こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
ずいぶん長いこと更新をさぼってしまいました。
(^^ゞ
言い訳になってしまいますが、自分の引越しはわけなく終わったのですが、キノコさんの引越しがことのほか手こずってしまいました。
御存知のように重い荷物を持てないキノコさん…。
新しい部屋に運び込まれた段ボール(荷物)の山を自分で処理することができません。
ヤッチ自身の部屋の荷物を後回しにして、まずはキノコさんの部屋の荷物の処理です。
何日かかけて、ようやく不自由のない状態まで持って行き、今度は、住所変更などの役所関係の手続きや銀行口座などの変更の届け出です。
最近は、本人確認書類などが厳しくなり、キノコさんの代理でヤッチが届け出をすることもできないものが有り、そういう時はどうしてもキノコさんと一緒に出掛けなくてはなりません。
83歳という高齢も有り、役所一つに行くのも1日がかりになってしまいます。
生活保護を受けるようになると、国保などから外れることになり、被保険者証というものは有りません。
そう…。
身分証明書になるようなものが、少なくなってしまいます。
代わりに生活保護を受けるようになると、『生活保護受給証明書』というものをもらいます。
A4の再生紙に区長の印が押された極々簡単な証明書です。
これが身分証明書になるかと思いきや、意外に認めてくれないところが多いんですね。
それでも、たいがいのところの手続きは何とか済ますことができ、少し落ち着いてきたところでしょうか…。
さて、『記事にする』と申し上げておきながら、長らく更新せずに、ブログを放置したままになってしまいましたが、今日は1ヶ月も前にになる4月9日のアルツ君の診察について書いてみたいと思います。
診察は、普段掛かり付けの近所の主治医ではなく、認知症関連を診て下さっているドクターによる診察です。
未だ高齢者虐待防止法の保護下のアルツ君なので、アルツ君は保護されている施設から高齢者相談センターの職員さんが、診療所まで連れてきます。
ヤッチはアルツ君の診察の予約時間に合わせて自宅から診療所に向かいます。
予約時間は、お昼前の11:50。
中途半端な時間だったのでお昼ご飯は食べられません。
ちょうど予約時間に診療所に到着です。
まだアルツ君は来ていないようです。
診療所の廊下が待合室になっているのですが、席が空いておらず、廊下の突き当たりまで行き、ようやく空いている席をみつけます。
アルツ君、どんな感じで登場するのでしょう…。
少し、ヤッチも緊張した面持ちで、アルツ君の登場を待ちます。
しばらくすると、自動ドアの外にアルツ君の姿が見えます。
男性の職員が同伴しているようです。
自動ドアがアルツ君の姿に反応して開きます。
職員さんに付き添われ、アルツ君が診療所の中に入ってきます。
大勢の患者さんが待合室に腰かけているので、ヤッチもまぎれてしまって、アルツ君はヤッチの姿に気がつかない様子です。
ヤッチはアルツ君に向かって軽く手を振ります。
それに気づいたのか、たまたまだったのかわかりませんが、アルツ君がヤッチに気づいたようです。
その途端にアルツ君の表情が険しく変わります。
アルツ君:「お前っ!何でこんなところにいるんだっ!またばあさんかぁっ!」
入り口付近から、廊下の一番突き当りにいるヤッチに向かって、アルツ君が絶叫したものですから、一斉に中にいた患者さんが、アルツ君に注目です。
アルツ君:「なんでお前がこんなところにいるんだっ!」
以前記事にさせていただいた高齢者相談センターでの面会の時と同じように、アルツ君、大興奮です。
ちょっと殴りかからんばかりの勢いすら有りました。
ヤッチ:「まあ、まあ…。座ろうよ。」
ヤッチが近づいてきたアルツ君に声をかけます。
アルツ君:「なんで俺がこんなところに腰かけなくちゃいけないんだっ!ここは病人が来るところだろっ!俺はどこも悪くなんかないぞっ!」
ヤッチ:「まあ、まあそう言わずにとりあえず、座ってみようよ。」
アルツ君:「座ってる暇なんかないんだぞっ!俺は忙しいんだっ!」
ヤッチ:「そっか…。忙しんだぁ…。なんの仕事をしてるんだい?」
アルツ君:「そんな大した仕事なんてしてないさ。それより何で俺がこんなところに来なくちゃならないんだ?」
ヤッチ:「仕事するにしても、どっかぶっ壊れてたら、仕事続けられないだろ!?病気になっていないかの定期点検だよ。車で言えば、車検みたいなもんだよ。」
アルツ君:「お前ね。車検を受けるにしても、金がいるんだぞ。金も銭も無いと何にもできないんだぞ。お前はわかってるのか?」
アルツ君、興奮気味ではありますが、ちょっとだけ落ち着きを取り戻したようです。
ヤッチ:「お金のことは心配しないでも大丈夫だよ。それより桜の花は見たのか?来る途中、ちょうどいい感じに咲いてたんじゃないのか?」
アルツ君:「桜もへったくれもあるかっ!!ああぁあ…。世の中おしまいだっ…。」
ヤッチ:「今居るところで何か有ったのか?」
アルツ君:「何にも有りゃしないさ。それより、俺は家には帰らないからな!今居るところもいつまで居られるかわからないんだからっ!」
ヤッチ:「それじゃあ、行くところが無くなっちゃうじゃないか。」
アルツ君:「そんなこと、俺の知ったことか…。」
怒鳴り疲れたのか、アルツ君、急に静かになって、目を閉じてしまいました。
ちょうどその時、高齢者相談センターの支援係長さんが、待合室に入ってきました。
どうも、車を駐車場に入れに行っていたらしく、空が無くて、てこずっていたようです。
アルツ君が目を開け、またもや興奮です。
アルツ君:「なんで、大勢して俺をこんなところに連れて来やがるんだっ!!」
アルツ君が、スクッと立ち上がりました。
今までに見たこともない軽い動きです。
ヤッチ:「何?どうしたの?」
アルツ君:「うるさいっ!!俺は帰るっ!!」
ヤッチ:「帰るってどこへ?」
アルツ君:「うるさいっ!!どこへ行こうが知ったこっちゃないっ!!」
ヤッチはアルツ君の腕をつかもうとしましたが、アルツ君、それを振りほどいて、出口に向かおうとします。
ヤッチ:「ちょっと、待とうよ。」
ヤッチはアルツ君を後ろから羽交い絞めにして逃げられないようにします。
高齢者相談センターの職員さんが二人も見ているというのに、思い切り後ろからホールドしてしまいました。
当然、高齢者虐待防止法を熟知している職員さん二人は、アルツ君に静止の声をかけるだけで、指一本触れようとはしませんでした。
ヤッチ:「とにかく、もう少しで先生に呼ばれるから、先生にどこが悪いのかはっきり聞いてみようよ。どこも悪くないなら、すぐに帰れるよ!」
アルツ君:「ふん、医者なんて、悪くなくたって、悪い所見つけるんだよ。それが商売だからな。」
ヤッチ:「それならそれで、突き返してやればいいさ。ちょっとだけ待とうよ。」
アルツ君:「ふん、仕方ないなぁ…。」
しばらくすると、診察室からドクターが顔を出し、アルツ君の名前を呼びます。
ドクター:「外で元気な声を出していたのは、○○さん(アルツ君のこと)でしたかあ…。どうですかぁ?調子はどうですか?」
診察室に入ったアルツ君に、ドクターが声をかけます。
アルツ君:「悪いっ!!」
ドクター:「どこが悪いんですかねえ?」
アルツ君:「どこもかしこも悪いよ。」
ドクター:「そうですかあ…。ここはどこだかわかりますか?」
アルツ君:「どこだかわからないねっ。家になんか帰れるわけがないっ!!」
今度はドクターが高齢者相談センターの職員さんにアルツ君の最近の状況についてたずねます。
そう…。
ヤッチは前回の診察からずっとアルツ君と生活を共にしていないので、この1ヶ月の病状は全くわかりません。
支援係長さんが、答えます。
支援係長さん:「施設では穏やかなご様子ですよ。施設ではコミュニケーションも取れて、歩行訓練を『仕事』だと思っていらして、一生懸命歩いていらっしゃいますよ。ただ、やはり夜中に頻尿は有るようです。」
少し腑に落ちない発言に感じました。
施設では穏やかで、家族に会うと興奮してしまうのは、なぜ故と言いたいところでしたが、今回の診察は、ヤッチはあくまでもオブザーバー…。
ドクター:「仕事ですかぁ…。今日は桜の花がきれいに咲いていたんじゃないですか?」
アルツ君:「桜なんて俺には関係ないよ…。」
アルツ君、この日は興奮しているせいなのか、小刻みだった歩行も改善されて前のめりだった腰も幾分伸びて、身長が高くなったようにも見えます。
眼球障害も出ていないようです。
興奮ということを除けば、ドクターからすると可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。
何だか変な雰囲気になり、一同沈黙の状態になります。
アルツ君は待合室で待つように促されます。
高齢者相談センターの男性職員が付き添い、アルツ君は待合室へと。
診察室にはドクターと支援係長さん、ヤッチの三人が残ります。
支援係長さんが切り出します。
支援係長さん:「○○さん(アルツ君)ですが、先生の診断はいったいどういったものなのでしょうか?」
ドクター:「ご家族にはお話ししたのですが、まだそちらにはお教えしていませんでしたっけ?正直、ハッキリしたことは言えませんねえ…。」
支援係長さん:「進行性核上性麻痺(難病)ではないのですか?」
ドクター:「そうですねえ…。絶対的に進行性核上性麻痺とは言い切れないところが有りますねえ…。これは今後、どういう症状が出てくるかで変わってくるかもしれません。転倒が多いということでパーキンソン関連疾患のどれかだということは言えると思います。画像を見る限りではPSP(進行性核上性麻痺)の疑いが強いですね。大脳皮質基底核変性症なんていうのも考えられますから…。純粋のアルツハイマーではないということだけは確かです。アリセプトに対してもたくさん使うと薬剤過敏が有るので、使える薬が無いのが現状というところでしょうかね。ドーパミンなどもPSPだとすると効かない可能性の方が大きいですね。PSPだと前頭葉に障害が出やすいということも言えます。」
支援係長さん:「そうですか…。今後注意しなければいけないことは何でしょうか?」
ドクター:「これもご家族には申し上げましたが、一番気をつけなければいけないのは転倒ですかね。」
支援係長さん:「先生、今日は先生に書いてもらおうと思って書類をお持ちししたんです。難病申請の書類です。この書類、難病の種類によって書類も全部違うんですね?」
ドクター:「それは、やめときましょうよ。どの道生保(生活保護)で全額公費負担になるんだし…。」
ドクターは明らかに書類を書くのが面倒だといった表情です。
支援係長さん:「いえいえ、一応書いていただかないと…。」
ドクター:「でも、書く項目を正確に埋めていくと、今の○○さんの症状からは、申請が通らない可能性がありますよ…。」
ここで、明らかに支援係長さん、ヤッチに『席を外せ』というアイコンタクトです。
それを察してヤッチも待合室に戻ります。
アルツ君は目を閉じたまま、待合室の長椅子に腰かけじっとしています。
何だか、毎日一緒に過ごしていたのに、ずいぶん長い時を刻んでしまったような錯覚に陥りました。
いつもなら、冗談の一つも交えるのに、その日は全くそんな気分にもなれずにいたのを記憶しています。
まだ、アルツ君は、移送された施設(最初に保護された施設とは別の施設)で特別養護老人ホームの空を待っている状態だと聞きます。
現在アルツ君がいる施設での面会はヤッチはもちろんのこと、他の家族も許されていません。
4月26日に今、アルツ君の居る施設ではなく、高齢者相談センターの会議室でふたたびアルツ君と面会することができました。
次回は、この様子について書きたいと思っています。
長らく、ブログを放置したままになってしまい、心配してコメントを下さった皆さん、ありがとうございました。
また少しずつ記事を書き足して行きますので、よろしくお願い申し上げます。
まだ、笑えるような記事は書けそうもないので、少々堅苦しいかもしれませんが、気長に待っていて下さいね。
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