アルツ君は職人進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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70年前の戦後の記憶と記録(その1)

2018/09/27 (木)  カテゴリー: キノコさん
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MacArthur_and_Sutherland.jpg


こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

キノコさんの年金の話を書くと申し上げておきながら、ずっと記事を書いていませんでした。

ようやく記事を書けそうです。

まあ、ヤッチ一人が空回りしているだけで、年金の話はややこしいし、興味を引く話題ではないかもしれませんね。

最初のうちはちょっと難しい説明になりますが、ウザくても粘り強くご覧下さいね。

と、誰に同意を求めているんですかね?

母キノコさんですが、亡くなる1年ほど前まで、老齢に関しての年金をもらっていませんでした。

老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)を受給しておらず、いわゆる無年金者でした。

老齢厚生年金はご存知のように、厚生年金に加入している会社(適用事業所)などに勤めたことがある方に支給される年金です。

現在も条件を満たせば、仮にその会社に1ヶ月しか勤めていない場合でも、その分の年金をもらえます。

で、キノコさんです。

ずいぶん過去の話ですが、そういった会社に勤めたことが無いか、ヤッチがたずねたことがあります。

ヤッチ:「昔さ、会社勤めしたことってないの?」

キノコさん:「そうね…。結婚する前にちょっとだけ出たことはあるけど、○○会社なんて、名前の付く大きな会社には勤めたことはないわね…。」

ヤッチ:「終戦後?終戦前?」

キノコさん:「終戦後よ。だって終戦前は女学校に通っていたんだから。それに…。」

ヤッチ:「『それに…。』ってなに?」

キノコさん:「それに、10年も20年も長く勤めたことないし、『あんたはもらえる資格がない』って言われたことがあるわ。」

ヤッチ:「誰が言ったの?社会保険事務所(今の年金事務所)の人?」

キノコさん:「たぶんそうだと思うけど、覚えていないわ。『脱退手当金をもらっているからダメだ』みたいなことを言われたような…。おじいちゃんの年金の手続きの時かしらね…。」

『おじいちゃん』というのは、キノコさんの夫、アルツ君のこと。

アルツ君はずっと植木職人だったわけではなく、サラリーマンをしていた時期があります。

サラリーマンの時期は結構長く、その期間が25年近く有ったので、老齢基礎年金、老齢厚生年金、両方の年金をもらっていました。

脱退手当金というのは、昔の年金制度の中で、将来年金として結びつかない人のために、いわば救済措置として、年金ではなく一時金と支給する制度。

積み立てを中途解約するような制度です。

現在の法制下でも、もらえる人は限られると思いますが、残っている制度かと。

でも、『脱退手当金をもらっている』というのはキノコさんの記憶違いか何かの間違いです。

少額とはいえ、まとまったお金が一時金として入るのですから、本人の記憶として残っているはず。

後に、これはやはり年金事務所に、記録として残っていませんでした。

その時の会話はそれでおしまい。

ヤッチもそれ以上追及することはありませんでした。

時が流れます。

父、アルツ君が亡くなります。

2016年(平成28年)11月3日の事です。

関連記事:

アルツ君は老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給していましたから、年金をもらっている人が亡くなれば、自治体に出す死亡届とは別に、年金事務所にも死亡届を出す必要があります。

通常、年金は2ヶ月に一回の支給で、その2か月分を1ヶ月遅れでもらいます。

この『1ヶ月遅れ』によって、年金をもらっていた人が亡くなると、特別な事情が無い限り、まず例外なく、もらい損ねた年金が発生します。

未支給年金というやつです。

アルツ君は11月に亡くなっていますが、亡くなった月の11月分の年金まで受給できます。

10、11月分の年金は翌月の12月に支給されることになっています。

12月では、アルツ君本人はもう亡くなっていて、受け取ることができないので、この2ヶ月分が未支給年金。

年金事務所に提出する『年金受給権者死亡届』には、この未支給年金を請求する手続きの用紙がセットになっています。(2018年現在)

未支給年金をもらえるのは、生計を同一にしていた親族等、つまり我が家の場合、キノコさんがもらうことになります。(先取権順位は配偶者が一番上)

またアルツ君は、亡くなっていて、自分で自分の死亡届を出しに行けませんから、キノコさんが手続きをすることになります。

アルツ君は、亡くなった当初は特別養護老人ホームに住民票がありました。

キノコさんは生活保護を受給し、アパートで独り暮らし。

二人の住民票は別々…。

さらっと書いてしまいましたが、別々に暮らしていたのだから、『生計を同一にしていた』とは言えないのでは?という疑問が残ります。

でも大丈夫。

面会などで、定期的な音信が有れば、年金受給の際は、『生計同一』関係が認められるようです。(第三者の証明が必要。)

ドキッとされた方は、これから先の事を考え、ホームにはなるべく足を運びましょう。

で、当時のキノコさんはアルツ君が亡くなったばかりですし、とても一人でそんな手続きをする余裕はありませんでした。

それを抜きにしても足腰が弱っていて、年金事務所に手続きに出向くことができる健康状態ではありませんでした。

ヤッチがキノコさんに委任状を書いてもらい、ヤッチが手続きすることになりました。

ここで、一般の人と違うのは、キノコさんが生活保護を受けているということ。

生活保護を受け、未支給の年金を受け取ると、それは収入として、後日、福祉事務所に申告しなくてはなりません。

年金を扱う年金事務所と生活保護を扱う福祉事務所との間に横のつながりはありません。

これまで受けていた保護費によって変化しますが、受け取った年金を申告すれば、『返還金』として、キノコさんの場合、全額福祉事務所を介し、国や自治体等に返納です。

生活保護を受けていなければ、受け取った年金は一時所得として、金額によっては所得税の申告が必要になることもありますが、概ね全部自分のもの。

相続税の対象となるようなこともありません。

でも、キノコさんは生活保護を受けていたので、『それだけのお金が有ったなら、生活保護費を支給しなくても自分の生活を賄えたんだから、お金を返してくださいよ。』という論理のもと、返還しなくてはなりません。

申告しなければ、当然、昨今話題の不正受給になる可能性大です。

何が申し上げたいかと言えば、キノコさんが未支給年金を請求し、それをもらったとしても、キノコさんの手元には一円も残らないということです。

バッシングを受けそうなので、お断りしておきますが、保護費相当額のお金は手元に残って、プラスアルファのお金は入らないという意味です。

おまけに、その手続きをヤッチが代わってやるので、ヤッチの駄賃は出ません。

未支給年金の請求は福祉事務所に相談してから提出することにして、死亡届だけを提出しようと、ヤッチは予約を取らずに、最寄りの年金事務所に出かけました。(予約優先で待たされます。)

たしか、2016年11月の末だったと記憶しています。

死亡届だけを出して、未支給年金の請求はしないということは、後々、波紋を呼ぶことになるのですが、これはまた別の機会にお話ししたいと思います。

ヤッチには別の目的がありました。

未支給年金の請求ではなく、キノコさん本人が老齢年金をもらえるかの相談です。

もし、キノコさんがこの先老齢年金をもらえて、その額が多ければ、生活保護を受けなくても済むかもしれないと考えたからです。

金額によっては、生活保護の『返還金』となってしまうかもしれませんが、キノコさんの60歳時点にさかのぼって、老齢年金をもらえるかどうか、今後何かあった場合にそなえて、調べておくことは悪いことではないように思えます。

キノコさんの世代だと、年金の受給資格が有れば、60歳から老齢厚生年金を受給でき、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方の年金をもらえます。

キノコさんは昭和3年生まれですから、もしもらえるならば昭和63年から、亡くなる平成30年4月まで年金を受けられることになります。

この時はまだ、こんなに早く亡くなるとは思っていませんでしたから、『将来ずっともらえる』の方が正しい表現かな?

この過去にさかのぼった相談をしようというのがヤッチの考えでした。

年金事務所の相談窓口で、アルツ君の死亡届を出した後、ヤッチは切り出します。

ヤッチ:「母からもらった委任状があるので、母の年金についてもお伺いしたいことがあるんですが?」

相談員さん:「はい、どういった事でしょうか?」

ヤッチ:「実は母なんですけど、年金を受給していません。過去にさかのぼって、受給資格が有るか調べて欲しいんですけど?」

相談員さん:「わかりました。お母様の生年月日を教えてください。」

このあと、キノコさんの生年月日のほかに、旧姓だとか、アルツ君といつ結婚したかとか、職歴等々、いろいろ聞かれました。

ヤッチ、キノコさんがアルツ君といつ結婚したかも知りませんでした。

まあ、年金事務所のデータに有ったようなので、この辺は問題無かったんですが…。

相談員さん:「お母様、もしかすると年金がもらえるかもしれませんよ。」

ヤッチ:「それは、どういう理由で?」

相談員さん:「ご主人様(アルツ君)と婚姻期間が長いので、よく計算してみないとわかりませんが、それだけで、まず国民年金の受給資格を満たしそうですよ。」

ヤッチ:「ほんとですか?」

相談員さん:「はい、カラ期間といって、年金額には反映されない期間なんですけど、もしお勤めとかしていたら、そのお勤めしていた期間の年金(老齢厚生年金)が出るかもしれません。」

ヤッチ:「脱退手当金をもらっているとか、本人は申しておりましたが…??」

相談員さん:「ハッキリとここで『もらえます』とは、断言できませんが、脱退手当金の事が有っても、受給できる可能性の方が高いです。」

ヤッチ:「勤めに出たことがあると申していましたが、長くは勤めていなかったようなので、もらえる金額も少ないんでしょ?」

相談員さん:「それを計算するためには、お母様がいつ、どこにお勤めだったか、どの程度の期間お勤めだったか照会をかける必要があります。お母様がお勤めだったという会社は?」

どうも、相談員さんの前にあるパソコンには、キノコさんの職歴も年金額も表示されているような気配。

おわかりになっていながら、こちらに探りを入れている様子にさえ見えます。

ヤッチ:「ここは電話を使用してもいいんですか?もし、OKなら、家にいると思うので、確認できると思いますが?」

相談員さん:「構いませんよ。」

ヤッチはキノコさんに電話をかけます。

キノコさん:「もしもし。」

ヤッチ:「今、大丈夫?○○詐欺を働こうとしているお宅の息子なんですけど?」

キノコさん:「…。」

ヤッチ:「冗談だよ。俺の生年月日は昭和○○年○○月○○日。父の名前は○○○。頭が大分というか救いようのないほど薄くなっています。○○川で旦那さんが拾ってきた次男。」

キノコさん:「やーだ。びっくりさせないでよ。それでなくても心臓が悪いんだから…。」

ヤッチ:「今、年金事務所に来ているんだけど、あなたの事で相談してるんだよ。前に勤めていたことがあるって言ってたよね?」

キノコさん:「うん。ずいぶん前にね。」

ヤッチ:「なんていう会社に勤めていたか覚えてる?」

キノコさん:「覚えてないわ…。名前なんか無かったと思うわ。最初に勤めたところは、みんな『かまぼこハウス』って呼んでたわ。」

ヤッチ:「『か・ま・ぼ・こ・ハ・ウ・ス』…?工場か何か?」

キノコさん:「違うわよ。なんと言ったらいいのかしら、今なら、ウエイトレスみたいな仕事よ。」

ヤッチ:「それは初耳だな。そのウエイトレスをやっていた店の名前が『かまぼこハウス』なの?」

キノコさん:「違うわよ。家族が来る食堂よ。進駐軍の家族。その進駐軍の将校たちが住んでいる家の事を当時は、『かまぼこハウス、かまぼこハウス、』って、呼んでたのよ。牧師さんもいたわよ。」

ヤッチ:「へー!これまた、驚きだなー。どこに有ったの?」

キノコさん:「あれはね…。今でいったら、どこになるのかしら。都電くらいしか通って無かったからね。皇居のそばよ。」

ヤッチ:「皇居?そんなところに食堂が有ったの?」

キノコさん:「そうよ。お濠のすぐそばよ。食堂が有ったのは、『かまぼこハウス』の中よ。」

ヤッチ:「ははー。ちょっと見えてきたぞ。GHQ関連の施設か何かだ?」

キノコさん:「そうそう。当時はGHQって言うより、みんな進駐軍って言ってたのよ。」

ヤッチ:「で、そこ以外に勤めたところは?」

キノコさん:「そこがだんだん人手が余ってきたかしら…。よくわからないけど、『五反田の方に行ってくれ。』って言われたような気がするわ。」

ヤッチ:「五反田?なんていう会社?」

キノコさん:「それも名前が無いのよ…。確か、島津藩の別荘か何かが有ったのよ。」

ヤッチ:「別荘?島津藩というのは薩摩の島津藩のこと?」

キノコさん:「そうよ…。なんて言ったらいいのかしら、別荘かどうかは、ハッキリしないけど、旧の島津藩の公爵の家が有ったのよ。そこに進駐軍の将校たちが寝泊まりするところが有ったのよ。」

ヤッチ:「そこで、何をしてたの?」

キノコさん:「やっぱり、ウエイトレス…。食堂よ…。」

ヤッチ:「へー、今のメイド喫茶の先駆けだねー?」

キノコさん:「メイドさんというのは別にいたわ。五反田の方にいたかどうか、覚えてないけど、『かまぼこハウス』には、たしかメイドさんがいて、その子たちがお世話をしてたわ。わたしはウエイトレス。でも当時はウエイトレスなんて言葉、使わなかったわよ。」

ヤッチ:「じゃあ、その五反田の食堂、旧島津藩邸とやらもやっぱりGHQ関連?」

キノコさん:「そうね…。そういうことになるのかしらね…。」

ヤッチ:「よしゃー、わかった。相談が終わったら、なるべく早くそっちに行くよ。」

ヤッチは電話を切ります。

目の前にいらした年金事務所の相談員さんはキノコさんとヤッチの電話の内容がほぼわかっている様子で、照会票を用意して待っています。

ヤッチ:「お待たせして、申し訳ありません。GHQ関連の食堂でウエイトレスをしていたことがあるようです。一つは皇居のお濠の近く。」

相談員さん:「2ヶ所以上では、ございませんでしたか?」

ヤッチ:「母の話では、2ヶ所です。」

そうしましたら、ここにまず、『駐留軍』でもいいし、『進駐軍』でもいいので、お勤め先のところに書いてください。

相談員さんが照会票の用紙をヤッチの目の前に置きます。


ヤッチは相談員さんの言われるままに、用紙を埋めていきます。

相談員さん:「こちら(日本年金機構)の記録は2ヶ所だけなので、お母様のおっしゃる記憶は間違っていないと思います。」

ヤッチ:「書かせてもらった記録なんですけど…。母が皇居のそばだと言っていた『かまぼこハウス』と『旧島津藩邸』の順番が逆ですけど?『かまぼこハウス』が先に勤めていた所だと母は言っていましたが?」

相談員さん:「厚生年金の加入期間を把握するためのものですし、こちらで把握していますので、書き換えなくても大丈夫です。」

画像のように、相談員さんに言われるままに書きましたが、母の記憶が正しいとすると、『かまぼこハウス』が先で、五反田の方を後に書かなくてはいけません。

また、『ビレッチングセクション』と書けと言われましたが、これがキノコさん言う『かまぼこハウス』のことなのでしょうか?

質問するのを忘れました。

未だに謎のままです。

GHQ関連の資料を調べても、よくわかりません。

なんとなくですが、駐留軍の個人住宅のことを『ビレッチングセクション』と呼ぶような感じですが…???。

このあと、相談員さんの目の前にある端末(パソコン)によって、キノコさんの厚生年金の加入記録が、短い期間ですが、19ヶ月あることがわかりました。

国民年金、つまり老齢基礎年金については、受給資格が有るというだけで、もらえる金額はゼロだと思っていましたが、アルツ君との婚姻期間が長かったおかげで、『加給年金』や『振替加算』が付きそうです。

この説明はヤッチにはとても難しいので、日本年金機構のリンクを貼っておきます。

要は、キノコさんのもらえる年金が増えるということです。

国民年金から老齢基礎年金を受給できるということは、キノコさんの19ヶ月分の厚生年金加入期間も老齢厚生年金として受給できることにつながります。

参考:

この時はまだ、年金の請求をしていませんから、請求してみないと、受給できるかどうかはわかりません。

ヤッチ:「今、ここで、年金額の計算を出せますか?」

相談員さん:「概算程度でよろしければ、出せますけど。あくまでも見込み額ということなら。」

このあと、キノコさんの年金額も出してもらいました。

年額で、30万円を少し下回る程度、月額にすると、2万5,000円に届かないくらいですかね。

少額であるにせよ、ちり、もつ、レバー、山に盛るです。

ヤッチ:「これ、時効に引っかかる可能性というのはどうなんでしょう?今も5年ですか?」

相談員さん:「そうですね。ご存知のように、年金は請求をしていないと、5年までの分しか支払われません。それより前は、原則、時効になってお支払いはできません。」

ヤッチ:「時効にならないで、特例で受給権を獲得した当初までさかのぼって支払われる可能性もありますよね?」

相談員さん:「『時効特例給付』というのが、ございますが、これも請求を掛けてみないと、今ここでお答えできる内容ではございません。」

年金は請求があってはじめてもらえるもの。

65歳で年金をもらうことができるのに、請求をしないでそのまま放置し、例えば80歳になって請求の手続きをしても、過去にさかのぼってもらうことのできる年金は、75歳からの5年分だけ。

それより前の年金は時効でもらうことができなくなってしまいます。(将来の分は変更なくもらえます。)

つまり10年分損をしてしまうということになります。

『時効特例給付』というのは、いろいろ条件がありますが、簡単に言ってしまえば、この5年の時効に関係なく、もっと前の年金も支払われるというものです。

参考:

今の例なら、10年分損をしたという部分についても全部支払われる給付制度です。

ただし、特例に該当するかどうかには細かな条件があります。

ヤッチ:「わかりました。請求するかどうかは、本人の意思確認も必要だし、福祉事務所とも相談しないとですから、請求の用紙だけいただけますか?それと父の遺族厚生年金の請求の申込書も?」

相談員さん:「せっかくもらえそうなのですから、すべて請求をされたらよいと思いますよ。請求が遅くなれば、どんどん時効で金額が目減りしてしまいますし…。」

ヤッチ:「ありがとうございます。できるだけ、その方向で動いてみます。ありがとうございました。」

ヤッチは年金の請求の際の添付書類の説明を受け、年金事務所を後にしました。

勘違いしないでくださいね。

これ、アルツ君が亡くなって間もない2016年11月の話ですからね。

ヤッチはキノコさんの部屋に戻ります。

キノコさん:「何だったの?」

ヤッチ:「『何だったの?』って、ご挨拶だね。奥様の年金の相談をしてきたんじゃないかよ。」

キノコさん:「あらまー。それで?」

ヤッチ:「年金をもらえそうだよ。」

キノコさん:「いつから?」

ヤッチ:「請求をしてみないとわからないよ。なんだか提出する添付書類がいっぱいあるからし…。住民票をもらうにも、年金の委任状とは別の委任状が必要。それに、奥様の場合は、サイパン島から書類を取り寄せなくちゃいけないみたいなことを言ってたからさ…。」

キノコさん:「サイパンに行かなくちゃダメなの?」

ヤッチ:「どこにそんな金が有るんだよ???」

キノコさんはサイパン島生まれ。

だからって、ヤッチはハーフではありませんよ。

キノコさんは日本人。

戦前のサイパン島は日本の統治領。

キノコさんの父親(広島県出身)が神戸からサイパン島に移り住み、今は幻となった新聞社を経営していたそうな…。

多くの島民の下男を抱え、優雅な生活を送っていたと聞いております。

社長令嬢だったんですね~。

浜辺にはオコゼが沢山いるから泳いじゃいけないと親から言われ、あんなに綺麗な海なのに一度もサイパンの海で泳いだことが無かったそうです。

なので、かなづち。

また、昭和初期のサイパン島には沖縄県の人たちも多く移住していたと、この時初めてキノコさんに教えてもらいました。

さらに余談ですが、サイパン島には、タピオカ工場が有り、タピオカ工場の前を通ると、『臭かった。』と本人が申しておりました。

キノコさんのタピオカ嫌いはここに原点があったようです。

結局、いわゆる『サイパン島の玉砕』の前に、戦火を逃れるため、船で内地(日本)に何日もかけて戻って来たそうです。

そこからは、ずっと東京住まい。

十分、身バレしそうな勢いですが、話しを年金の話に戻します。

ヤッチ:「お宅が『かまぼこハウス』でウエイトレスしていた時の記録が出てきたから、厚生年金も出そうだよ。」

キノコさん:「えー。そんなのまでもらえるの?」

ヤッチ:「多分、キノコさんが60歳になった時点では、この記録がデータベースに無かったんだと思うよ。」

キノコさん:「どういうこと?」

ヤッチ:「昔はパソコンなんて無かっただろ?」

キノコさん:「そうね…。」

ヤッチ:「会社で何か記録するにしても、今みたいにパソコンに入力していたんじゃなくて紙の帳簿に記録していたと思うよ。紙の記録を役所に持って行って、また紙の記録にするんだから、ミスが出るよ。」

キノコさん:「まあ、そーね…。」

ヤッチ:「で、紙に記録するんじゃなくて、パソコンに入力して、オンライン化したのは、多分平成になってからだだから、最近になって記録が出てきたんじゃない???」

キノコさん:「なんだか、よくわからないわ…。」

ヤッチ:「俺だって、推測で話してるんだからわからないよ。」

キノコさん:「まー。」

ヤッチ:「記録は出てきたのはいいけど、旧姓の記録で、誰だかわからないし、どこにいるのかもわからないから、連絡のしようが無かったっていう話になるじゃないかと思うよ。」

キノコさん:「ややこしい話しねえ…??」

ヤッチ:「紙台帳をパソコンに入力して、データベースとして蓄積する作業が順調にいかなかったんじゃないかな。未だに処理しきれてないらしいよ。」

キノコさん:「データベース???」

ヤッチ:「わかりやすく言えば、紙の記録を日本年金機構のパソコンに放り込むんだよ。」

キノコさん:「まあ!乱暴ね!」

(その2)へつづく

70年前の戦後の記憶と記録(その2)

Photo:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

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2018/09/27 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

未支給年金(時効特例給付)の確定申告

2019/03/18 (月)  カテゴリー: キノコさん
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時効特例給付&遅延特別加算金の支払決定通知書

すっかりご無沙汰しております。

お変わりありませんでしょうか?

ヤッチの「お変わり」といえば、髪の本数がさらに減ったことでしょうか。

この頃はお風呂に入ると、「BE MY BABY」を熱唱しながら、シャンプーしています。

もとい、地肌のマッサージをしています。




さて、先日は姉の付き添いで、税務署へ確定申告に行ってきました。

というのも、父アルツ君、母キノコさんの年金が姉名義の口座に、「未支給年金」として去年(2018年)振り込まれたからです。

これから書く内容は、以前書いた記事と重複するところがたくさんありますが、ご了承くださいね。

ご存じのように父アルツ君は2016年11月に、母キノコさんは去年の2018年4月に亡くなっています。

本来、父母が一人一人もらうはずだった年金です。

でも、お二人ともこの世にいないので、国に請求して、姉の銀行口座に振り込んでもらいました。

実際の年金請求の手続きはヤッチがしましたが、請求者の名前、口座名義人は姉です。

年金を受けている人が亡くなったときに、まだ受け取っていない年金などは、「未支給年金」としてその人と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

「未支給年金」は、年金を受給していた方がお亡くなりになると、ほぼ生じることなので、ご存じない方は、ぜひこの機会に頭の片隅にでも入れておいてください。

海馬と連携を取りやすい位置の大脳皮質がベストだと思います。

未支給年金を受け取れる遺族の範囲は以下のとおりです。

未支給年金を受け取れる遺族の範囲

年金を受けていた方が亡くなった当時、その方と生計を同じくしていた、
  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹
  5. その他1~6以外の3親等内の親族
未支給年金を受け取れる順位も上記の通りです。


「生計を同じくしていた」とは、実際に一緒に住んでいなくても、音信や面会が有ったなど、証明(第三者の証明)が得られれば、認められます。

また、「遺族」なんていうと、遺産相続を連想してしまいますが、この未支給年金は、相続税の対象ではなく、所得税の対象です。

「一時所得」の扱いです。

参考:
未支給の国民年金に係る相続税の課税関係links
(国税庁)

年金事務所で聞いたところ、一時所得の金額が50万円を超えた場合は、確定申告が必要になる場合があるとのこと。

50万円以下の場合は確定申告の必要ないとのことでした。

この50万円という数字、後からキーワードになりますので、よく覚えておいてください。

ついでに、「サクラ、猫、電車」の3つも覚えておいてください。

実際にどの程度の税額になるか、年金事務所で質問しましたが、「それは税務署でおたずねください。」と教えてもらえませんでした。

責任問題になるので、かん口令が敷かれているようですね。

姉は会社勤めをしていて給与所得者です。

たいていのことは、年末調整で完結するわけですが、どうも年金によって一定額以上の収入を得た場合は、確定申告が必要になるようです。

未支給年金は、一度に振り込まれたわけではありませんが、姉の口座に振り込まれた合計は500万円近く。。。

父アルツ君は老齢基礎年金・老齢厚生年金を受給していました。

アルツ君の特養での生活は主にこの年金が原資です。

アルツ君の年金加入記録についてですが、当時の社会保険庁(現在の日本年金機構)に記録されていない記録(未統合記録)として、アルツ君が亡くなった後に見つかりました。

昭和22年3月から昭和23年4月までの約1年間の厚生年金に加入していた期間の記録です。

本人の年齢からすると、19歳から20歳まで厚生年金の適用事業所(会社)に勤務していた時の記録です。

かれこれ70年前の記録です。

年金の支給開始年齢は、アルツ君の年代だと、60歳から支給されていますから、亡くなる88歳までの約28年間もらい損ねたことになります。

たった1年程度の加入記録ですが、年金額に反映されるわけで、仮に年額1万円でも28万円のもらい損ねです。



現在、年金時効特例法が施行されているので、アルツ君のようなケースの場合は「時効特例給付」として、過去にさかのぼった分も一時金として、支給されます。

参考:
年金時効特例法についてlinks
(日本年金機構)

しかも、「遅延特別加算金」と称して、利息のようなものも一時金として支給されます。

全部一括して振り込まれれば、わかりやすいのですが、時効の関係上、直近5年分が先に振り込まれ、後から残りの額と、2回に分けて振り込まれます。

たった1年間の加入記録ですが、200万円以上。。。

未統合記録として、このもらい損ねた年金をアルツ君が亡くなった後に、母キノコさん名前で請求しました。

しかし、このもらい忘れの年金の請求中に、今度は母キノコさんが入院&亡くなってしまったわけで、いわば姉の請求した年金は、未支給年金の未支給年金のようなものです。

「会議をどこでやるかを会議する」、「親亀の背中に子亀を乗せて~」、「賛成の反対なのだ。」みたいな面倒な話です。

しかしながら、これだけでは済まないんですね。。。

キノコさんのほうはキノコさんで、本来60歳からもらえる自分の老齢基礎年金・老齢厚生年金をもらっていなかったという事実が。。。

ややこしくなるので、端折りますが、かれこれ25年分の年金をもらい損ねていました。

ご存じのように年金は請求しないともらえません。

仮に30年前に手続きすれば、年金をもらえたのに、請求せず放置し、今になって、請求し忘れていたことに気づいて、慌てて請求したとします。

年金の請求権には5年という時効がありますから、請求しても、もらえるのは最近の5年分だけで、30年-5年=25年の年金は時効消滅して、もらうことはできません。

25年分の年金はパーです。

上記のように、単に自分が請求するのを忘れていて、「請求遅れ」となった場合、忘れていた自分が悪いのであって、25年分がパーになったとしても仕方のないことです。

「請求遅れ」の場合は一般的には年金時効特例法も対象外の扱いで、給付されません。

ところが、事情があって、キノコさんの場合はそうでなかった。

乱暴な言葉を使えば、当時の役所(社会保険事務所=年金事務所)の手違いによって、もらえなかったという話です。

ヤッチサイドとしては、「受理しなければ、社会保険審査会に審査請求する」、「訴訟も視野に入れる。」で、臨みました。

年金事務所は「時効特例には該当しない。」、「時効を援用する。(時効の成立を主張する。)」と互いに譲らず平行線のまま。。。

ようやく去年(2018年)、こちらの言い分が認められ、「時効特例給付」としてキノコさんのもらい損ねていた年金も支給されることになりました。

キノコさんの場合は、アルツ君のように長く会社勤めをしていませんでした。

戦後、連合軍総司令部(GHQ)の配下で、ウエイトレスを2年に満たない程度やっていただけです。

正確には19カ月の短い厚生年金の加入期間ですが、それでも今回、時効特例給付として振り込まれた金額は180万円を超えます。

また、さらにさらにややこしい話ですが、父アルツ君が亡くなったことによる遺族厚生年金をキノコさんは受給(実際には支給停止扱い)していましたから、この金額も修正され、一時金として、支給されました。

さらに、去年(2018年)4月にキノコさんは亡くなっていますから、この4月の1カ月分の年金も未支給年金として、支給されました。


年金をもらっている人が亡くなった場合、死亡した月の年金がたいてい未支給となるので、請求すれば、最後に表示したはがき一枚が届くだけで、我が家のように、たくさんの通知が届くようなことはないと思います。

掲載させてもらった画像ほかに、内訳も同封されて来ましたから、届く書類は多量です。

実際の手続きはヤッチがやったと申しましたが、送付先は姉にしていました。

たぶん、お姉様、わけのわからない状況だったことが推測されます。

なので、事情をよく知っているヤッチが姉の税務署への確定申告のお供に。

事前に、去年(平成30年)、姉の口座に振り込まれた年金関係の金額を表にしておきました。

未支給年金の内訳
種別期間金額
アルツ君
時効特例給付
老齢
基礎・厚生
昭和63年03月

平成24年11月
(297カ月分)
2,010,858円
アルツ君
遅延特別加算金
老齢
基礎・厚生
185,159円
アルツ君
未支給年金
老齢
厚生
平成24年12月

平成28年11月
(48カ月分)
329,409円
キノコさん
時効特例給付
老齢
基礎・厚生
昭和63年10月

平成24年05月
(284カ月分)
1,875,716円
キノコさん
遅延特別加算金
老齢
基礎・厚生
172,714円
キノコさん
老齢
基礎・厚生
平成24年06月
~平成30年03月
(70カ月分)
キノコさん
本人に支給済
キノコさん
未支給年金
老齢
基礎・厚生
平成30年04月

平成30年04月
(1カ月分)
24,378円
キノコさん
未支給年金
遺族
厚生
平成28年12月
~平成30年04月
(17カ月分)
135,996円
合 計4,734,230円
※ 赤字は年金時効特例法に該当しないと思われる金額(合計489,783円)

上記のほかにも、払いすぎた介護保険料の還付だとか、わずかな金額ですが、入金されています。

課税対象となりそうな金額は、微妙に50万円を超えそうです。

自分で、手続きしていないのだから、姉に何のお金なのか説明できるはずありません。

なので、税務署で説明を求められたときに、答えられるようにヤッチも税務署へ出向いたわけです。

税務署の相談窓口は1階ではなく、2階でした。

1階は、申告書の提出のみの窓口で、相談してから申告書を作成する人はまず2階に行くようです。

2階に上がり、1時間近く待たされて、ようやく職員さんとご対面です。

姉:「父母が亡くなって。去年、その父母の年金が私の口座に振り込まれたのですが?」

そう言って、姉はヤッチが作成した表を税務署員さんに見せます。

税務署員さん:「これは、去年1年間だけのものですか?」

姉:「???」

ヤッチが割って入ります。

ヤッチ:「去年(前年)のものも含まれていますが、ほとんどは時効特例給付として、過去に遡及して支払われたものです。昭和63年から支払われるものも含まれています。振り込みは、一時金で去年一括です。」

税務署員さん:「ちょっとお待ちくださいね。」

何やらこの署員さんにはご理解いただけなかったようで、席を外し、別の署員さんと相談しています。

別の署員さんが私たち二人の前にいらっしゃいます。

税務署員さん:「確定申告は前年の所得についてやっていただくものですから、お伺いした限りでは、申告の必要はないかと存じます。」

ヤッチ:「と、おっしゃいますと?」

税務署員さん:「過去にさかのぼって、1年ごとに収入・所得金額に換算しても、その金額が20万円におそらく満たない金額になるので、必用ないかと…。」

20万円???

未支給年金は、「一時所得」であって、「雑所得」ではないような気がするんですけどね…。

給与所得者が副収入などで収入を得た場合、その所得金額(収入金額-必要経費)の合計額が20万円を超えると、確定申告が必要です。

ブログ等でアフィリエイトをされている方なら、ご存じかと思いますが、おそらく税務署員さんはこの「20万円」のことをおっしゃっているのだと思います。

ヤッチ:「各年に按分して、所得金額を割り出すということですか?」

税務署員さん:「そうです。そうです。」

ヤッチ:「となると、去年1年間分として、相当大きな金額の年金が振り込まれないと、確定申告の必要はないということですよね?」

税務署員さん:「そうですね。」

税務署員さん、忙しいのか、足早に去って行ってしまいました。

未支給年金への課税


そもそも、時効特例給付は、年金の請求の時効である「5年」を国が「特例」によって支給する年金です。

おそらく、時効特例給付の過去にさかのぼって5年を超える部分については、所得税の課税徴収権(5年)は消滅しています。

つまり、過去にさかのぼって5年を超える部分については、こちらサイドとしては、税金を支払わなくてもよいものだと思います。

この辺はヤッチもうすい頭だけに、「支払わなくてもよい」と、うすうす気づいていました。

でも、直近(最近)の5年分について支払われた年金については、課税徴収権の時効は消滅していないので、一定額(20万円ではなく、50万円)を超えれば、「一時所得」として課税されるというのが、ヤッチの考えです。

自分の懐からではないので、払う気満々なのに…。

「20万円」という控除額も本来は「50万円」というべきものであって、所得の種類も違うもののような気がしますが、税務署が「申告しなくてもよい」というものを「いや!申告して支払う!」というのも変なので、その場を後にしました。

少しというか、大いに納得がいかなかったので、税務署の1階でも同じ質問をぶつけてみました。

税務署員さん:「2階の人がそう言っているなら、それで間違いないと思いますよ。2階のほうが専門だから。」

姉と二人で、税務署を出ます。

姉:「せっかく会社休んで来たのに…。こんな簡単な話なら、電話で教えてくれればいいじゃん!」

お姉様、さすがです…。

そして、ごもっともです!

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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2019/03/18 | コメント (2) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top
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