アルツ君は職人進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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久しぶりのアルツ君

2012/04/03 (火)  カテゴリー: アルツ君
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前記事で書かせていただいたように、今日は、アルツ君との面会の日です。

朝10時半から、高齢者相談センター(地域包括支援センター)での面会です。

アルツ君は保護されている施設から、おそらく高齢者相談センターの職員の方の運転で車でセンターまで来ると思われます。

そして、姉、キノコさん、ヤッチはバスで高齢者相談センターに向かいます。

高齢者相談センターのある駅でバスを降り、スーパーマーケットに向かいます。

アルツ君の大好きなボタモチを購入するためです。

なま物はダメと言われる可能性も有るので、二階に有った名店街のような所の和菓子屋さんで少し日持ちする一口サイズの羊羹も購入しました。

ここでも羊羹はつぶあん…。

ヤッチはキノコさんからコーヒーを施設で飲ませてもらえなかったという情報を耳にしていたので、自宅でコーヒーを入れて持参です。

いつもだったら、インスタントコーヒーですが、今日はドリップして…。

そして、今日だけはお砂糖、めいいっぱいです…。

ステンボトルにたくさんドリップして入れ、アルツ君の頻尿覚悟の構えでのぞみます。

キノコさんは少し複雑な心境で、脱走してきた時に後を追いかけてきた職員と再び顔を合わせることになるのでは?と心配している様子です。

姉:「ママは職員の人たちに会いに来たわけじゃないんだからね。パパに会いに来たんだからね。」

姉にさとされます。

10時半より早く高齢者相談センターについてしまったので、少し座席にかけて担当者を待ちます。

突然、姉が声を発します。

姉:「あれ、パパじゃない?そうよ!!パパよ!!」

腰かけている長椅子のやや遠く離れた右方向を見ると、見覚えのあるイチローパーカーの服を着た老人の姿が見えます。

すぐにその姿は見えなくなってしまいました。

会議室のような所に入って行ったしまったためです。

姉:「あれパパだよね?なんか腰が曲がってなかったと思わない?前傾してなかったし、足取りも軽かったよね?」

姉がヤッチに確認を求めます。

確かに、すらっとした姿と言うまではいかかないものの腰が伸びていたような…。

今度は高齢者相談センターの支援係長さんが三人の前に現れます。

支援係長さん:「あちらに席をご用意したので、どうぞ。」

やはり、さっきのイチローパーカーはアルツ君です。

姉、キノコさん、ヤッチの順で会議室に入ります。

久々の再会です。

アルツ君はまだ腰かけてはおらず、立ったまま…。

キノコさんの顔を見るとキノコさんに向かっていきなり怒鳴り始めます。

アルツ君:「お前!何だって俺を仕事中に呼び出したりするんだっ!遊んでるじゃないんだぞっ!何でお前がこんなところにいるんんだ!また○○(兄のこと)が悪さ(借金)でもして、俺を呼び出したのかっ!俺は仕事してるんだぞっ!」

姉:「ごめん、ごめん!パパに会いに来たんだよっ!」

アルツ君:「だからって何で俺がこんなところにいるんだっ!お前(キノコさんのこと)かっ!」

アルツ君、相当混乱しています。

しかし、ヤッチには、曇りがちだった家でのアルツ君の目が少し輝きを取り戻しているようにも見えました。

怒りのために大きく目を見開いているためだと言ってしまえば、それまでですが、何か鋭い眼光を感じます。

まさに、アルツ君が元気だったころ、よくバトルをしていた時の職人の目です。

姉:「パパ、違うんだよっ!私たちが呼び出したんだよっ!私に会いたくなかった?」

アルツ君:「だからって、何だってこんなところに呼び出すんだっ!俺は仕事の途中なんだぞっ!誰が俺をここへ連れて来たんだっ!」

どうもアルツ君は『施設内での生活』を『仕事』と認識しているようです。

ヤッチ:「旦那さん、今日は何の仕事だったの?剪定?植え込み?」

ヤッチがついにアルツ君に話しかけます。

アルツ君:「そんなことを何で教えなきゃならないんだっ!抜け出してきたんだぞっ!」

ヤッチ:「メシを噛み噛み仕事してたのか?」

アルツ君:「当り前さぁ~。仕事って言うのは、モタモタやってたら金なんかもらえないんだっ!だからって何でお前(キノコさん)が居るんだっ!」

アルツ君、終始キノコさん攻撃です…。

キノコさんは、意外に穏やかで、反抗すると思いきや終始ニコニコです。

姉:「そうじゃないのよ。パパがお腹空いてるもんだと思って美味しいもの、持ってきたんだよ!何だかわかる?」

アルツ君:「そんなのわかるわけないだろっ!だいたい俺はどこから来たんだぁっ!」

一同爆笑です。

かなりの混乱で、自分がどこから来たのか、わかっていないようです。

たぶん、短期の記憶が抜け落ちて、ここはどこ?私は誰?の状態のようです。

ヤッチ:「旦那さん、そんなに怒るところみると、糖分が不足してるんじゃないのか?ボタ(ボタモチ)食うか?」

アルツ君:「なんで、俺がそんなもん食わなきゃならないんだっ!誰がここに連れてきやがったっ!」

ヤッチ:「ここにいる職員さんだよ。俺たちがお願いして連れてきてもらったんだよ。旦那さんがボタ食いたがってんじゃないかと思ってさぁ…。」

アルツ君:「そんなもん、ここで食えるかっ!」

姉:「ああ、パパのために朝買ってきたんだよ。嫌いになった?」

アルツ君:「嫌いじゃないな…。」

姉の一言で少しアルツ君が落ち着きを取り戻しました。

姉:「ボタモチ食べて?美味しいよ!」

アルツ君:「そんなこと言われなくたってわかってるんだよ!」

ヤッチ:「じゃあ、ボタ食うべっ!美味いと思うよ…。食わないと後で後悔するよ~。」

姉:「そうだよ。パパ大好きでしょ?食べな?」

アルツ君:「いらないよっ!」

ヤッチ:「じゃあ。コーヒー飲むか?砂糖がいっぱい入ってるぞ。砂糖いっぱいの甘いコーヒーは好きだろ?」

アルツ君:「嫌いじゃないな~。」

ヤッチ:「じゃあ、1杯飲むか?まさか俺の杯が受けられないわけじゃないだろうな?」

アルツ君:「甘いのは好きだぞ。」

ヤッチ:「だろっ!?だと思って気が狂うほど砂糖入れておいたから…。」

ヤッチがステンボトルからカップにコーヒーを入れ、アルツ君に差し出します。

アルツ君はそれを取り、一口飲みます。

アルツ君:「甘いなぁ~。」

アルツ君、ものすごい渋い表情です。

ヤッチ:「甘すぎたか?」

アルツ君:「普通だよ。普通…。」

姉:「パパ、ボタモチも食べな!美味しいから…。」

姉がアルツ君の隣に座り、フォークでボタモチを一口サイズにして口に運びます。

アルツ君、ようやくボタモチを口に入れます。

姉:「美味しいでしょ?」

アルツ君:「まずくはないな~。普通だよ。普通…。だからって何でお前(キノコさん)がここにいるんだっ!」

またそっちかいっ!

この辺で支援係長さんとアルツ君を車でここまで連れて来たと思われる職員さんが席を外します。

家族で歓談してくださいと言う優しい配慮です。

アルツ君、2口目を口に入れたあたりで、肩を震わせはじめます。

姉もアルツ君の肩に手をまわし、涙を浮かべてしまいます。

姉:「そうか、そうかぁ…。仕事でパパは忙しんだねえ…。」

アルツ君:「そっ、そんなんじゃないわい…。」

(ノД`)シクシク

しばし、泣き崩れる二人をヤッチは熱いものがこみ上げるのを押し殺しながら、見守るしかありません…。

姉:「そっかっ…。パパはみんなのことは覚えてるの?誰だかわかる?」

アルツ君:「わかるさよ~。お前は長女だっ!」

姉:「長女じゃないでしょ。ちゃんと私にも名前が有るでしょ?私は○○○(姉の名前)…。」

ヤッチ:「俺は誰だかわかるのか?」

アルツ君:「わかるに決まってるだろっ!みんなで俺をバカにしやがってっ!」

興奮と冷静が交互に繰り返します。

ヤッチ:「キノコさんはわかる?」

アルツ君:「わかるに決まってるだろっ!それにしても俺は何をさっきまでしてたんだろうな…。」

アルツ君が首を垂れて考え始めます。

ヤッチ:「仕事じゃないのか?手元はいるのか?一人でガツガツやっちゃダメだぞ!」

アルツ君:「お前ね、俺がそんなにガツガツやれるわけないだろっ!もう80だぞっ!」

ヤッチ:「おっ!4つも鯖読みやがったな!でも覚えてんだから大したもんだ!」

アルツ君:「当り前さよ~。俺が何年この仕事してると思ってんだっ?」

ヤッチ:「仕事って何?」

アルツ君:「なんの仕事かがわかんないんだよなあ…。」

姉:「いいから、いいから、パパは今日は仕事を忘れてのんびりしなよ!」

アルツ君:「バカ言え!遊んでたら飯なんか食えないんだぞっ!まさか俺に金をせびりに来たんじゃないだろうな?」

姉:「そんなわけないじゃん!パパに会いたくて来ただけだよ。」

アルツ君:「そんなことを言ったって、俺は一銭も持ってないんだからなっ!男が財布も持たず一銭も持たないなんてお前たちにわからないだろっ!」

アルツ君、再び泣き崩れます。

姉:「そうか、そうかあ…。それじゃこれポッケに入れときな。」

姉がアルツ君のフリースのポッケに2千円を差し入れ、何かつぶやきます。

アルツ君、うなずきながらニンマリ…。

ヤッチ:「それはそうと、最近、足はカックンってならないのか?」

アルツ君:「バカやろっ!なるわけないだろっ!俺は忙しんだっ!」

ヤッチ:「左手はどうだい?指は曲がったままか?」

今度はヤッチがアルツ君の隣に座り、以前から、曲がって伸びなくなりつつあった左手を握ります。

右手に比べると、少し冷たく、曲がりは戻っていないようです。

アルツ君:「寒いとな…。真っ直ぐにならないからな…。」

アルツ君がつぶやきます。

ヤッチはアルツ君のひじを上下に揺さぶります。

以前は少し抵抗が有ったようにも思えますが、あまり抵抗は感じず、ブランとしています。

目の方の眼球障害の程度を見ようと試みましたが、アルツ君が嫌がり失敗に終わりました。

でも明らかに、小さかった目が見開いて、大きく見えるのは確かなようです。

ただ、興奮や混乱がひどいせいもあるので、これについては定かではありません。

ヤッチ:「ちゃんと風呂は入ってるのか?」

アルツ君:「わからんっ!」

ヤッチ:「わからんていうことは入ってないのか?」

アルツ君:「わからんもんはわからんっ!」

ヤッチ:「旦那さん、腰が少し伸びたんじゃないのか?」

アルツ君:「バカだなっ!お前は。俺はまだ若いんだぞっ!腰曲がってる奴が仕事なんてできるわけないだろっ!」

ヤッチ:「でも、その仕事がなんだかわからないんだよな?」

アルツ君:「そうなんだよなぁ…。」

ヤッチ:「覚えてないんだから、そんな大した仕事じゃないんじゃないか?」

アルツ君:「ばかっ!仕事は小さくても仕事だっ!」

ヤッチ:「しかし、ずいぶんと忙しいみたいだな?」

アルツ君:「大したことないぞ、普通だよ、普通…。」

終始、アルツ君に混乱が有るようで、仕事の話ばかり…。

しかもその仕事は何の仕事かはわかりません。

施設で何かの仕事をして、働いているかのような表現がアルツ君の口から時折飛び出します。

しかし、どこで働いているかは本人にもわかりません。

決して強制的に働かされていると言った雰囲気でも有りません。

今日の面会は、アルツ君がどこだかわからない仕事場に出稼ぎに来ていて、家族が突然アルツ君を呼び出し、アルツ君の知らない場所に連れて出し、仕事を邪魔しにきたという設定みたいです。

しかも、仕事仲間の手前、家族が面会に来るのはこっ恥ずかしいと言ったところでしょうか…。

亭主関白のアルツ君の元へ、女房が顔を出したもんだから怒り爆発のストーリーです。

でも、変な認知ですが、感覚や感情の中でなんとなくアルツ君が自分の置かれている状況も分かっているのではないかと思わせるところも有ります。

具体的にどこと言われるとわからないのですが、肌でそれを感じる時が有ります。

今のどうにもならない状況を仕事と言う理由で打ち消して自分を納得させているように思えるのです。

姉とキノコさんと相談し、これ以上アルツ君と面会すると、アルツ君が今度は施設に戻ってから興奮してしまうのではないかと言うことで、面会を打ち切ることに…。

ちょうど支援係長さんも戻って来ました。

協議の結果、アルツ君に車をまわした時点で、仕事仲間がアルツ君を仕事に戻って来いと呼んでいる設定にして、センターのもう一人の職員さんがアルツ君を呼びに来ます。

職員さん:「そろそろ、仕事に戻りましょう…。」

アルツ君:「ああ…。」

姉:「パパ、お仕事がんばってね!」

アルツ君、振り返ることなく、その場を後にします。



4月9日にドクターの診察があります。

診察にアルツ君を連れて行くのは高齢者相談センターのどなたかのようです。

支援係長さんからの提案がヤッチに入ります。

支援係長さん:「お父様の病気の診察に携わって来られたのは御次男さんですよね?4月9日の診察ににいらしていただくのはいかがでしょう?当日は私どもがお父様をお連れします。」

ヤッチはオブザーバーでの参加です。

ヤッチ:「是非お願いします。」



それにしても、アルツ君の認知能力はかなり低下してしまったようにも見えます。

ただ、こんな短時間でアルツ君の前傾していた身体が改善されていたのは驚きです。

歩き方にしても、パーキンソン症状も改善されていて、歩幅少し大きくなったようにも思えます。

アリセプトを飲んでいないから?

フェルガード100を飲んでいるから?

ヤッチのお世話の方法が悪かったから?

虐待、結果オーライなのでしょうか…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

[追伸]
先方のドタキャンにより白紙に戻ってしまったヤッチのアパート探しですが、キノコさんの決めたアパートにもまだ空き部屋が有ると聞き、これに期待を寄せていましたが、これも所有している管理会社(大家さん)の都合により、貸してもらえませんでした。

キノコさんの物件の別棟となる部屋です。

しかし、今日不動産屋さんに訪れると、手のひらを返したように、「昨日はお貸しできないと言っていた、お母様の住まれる物件の別の部屋なんですが…。昨日大家さんと話し合った結果、お値段はお安くできませんが、角の日当たりの良いお部屋をご用意できたのですがいかがでしょうか?。」

キノコさんの物件は2棟同じようなワンルームが建っていて、ヤッチが勧められた物件はキノコさんの棟とは違う別棟の1階です。

キノコさんの部屋には30メートルも無いくらいの距離です。

一番最初にきれいなお姉さんに紹介されて、後悔した部屋でも有ります。

自己負担が有り、若干自分の生活費が少なくなってしまいますが、この物件に決めることにしました。

おそらく、今度はドタキャンは無いと思います。

しかし、ヤッチのことですから、油断はできません。

虐待者と被害者がこんなに近くに住んでもよいのでしょうか?

しかも、ほとんど同居に近い状態です…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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