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スマホ版 アルツ君は職人

進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。[スマホ版]

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ボタモチの威力

https://alzheimers.blog.fc2.com/blog-entry-434.html
こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

アルツ君の就寝時に設置されていたコールマットですが、コールマットに接続されている電源コードをアルツ君が、どこかに隠してしまい、以降、結局コールマットの設置は取りやめになってしまいました。

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コードをどこかにやってしまったのは、これで二回目です。

居室のどこを探しても見つからないので、ヤッチの勘では、三階の自分の居室の窓から投げ捨てたのではないかと思うのですが、アルツ君に訊いても、『そんなもの、しらない。』の一点張りです。

たぶん、こういう結果になるのは、予測していたので、それ以上追及することはやめにしました。

監視されるのは誰でも嫌なものですし、トイレに行こうとベッドから離れれば、施設の職員さんが馳せ参じるのですから、多分ヤッチでも同じことをしていたかもしれません。

施設の方々には、ご迷惑をかけることになってしまいましたが、結果として、アルツ君が夜間に大声を上げることは無くなったそうな…。

施設の職員さんから姉に『コールマットが無い方がお父さんの機嫌は良いみたいですね。(コールマットを)もっと早くに気づいて外してあげればよかった。申し訳ありませんでした。』と逆に謝られてしまったとの事です。

コールマットが取りやめになったあとは、しばらくアルツ君も穏やかに過ごしていたようです。

ですが、一昨日、ヤッチがアルツ君の施設へ面会に行ったときは、アルツ君に変化が…。

ヤッチが居室のドアをノックすると、『は~い。』と女性の声が…。

どうやら、女性の介護職員さんの声です。

ヤッチが居室に入ると、クローゼットの中にしまってある荷物が散乱…。

アルツ君はベッドに腰かけて、アルツ君の正面にある椅子に、女性職員さんが散乱した荷物を集めながら座っています。

女性職員さん:「ほ~ら、来てくれたじゃないですかぁ~。」

訪れたばかりのヤッチには事情が呑み込めません。

???

ヤッチ:「なんか、あったんですか?」

女性職員さん:「お父様ね、『朝から(面会に)誰も来ない。』って部屋で暴れてたの。」

アルツ君:「暴れてなんかいやしませんよっ!!ちょっと運動してただけだっ!!」

ヤッチ:「オリンピックはまだ先の話しだぞ!?だいたい何の競技に出るんだ?」

アルツ君:「ふん。なんだっていいや。だ~れも来やがらないんだから…。」

ヤッチ:「で、気にいらなくて暴れてたっていうわけ?」

女性職員さん:「そっ。」

アルツ君:「ばあさん(キノコさん)なんか、ちっとも俺のところに顔を出さないぞ。どっかで遊んで歩いてるんだろっ!!」

うん…、ヤッチはキノコさんから、前日に面会に行ってきたと聞かされていたんですが…。

(-_-;)

ヤッチ:「まるで参勤交代だな。」

アルツ君:「あたりまえさよ~。(女房なら)顔を出すのが当たり前さよ~。」

女性職員さん:「息子さん、来てくれたじゃない?」

アルツ君:「ふんっ!!」

ヤッチ:「わかった、わかった。ばあさんには、俺からよく言っておくよ。何なら、正座させて漬物石でも膝の上に載せておこうか?」

アルツ君:「お前なんて、当てになるかいっ!!」

ヤッチ:「聞き捨てならないセリフを今吐きましたね?当てにならない?ふ~ん…。」

アルツ君:「なによ?」

ヤッチ:「いやさ、今日は久々に『ボタモチ』を持って来たんだけどな~。」

( ̄◇ ̄;)エッ?

アルツ君の目の色が変ります。

アルツ君:「ボタモチ?」

ヤッチ:「ボタモチを持って来たんだけど、どうせ当てにならない息子の持って来たものなんか食えないよな~。帰るかな~。」

おいしいボタモチ


女性職員さん:「お茶をお持ちしましょうか?」

ヤッチ:「いやいや、食べるかどうかわからないんで…。」

アルツ君:「ばーか!!ボタモチと聞いて食わないやつがあるかよっ。」

女性職員さん:「お茶をお持ちしますね。」

ヤッチ:「すいません…。」

アルツ君:「はやく出せ!!」

ヤッチ:「家でトイレは済ませて来たよ。」

アルツ君:「いいから、早く出せ!!」

ヤッチ:「その前に手は洗ったのか?手にボタモチが付いてるんじゃないだろうな?」

アルツ君:「どっちでもいいや。みそもクソも一緒くただっ。」

ヤッチ:「汚ね~な~。それじゃあ、持ってこなくても、いつでも食えるじゃんかよ。」

アルツ君:「いいから、早く出せ!!」

ヤッチがボタモチのパッケージを開けていると、ちょうど、女性職員さんがお茶を持って来てくれました。

女性職員さん:「いいなぁ~。」

アルツ君:「やらないよん~。」

女性職員さん:「取らないよ~。」

アルツ君:「美味いんですからね。」

女性職員さん:「はい、はい。何かありましたら声を掛けて下さい。」

女性職員さんはそうおっしゃって、居室を出て行かれました。

ヤッチ:「ばあさんからの貢ぎ物だからな。心して食えよ。」

本当はスーパーマーケットで買ってきたもですが…。

アルツ君:「あの、ばばあ、家でこんなもんばっかり食ってるのか?」

ヤッチ:「いや、もっと美味いものかもしれんぞ。」

アルツ君:「かっー!!」

そう言いながら、アルツ君、大きなボタモチの真ん中にフォークを突き刺し、大口を開けて放り込もうとします。

ヤッチ:「おいおい、無茶でしょ。切ってやるから、チビチビ食えよ。」

アルツ君:「チビチビ食っちゃ美味くないぞ!?」

ヤッチ:「でもさ…。ここで窒息死するのを見届けたくないからさぁ…。」

ヤッチはアルツ君が一度口に放り込もうとしたボタモチを切り分けます。

切り分けるヤッチの手をアルツ君がじーっと見つめています。

アルツ君:「かっー!!ボタモチなんか食うのは10年ぶりだぞ。」

ヤッチ:「あのさ、もう流行語大賞の発表は終わったんだから、そのセリフやめない?」

アルツ君:「なんでも、いいや。早く食わせろ。」

ヤッチは切り分けたボタモチの一つにフォークに挿し、アルツ君に渡します。

アルツ君、パクリと一口…。

ヤッチ:「で、なんでさっき、そんなに暴れてたの?」

アルツ君:「ふふん…。」

ボタモチを食べながら、アルツ君はにやけています。

ヤッチ:「笑っているっていう事は、暴れてたことをおぼえてるっていう事だな?」

アルツ君:「ふふん…。」

ヤッチ:「面会に誰も来なくてへそを曲げてたのか?」

アルツ君:「そういう事は言わないのっ。」

ヤッチ:「で、今はどうなの?ご満悦?」

アルツ君がコクリとうなずきます・

ヤッチ:「誰かが面会に来ないのが気にいらないんじゃなくて、誰かが食い物を持ってこないから気にいらないんじゃないのか?」

アルツ君:「ふふん…。」

ヤッチ:「ということはさ、今ボタモチを食べてるよね?」

アルツ君:「食べてますよん。」

ヤッチ:「じゃあ、ボタモチを持って来た俺はもう用無しっていうこと?」

アルツ君:「ふふん…。そういう事になるのかなぁ…。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

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