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こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
今度はキノコさんがダウンです…。
(-_-;)
何だか毎回このパターンを繰り返しているような気がするんですけど…。
(-_-;)
『気がする』じゃないって!?
やっぱりそうですよね…。
(-_-;)
昨日は布団乾燥機のお蔭でグッスリ眠れたかにみえたアルツ君ですが悪戯が過ぎたのでしょうか…。
大反撃を食らってしまいました。
(-_-;)
深夜0時まではグッスリ寝ていたのですが、日付が替わった辺りから、寝床とトイレを行ったり来たり…。
大頻尿大会であります。
ほとんど10分おきくらいにトイレに行く始末…。
この大行進は明け方まで続きます。
行ったと思ったら、「出ない…。」と言って帰って来る。
布団を掛けたと思ったらまた立ち上がって「やっぱり出そうだ。」と言ってトイレに…。
これの繰り返し…。
出ない時もあれば、出る時もあり、出た時は必ず寝巻にしているスエットのズボンをビッショリと濡らして帰ってくる始末…。
(-_-;)

昨日は何本スエットを履き換えてもらったかわかりません。
(つд⊂)エーン
スエットを換えるのは、ヤッチの役目。
アルツ君の寝室の隣がヤッチの部屋ですが、アルツ君がスエットを濡らすたびに、キノコさんのSOSが入ります。
キノコさんもおかげで今日はすっかり寝不足&ダウンで寝込んでしまいました。
(つд⊂)エーン
今さら気づいたのですが、キノコさんをヤッチの部屋に寝かせて、ヤッチがアルツ君の隣に寝ればよかった…。
ガクゥ━il||li(っω`-。)il||li━リ…
今までで一番トイレの往復回数が多かったのではないでしょうか…。
かといって寝る前にそんなに水分を摂った形跡もないんですけどね…。
(-_-;)
昼間は紙パンツに漏らしたとしても、お構いなしのくせして、何で夜になるとこうも往復しなくちゃいけないのか謎です…。
途中で言いましたよ。
「もうトイレに行かなくていいから、パンツに出しちゃえよ。」
返って来た答えは…。
「やだいっ!!」
_| ̄|○
早めに寝たせいかすっかり目も冴えてしまっているらしく、夜中だというのにテンション高めです…。
一人でわけのわからんことをつぶやいてなかなか寝かしてくれましぇん~!!
(つд⊂)エーン
一応アルツ君に聞いてみました。
「なんでそんなに今日はトイレに行ったり来たりするの?」
「そりゃあ…。今日が満月だからだろっ!?」
果たして昨日の晩(12~13日)は満月だったのでしょうか…???
そしてこの問題行動は月の満ち欠け(月齢)と因果関係が有るのでしょうか…???
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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こんにちは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
久々に出てしまいました。
アルツ君の深夜の盗み食い。
正確には深夜かどうかわかりませんが…。
深夜の2時を回った辺りでしょうか。
階段を降りる音が聞こえてきます。
ドタドタと階段を降りるのは、この家には、約一名の人間しかいません。
(^_^;)
仕方なく、ヤッチも布団を抜け出し、様子を見に階下へと降ります。
降り続いている雨はまだ止んでいないようです。
かすかな雨音ともに階下からは水道の蛇口をひねる音が聞こえてきます。
やはり、アルツ君です。
深夜だというのに、冷たい水で顔を洗っています。
入れ歯は装着していないようです。
「なに?どうかしたのか?」
ヤッチがアルツ君に声をかけます。
「いや~。仕事に行こうと思ってさ~。」
アルツ君。いつからかはわかりませんが、たびたびこの言葉を口にします。
仕事というのは庭木の剪定の仕事で、アルツ君の植木職人の頃の仕事のことです。
一軒のお宅の庭木の剪定をアルツ君がやっていると、隣のお宅の方がアルツ君に声を掛けて、「家の庭も時間のある時にやってくれないかしら?」と依頼が入り、アルツ君のお得意様が増えていきます。
そういう理由から、アルツ君の職人時代のお客様のお宅は一か所の地域にまとまっていることが多く、あっちこっちに散在しているわけではありません。
そしてアルツ君にどこへ仕事に行くのと聞くと、必ず、「あの肉屋のある角を曲がった郵便局のそばだ。」と返してきます。
確かにそこには昔のアルツ君のお得意様の家は密集しています。
しかも『肉屋』、『郵便局』も今でも存在します。
でもお得意様の名前を聞くと、「名前は覚えていないけれど、そこの家に行けばわかる。」と曖昧な答えになってしまいます。
おそらく、自分が元気だったころの職人の目で、自分が運転する自動車のフロントガラス越しに映像を見ているのだと思います。
「一方通行を入ったところだ。」という表現も時々口にするので、多分自動車を運転している感覚も残っているのでしょう。
しかし、アルツ君、最近自動車の運転はしていませんし、ましてやアルツ君の言う『郵便局のそば』には出かけていません。
お得意さまから、注文をいただいているわけもなく、こちらからお伺いを立てたこともありません。
本人は幻視の中で庭木の剪定の仕事依頼を受けているのは間違いなさそうです。
別の言葉を借りるなら、思い込みというやつです。
「仕事の行くと言っても、だいたい外は雨だぞ!?それに今、何時かわかってる?夜中の2時だぞ。」
「そうか…。雨か…。それじゃあ、仕事には行けないな…。」
「うん。それに今から仕事に行ったら、真っ暗だし、お客さんはまだイビキをかいて寝てるかもしれないよ。」
「そうか…。今何時だっけ!?」
「2時。」
「ウソだあ~!?」
「ウソじゃないよ。時計を見てごらんよ。」
アルツ君を洗面所から茶の間まで連れて行き、時計を見せます。
「なんだ~??この時計壊れてんのかぁ???」
「いや、壊れてるのは入れ歯を外して時計を見ているご老人だよ。」
「俺は壊れてなんかいないぞ。」
「わかったよ。訂正するよ。『狂ってる』でいいんだろ!?」
「ちぇっ!!仕方がないや。また寝るかっ!!」
そう言いながらもインスタントコーヒーの瓶を手に取り、ふたを開けようとしています。
「いやいや。寝るんだろっ!?『寝る』って言っている人が、何でコーヒー飲まなくちゃいけないの?」
「習慣だよ。習慣…。」
「そんな悪い習慣はやめた方がいいよ。ほら!!寝よっ!!」
渋々、アルツ君は階段を登り、ヤッチも後から続き、アルツ君の寝室に入ります。
冬の布団は重く、それを持ち上げられなくなってきているアルツ君にヤッチは布団を掛けます。
アルツ君に、今まで『焼かれているみたいで嫌だ』と言っていた電気敷き毛布をセットしていますが、さすがに最近寒いのか文句は言いません。
アルツ君が寝静まるまで、隣の自分の部屋でヤッチはしばらく目を覚ましていましたが、静まり返っていたので、いつの間にか眠りについてしまいました。
(´vωv)。o ((夢))
目覚ましの音よりも早く、アルツ君が階段をドタドタと登って来る音でヤッチは目を覚まします。
「おい!!ばあさん!!俺のパンはどこに隠した?」
アルツ君が一番最初に起きて、一階に行き、自分のパンが無いことに気づき、再び二階の寝室に上がって来て、自分の隣で寝ていたキノコさんを起こしているようです。
昨日の2時の時点でヤッチはアルツ君のパンがきちんといつもの位置にあるのを確認しています。
キノコさんの声が聞こえてきます。
「パン?パンならいつものところに置いてあるでしょ!?隠したりなんかしていないわよ。」
少しただならぬ状況なので、ヤッチはいち早く一階の茶の間へ降りて確認です。
テーブルの上には、パンくずが散らかっていて、ストロベリージャムの瓶は空になっています。

ジャムの瓶には大さじのスプーンが投げ入れられています。
コーヒーカップの中身は無くなっていますが、コーヒーを飲んだ形跡が有ります。
溶けた砂糖がカップのそこにドロッとしているのが見えます。
いつの時点かはわかりませんが、ヤッチが爆睡している間にアルツ君が、再び階段を降り、茶の間に入って自分のパンを食べたとしか思えません。
それが、深夜だったのか、明け方だったのか、早朝だったのかはわかりません。
キノコさんとアルツ君が少し言い合いをしながら、下に降りてきました。
「どうせお前が食っちゃったんだろっ!!お前は食いしん坊だからな~。」
「私がそんなことするわけないでしょ!!あんたが起こしに来るまでグッスリだったんだから!!」
「ふん。寝坊助がっ!!」
最初に茶の間に入ってきたのはキノコさん。
「あらやだっ!!また、夜中に食べたんでしょ!!どう考えてもあんたしかいないわよ!!」
「なんでよ~?どうして俺だってわかるんだよ~?ふん。」
「だってこれはあんたのマグカップでしょ!?みんな自分で飲むときは専用のものが有るんだから。」
「じゃあ。泥棒が入ったんだ。」
「泥棒のわけないでしょ!?だいたいカップの中にお砂糖がまだ沈殿して残ってるじゃない!!こんなにお砂糖をイッパイ入れてコーヒーを飲むのはあんたぐらいいしかいないわよ。」
「甘党の泥棒かもしれないぞ?」
「甘党の泥棒はあんたでしょっ!!」
あまり冗談の通じないキノコさん。自分が犯人にされたのが腹立たしいのか語彙が強めです。
「やっぱり俺なのかなぁ…。」
「だいたいお砂糖をたくさん入れ過ぎよ。買ってきたってすぐに無くなっちゃうんだから…。
「ふんっ!!わかりましたよっ!!」
アルツ君、ちょびっと半ギレです。
もうとうに気づいていらっしゃいますよね!?
この後のアルツ君のセリフ…。
(*^_^*)
「ふんっ!!わかりましたよっ!!もうコーヒーは飲みませんっ!!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
きょうも観てしまいました。
NHKの「ためしてガッテン」…。
毎回のことながら、コマーシャルが無いのにもかかわらず、中々先へ進まないストレスの増す番組です。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
新聞のテレビ欄には、「笑顔が戻った! 認知症 治るタイプ大発見SP」と銘打って特集をやっていました。
二部構成で、治るタイプの認知症の答えはズバリ「特発性正常圧水頭症(とくはつせいせいじょうあつすいとうしょう)」と「慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)」でした。
NHKの解説では、認知症の患者数が208万人。
このうち、アルツハイマー型認知症の患者数が約半分。
残る30万人がこの「特発性正常圧水頭症」で、患者さんの脳のMRIでは、脳室が正常な人にくらべて大きく膨らんでいるのが特徴。
年間1,200人しか治療を受けていないのが現状だそうな…。
特発性正常圧水頭症は脳脊髄液の増加が原因で起きる病気で、手術によって、余計になった脳脊髄液を抜き取ることで、症状が大きく改善されるそうです。
実際の手術では身体の中にチューブを通して、脳脊髄液を腹腔に吸収させるものらしいですが、聞いただけでも、ヤッチとしては、握力が少し弱くなってくる気がします。
(-_-;)
また「特発性」とは、「原因がわからないという意味らしく、「突発性」というのは間違い(?)らしいです。
その主な症状は、
- 歩行障害(歩く速度が遅いなど)
- 認知障害
- 尿失禁
番組では、患者さんの背中から注射針のようなもので、脳脊髄液を抜き取り、手術可能かどうかを確かめるシーンを映していましたが、抜き取るのをちょっとやっただけで、歩行障害が改善され、翌日には検査前の2倍の速度で患者さんが歩いていました。
この番組、いつもは早寝のアルツ君がたまたま起きていて、キノコさんと一緒に観ていました。
当然アルツ君に認知症の自覚はありません。
(^^ゞ
最初はまったく他人事の面持ちでこれを観ていたのですが、どうも症状がアルツ君の症状に当てはまってしまいます…。
多少は、自覚が有るのか、だんだんと真剣な顔つきに…。
(●`w´●)ニァ・・
アルツ君がぼそりとつぶやきます。
「おい!!ばあさん!!うちにストローは有るか?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
本日はこれだけにとどまりません。
次にやっていた「慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)」。
カモイに軽く頭をぶつけたり、タクシーから降りるときに、ドア周りに頭をぶつけたりと、ホントに軽く頭をぶつけただけで、頭蓋骨の内側に血液と脳脊髄液のかたまりができてしまうというもの。
特発性正常圧水頭症は脳室が膨らんだりしていましたが、慢性硬膜下血腫の場合は脳室が小さくなるなどの変形が見られるようになります。
脳が圧迫を受け、最初は、自宅のトイレの場所がわからない程度の物忘れだったものが、やがては周囲の呼びかけにも反応できないほどの症状が出たりします。
なんでも、高齢になると脳が委縮するため、外側にある硬膜とくも膜がゆるゆるになってくるので、軽い刺激が食わっただけで、血腫ができてしまうようです。
これも手術で血液と脳脊髄液のかたまりを除去すれば治るというものでした。
厄介なのは認知症と判別がつきにくいことと、ぶつけてすぐには、CTなどの画像診断では異常が見つからないこと。
そして、ぶつけたことを覚えていないことが有るので発見が遅れるようです。
1ヶ月とか2ヶ月経って急に症状が悪化するので、早目に診察しましょうと番組では呼びかけていました。
こやつの主な症状は、
- 頭痛
- 認知障害
- 手足の麻痺
- 吐き気
があり、症状には個人差があるようです。
アルツ君、度重なる転倒でしょっちゅう頭をすりむいています。
さすがに、転倒したときのことやその前後の記憶は有りませんが、転倒したことについては自覚はあるようです。
(●`w´●)ニァ・・
それに…。
姉がアルツ君のところへ様子伺いに来てくれる時は、あいさつ代わりによくおでこを軽くピシャリとやられています…。
(●`w´●)ニァ・・
ヤッチがアルツ君にぼそりとつぶやきます。
(●`w´●)ニァ・・
「この間、転んでおでこをすりむいてたよなぁ…。それによく、御嬢さん(姉のこと)が来た時に、『〇〇ちゃ~ん(アルツ君のこと)!!元気っ?』って頭を叩かれてるよな!?」
(●`w´●)ニァ・・
「おい!!ばあさん!!あいつに『今度の休みの日はボタモチいらない』って電話しとけっ!!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
意外に洒落にならないかも…
(; ̄ー ̄川 アセアセ
[関連記事]:アルツハイマー型認知症以外のもの忘れの病気
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
連日、茹だるような暑さが続いています。
東京も梅雨明けしたようですね。
そんな暑いさなか、アルツ君のいる施設に面会に行ってきました。
午後の一番暑い盛りに自転車を漕いで行ってしまったので、帰ってきたら、腕が真っ赤です。
^_^;
アルツ君の部屋は今日は引き戸が閉まったままです。
いつもは、開けたままのことが多いのですが、昼寝でもしているのでしょうか。
コンコンとノックすると、中から声が聞こえてきます。
アルツ君:「おうっ!!」
ヤッチは引き戸を開けます。
アルツ君、ベッドからちょうど起き上がったところみたいです。
ヤッチ:「寝てたのか?」
アルツ君:「いや、ちょうど寝ようかなと思ったところだ。何にもやることないからなぁ…。」
この言葉を聞くと、ヤッチも返答に困ります。
(-_-;)
ヤッチ:「今日は外はものすごく暑いよ。」
アルツ君:「夏だからな。」
ヤッチ:「おっ。夏だってわかるんだ!?」
アルツ君:「わかるさよ~。これで冬だなんて言ったらボケてるって言われるぞ!?」
ヤッチ:「いや。じゅうぶんボケてるよ。」
アルツ君:「それより、ばあさんはどうした?」
アルツ君が言う『ばあさん』とはもちろん最愛の妻であるキノコさんの事です。
最近、アルツ君の記憶の中ではしばしばキノコさんが行方不明になります。
ヤッチ:「ばあさん!?ばあさんなら家に居るよ。」
アルツ君:「そっかぁ…。仕事に行ったんじゃないのかぁ…。」
ヤッチ:「仕事なんてもともとしてないじゃないかよ。だいだいいくつだと思ってんだよ?」
アルツ君:「俺よりちょっと若いくらいだろっ!?」
ヤッチ:「じゃあ、いくつ?」
アルツ君:「38。」
ヤッチ:「えっ~。38がそんなにハゲ散らかしてるわけないだろっ。八十いくつの間違いだろっ!?」
アルツ君:「そうだっけっ!?八十いくつだっけ?」
ヤッチ:「84。」
アルツ君:「そうかぁ…。そんななるのかぁ…。じゃあ、ばあさんも結構な歳だなぁ…。」
ヤッチ:「そういうことになるねえ~。」
キノコさんも9月になると、アルツ君と同じ84歳になります。
アルツ君:「で!?俺は今日、家からここに来たんだよな!?」
ヤッチ:「はあ?」
アルツ君:「朝は家に居たんだよな?」
ヤッチ:「家ってどこ?」
アルツ君:「俺の家だよ。」
ヤッチ:「俺の家はわかるけど、俺の家なんて有るのか?」
アルツ君、すでにここ特養に住所を移して、以前住んでいたアルツ家はもう大家さんにカギを返してしまっています。
アルツ君が高齢者虐待防止法で保護されている間の出来事ですから、事情は説明して有りますが、覚えてはいないようです。
しかし、その間、アルツ君は自宅などには帰っていません。
アルツ君:「家くらい有るさよ~。」
ヤッチ:「どこに有るんだ?」
アルツ君:「道路沿いだよ。」
ヤッチ:「いや、だいたい家は道路沿いだろ!?」
アルツ君:「きれいな道路沿い…。」
ヤッチ:「多分、今日は家から来てないと思うよ。ずっとここに居て、そのベッドで寝てたと思うよ。」
アルツ君:「いや、そうじゃないなぁ…。確かここにすっ飛んできたはずだ。」
ヤッチ:「すっ飛んで来たって!?だいたい走れるのか?」
アルツ君:「そうだよなぁ…。じゃあ、どっから来たんだろ!?」
ヤッチ:「だから、ずっとここに居たって!!。昨日も一昨日もその前からずっとここに居たって!!」
アルツ君:「俺がか?こんな山奥に!?ここをどこだと思ってんだよ。山の中だぞ!?」
ヤッチ:「はあ?」
アルツ君:「だから、ここは山の中!!」
ヤッチ:「何で急に山の中になっちゃうのかなぁ…。ここは東京だぞ!?しかも23区内!!」
アルツ君:「ウソっ~!!」
ヤッチ:「ウソじゃないよ、ホントだよ。周りを見渡してごらんよ?」
アルツ君:「木がいっぱい有るなぁ!?やっぱり山奥だ。」
ヤッチ:「山奥じゃないよ。山なんてどこにも見えないじゃないか。」
アルツ君:「そうか???」
ヤッチ:「そんなに疑うなら、廊下の窓から景色を眺めてごらんよ?山なんてどこにもないから…。」
アルツ君と一緒に廊下に出て、一番景色が良く見える窓のところに行きます。
ヤッチ:「なっ?山なんて無いだろ?」
アルツ君:「ホントだ。山が無くなってる。」
ヤッチ:「無くなってるんじゃなくて、最初から無いよ。」
アルツ君:「そうだったっけ!?で、ばあさんはどこに居るんだ?」
ヤッチ:「さっき、言ったじゃないか、家だよ。」
アルツ君:「そうじゃないよ。どこに居るのかって聞いてるんだよ。」
ヤッチ:「ああ、そういう事かぁ。あそこに高圧線が見えるだろ!?あの2本目の高圧線の辺りかな!?」
アルツ君:「ぶら下がってるのか?」
ヤッチ:「何でぶら下がるんだよ。ぶら下がってたら、この世にいないよ。」
アルツ君:「そうかぁ…。で、何してるんだ?」
ヤッチ:「だから家に居るよ。洗濯物でも取り込んでる頃じゃないのかな!?」
アルツ君:「えっー!?ばあさんだぞ!?」
ヤッチ:「そうだよ。ばあさんが洗濯物を取り込んじゃいけないなんて法律有る?」
アルツ君:「無いかも知れないけど、俺は仕事に出かけてるとばかり思ってた。」
ヤッチ:「またそれかよ。」
アルツ君:「でさあ、改まって聞くけど、キノコ(キノコさん)はどうした?」
↑便宜上、キノコと書きましたが、アルツ君、この時キノコさんの本名を下の名前で呼んでいます。」
ヤッチ:「はあ?」
アルツ君:「キ・ノ・コ!!」
ヤッチ:「だからさあ…。それは今言った通り洗濯物を取り込んでるって…。」
アルツ君:「それはばあさんの事だろっ!?俺の行ってるのはキノコがどこに居るんだっていう事だよ。」
ヤッチ:「だから、あの高圧線のところだよ。」
アルツ君:「バカ言えっ!!一緒に居るわけないだろっ!!」
???
……
やっと、わかりました…。
アルツ君ですが、どうも『キノコさん』と『ばあさん』を別物と考えているようです。
(-_-;)
一方は若いキノコさん…。
もう一方はばあさんのキノコさん…。
短期記憶の欠落、現実と過去、幻視と夢が錯綜してアルツ君の頭の中で物語が暴走しているようです…。
(-_-;)
もしかすると、アルツ君の元へキノコさんの30~40年くらいも前の写真を届けてしまったからかもしれません。
(-_-;)
まだキノコさんも背筋が伸びてハツラツとしている頃の写真です。
施設の職員さんの話によると、その写真の一枚を大事そうに持ち歩いて、職員さんが見せてくれと言っても、見せてくれなかったそうです。
知っているという事は結局見たんでしょうけど…。
( 一一)
ヤッチ:「いったいどういうこと?もしかして、『キノコ』っていう名前の人物は『ばあさん』より若い?」
アルツ君:「そうだよ。うんと若いさ…。」
ヤッチ:「もしかして、『ばあさん』と『キノコ』の二人いる?」
アルツ君:「そうだよ。俺がこんなところに居るから、居場所がわからなくなっちゃったんだよ…。」
ヤッチ:「お言葉を返すようで、悪いんですけど、『ばあさん』と『キノコ』は同一人物だぞ!?」
アルツ君:「え?そうなのか?うっそっ…!?」
ヤッチ:「う~ん…。多分、キノコさんの昔の写真を見たんじゃないのか?」
アルツ君:「ああ。見たよ…。写真は見たけど、ばあさんはあんなに若くないぞ!?」
ヤッチ:「そうじゃないよ。写真が古いんだよ!!若い『キノコさん』が今は『ばあさん』になってるんだよ!!『キノコさん』と『ばあさん』は同一人物だよ。」
アルツ君:「へー。そうなのかー!!こりゃまた驚いた…。」
アルツ君、首をうなだれちゃってます…。
(-_-;)
ヤッチ:「驚いたのはこっちだよ。だいたい妾を囲えるほどの甲斐性ないだろっ!?」
アルツ君:「まあ、そりゃそうだ…。じゃあ、『キノコ』はあんなに、ばあさんになっちゃったのか!?」
ヤッチ:「だいたい、自分の歳を考えればわかるだろがっ。」
アルツ君:「まあ、そりゃそうだなぁ…。そうか。そういう事だったのかぁ…。」
ヤッチ:「やっとわかったようだね!?どう、スッキリした?」
アルツ君:「ああ、わかった。スッキリしたよ。で、ばあさんはどこに居るんだ?」
ヤッチ:「さっきも言った通り、高圧線のところっ。」
アルツ君:「バカっ!!それは『ばあさん』だろっ!?俺の言ってるのは『キ・ノ・コ』っ!!」
時として、こっちの思考の方がやられちまいそうです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
アルツ君のところに面会に行ってきました。
定位置である廊下のテーブルのところにはアルツ君は腰かけていませんでした。
アルツ君の部屋の扉は全開になったままです。
扉の付近まで近づいていくと、部屋の灯りは点いていません。
ヤッチはそっと部屋を覗き込みます。
何だ!?いるじゃないですか…。
でも、今日のアルツ君、ちょっと様子が変です…。
近づいて行くと、アルツ君泣いています…。
(ノД`)シクシク
ヤッチ:「何?どうかしたのか?」
アルツ君、今度は手元に有ったタオルで顔を覆い、嗚咽し始めます。
ヤッチ:「ここに居るのが嫌になっちゃったのか?」
アルツ君:「そんなんじゃないわい!!」
タオルを剥ぎ取り、投げ捨てるような素振り…。
ヤッチ:「なんか辛いことでもあったのか?」
アルツ君:「俺の住む家が無くなっちゃったんだよ…。」
以前住んでいた家は家賃を滞納し、追い出しを食らい、住む家が無くなっていることは一応ヤッチの口から説明しています。
でも、説明してもすぐに忘れてしまうので、まだ家があると思っている時も有ったりします。
やはり衝撃的な出来事なのでさすがのアルツ君も時々は思い出すのかもしれません。
ヤッチ自身はアルツ君が時々泣きじゃくる光景を目の当たりにしているので、少々慣れっこになっていることもありますが、それにしても今日のアルツ君はかなりテンション低めです。
(-_-;)
ヤッチ:「家がどうして無くなちゃったかは説明したよな?」
アルツ君:「知らない…。」
ヤッチ;「じゃあ、どうして無くなったってわかるんだい?」
アルツ君:「なんとなく…。」
これ以上、話を続けても悲しくなるだけのような気がします。
責任の一端というより責任の全部はヤッチにあるわけですから、ヤッチとしても辛いところ…。
もう一度、アルツ君が保護されこの特養に入所したいきさつや他の家族がどんな暮らしをしているか、ゆっくり丁寧にアルツ君に聞かせます。
[関連記事:高齢者虐待防止法]
アルツ君は『ふん、ふん』とうなずき、顔をタオルで覆ったままです。
本来、こういう時、テレビドラマなどでは、親子で泣きじゃくりながら抱きしめ合うシーンですが、アルツ家にそういう作法はありません。
ヤッチ:「そんなに泣いてるんじゃ、差し入れを持ってきたけど食えないないね…??」
アルツ君:「…。」
ヤッチ:「ああーぁ…。美味いと思うんだけどなぁ…。」
アルツ君:「…。」
いぜん、アルツ君、顔を覆ったまま…。
ヤッチは天井を見上げます…。
ヤッチ:「ああーあ。ボタモチなんだけどなぁ…。」
アルツ君:「ボタモチっ!?」
タオルをチラリと除け、アルツ君は顔を半分覗かせます。
確実に目が光りました。
( →_→)ジロ!
ヤッチ:「仕方がない…。家に持って帰って食うかぁ…。」
アルツ君:「お前、そんなこと言うなよwww。」
ヤッチ:「はあ?」
アルツ君:「せっかく持ってきたのにそれは無いだろうwww。ボタモチだろっ?食うぞ!!」
ヤッチ:「いや、食わなくていいから泣いてろよ!!」
アルツ君:「そんなセッショウなことないだろうwww。ちょっと出してみろよwww。」
『www』の部分はできるダコ、タコのような口で発音してください。
ヤッチ:「そうかあ!?旦那さん(アルツ君)がそれほどまで言うなら、どれどれ出してみるとしますかぁ??」
ヤッチは持ってきた保冷バッグ中からボタモチを取り出します。
アルツ君も一緒になって保冷バッグを覗き込みます。
アルツ君:「お前、美味そうだなっ!?買ってきたのか?」
ヤッチ:「俺が作って持ってくると思うか?それより泣くのはどうした?」」
アルツ君:「もう、やめた。」
ヤッチ:「そう遠慮せずに、もっと泣いてろよ。」
アルツ君:「嫌だっ!!」
ヤッチは相変わらず開けにくいボタモチのフタを外し、アルツ君に渡します。
アルツ君:「美味いね~。一年中、このアンコを体に塗っておきたいね~。」
ヤッチ:「一年と言わず、死ぬまで塗ってやろうか?」
アルツ君:「塗ってもいいけど、もち米も塗れよ。」
ヤッチ:「攻めるねえ…。」
アルツ君:「それよりばあさんはどうした?どこに居るんだ?」
またその話?
面会に来ると毎度この話になるので、ヤッチの方はデジャブだか、タイムトリップだか、タイムボカーンだか、ヤッターマンだか、思考回路が揉みくちゃにされます。
(-_-;)
このブログをご覧になっていらっしゃる方もおそらく飽き飽きしていると思うので、ここからはやや早送りでお願いします。
→→
ヤッチ:「あのさあ…。昨日ばあさんここに来てるよね?」
アルツ君:「誰っ?ばあさんっ?うそをつけ???」
ヤッチ:「だったら確認する?」
アルツ君:「してもいいけどさぁ…。」
ヤッチ:「この間、御嬢さん(姉)とタクシーに乗ってお宅の奥さんの家まで行ったのは覚えてるよね?」
[関連記事:モンローかぶれの職人]
アルツ君:「ああ。それは覚えてるぞ。あすこがばあさんの家かっ??」
ヤッチ:「風呂も入ったよな?」
アルツ君:「ああ。入ったなぁ…。」
ヤッチ:「そん時、ばあさんの姿は?」
アルツ君:「えっ~!?ちょっと待てよ…。ばあさんはいなかったぞっ~!?」
ヤッチ:「ばあさんの家で風呂に入ってるんだから、普通ばあさんは居るでしょ?」
アルツ君:「普通じゃないのかもしれないぞ。」
ヤッチ:「やっぱりばあさんに電話しよっ。」
毎度おなじみの携帯電話取り出しぃの、キノコさんに電話をかけるぅの、アルツ君に電話を渡しぃの…。
キノコさんが大声でしゃべるので、電話口から音が漏れるぅの…。
アルツ君:「おい、ばあさん!!お前この間、俺が風呂に入ってる時、あそこに居たのか?」
キノコさん;「なんでえ!!あそこは私の部屋だもの、居たに決まってるじゃない!!」
アルツ君:「そっかぁ…。すーぐ忘れちゃうんだなぁ…。」
キノコさん:「そうよ。最近は他の事はちゃんと覚えているくせに、私の事だけ忘れるんだからっ!!」
今までは時折、ヤッチが透明人間になっていましたが、立場が代わって最近はキノコさんが透明人間のようです。
アルツ君:「そうみたいだなぁ…。お前、昨日も来たって言うけどホントか?」
キノコさん:「そうよ。昨日、何か食べなかった?青いもの…?」
アルツ君:「青いもの!?ああーあ。思い出したっ!!ブドウだ!!巨峰…。お前の胸にくっ付いてるやつだ!!」
キノコさん:「まあっ!!そのブドウは誰が持ってきたの?」
アルツ君:「誰だろうなぁ…。飛んできたんじゃないのかぁ?」
キノコさん:「なんで飛んでくるのっ!!わたしでしょ!!ワ・タ・シ!!」
アルツ君:「私ってお前のことか?そっかぁ…す~ぐ忘れちゃうんだなぁ…。」
キノコさん:「なんで、どうして私の事だけ忘れちゃうの?」
アルツ君:「どうしてかねえ…。忘れちゃうことは覚えてるんだけどなぁ…。」
難しい論理の展開…。
(-_-;)
これだけ頭が回るのにどうしてなんですかねぇ…。
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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FC2スレッドテーマ : 日々徒然なる話 (ジャンル : 福祉・ボランティア)
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