アルツ君は職人進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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介護サービスの限界

2012/09/12 (水)  カテゴリー: 特別養護老人ホーム
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

この記事をアップしたつもりだったんですが、アップされておらず、変な時間の更新になってしまいました。

m(__)m

9月10日(月)にアルツ君のところに面会に行ってきました。

この日は日中とても暑く、アルツ君を外に散歩と言ってもちょっと無理そうな気配…。

面会を終えて、帰って来る時に、施設の中をなるべく歩くようにと言い置いては来るのですが、やはり忘れてしまうようです。

(-_-;)

キノコさんはいぜん透明人間のままだし、男を連れ込んでいる疑惑も解消されぬままです。

この日も少しでも歩いてもらおうと、ボタモチを寄せ餌に面会に行ってきました。

面会に行ったのはちょうどおやつ時の午後三時くらい…。

施設ではおやつ時と言っても、茶菓子は滅多に出ることはなく。お茶だけです。

どういう基準なのかはわかりませんが、入所者さんの中にはポカリのようなものを出されている方もいらっしゃいますが、アルツ君はお茶です。

お茶と言っても緑茶ではなく、生ぬるいほうじ茶もしくは麦茶です。

ヤッチがエレベーターを使い、アルツ君のいる3階まで行くと、アルツ君、廊下に出されたテーブルの前に腰かけ、お茶を待ってる様子です。

いわゆるここがアルツ君の言う『定位置』です。

ヤッチがアルツ君に声をかけます。

ヤッチ:「これからお茶かい?」

アルツ君:「どうもそうみたいだな…。晩飯じゃないみたいだぞ!?」

ヤッチ:「ボタモチを持ってきたけど、お茶と一緒にどう?」

アルツ君:「いやー、お腹いっぱいだなー、食えないよ。」

ヤッチ:「へー、珍しいな。昼飯たんまり食ったのか?」

アルツ君:「昼飯?昼飯かぁ…。俺は昼飯食ったのかなぁ???」

ヤッチ:「昼飯食ってないなら、腹ペコのはずだよ。」

アルツ君:「じゃあ、やっぱり食ったんだろうなぁ…。」

ヤッチ:「うらやましいな。ダイエットしている人が聞いたら、その脳ミソ1万円で買ってくれるかもしれないぞ。」

アルツ君:「ちぇっ!!1万円じゃあ、耳かき1杯しか売れないね。」

ヤッチ:「じゃあ、お茶だけ飲んでやめにしておくか?」

アルツ君:「バカ言え、お茶だけ飲んだらボタモチに失礼だろっ。どれどれ俺が美味そうに食ってやるからな~。」

ヤッチが手渡したボタモチの入った保冷バッグを覗き込みながらアルツ君がつぶやきます。

―( ´)艸(` )―♪

ボタモチを食べる時はアルツ君必ず、自分の部屋で食べます。

他の入所者さんへの遠慮がまだ残っているようです。

部屋に入ると、さっそくアルツ君、ボタモチをパクつきます。

ヤッチ:「そんなに慌てて食ったら、のどに詰まるぞ。だいたい腹いっぱいだって言ってたじゃないか。」

アルツ君:「いいんだよ。詰まったら詰まったでそん時考えるから…。」

ヤッチ:「死ぬことをか?」

アルツ君:「ばか!!こんな美味いもん食えるんだから死ぬもんか!!」

ヤッチ:「それはそうと、最近歩いてないでしょ?」

アルツ君:「バカ!!歩かなかったらトイレにだって行けないぞ。」

ヤッチ:「そうじゃなくて、長い距離を歩いてないでしょ?」

アルツ君:「どうだったかなぁ…。長いクソならしたけどな。」

ヤッチ:「汚ねえなぁ~。ボタモチ食いながら、よくそのセリフが吐けるね?それ食い終わったら、中(施設)を散歩しよ!!」

アルツ君:「別にかまいませんよ~。」

アルツ君が食べ終わったところで、アルツ君を再び廊下に連れ出します。

アルツ君の部屋のある棟から別棟まで歩く計画です。

廊下の手すりにつかまりながら、歩行訓練の開始です。

ヤッチは手を貸さず、アルツ君の横で見守りです。

廊下を歩きはじめると、けっこうにぎやかです。

忙しそうに歩き回る職員さん、車椅子を押し、自力で部屋に戻ろうとする入所者さん、椅子に腰かけ目を閉じたまま奇声を発する入所者さん、目の前にお茶が出されているのにお茶が無いと職員に食って掛かる入所者さん、風呂上りで髪をドライヤーで髪を乾かしてもらっている入所者さん…。

失礼な話ですが、最初は見るものすべてが新鮮でしたが、いつの間にか慣れっこになってしまいました。

(^^ゞ

アルツ君はすれ違う入所者さん一人一人に笑顔を振りまいています。

(*^_^*)

ヤッチ:「今日はまあまあ調子が良さそうだね?」

アルツ君:「俺はいつもパーパー調子がいいぞ。」

ヤッチ:「切り返しのセンスもまあまあだな。」

アルツ君:「部屋にうちわも有るぞ。」

くだらない話をしながらゆっくり廊下を歩きます。

二人で廊下を歩いていると前方からこっちに向かって女性が近づいてきます。

身なりはというと、他の入所者さんとは違ってラフな服装ではなく、お出かけ用のちょっとフォーマルな感じな衣装。

帽子を被り、バッグも持っています。

歳は定かではありませんが、70前後でしょうか、足取りもしっかりしていて、背筋もピンと伸びています。

もしかすると、入所者さんのご家族の方で、面会に来ていたのかもしれません。

女性:「出口はどこでしょうか?入ってきたのはよいのですけれど、出口がわからなくなってしまって…。」

女性がヤッチに向かってたずねてきます。

ヤッチのことを職員と勘違いしているのでしょうか…???

女性:「こっちの方かしら、それともこっちかしら…。」

???

ヤッチはちょっと『おかしい』と思いました。

この施設に面会に来る時は必ず1階のロビーで入館の手続きをします。

入館の手続きを済ますと、首からぶら下げるIDカードのようなものを渡されます。

『私は面会者です』の証です。

でも、この女性、IDカードのようなものは首に下げていません。

もしかしたら、入所(利用)者さん??

ヤッチ:「おかあさん、ごめんねえ…。我々もここはじめてだから出口を探してるんだぁ。」

女性:「そうなんですかぁ…。私、迷子になっちゃったのかしら…。」

ヤッチ:「そんなことないですよ。ここはわかりにくいからねぇ…。そこに掛けてお待ちになってらっしゃれば?わかる人を今呼んできますから。」

ヤッチは女性の目の前に有ったソファを指さし、そう答えます。

女性を不安にさせちゃいかんと思った咄嗟の一言です。

施設の出口までの経路は決して難しくはなく、施設の構造はいたってシンプルです。

女性:「そーう!?じゃあ、ここに座らせていただくわね。座っていたらいいのかしら?」

ヤッチ:「そこで大丈夫ですよ。ちょっと待っててください。人を呼びますから。」

アルツ君のこともあるので、その場を離れることができません。

オマケにアルツ君が『俺が教えてやる』とか、『そんなの簡単さ』とか小声でぶつくさつぶやいています。

(-_-;)

もし、アルツ君が出口を理解していれば、とうの昔にアルツ君の脱走はコンプリートしています。

(-_-;)

ヤッチは職員さんの姿を探します。

ようやく、遠巻きに姿が見えました。

ヤッチ:「すいませ~んっ!!」

ちょっと無謀とも思える大声をあげてしまいました。

職員さんが気づき、こっちに向かってきます。

手には着替えらしき物を抱えています。

入所者さんのお風呂の準備でもしていたのでしょうか?

かなりの早足で近づいてきます。

声が届く範囲になったところでヤッチが近づいてきた男性職員さんにお願いします。

ヤッチ:「こちらの方が出口がわからないとおっしゃってるんですけど…???」

職員さん:「あっ。ありがとうございます。○○さん(女性の苗字)!!ちょっとそこで待ってて。」

職員さんは女性に声をかけると、再びどこかの部屋に入って行ってしまいました。

男性職員さん、すぐに部屋から出て来ると思いきや、なかなか出てきません。

入所者さんと思しき女性が立ち上がり、男性職員が入った部屋に入って行ってしまいました。

職員さんとのやり取りが聞こえてきます。

職員さん:「ちょっと待って!!今、そっちに行きますから。」

女性が部屋から出てきて再びヤッチに話しかけてきます。

女性:「おトイレですって。」

どうやら男性職員さんは、他の入所者さんのトイレ介助をしていたようです。

他の入所者さんのトイレ介助を済ませた男性職員さんは、ようやく女性のところに戻り、女性を自分の部屋へ誘導していきました。

なんのことはない女性の腰かけていたソファのすぐ後ろがその女性の居室でした。

(^^ゞ

女性を誘導し終わった男性職員が居室から出て来るとヤッチに会釈します。

「どうもお手数をおかけしました。ありがとうございました。」

でも、

この一連のやり取りどうなんでしょう…???

ヤッチはこの施設でたびたび入所者さんから声をかけられます。

ヤッチが話しかけやすい顔をしているからでしょうか?

いえいえ、多分それは違います。

顔面麻痺で顔の半分しかシワが寄らない人間に好んで入所者さんが声をかけてくるとは思えません。

(*/∀\*)イヤン

おそらくは施設の職員さんがみな忙しく動き回っているからだと思います。

スーパーマーケットなどに行き、自分が探しているものがなかなか見つからないことってどなたも経験が有るはずだとおもいます。

そんな時、忙しそうに作業している店員さんには声をかけにくいですよね。

ヤッチなんか、牛肉売り場の前で明日の黒毛和牛の発注量をいくつにするかをのんびりと考えている、少し寝不足気味の顔をした副店長あたりにたいてい声をかけます。

ドラムを叩くかのごとく、わき目もふらずトマトを並べる店員さんには声をかけにくいもの…。

介護施設の職員さんにも、これと同じことが言えるのではないでしょうか?

また、敷居の高そうなこじゃれた洋菓子店に入り、ショーケースの前に立っているカワイ子ちゃんに『いらっしゃいませ~♪』なんて言われると…。

今日はモンブランと決めていたにも関わらず、

「今日はブルーベリーのタルトがおススメなんですよ~♪」

もうここに心あらずです…。

(・・;)

「じゃあ、それで…。」

(・・;)

何でモンブランを買わなかったのかという自責の念とあの子俺の事好きなんじゃないかという妄想で脳ミソは破壊寸前です。

(-_-;)

って、何の話をしていたんでしたっけ!?

あっ、

そうそう…。

施設の職員さんもナースステーションのような所にいらっしゃいますが、我々が対面販売が苦手のように、カウンター越しに睨みをきかせている職員さんに入所者さんも声をかけずらいのでは!?ということが言いたかったんです。

脱線ついでに申し上げてしまえば、コンビニがマガジンスペースまで作って、お客が一人にならないようにしたり、蛍光灯を通常の向きとは逆に設置し、わざわざ目線に飛び込むようにして店内を明るく見せる配慮をしている時代です。

どこぞのショッピングモールなどは『接客されたくない場合はこのブレスレットを付けて下さい』なんていう時代です。

すいません…。

m(__)m

話しを元に戻すと…。

ココにはいろいろな問題が内包されていると思うわけなんです。

介護保険制度の問題、介護保険料の問題、高齢化社会の問題、介護職員のモラルの問題、利用者の理解力不足、意識の低さ…。

いろいろな問題があり、考えさせられる多くの事が有るように思えます。

ただ、今回に件に関して言えば、作業には加わらなくてもよいから、あともう一人だけ、利用者を見守れる職員さんがいらっしゃったらと思うのはヤッチのわがままなんでしょか?

現時点での介護サービスの限界なのでしょうか…?


忘れてました…。

アルツ君の歩行訓練に戻らなくてはなりません。

(-_-;)

アルツ君:「なんだ、あのおばさん、ここの人(入所者さん)だったのかぁ…。」

ヤッチ:「そうみたいだな。たまたま今日はわけがわからなくなっちゃったんじゃない!?」

アルツ君:「ここは年寄りが多いからな!?年を取るとみんなあーなっちゃうのかね~。」

ヤッチ:「十分、旦那さんもなってると思うよ。まあ、高齢化社会だから仕方がないかね!?」

アルツ君:「ふん、俺は道だってちゃんと覚えてるぞ。あの人よりはまだちゃんとしてるぞ。」

ヤッチ:「どうかね~。もしかしたらあの人以下かもしれないぞ!?」

アルツ君:「ふんっ!!これ以下社会ってかぁ…!!」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

【解説】
高齢化社会=これ以下社会

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