がみんなに配ります。
ヤッチにも先生は渡して下さいました。
次に歌う曲は『♪月の砂漠♪』です。
月の砂漠
- 月の砂漠を はるばると 旅の駱駝(らくだ)が 行きました
金と銀との 鞍(くら)置いて 二つならんで 行きました
- 金の鞍(くら)には 銀の甕(かめ) 銀の鞍(くら)には 金の甕(かめ)
二つの甕(かめ)は それぞれに 紐(ひも)で結んで ありました
- 先の鞍(くら)には 王子さま 後の鞍(くら)には お姫さま
乗った二人は おそろいの 白い上着を 着てました
- 広い沙漠を ひとすじに 二人はどこへ 行くのでしょう
朧(おぼろ)にけぶる 月の夜(よ)を 対の駱駝は とぼとぼと
- 砂丘を 越えて 行きました
黙って 越えて 行きました
この歌、よくよく歌詞を眺めると結構ロマンチック…。
王子と姫の恋の逃避行の物語なのでしょうか…。
そんな事を感心しながら、ヤッチが歌詞を眺め、一緒に口ずさんでいると、聴こえてきました~。
アルツ君の歌声~♪
少し笑みすら浮かんでいるようにも見えます。
しかしっ!!
甘くみてはいけません、元植木職人!!!
きけば、替え歌を口ずさんでいるではありませんかっ…。
(;一_一)
銀の鞍(くら)には ボタモチ~♪
二つのモチは それぞれに~♪
俺が並べて 食べました~♪
恐ろしき作詞能力…。
(゚∀゚ ;)タラー
秋元康も真っ青です…。
(゚∀゚ ;)タラー
フェルガード効果なのか、副作用なのか…。
(゚∀゚ ;)タラー
まあ、ここでバトルを展開すると、他の入所者さんたちの迷惑になるので音楽クラブが終わるのを待つことに…。
音楽クラブが終わって、部屋に戻るとヤッチはアルツ君に問いただします。
ヤッチ:「何であんな替え歌歌ってたんだい?」
アルツ君:「ああ、あれかぁ…。だってお前たちがちっとも俺にボタモチ食わせてくれないからさ~。食い物の恨みは怖いぞ!?」
ヤッチ:「食わせたってすぐに忘れちゃうじゃないかよ!!」
アルツ君:「忘れるから、すぐに食いたくなるんだろっ!!」
あー言えばこういう節はまだまだ健在のようです…。
(-_-;)
ヤッチ:「じゃあ、今度食わせてやるから…。」
アルツ君:「今度って何時だ?」
ヤッチ:「子供かっ!!」
アルツ君:「子供じゃなくて、いい年寄りですけど…。」
ヤッチ:「じゃあ、今度面会に来たときなっ!?俺が覚えていた場合の話だけどな。」
アルツ君:「その歳してまだボケるのは早いぞ!?」
ヤッチ:「あんたに言われたくないよっ!!それより、そろそろトイレに行った方がいいんじゃないのか?」
アルツ君:「いや、大丈夫だぞ。」
ヤッチ:「大丈夫なわけないよ。音楽クラブで結構長い時間歌ってたんだろ?」
アルツ君:「まあね。」
ヤッチ:「じゃあ、紙パンツ取り替えるか、トイレに行った方がいいんじゃないのか?」
アルツ君:「だから、大丈夫なの!!」
ヤッチ:「どうして?」
アルツ君:「どうしてって、俺はラクダだからっ!!」
ヤッチ:「意味不明なんですけど…。まあいいや。紙パンツを取り替えておこう!!」
そう言ってヤッチはアルツ君の紙パンツを脱がしにかかります。
予想通りです…。
(-_-;)
パンツはグッショリ…。
相当な重みです…。
(-_-;)
アルツ君がヤッチに向かってドヤ顔でのたまいます。
アルツ君:「なっ?言った通りだろっ?」
ヤッチ:「はあ?」
アルツ君:「俺のパンツはラクダのコブだってんだよっ!!」
アルツ君
さすがです…。
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2012/08/09 | コメント (6) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Topこんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
ようやく東京も秋らしくなってきました。
日中もさほど温度も上がらず、過ごしやすい日が続くようになってきました。
もう日中、アルツ君を散歩に連れ出しても日干しになることはないと思い、先日アルツ君の居る特養に面会に行ってきました。
アルツ君の居室を覗くとアルツ君がいません。
??
いつもよく腰かけている廊下のテーブルの定位置にもいません。
??
施設の職員さんにたずねます。
ヤッチ:「お忙しいところすいません。○○の息子なんですけど、父がどこに行ったかわかります?」
職員さん:「○○さんですか?○〇さんなら今日は音楽療法に参加されていると思いますよ。今日は2階でやっています。」
何の変哲もない会話ですが、もしアルツ君の所在がわからなかったら一大事です。
(・・;)
職員さんに言われた通り、ヤッチは2階に降ります。
今日も先生を取り囲むようにして、入所している方達が車座になっています。
音楽療法に参加している入所者さんは20名ちょいくらいでしょうか…。
まだ始まったばかりらしく、音楽療法の先生の挨拶の場面です。
アルツ君がヤッチの姿に気づき、手を振っています。
ヤッチは他の入所者さんの邪魔にならないようにアルツ君に近づき、小声で話しかけます。
ヤッチ:「よく、俺の顔を覚えてたな?」
アルツ君:「バカ、お前の顔は死んでからまた死ぬまで忘れるもんか。それより美味い物は持ってきたんだろうな?」
ヤッチ:「美味い物ってボタモチのこと?持って来てるけど、これ(音楽療法)が終わってからだな。」
アルツ君:「先に食った方がいいんじゃないか?」
ヤッチ:「いつ死ぬかわからないからか?」
アルツ君:「バカ!!」
ヤッチ:「とにかくせっかく今から楽しいことやるんだから、そっちに専念しな。」
そう言ってヤッチはアルツ君の背後にまわり、車座をやや遠巻きに見るような格好で腰かけます。
音楽療法の先生の挨拶が終わると、先生はピアノの前に腰かけます。
先生:「それではみなさ~ん!私が今からピアノを弾きますから、ピアノの音が止まったら、となりにいる人と手をつないでくださ~い!それでははじめま~す。」
先生は『♪うさぎとかめ』を弾きはじめます。
アルツ君の両サイドはおばあちゃん。
お二人とも車椅子です。
先生のピアノの音が鳴り止みました。
えっ!!
アルツ君、両サイドのおばあちゃんと手をつなぐことができません。
???
アルツ君がシャイだから?
んな、わけないじゃないですか…。
そうなんです…。
お二人とも寝ちゃってるんですね…。
(^_^;)
いわゆる傾眠ちゃんというやつでしょうか…。
施設の職員さんが気がついて、二人を起こしますが、その時は目を覚ますものの、すぐに首をうなだれてしまいます。
ピアノの演奏は何度か繰り返されました。
そのたびに職員さんが起こしに来ますが、どうやらやる気無しのようです。
アルツ君も
「へへ、秋だからな!?」
とかわけのわからないことをつぶやいています。
結局、アルツ君はおとなりさんと手をつなぐことなく、このコーナーは終了です。
先生:「今度は私が曲を弾きますから、何の曲か当ててみてください。」
先生がピアノを弾きはじめます。
参加している人たちは手拍子をしています。
中にはすぐに何の曲かわかって口ずさんでいる人もいます。
先生が演奏を終えました。
先生「今弾いた曲は何の曲かおわかりになりましたか~?」
参加している人たちが口々に答えます。
参加者さん:「青い山脈…。」
多分、参加している人のほとんどは認知症だと思いますが、かなり高い正解率です。
昔の曲はしっかりと脳裏に刻まれているようです。
先生:「すごい!!すごい!!皆さん、よくおわかりになりましたねぇ~?」
先生も持ち上げるのがお上手。
(^_^)/
先生:「リンゴの唄を弾きますよ。この歌に何色が入っているか当て見て下さ~い。」
先生がピアノを弾き、演奏を終えます。
先生:「何色が歌詞の中に入っていましたか~?」
やはり、参加している人たちがすばやく答えます。
参加者さん:「赤…。」
中には先生が曲を弾いている最中から、『赤っ!!』と答える方もいらっしゃったりして…。
(^^)/
アルツ君は果樹・花木の話になると昔の血が騒ぎだします。
となりで寝ているおばあちゃんに向かって何か話しかけています。
アルツ君:「リンゴっていうのは、赤いけど、赤くするのは大変なんだよ。袋をかけたりしなきゃなんないからさぁ~。」
となりのおばあちゃん:「…。」
全く反応が有りません。
(・。・;
先生:「次は難しくなりますよ~。曲名もお教えしませんからね!?その中に何色が使われていたかも当ててくださいね?」
先生がピアノを弾きはじめます。
恥ずかしながらヤッチ…。
先生が弾いている曲を聴いたことはありますが、曲名がわかりませんでした。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
先生:「今の曲、何と言う名前の曲かおわかりになりましたかぁ?」
参加者さん達はほぼ即答に近い状態。
参加者さん:「とんがり帽子!!」
ちなみに歌詞はこんな感じです…。
♪とんがり帽子の 時計台
♪鐘が鳴ります キンコンカン
♪めえめえ子山羊も 鳴いてます
♪風がそよそよ 丘の家
♪黄色いお窓は おいらの家よ
(書いてしまいましたが、著作権問題は大丈夫なんですかね~)
先生:「すごい、すごい。皆さん、ホントによくおわかりですね!?」
参加者の方たちがざわついている中、アルツ君も何やら小声でつぶやいています。
アルツ君:「そんなに褒めるなよ…。ケツのほっぺが赤くなるぞ。」
顔だろがっ!!
先生:「それではこの曲の中に何色が入っていたんでしょうね?」
参加者さんの一人がすばやく答えます。
「みどりっ!!」
先生:「素晴らしい!!では、他に色は入っていませんでしたか?」
また、別の参加者さんが答えます。
参加者さん:「赤っ!!」
先生:「皆さん、すごいですね~!!他に色が入っていましたかぁ?」
先生、今度は参加者さんの一人一人に聞いて回ります。
アルツ君のところにも先生がやってきます。
先生:「もう一つ色が入っていましたが、おわかりになりましたぁ?」
アルツ君:「グリーンかなぁ…。」
かなり自信なさげです…。
先生も絶句です…。
(-_-;)
先生、すぐさま他の参加者さんの方に行ってしまいました。
(-_-;)
三つめの答えは歌詞を見てしまえば簡単だったようですが、見ないで答えるには少し難しかったようです。
先生が答えを言ってしまいます。
先生:「答えは『黄色』ですねえ。♪黄色いお窓は…。ほらねぇ~?」
参加者さんがうなずいています。
他に『しりとり』もやったりと、なかなか参加者を飽きさせない工夫がされていて感服です。
中でも興味深かったのは、『じゃんけん』です。
先生と参加者さん全員とで対戦する形です。
ヤッチは『グー』や『パー』は多いにしても、指を曲げるのが面倒な『チョキ』は参加者さんはあまり出さないと思っていましたが、これが意外や意外…。
かなりの高確率で『チョキ』を出してきます。
普通の『じゃんけん』に続いて、『あとだしじゃんけん』というものをやりました。
先生:「今は普通のじゃんけんをやりました。今度は私が先にチョキとかグーを出しますから、私が出したものに、皆さん勝ってください。負けないようにチョキとかグーを出してください。」
要はあとだしで先生に勝てばよいわけです。
先生が掛け声をあげます。
先生:「♪あとだしじゃんけん、♪負けたらだめよ、♪じゃんけんポンッ!!ポンッ!!」
先生が『チョキ』を出しました。
参加者さんは『グー』を出せばよいわけです。
参加者さんの手を見ると、先ほどの普通の『じゃんけん』に比べると、いろんな花が咲いちゃってます。
(^_^;)
それでも、何回か『じゃんけん』を重ねていくうち、正解率が高まります。
先生:「皆さん、お強いですね~。わたし、負けてばかりいるので、今度は私を勝たせてください。私が先に手を出しますから、皆さん、私が出した手に負けて下さい。いいですか?皆さんが今度は負けるんですよ~。」
先生がさっきとおなじように掛け声をあげます。
先生:「♪あとだしじゃんけん、♪勝ったらだめよ、♪じゃんけんポンッ!!ポンッ!!」
先生の手は今度は『パー』です。
『パー』に負けてあげればよいわけです。
今度の先生に負けるという『あとだしじゃんけん』はあとだしであるにも関わらず、参加者さんの手よりも、どよめきの方が先に起こります。
ヤッチ自身も『参加していないでよかった、恥をかかなくて済んだ』と思ったくらいですから、かなり頭が混乱します。
相手に勝つ『じゃんけん』は頭に染みついているというか、体で覚えているようなところがありますが、逆の相手に負けるという『じゃんけん』はたやすくできるものではありません。
(^_^;)
この相手に負ける方の『あとだしじゃんけん』は参加者さんにはかなりハードルが高かったようです。
先生がおっしゃってる意味そのものはわかっているのですが、手の方がついて来ないようです。
ヤッチもアルツ君の動きを背後から観察していました。
最初に先生が掛け声を出します。
先生:「♪あとだしじゃんけん、♪勝ったらだめよ、♪じゃんけんポンッ!!ポンッ!!」
先生の最後の『ポンッ!!』で参加者さんが先生に負けるための手を出します。
アルツ君、他の人たちは大きく手を上げているのに、まだ手を上げずにキョロキョロ見回しています。
キョロ(゚∀゚≡゚∀゚)キョロ
他の参加者さんの手を見て、ようやくアルツ君が手を上げます。
でも正解率が低いので、間違っている時も有ります。
何回かこのじゃんけんは繰り返され、アルツ君、正解の時はしてやったりのドヤ顔です。
まあ、参加することに意義があるので、許せる範囲かなと…。
(^^ゞ
音楽療法が終わって、アルツ君の部屋に戻る途中、まあ覚えていないだろうなと思いつつも、アルツ君に聞いてみました。
ヤッチ:「さっき、あとだしじゃんけんやったの覚えてる?」
アルツ君:「覚えてるさよ~。」
ヤッチ:「あとだしで先生に負けるのも覚えてる?」
アルツ君:「覚えてますよん。」
ヤッチ:「あの時、みんなが手をあげた後に、手をあげてたよね?」
アルツ君:「そうだったか?」
ヤッチ:「何を出したらいいか分からなかったから、後から手を出したのか?」
アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ~。あれは『あとだし』じゃんけんだからさ。」
どこまでも負けず嫌いな職人です…。
アルツ君
さすがです…。
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2012/09/28 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top全 2 頁 次のページ »