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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
アルツ君がレビー小体型認知症ではないかということで、今月の中ごろの2月13日にそれを調べるために、検査を受けてきました。
[関連記事]:
心筋シンチと脳のMRIの検査を受けてきました
紹介してもらった診療所での診察~診察編~
脳のMRIと心筋シンチの検査結果が、診療所に届き、2月27日(月)に診察と診断結果をアルツ君と一緒に行ってきました。
繰り返しになりますが、今回診察を受けるドクターは、普段掛かり付けの主治医から紹介状を書いてもらった認知症を専門に取り扱うドクターです。
わかりにくくなるので、あえて
- 掛かり付けの主治医=主治医
- 紹介してもらった医師=ドクター
検査はドクターから紹介状を書いてもらったさらに別の病院で、今回がドクターの診療所での診察&診断です。
ドクターの診察の日である2月27日は何とアルツ君の84歳の誕生日。
♪(o´∀`b)b♪
そんな日に診断結果を聞きに行くなんて、なんてナイスな奴でしょう…。
(^.^)/~~~
当のアルツ君ですが、もの忘れなどの記憶障害はさほど気になるレベル(普段からひどいので)ではありませんが、ずいぶん短期間で歩行障害が出ています。
結局、ドクターの診療所へはバスと電車を乗り継いで行ったのですが、20mも歩いては一休みしないと、前のめりに転倒しそうになる始末。
ヤッチの腕を杖代わりに歩いたアルツ君ですが、杖代わりにされた腕は今日も悲鳴を上げちゃってます。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
「お前、俺の足を切っただろ?」
「俺がそんなことしたら、もっと俺の腕がつらくなるんだから、そんなメリットの無いことするわけないだろ。」
「そっか…。」
余裕を持って、家を出たので、何とか診療所へは無事たどりつくことができました。
\(^o^)/
お昼前の予約時間でしたが、ずいぶんと混んでいました。
それでも、予約時間を少し回ったところで、アルツ君の名前が呼ばれました。
ドクターがアルツ君に話かけます。
「具合はいかがですか?」
「具合ね~。あんまり良くないね~。」
エ━(;゚д゚)━・・
アルツ君にしてはずいぶんとネガティブな発言…。
いつもなら『元気、元気。どうして俺がこんなところに来るのかわからない。』ぐらいのことは言うはずです。
「は~。どこが良くないと思われますか?」
「わからないけど、なんかおかしんだなぁ…。」
かなり弱気な発言でしたが、顔は笑顔だったので、まあ許してあげましょうか…。
(^_^;)
以下が、ドクターからいただいた、脳のMRIの検査結果と心筋シンチの検査結果です。
コピーしてもらったものをさらに、携帯の写メなので画像はかなり粗いですが、ご容赦のほどを…。
▽引用
△引用頭部 MR検査報告書
患者ID:××××
年齢:83歳
依頼科:放射線科
依頼医:××××
撮影方法:単純MR
患者氏名:アルツ君
性別:M
入外区分:外来
使用薬剤:
検査日付:2012/02/13
病棟:
報告:2012/02/13
【検査目的・臨床情報】
(依頼病名)
パーキンソニズム、アルツハイマー病識別
(検査目的)
(検査コメント)
【所見】
- 拡散強調画像で高信号は認められず、ここ1ヶ月以内の急性期病巣は指摘されません。
- 体動制御困難があり、画質劣化が有る点ご了承ください。
傍脳室 Fazekas grade Ⅲ、深部白質 Fazekas grade 2中等度以上の慢性虚血性変化が認められます。- 大脳鎌下、硬膜下に薄い fluid collection が認められます。
- 3D T2*強調画像で右視床、左被殻、尾上核等に点状低信号があり、微小出血が疑われます。局在からは高血圧リスクのチェックを要します。
- 正中矢状断での中脳被蓋面積が80mm2と委縮を認めます。小脳脳溝拡大もあり、委縮が認められます。
- 動きのため画質悪く、統計解析は適応外か。中脳被蓋も含めて局在委縮の評価にはなっていません。このため変性性認知症合併評価などは他のmodalityと併せて検討が必要です。神経メラニン画像を試みましたが、体動制御困難があり、評価に至りませんでした。
【診断】
傍脳室 Fazekas grade Ⅲ、深部白質 Fazekas grade 2中等度以上の慢性虚血性変化
体動制御困難があり、統計解析、メラニン画像は適応外の可能性
側頭窩委縮、また中脳被蓋委縮があり、変性性認知症合併については検討を要すと思われ、臨床経過に応じてフォローアップ評価をお願いいたします。進行性核上性麻痺の症状出現などには念のためご留意ください。
▽引用
△引用RI検査報告書
部位:心MIBG
患者ID:○○○
年齢:83歳
依頼科:核医学診断科
依頼医:○○○
使用薬剤:ミオ(MIBG)111 MBq
撮影方法:SPECT
患者氏名:アルツ君
性別:M
入外区分:外来
検査日付:2012/02/13
病棟:
報告:2012/02/13
【検査目的】
○○診療所・○○先生からのご紹介(地域連携)、AD or パーキンソン関連疾患疑い、易転倒性、Rigidity、Tremor、せん妄、エピソード記憶障害、MMS:14点
【所見】
[Staic image]
Early image(左の画像)、Delayed image(右の画像)とともに、肺への集積と重なっていますが、集積は認められるようです。
H/M比:
Early image 3.338
Delayed image 3.215
と、H/M比は肺への集積もCountされており、参考値ですが、正常範囲(新装置:2.3以上)です。
Washout Ratio(WR) = 0.155
[SPECT]
心筋への集積は比較的良好です。
【診断】
心筋への集積は比較的良好で、心筋交感神経機能は正常範囲と考えられます。
AD>PD、DLBか。
素人のヤッチには細かな部分は何が書かれているのか、さっぱりわかりませんでしたが、確実にわかったことが1点。
『体動制御困難があり、画質劣化が有る点ご了承ください。』の文言です。
これ、前の記事(心筋シンチと脳のMRIの検査を受けてきました)を読んでもらうとわかると思いますが、あやつ、やはりMRIの装置の中でひと暴れしていたようです…。
(-_-;)
どうも装置の中で、頭を動かしたため、画像がブレて、上手く撮れていないようです。
だったら、「検査の時に、きちんと撮れよ。プロなんだからさ…。」という意見もあると思いますが、まあ、済んでしまったことは、軽く流しますかぁ…。
で、NHKの某番組のように、結論を先延ばしにしてきましたが、肝心なドクターの診断結果は…?
コマーシャルの後にします!?
明言は避けられた感が有りますが、ドクターは『進行性核上性麻痺』の疑いが一番大きいのでは!?ということがおっしゃりたかったような印象です。
「脳は全体的に委縮が進んでいますが、中脳の委縮が有るので、これが、お父様が転倒したりする原因ではないかと考えられるんですがね…。」
「ということは、レビー小体型認知症ではないということでしょうか?」
ヤッチがすかさず突っ込みます。
「心筋シンチの検査は、正常値できれいに映っていますから、画像を見る限りでは、レビーではないといえるかもしれませんね~。」
「では、まったくレビー小体型認知症ではないと?」
「いえ、これは、画像の結果の上での話ですから、今まで息子さんから、お伺いしたことを総合するとレビーではないと言い切れないところが有るかな~。」
ちょっと歯切れの悪いご回答…。
「では、レビーの可能性も有ると?」
「そうですね…。アルツハイマー型認知症が有るのは、間違いないことですけど、お父様のパーキンソン症状が出るのは、この進行性核上性麻痺から来ていることが大きいと思うんですよね…。」
「その進行性〇×□#△にもパーキンソン症状が出たりするんですか?」
「そうです。そうです。別名でいうと、PSP。見分けるのは難しいですが、中脳の面積が小さくなっていることからも、こっちの方が強いと思うんですよ。」
『進行性核上性麻痺』などという言葉を聞くのは、全く初めてだったのでドクターが早口で『進行性核上性麻痺』と簡単におっしゃるのをヤッチは診察が終わるまで、復唱できませんでした。
(-_-;)
別名でいうとPSP…。
何だよ。こっちの方が覚えやすいじゃん!?
読んでいる皆さんも一緒ですよね!?
さあ!!一緒に!!
プレイステーション・ポータブル!!
(-_-;)
どうもこの病気、難病に指定されているとか…。
▽引用
進行性核上性麻痺(しんこうせいかくじょうせいまひ、略称PSP (progressive supranuclear palsy))は、視床下核、黒質など脳内の特定部位の神経細胞が減少することにより、眼球運動障害(特に垂直方向)、歩行異常や姿勢異常(頭部や上半身の後屈)、進行すると痴呆や嚥下困難などを起こす疾患。特定疾患に指定されている。パーキンソン病との鑑別が難しいことがある。また、パーキンソン症と異なり薬物による治療法は現在ない。△引用ウィキペディアより引用
今までアルツ君がレビー小体型認知症ではないかと、疑っていたわけですが、また新たな展開です。
(^^ゞ
しかもまたまた長ったらしいネーミングの病気です。
(-_-;)
ドクターは続けます…。
「もし、お父様がこの病気だと、気休めにしかならないかもしれないですけど、メネシットという薬が有りますが…。これはパーキンソンを抑えるのに使う薬ですが、これを使ってみるのも一つの方法ですが…。」
「父の場合、当然アルツハイマーも有るわけですよね?」
「もちろん有ります。ただ、薬剤過敏が有るということですから、たくさんの量の薬は使えませんね。」
「レビー小体型の認知症の可能性も有るわけですよね?」
もう一度、ドクターに質問を投げかけてみることに…。
「もちろん、薬剤過敏が有ったり、幻視やパーキンソンも有るわけですから、無いわけではありません。」
どういう心境の変化かわかりませんが、アルツ君のレビー小体型認知症の可能性について、つい先日までは、否定的な考え方だったドクターの口から肯定的な発言が出たのは、正直、驚きでした。
いずれにしても、多方面から、病気のことを考えてもらえるなら、アルツ君にとっては、決してマイナスではないかもしれません。
ただ、この時にヤッチ自身には、ドクターの勧めるメネシットという薬についての知識が全くありませんでした。
ドクターの方が経験豊富で、その道のプロなわけですから、もしアルツ君がレビー小体型認知症である前提ならこの薬をみだり使用するわけは有りません。
でも、正直この時は、またこの薬を使って、アルツ君の症状が悪化してしまうのではという不安が有りました。
ドクターを信用しきれていない部分でもあります。
「メネシットという薬は脳のドパミンを増やす薬なんですが、これを少量から使ってみるのも方法なんですが…。通常の100なんですが、これの半分の量から使用していくという方法です。」
「なるほど…。父のパーキンソン症状にはこれが良いとして、今までのメマリーやイクセロンパッチなどは、今は飲んでいませんが、こちらはどうなんでしょうか?」
「たくさん飲むと、興奮するんでしたっけ?」
「いえ。その逆です。眠くなってしまいます。」
「そうすると、やはり薬剤過敏だよな…。」
「いままで、いろいろ薬の種類を変えたり、量を調整したりしてきましたが、どうも父にダメだしされているような感じで、上手いこと行っていませんでしたが、メマリーを半分に割って2.5mgにして飲んでもらっているときが、なんとなくではありますが、症状が安定していたように思えるのですが…。これよりもっと少ない量ならもっと良いかもしれません。」
「なるほどね…。ではどうでしょう!?アリセプトは通常は3mgから始めますが、これを半分に割って、1.5mgではじめてみるのは?」
ようやくドクターと意見が一致したような感じです。
アリセプトをこの量で服用してもらったことは今までに一度も有りません。
試してみる価値はあるかも!?
そう考えたからです…。
「まだ、この量ではやってみたことがないので、自分もこれには賛成です。もし、薬剤過敏が出たら中止しても良いのですよね?」
「もちろん、それは様子を見ている方の判断でやってもらって結構ですよ。」
結局、話し合いの結果、メネシットについては、アルツ君にアリセプトを1.5mg飲んでもらって、薬剤過敏が出ないかを確かめてからということになり、次回の課題になりました。
次回の診察までの2週間は様子を見るという形です。
結局、抑肝散は今まで通り、2.5gを夕食後の服用で処方してもらい、アリセプトを1.5mgを朝食後では、アルツ君の場合は、眠気の心配もあるので、夕食後の服用の処方にしていただきました。
ドクターには否定されると思ったので、申し上げませんでしたが、これに加えて、ヤッチが自分で購入したフェルガード100を朝夕に1包ずつ飲んでもらえば、もし、アルツ君がレビー小体型認知症も持っていれば、このサプリでアルツ君のパーキンソニズムにも効果が有るはず…。
フェルガードの効果がアルツ君の症状の進行を食い止めるカギになり得る可能性も有ります。
今後はメネシットが果たしてアルツ君のような症状を持つ人間に効果的なのか、また、この薬を使った場合、他の薬との飲み合せは大丈夫なのかなど、またまた課題が出てきてしまいました。
(^^ゞ
以上が、今回のアルツ君の検査結果についての診断の内容です。
アルツハイマー型認知症+レビー小体型認知症+進行性核上性麻痺と考えるのが適切なのか、アルツハイマー+進行性核上性麻痺なのか、あるいは、アルツハイマー+レビー小体型認知症なのかというハッキリした結論はいただけませんでしたが、とりあえずは、薬剤過敏に対して、ドクターが理解を示していただけたので、それなりの成果は有ったと考えるべきでしょうか…。
………………………………
診察を終えた時はすっかりアルツ君は腹ペコな状態…。
「お腹空いたでしょ?」
「お腹空いたって言うより、空いてるのにどうしてくれんだってお腹が泣いてるぞ!?」
「何が食べたい?」
「何でもいいよ。食えれば。」
「あそこにマックが有るぞ?食べてみるか?」
「何でもいいよ~。」
まったく考える気力なしです…。
(-_-;)
アルツ君にハンバーガーはどうなのと思ったのですが、意外に本人には新鮮だった様子。
ブロードウェイバーガーにナゲット、それにポテトのSを注文。
ちょっと、後で胃がもたれそうな勢いですが、よっぽどお腹が空いていたらしく完食です。
(*^_^*)
ヤッチの方が途中下車でギブアップです。
(-_-;)
「お前、これっぽっちでもう根をあげてるのか?胃袋の鍛え方が足りないんじゃないのか!?」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ドクターがアルツ君の進行性核上性麻痺ではないかとおっしゃったのには理由が有ります。
診断の後半、アルツ君に実際にドクターがドクターの指を横に動かしたり、縦に動かして、これをアルツ君に目で追うようにおっしゃった時のこと。
アルツ君、横の動きに対しては、なんの問題もなく、目で追うことができたのですが、縦(上下)にドクターが指を動かすと、ゆっくりの動きにもかかわらず、この動きに上手く追いついて行くことができませんでした。
なんでもこの進行性核上性麻痺という病気は、眼球運動障害(特に垂直方向)が出るのが特徴だそうです。
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こんにちは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
繰り返しで恐縮ですが、はじめてこのブログの記事をご覧になる方のために、ちょいと前置きを…。
- 主治医
- アルツ君のかかり付けの医師。
クリニックは自宅から数分のところに有り、認知症関連以外の降圧剤や便秘薬を処方してもらっています。 - ドクター
- 主治医に紹介状を書いてもらい、紹介していただいた認知症を専門に扱う医師。
診療所へは、バスと電車を乗り継いで通う距離。
アルツ君の『進行性核上性麻痺の疑い』の診断はこのドクターから受けたものです。
([関連記事]:アルツ君の診断結果~進行性核上性麻痺の疑い)
現在は、こちらで認知症関連の治療を…。
話しがややこしくなるので、便宜上このネーミングで記事を書かせてもらっています。
で、昨日は普段かかり付けの主治医のクリニックに、アルツ君と診察を受けに行ってきました。
ヤッチだけで行ってもよかったのですが、ドクターの診断の結果を報告する都合もあるし、このところ主治医にはアルツ君は顔を出していないということもあって、運動を兼ねてのお出かけです。
それにしても、アルツ君、ヤバヤバです。
(ー_ー)!!
主治医のクリニックは歩いて数分の場所ですが、アルツ君、2,3歩歩いたところで、すでに身体が前のめり…。
すぐさま、ひざが笑ってしまい、転倒しそうになります。
ヤッチと腕を組んで歩いていましたが、アルツ君のひざが笑うたびに、ヤッチの腕にアルツ君の体重がかかります。
アルツ君がひざが笑うと、アルツ君の身体が沈み込むので、一瞬アルツ君がヤッチの視界から消えるような格好になります。
その瞬間、アルツ君がヤッチの腕にしがみつくので、腕にアルツ君の体重が載ってきます。
体重がかかるだけなら良いのですが、どうもこのひざが笑う瞬間は、アルツ君の身体がこわばるようなので、腕にそのテンションまで伝わってきます。
野球でいうところの球威が重いとでもいうのでしょうか、釣りでいうところでは大物が釣り針にかかったというのでしょうか…。
こんなにアルツ君の身体が重いと感じたことはなかったように思えます。
以前、アルツ君が食事の最中に突然首をカックンと垂れて寝てしまうことから、これを『カックン病』と名付けましたが、この名前をとって置いた方が良かったようです。
(-_-;)
ひざがカックンとなり、ヤッチの視界から消え、腕にテンションがかかる発作的な症状です。
とりあえず、『カックン発作』とでもネーミングしておきましょうか!?
これでは、おそらく今年の流行語大賞は獲れないと思うので、よきネーミングがあれば、コメントなんぞに書いていただけるとありがたいです。
採用された方には毎度のことながら、アルツ君の尿失禁済みの紙パンツを簡易梱包のまま、着払いにてお贈りさせていただきます。(生ものですので、お早めに…。)
さてさて、何歩か歩いては、『カックン発作』を繰り返し、少しずつではありますが、前進です。
「今日は絶不調だな~。今までで一番ひどいんじゃないか~。」
ヤッチがアルツ君に話しかけます。
「なんでだろ!?こんなの初めてだぞ!?」
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
今までにも何度もこの発作が有るのに、まったく覚えていない様子…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
「えー!!外に出ると年中この有様じゃないか!?おかげでこっちは腕が筋肉痛だぞ!?」
「ばか言え!!俺がお前の腕を鍛えてやってんだぞ。」
「鍛えるなら、自分のひざを鍛えろよ。こっちは外に出るたび、大物の魚を釣りに来てるみたいだぞ。」
「いいじゃないか。大物なら、いっぱい食えるぞ。トロが食えるぞ。」
「トロ!?腐りきった脂身だろう?まずくて食えたもんじゃないよ。」
「お前は、何にも知らないんだな~。肉は腐りかけが一番美味いんだぞ。」
「じゃあ、焼いてみるか?」
「いやだっ!!」
どうにかこうにか主治医のクリニックに到着です。
ヤッチの腕はプルプル言っちゃってます…。
(((・∀・)))プルプル
受付に診察券を出す手も震えています。
(((・∀・)))プルプル
決して受付のきれいなお姉さんを目の前に緊張しているわけではありません。
(((・∀・)))プルプル
ほどなく、診察室に呼ばれます。
ヤッチはアルツ君が脱いだ上着やら帽子を拾い上げている間に、先にアルツ君が一人で診察になだれ込みます。
診察室に用意されている丸椅子に手をつき、座ろうとした瞬間、アルツ君のカックン発作です。
「大丈夫ですか!?」
近くにいらした看護師さんが慌ててアルツ君に駆け寄ります。
「大丈夫だよ。ちょっと滑っただけだよ。」
後から診察室に入ったヤッチは看護師さんと二人でアルツ君の身体を起こし、椅子に座らせます。
主治医も手を下そうと立ち上がり、一部始終を見ています。
それでも主治医はアルツ君を笑顔で迎い入れてくれます。
「転倒は危険ですね~。いかがですか?お久しぶりですね。お元気でしたか~?」
「まあ、身体は元気だね。どっこも痛いところが無いね。」
でたっ!?
今、『カックン発作』のくせに…。
(-_-;)
「そうですかあ。お元気なのは何よりですね~。調子の悪い所はないですか?」
「調子!?調子は良くもないけど悪くもないね~。まあ、普通だね。普通。」
「そうですか。調子が悪いのは困りものですけど、普通なら何よりですよ。」
病人だから、ここへ来ているはずなのに、この会話が不自然に思えたのはヤッチだけでしょうか…。
主治医のところへは、先日の診察結果がドクターから書簡で届いているようで、すでにアルツ君の病名は御存知のようです。
主治医はヤッチに話しかけます。
「こういうこと(アルツ君に進行性核上性麻痺の疑いがあること)でしたか…。これからがすこし心配ですね…。ご家族の介護が今後大変になるかもしれませんね~。訪問でヘルパーさんは来ているのですか?」
「いいえ。今はどなたもいらしていません。」
「そうですかあ…。それでは、早目にヘルパーさんを頼んだ方が良いかもしれませんね~。ケアマネさんはこの事を知っておられるのかな?」
「それは、先日ケアマネさんがいらしてくれたので、伝えてあります。公費負担のこともいろいろ調べて、お返事を下さることになっています。」
「そうですか。それは良かった。なるべくなんでも先々手を打っておいた方が良いですよ。でないといざという時に間に合わなくなることが多いですから…、住宅改修も含めて、話をなるべく早く進めておいた方が良いですよ。」
介護保険である程度は賄えるにしても、先立つものが無いわけで…。
(-_-;)
先手を打つなら、主治医に無利子のニコニコ金融になってもらいところですが、残念なことに畑違い…。
(-_-;)
主治医に『同情するなら金をくれ!!』とは言えないわけで、しかもアルツ家は借家住まい…。
ここは主治医の話を黙って『ふん、ふん』と聞く意外に方法が有りません。
(つд⊂)エーン
主事医はアルツ君の方に向き直ります。
「お父さん。どうですか。」
しばし、主治医とアルツ君はにらめっこ。
お互いに口角は少し上がった状態です。
☆・*:.。.笑.。.:*・☆
負けたのは主治医の方。
先に主治医が口を開きます。
「お父さん。どうですか?車椅子に乗ってみませんか?」
主治医は神妙な面持ちではなく、終始笑顔です。
(*^_^*)
「車椅子ね…。」
「嫌ですか~。」
「嫌っていうわけじゃないけど、好きじゃないね~。」
「あまり、好きな方はいないと思いますが、これから移動したりするときは必要になってくると思いますよ。」
「車椅子ね…。あれは病人が乗るものだろ?」
主治医も二の句が継げないご様子。
(^_^;)
「必要なければ、使わなければ良いのですから、保険だと思ってご用意なさったらいかがですか?」
「車椅子ね…。」
「ダメですか…??」
「どっか行くときは、車椅子じゃなくて、俺が転がって行くよ。」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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© 2021 アルツ君は職人
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色々と手続き上、面倒な過程を踏まないと、キノコさんの治療は受けられない状態でしたが、何とか福祉事務所で、治療を受けられるようにしていただいてきました。
高齢者相談センター(地域包括支援センター)やキノコさんの生活保護の担当ともいろいろとありましたが、あまりこの辺について、記事にしてしまうと、読んでいる方に不快感を与える内容なので割愛させていただきます。
今のヤッチは役所に噛みつくよりは、明日のわが身を考えようという気持ちに切り替わりつつあります。
かなり冷静さを欠く発言を役所の人にもしてきましたし、このブログでも不適切な内容が有ったことを反省しています。
今さらですが、やはり、お金もなければ、住む家も無いのですから、行政の手を借りなければ、生きて行けません。
もうこれ以上、役所批判は止めようと思います。
一昨日のキノコさんの治療の手続きの中で、高齢者相談センターの支援係長とも話しあう機会が有り、その時、ヤッチは施設を拒むキノコさんに独居(一人暮らし)も有りなのではないのかという提案もしてきました。
高齢者相談センターにこの考えはなかったらしく、少しビックリした様子でした。
キノコさんはまだ介護保険上、要支援の身の上なので、身の回りのことはじゅうぶん自分でこなすこともできます。
生活保護のお世話になりながら、独居の生活ならば、ヘルパーさん(介護保険)を使うことが可能です。
体力的にかなり不安ではありますが、脱出までしてきた施設の生活よりは精神的な負担はこちらの方が軽いはずです。
これを高齢者相談センターに提言してきました。
そして、家に帰り、キノコさん、兄、姉、ヤッチの4人で今後について話し合いました。
まずはキノコさん…。
養護老人ホームなどの施設での生活について…。
自ら脱出してきたくらいですから、この選択肢はなくなりました。
では、キノコさん、兄、ヤッチの3人の生活は?
これについては、ヤッチがどうしても兄との同居が嫌です。
この選択肢も無し。
兄とキノコさんとの生活は?
当初はこれがベストかなと思ったのですが、兄は口では構わないと言うものの、言葉の端端にあまり気が進まないオーラが出ています。
また、ヤッチ的に兄の金銭感覚に疑問が有るので、不安は残ります。
キノコさんも最初はこれを望んでいたようですが、なんとなく浮かない表情です。
ヤッチがキノコさんに問いただします。
ヤッチ:「今ここで、自分の気持ちをはっきりと言わないと、後で脱走はできないんだよ。嫌なら嫌とはっきり言わないと後悔するからね。」
キノコさんの答えは兄との生活はやはり嫌だとの事…。
今度はヤッチとキノコさんの生活について…。
ヤッチはウェルカム状態です。
これには姉が異議を唱えます。
姉:「お前は自分だけのことを考えなさい。もうお前にこの家の犠牲になってもらうのは、私の方がつらくなるから…。お願いだから我慢して。キノコさんも分かってあげて。」
キノコさんも首を縦に振ります。
少ない選択肢ではありますが、残るはキノコさんの独居(一人暮らし)です。
果たして、一人暮らしが高齢のキノコさんに出来るのか?
まわりに家族が居るから、自分のことができているように思えるだけで、実際に一人になったらどうなの?
でも、意外や意外…。
キノコさんにとってはこの選択肢が一番『アリ』だったようです。
キノコさん:「一人だって大丈夫よ。」
姉:「ほんとに?お金の事だって、何でも自分でやって行かなくちゃならないのよ。強がり言って、後で『やっぱり…。』はできないんだからね。」
切り出したのは姉です。
キノコさん:「わかってるわよ。」
姉:「ほんとにわかってるのかしら?後で、気が変わって施設が良かったなんて言わない?」
キノコさん:「二度とあんなところに行くもんですかっ。」
一人暮らしをするくらいなら、施設の方が楽なんじゃないかとも思えるのですが、彼女の価値観なので仕方ありません。
少ない選択肢の中で本人のベストな選択なのですから、それを尊重しないわけにはいきません。
姉:「じゃあ、住むなら家族誰かのそばに住むのがいいわね。しかもパパのいるところに気軽に足を運べる場所がいいわね。明日物件探しに行ってみようか?」
思い立ったが吉日の姉です。
アルツ君はまだどこに居るかわからないんですけどね…。
逆らえる相手は誰も居ません。
「あんた(ヤッチのこと)のアパートを探してくれた不動産屋さんに行こう!もう一人お客さんを連れてきましたって言うのよ。」
さっそく次の日、姉、キノコさん、ヤッチで不動産屋さんに向かいます。
不動産屋さんに行くと、ヤッチにアパートを紹介してくれた社員さんもいます。
ヤッチはその社員さんに声をかけます。
ヤッチ:「北朝鮮からの脱北者を連れてきました。母なんですけど、亡命を希望しています。」
不動産屋さんキョトン顔です。
不動産屋さんには脱走のことは教えていませんでしたが、これまでの経緯については説明しています。
社員さん:「ほんとですか?帰って来られたのですか?」
ヤッチ:「帰ってきたのではなく、脱走もしくは逃げ出してきたんですよ。」
社員さん:「マジですか?」
ヤッチ:「そうなんですよ。それで迷える子羊の物件を探して欲しいんですよ。しかもまたもや生保(生活保護)前提です。」
社員さん:「失礼ですが、お一人で生活されるのですか?」
ヤッチ:「83歳、多分、棺桶に片足がどっぷりつかっていますが何か?」
社員さん:「ほんとですかぁ…。有るかな…。」
ヤッチ:「足ならまだ有りますよ。無いのは住む家ですよ。」
83歳と言う高齢に加え、生保ですから狭き門は必至です。
社員さん:「うん…。」
ヤッチ:「これを探すことができれば、宅建を返上して、司法試験に合格できるよ。ちょっと探していただけませんか?」
不動産屋さんの店内があわただしい雰囲気に変わります。
なんと、社員の皆さん総出で物件探しに当たってくれています。
電話をかける人、パソコンをパチクリする人、片っ端から物件情報をピックアップする人…。
でも、出てきた物件はたった3件だけです。
今の御時世、高齢者と言うだけで敬遠されてしまうようです。
でも、物件が有っただけでも喜ばないといけないかもしれません。
今度は不動産屋さんの車でそのピックアップされた物件巡りです。
最初の1件目。
駅から最寄り駅まで徒歩1分のナイスなロケーションです。
商店街の中ほどの少し奥まった路地を入ったところです。
通勤の人には申し分のない物件です。
少々間取りが狭い感じは有りますが、高齢者の一人暮らしなら、さほど気にならない程度です。
ただ、残念なことに、洗濯機置き場が見当たりません。
室内、玄関前の外、ベランダにも水道や電気のコンセントが見当たりません。
不動産屋さんにも問い合わせてもらい、確認してもらいましたが、やはり洗濯機置き場は最初から無いようです。
洗濯好きのキノコさんにはちとかわいそうな部屋となってしまいました。
近くにコインランドリーも無いので、やはり物理的に無理が有ります。
ヤッチ:「近くに、桃が流れてくる川でも有ればいいんだけどなぁ…。」
ヤッチがため息を漏らします。
駅まで徒歩1分なのに部屋が空いているのはこのせいかもしれません。
この部屋はボツとなりそうです。
次は2件目の物件。
不動産屋さんの車に乗っていると、何だか見覚えのある風景。
そうです。
ヤッチの決めたアパートのすぐ近くです。
案内された物件は、ヤッチの決めたアパートから200mくらいのところに有りました。
外観もとてもきれい…。
日当たりもよく、ベランダも広いのでちょっとした家庭菜園でもできそうな感じです。
カギを管理会社の人が持ってくると言うので少し待ちます。
しばらくすると、管理会社のお姉さんが来てカギを開け、部屋を見せてくれました。
おっと!!
中もきれい…。
お姉さんもきれい…。
ヤッチ:「なんだよ、こっちの方が俺が決めた物件より良かったじゃん!!」
ヤッチはちょいと後悔の言葉を漏らします。
もちろん、後悔した要素の中にお姉さんがきれいだったことが一つに有ることは否めません。
ただ、この物件…。
生活保護の条件となっている賃料53,700円を4,300円オーバーてしまいます。
つまり、福祉事務所が認めても、4,300円は自己負担になってしまいます。
また、賃料が高すぎるということで、許可が出ない可能性も有ります。
キノコさん、この物件が気に行っている様子です。
バス、トイレが別で、綺麗なフローリングだし、ロフトも付いています。
高齢のキノコさんがロフトにハシゴで登るのはとても無理だし、危険なので、必要ないと思いますが、綺麗な内装にキノコさんは一目惚れのようです。
姉が不動産屋さんに声をかけます。
姉:「母と弟の二人がそちらで仲介していただくんだから、(家賃のほう)何とかなりませんか?」
やや無謀とも思える値切り交渉です。
それでも、自己負担額を3,000円にまで縮めることに成功しました。
微妙ではありますが、この金額なら、福祉事務所も認めてくれそうな感じも有ります。
物件を見終ったあと、管理会社のお姉さんが、「一階にもう一部屋空き部屋が有りますよ。」の一言にヤッチの後悔はマックスです。
しかし、すでにヤッチが決めてしまった物件には、もう大家さんに家賃の振込口座を書いてもらうお願いまでしている状態なので、後戻りすることはできません。
先にヤッチの決めた物件は保証協会の審査が有るので、この審査が通らなかった時には、新たにこっちを押さえてもらおうということになり、3件目に移動です。
3件目はまだ部屋に人が住んでいます。
近日中に退居予定の物件なので、中を見ることはできません。
しかし、中を見なくても結果は出ています。
日当たりが悪すぎです。
しかも、1階とは言え、段差が有り過ぎて、とても高齢者向きではありません。
何よりも、キノコさんは、2件目の綺麗なお姉さんの居た物件に心づもりを決めているらしく、3件目の物件に興味を示しません。
結局、消去法の末、ヤッチの先に決めた物件にそう遠くない2件目の物件にキノコさんの新居を移す予定に…。
これを福祉事務所が認めてくれなければ、また振り出しに戻らなくてはなりません。
そして、その前に、福祉事務所がキノコさんの独居を認めてもらえないと、生活保護の受給の仕方そのものを考え直さなくてはなりません。
月曜日にキノコさんと福祉事務所に出向き、生活保護の受給申請をするつもりです。
またまた、通る通らないによって、新たな選択を迫られることになってしまいました。
そして最後にアルツ君のことです。
脱走してきたキノコさんの話によると、高齢者相談センターで兄とキノコさん、アルツ君が面会したその日に、アルツ君はこれまで保護されていた施設とは違う、別の施設に移送されたようです。
キノコさんとアルツ君もその日を境に会っていません。
そして、アルツ君が特養(特別養護老人ホーム)に移送されたと記事に書かせていただきましたが、まだ特養に移っているわけではなく、特養の空きを待つために、さらに新たな施設で保護されているようです。
今回の脱走で、キノコさんのヤッチの虐待は取り消される形になりましたが、ヤッチはアルツ君に対しては、虐待者のままです。
賛否分かれるところですが、身の潔白を晴らそうとすると、アルツ君は特養には入れなくなってしまいます。
また帰る家も無くなります。
特養には入所待ちの方がたくさんいて、そう簡単には入所できないと聞きます。
アルツ君の『進行性核上性麻痺』という病気の進行が進めば、在宅介護では手におえないという事実も有ります。
このまま、ヤッチがアルツ君に対して虐待者のままでいれば、アルツ君は手厚い保護を受けることができるわけです。
複雑な心境ですが、ヤッチは虐待者のままでいようと考えています。
家族の意見もこれで一致しています。
高齢者相談センターの異例の配慮で、アルツ君の保護されている施設ではなく、高齢者相談センター内ならヤッチを含め家族全員がアルツ君と面会できるように段取りを組むという回答もいただき、これも月曜日にどうかと聞かれています。
家族全員の意見をまとめて返答するように言われています。
ヤッチはずいぶん長い時間、アルツ君の声を聞いていないし、顔を見ていません。
家族の意見調整はまだしていませんが、ヤッチは当面の間アルツ君と面会するのは辞退しようと考えています。
アルツ君の顔を見たら、今のままでは、心変わりしてしまうのが怖いです…。
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
ずいぶん長いこと更新をさぼってしまいました。
(^^ゞ
言い訳になってしまいますが、自分の引越しはわけなく終わったのですが、キノコさんの引越しがことのほか手こずってしまいました。
御存知のように重い荷物を持てないキノコさん…。
新しい部屋に運び込まれた段ボール(荷物)の山を自分で処理することができません。
ヤッチ自身の部屋の荷物を後回しにして、まずはキノコさんの部屋の荷物の処理です。
何日かかけて、ようやく不自由のない状態まで持って行き、今度は、住所変更などの役所関係の手続きや銀行口座などの変更の届け出です。
最近は、本人確認書類などが厳しくなり、キノコさんの代理でヤッチが届け出をすることもできないものが有り、そういう時はどうしてもキノコさんと一緒に出掛けなくてはなりません。
83歳という高齢も有り、役所一つに行くのも1日がかりになってしまいます。
生活保護を受けるようになると、国保などから外れることになり、被保険者証というものは有りません。
そう…。
身分証明書になるようなものが、少なくなってしまいます。
代わりに生活保護を受けるようになると、『生活保護受給証明書』というものをもらいます。
A4の再生紙に区長の印が押された極々簡単な証明書です。
これが身分証明書になるかと思いきや、意外に認めてくれないところが多いんですね。
それでも、たいがいのところの手続きは何とか済ますことができ、少し落ち着いてきたところでしょうか…。
さて、『記事にする』と申し上げておきながら、長らく更新せずに、ブログを放置したままになってしまいましたが、今日は1ヶ月も前にになる4月9日のアルツ君の診察について書いてみたいと思います。
診察は、普段掛かり付けの近所の主治医ではなく、認知症関連を診て下さっているドクターによる診察です。
未だ高齢者虐待防止法の保護下のアルツ君なので、アルツ君は保護されている施設から高齢者相談センターの職員さんが、診療所まで連れてきます。
ヤッチはアルツ君の診察の予約時間に合わせて自宅から診療所に向かいます。
予約時間は、お昼前の11:50。
中途半端な時間だったのでお昼ご飯は食べられません。
ちょうど予約時間に診療所に到着です。
まだアルツ君は来ていないようです。
診療所の廊下が待合室になっているのですが、席が空いておらず、廊下の突き当たりまで行き、ようやく空いている席をみつけます。
アルツ君、どんな感じで登場するのでしょう…。
少し、ヤッチも緊張した面持ちで、アルツ君の登場を待ちます。
しばらくすると、自動ドアの外にアルツ君の姿が見えます。
男性の職員が同伴しているようです。
自動ドアがアルツ君の姿に反応して開きます。
職員さんに付き添われ、アルツ君が診療所の中に入ってきます。
大勢の患者さんが待合室に腰かけているので、ヤッチもまぎれてしまって、アルツ君はヤッチの姿に気がつかない様子です。
ヤッチはアルツ君に向かって軽く手を振ります。
それに気づいたのか、たまたまだったのかわかりませんが、アルツ君がヤッチに気づいたようです。
その途端にアルツ君の表情が険しく変わります。
アルツ君:「お前っ!何でこんなところにいるんだっ!またばあさんかぁっ!」
入り口付近から、廊下の一番突き当りにいるヤッチに向かって、アルツ君が絶叫したものですから、一斉に中にいた患者さんが、アルツ君に注目です。
アルツ君:「なんでお前がこんなところにいるんだっ!」
以前記事にさせていただいた高齢者相談センターでの面会の時と同じように、アルツ君、大興奮です。
ちょっと殴りかからんばかりの勢いすら有りました。
ヤッチ:「まあ、まあ…。座ろうよ。」
ヤッチが近づいてきたアルツ君に声をかけます。
アルツ君:「なんで俺がこんなところに腰かけなくちゃいけないんだっ!ここは病人が来るところだろっ!俺はどこも悪くなんかないぞっ!」
ヤッチ:「まあ、まあそう言わずにとりあえず、座ってみようよ。」
アルツ君:「座ってる暇なんかないんだぞっ!俺は忙しいんだっ!」
ヤッチ:「そっか…。忙しんだぁ…。なんの仕事をしてるんだい?」
アルツ君:「そんな大した仕事なんてしてないさ。それより何で俺がこんなところに来なくちゃならないんだ?」
ヤッチ:「仕事するにしても、どっかぶっ壊れてたら、仕事続けられないだろ!?病気になっていないかの定期点検だよ。車で言えば、車検みたいなもんだよ。」
アルツ君:「お前ね。車検を受けるにしても、金がいるんだぞ。金も銭も無いと何にもできないんだぞ。お前はわかってるのか?」
アルツ君、興奮気味ではありますが、ちょっとだけ落ち着きを取り戻したようです。
ヤッチ:「お金のことは心配しないでも大丈夫だよ。それより桜の花は見たのか?来る途中、ちょうどいい感じに咲いてたんじゃないのか?」
アルツ君:「桜もへったくれもあるかっ!!ああぁあ…。世の中おしまいだっ…。」
ヤッチ:「今居るところで何か有ったのか?」
アルツ君:「何にも有りゃしないさ。それより、俺は家には帰らないからな!今居るところもいつまで居られるかわからないんだからっ!」
ヤッチ:「それじゃあ、行くところが無くなっちゃうじゃないか。」
アルツ君:「そんなこと、俺の知ったことか…。」
怒鳴り疲れたのか、アルツ君、急に静かになって、目を閉じてしまいました。
ちょうどその時、高齢者相談センターの支援係長さんが、待合室に入ってきました。
どうも、車を駐車場に入れに行っていたらしく、空が無くて、てこずっていたようです。
アルツ君が目を開け、またもや興奮です。
アルツ君:「なんで、大勢して俺をこんなところに連れて来やがるんだっ!!」
アルツ君が、スクッと立ち上がりました。
今までに見たこともない軽い動きです。
ヤッチ:「何?どうしたの?」
アルツ君:「うるさいっ!!俺は帰るっ!!」
ヤッチ:「帰るってどこへ?」
アルツ君:「うるさいっ!!どこへ行こうが知ったこっちゃないっ!!」
ヤッチはアルツ君の腕をつかもうとしましたが、アルツ君、それを振りほどいて、出口に向かおうとします。
ヤッチ:「ちょっと、待とうよ。」
ヤッチはアルツ君を後ろから羽交い絞めにして逃げられないようにします。
高齢者相談センターの職員さんが二人も見ているというのに、思い切り後ろからホールドしてしまいました。
当然、高齢者虐待防止法を熟知している職員さん二人は、アルツ君に静止の声をかけるだけで、指一本触れようとはしませんでした。
ヤッチ:「とにかく、もう少しで先生に呼ばれるから、先生にどこが悪いのかはっきり聞いてみようよ。どこも悪くないなら、すぐに帰れるよ!」
アルツ君:「ふん、医者なんて、悪くなくたって、悪い所見つけるんだよ。それが商売だからな。」
ヤッチ:「それならそれで、突き返してやればいいさ。ちょっとだけ待とうよ。」
アルツ君:「ふん、仕方ないなぁ…。」
しばらくすると、診察室からドクターが顔を出し、アルツ君の名前を呼びます。
ドクター:「外で元気な声を出していたのは、○○さん(アルツ君のこと)でしたかあ…。どうですかぁ?調子はどうですか?」
診察室に入ったアルツ君に、ドクターが声をかけます。
アルツ君:「悪いっ!!」
ドクター:「どこが悪いんですかねえ?」
アルツ君:「どこもかしこも悪いよ。」
ドクター:「そうですかあ…。ここはどこだかわかりますか?」
アルツ君:「どこだかわからないねっ。家になんか帰れるわけがないっ!!」
今度はドクターが高齢者相談センターの職員さんにアルツ君の最近の状況についてたずねます。
そう…。
ヤッチは前回の診察からずっとアルツ君と生活を共にしていないので、この1ヶ月の病状は全くわかりません。
支援係長さんが、答えます。
支援係長さん:「施設では穏やかなご様子ですよ。施設ではコミュニケーションも取れて、歩行訓練を『仕事』だと思っていらして、一生懸命歩いていらっしゃいますよ。ただ、やはり夜中に頻尿は有るようです。」
少し腑に落ちない発言に感じました。
施設では穏やかで、家族に会うと興奮してしまうのは、なぜ故と言いたいところでしたが、今回の診察は、ヤッチはあくまでもオブザーバー…。
ドクター:「仕事ですかぁ…。今日は桜の花がきれいに咲いていたんじゃないですか?」
アルツ君:「桜なんて俺には関係ないよ…。」
アルツ君、この日は興奮しているせいなのか、小刻みだった歩行も改善されて前のめりだった腰も幾分伸びて、身長が高くなったようにも見えます。
眼球障害も出ていないようです。
興奮ということを除けば、ドクターからすると可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。
何だか変な雰囲気になり、一同沈黙の状態になります。
アルツ君は待合室で待つように促されます。
高齢者相談センターの男性職員が付き添い、アルツ君は待合室へと。
診察室にはドクターと支援係長さん、ヤッチの三人が残ります。
支援係長さんが切り出します。
支援係長さん:「○○さん(アルツ君)ですが、先生の診断はいったいどういったものなのでしょうか?」
ドクター:「ご家族にはお話ししたのですが、まだそちらにはお教えしていませんでしたっけ?正直、ハッキリしたことは言えませんねえ…。」
支援係長さん:「進行性核上性麻痺(難病)ではないのですか?」
ドクター:「そうですねえ…。絶対的に進行性核上性麻痺とは言い切れないところが有りますねえ…。これは今後、どういう症状が出てくるかで変わってくるかもしれません。転倒が多いということでパーキンソン関連疾患のどれかだということは言えると思います。画像を見る限りではPSP(進行性核上性麻痺)の疑いが強いですね。大脳皮質基底核変性症なんていうのも考えられますから…。純粋のアルツハイマーではないということだけは確かです。アリセプトに対してもたくさん使うと薬剤過敏が有るので、使える薬が無いのが現状というところでしょうかね。ドーパミンなどもPSPだとすると効かない可能性の方が大きいですね。PSPだと前頭葉に障害が出やすいということも言えます。」
支援係長さん:「そうですか…。今後注意しなければいけないことは何でしょうか?」
ドクター:「これもご家族には申し上げましたが、一番気をつけなければいけないのは転倒ですかね。」
支援係長さん:「先生、今日は先生に書いてもらおうと思って書類をお持ちししたんです。難病申請の書類です。この書類、難病の種類によって書類も全部違うんですね?」
ドクター:「それは、やめときましょうよ。どの道生保(生活保護)で全額公費負担になるんだし…。」
ドクターは明らかに書類を書くのが面倒だといった表情です。
支援係長さん:「いえいえ、一応書いていただかないと…。」
ドクター:「でも、書く項目を正確に埋めていくと、今の○○さんの症状からは、申請が通らない可能性がありますよ…。」
ここで、明らかに支援係長さん、ヤッチに『席を外せ』というアイコンタクトです。
それを察してヤッチも待合室に戻ります。
アルツ君は目を閉じたまま、待合室の長椅子に腰かけじっとしています。
何だか、毎日一緒に過ごしていたのに、ずいぶん長い時を刻んでしまったような錯覚に陥りました。
いつもなら、冗談の一つも交えるのに、その日は全くそんな気分にもなれずにいたのを記憶しています。
まだ、アルツ君は、移送された施設(最初に保護された施設とは別の施設)で特別養護老人ホームの空を待っている状態だと聞きます。
現在アルツ君がいる施設での面会はヤッチはもちろんのこと、他の家族も許されていません。
4月26日に今、アルツ君の居る施設ではなく、高齢者相談センターの会議室でふたたびアルツ君と面会することができました。
次回は、この様子について書きたいと思っています。
長らく、ブログを放置したままになってしまい、心配してコメントを下さった皆さん、ありがとうございました。
また少しずつ記事を書き足して行きますので、よろしくお願い申し上げます。
まだ、笑えるような記事は書けそうもないので、少々堅苦しいかもしれませんが、気長に待っていて下さいね。
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
このところ、連チャンでアルツ君のいる施設へ面会に行っています。
というのも、姉の自宅がアルツ君の施設に近いということもあって、姉が会社帰りに毎日のようにアルツ君に面会に行っていたのですが、体調が悪いらしく、アルツ君のところへは行っておらず、会社も休んでしまっているようなのです。
アルツ君にこのことを教えると、心配して情緒不安定になってしまうかもしれないので、アルツ君にはこのことは内緒でヤッチがピンチヒッターで面会に行っているというわけです。
もちろん、キノコさんもアルツ君のところへちょこちょこ顔を出しています。
先日もお話しした通り、アルツ君、キノコさんのことが気になって気になって仕方ありません。
ですからキノコさんが顔を出さないわけには行きません。
そして、相変わらずのことですが、アルツ君は施設に入所しても、おしっこを上手くできません。
(ー_ー)!!
施設では、洗濯を専門にやっておられる職員さんもいらっしゃるのですが、施設の方から連絡が入り、アルツ君の着替えのズボンが不足しているので、ストックが有れば、持参してくれとの事…。
相当な枚数を持って行っているはずなのに、すさまじい消費量です。
施設では、紙パンツにパッドもつけているので、仮にお漏らしをしてもそんなにズボンが足りなくなるはずがありません。
紙パンツを履いていても、やはり自分でトイレに行き、そこで自分のムスコさんを出し、その時に失敗して、自分のズボンにおしっこを噴射しているとしか考えられません。
アルツ君のズボンは冬物以外はすべて持参しているので、ストックは有りません。
仕方ないので、安売りのズボンを買って施設に向かうことに…。
最近アルツ君に履いてもらっているのは、ジャージのようなハーフパンツばかり。
施設に入所してしまっているので、ほとんど外出することも無いので、ベルトループの付いたようなものは皆無です。
しかも、濡らすことが前提になっているので、速乾性の素材のものばかりです。
1枚くらいはまともなを持って行ってやろうと前閉じのジッパーの付いた物も購入しました。
『らくらくゆったりパンツ』というタグが付いていたので、迷わず、Lサイズをチョイスしました。
一時は太っていて、LLサイズじゃないと胴回りが入らない時がありましたが、最近ではたいていLサイズでOKです。
『ゆったり』なんてタグが付いているくらいですから、LLサイズを買って丈が長すぎるというリスクは回避できます。
会計を済ませてアルツ君の居る施設に向かいます。
施設に到着し、入館手続きを済ませて、3階に上がると、アルツ君、廊下に設置されているテーブルの前で椅子に腰かけ、お茶なんぞをすすっています。
施設は廊下にいくつかのテーブルを置き、そこをロビーのようにして利用しています。
介護士さんが事務をするナースステーションのような所から目の届く範囲なので、この方がもしかするとお世話をしやすいのかもしれません。
ヤッチの姿に気がついたアルツ君が声を掛けてきます。
アルツ君:「なんだ?もうお前学校終わったのか?」
アルツ君の中では時が止まってしまっているようで、アルツ君の頭の中ではまだヤッチは大学に通っていることになってしまっています。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
もう、20年以上も前なのに…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ヤッチ:「学校!?ああ、もう終わったよ。」
否定もせずに適当に流します。
アルツ君:「それはそうと、どうしてもお前に聞いて置きたいことが有るんだけどさ…。」
ヤッチ:「なに!?かしこまって。」
アルツ君:「いや、ここじゃなんだから、俺の部屋に来いや。」
何だか、アルツ君の顔は真剣そのものです。
???
ヤッチ:「まあ、いいからそこに座れよ。」
部屋に入るとベッドの前に有る椅子を指さし、ヤッチはそこに腰かけます。
ヤッチ:「何?なんか有ったのか?」
アルツ君:「いや、そうじゃないんだよ…。」
ヤッチ:「何?」
アルツ君:「いや、どうしてもわからないんだよ…。」
ヤッチ:「何だっていうの?」
アルツ君:「いや、ばあさん(キノコさん)のことだけど、ばあさんはいったいどこに居るんだ?」
ヤッチ:「はあぁ?」
アルツ君:「ばあさんだよ。俺のところにちっとも顔を見せないぞ。」
ヤッチ:「はあぁ?」
アルツ君:「もう、俺に愛想つかしてどっかにいなくなったんだろ?」
ヤッチ:「はあぁ。ばあさん!?ばあさんなら昨日もここへ来たはずだぞ!?」
アルツ君:「ウソをつけ。来てなんかいやしないぞ。」
ヤッチ:「いやいや。昨日も来ているよ。ばあさんから旦那さん(アルツ君)のところへ行ってきたっていう話も聞いてるもん。」
アルツ君:「じゃあ、ばあさんのやつ、うそをついてるんだな!?昨日は誰も来てないぞ!?」
ヤッチ:「いや、それは旦那さんの勘違いだと思うよ。お宅の奥さんは『毎日でもここに来たいけど、遠いから…。』って言ってたぞ。」
アルツ君:「そんなに遠くに住んでるのか?」
ヤッチ:「そうじゃなくて、ばあさんの足で歩いてくると、ここが遠いっていう意味だよ。」
アルツ君:「いったい、どこに住んでるんだ?」
ヤッチはここに来るたびにメモ用紙にキノコさんの住むアパートの住所を書いて帰って来ています。
時には地図を書いて説明もしたりしています。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
ヤッチ:「ほんとに来てないのか?」
アルツ君:「来てないと思うなぁ…。」
ヤッチ:「多分、と言うより絶対来てると思うよ。思い出せないかい?」
アルツ君:「無理だなぁ…。」
ヤッチ:「だったら来たか来ないかだってわからないじゃないか?明日あたりまたここへ来るんじゃないのか!?」
アルツ君:「どっから?北海道か?」
ヤッチ:「なんで北海道なわけ?」
アルツ君:「じゃあ、九州か?」
ヤッチ:「東京に居るし、歩いてもそう遠くない距離だよ。」
アルツ君:「ははあぁ!?じゃあ、サイパン島だな?」
ヤッチ:「何でさらに遠くなるんだよ。すぐそばだよ!!」
たぶん、アルツ君、キノコさんがサイパン島育ちということをどこかで記憶していたのでしょう…。
アルツ君:「すぐそばなら何で来ないんだ?」
ヤッチ:「俺からすればすぐそばの距離だけど、ばあさんは歳とって歩くのが大変になって来ているっていう意味だよ。」
アルツ君:「どっか身体でも悪いのか?いよいよボケたか?」
ヤッチ:「そうじゃなくて、どこも悪い所はないよ。」
問答がエンドレスになりそうだったのですが、ちょうどアルツ君をお世話して下さっている介護士さんが、部屋に入ってきました。
介護士さん:「○○さん、もうすぐ七夕だから、これに何かお願い事を書いて置いて!?」
そうおっしゃってアルツ君に短冊を1枚手渡し、すぐに部屋から出ていってしまいました。
アルツ君:「七夕かぁ…。」
ヤッチ:「そこにボールペンかマジックが有るから、何かお願い事でも書いてみたら…。」
アルツ君:「願い事かぁ…。」
アルツ君は、キャラ的にはこういったものを書く人間ではないのですが、なにやら真面目な顔つきで何かを考えています。
アルツ君が何やら、書きはじめました。

ヤッチ:「なんじゃ。こりゃああぁ!?」
ヤッチが笑いながら言葉を発します。
アルツ君:「何だって、お前知らないのか?これは短冊だよ。」
ヤッチ:「そうじゃないよ。その文字だよ。日本語じゃないよ。宇宙語か?」
アルツ君:「ははーん。ちょっと間違えただけだよ。」
なんとなく、書きたいことはわかるような気がします。
(*^_^*)
『がんばる』と『元気になる』が頭の中でドッキングしたようです。
ヤッチ:「よかったなぁ。短冊だから裏にも書けるよ。裏にもう一度ちゃんと書いてみれば!?」

またもや同じ文字を書いてしまい、訂正してやっと仕上がりです。
ただ、アルツ君のこの『元気になる』ですが、少々複雑な思いが有ります。
実はアルツ君…。
現在入所している施設(特別養護老人ホーム)を病院かなにかと勘違いしているようなのです。
もちろん、アルツ君に認知症などという認識は有りません。
ましてや進行性核上性麻痺の疑いなどということも…。
どこが悪いのかは本人にもわからないことのようですが、認知症以外の別の病気が有ってこれが完治すれば、退院すなわち施設から出られると思っているようなのです。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
アルツ君:「早いとこ、治さないとなぁ…。」
アルツ君、ぼそりとつぶやきます。
ヤッチ:「そうだねえ…。」
ヤッチも言葉が有りません。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
アルツ君、腰かけていた自分のひざを叩いてスクッと立ち上がり、少し高めの声をあげます。
アルツ君:「おいっ。七夕までには家に帰るからな!!」
アルツ君
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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