site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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アルツ君の脳梗塞 ~ 再搬送先編

2014/12/02 (火)  カテゴリー: 脳梗塞
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アルツ君の再搬送先がK病院に決まりました。

すっかり外は真っ暗、冷たい雨も降り続いているようです。

アルツ君に続き、ヤッチは救急救命士さんに救急車に乗り込むように促されます。

席につき、シートベルトつけようとして、救急救命士さんが『閉めますよ~。』と言ったところで、ネクタイ姿の男性が立ちはだかります。

男性:「あの、会計をまだしていただいていないのですが…???」

どうやら会計事務の職員さんだったようです。

ヤッチ:「あ、すいません。ご覧のとおり取込み中なので、後日というわけにはいかないでしょうか?」

男性:「後日ですか…。わかりました…。」

ヤッチ:「後日、なるべく早くにお伺いしますので、申し訳ありません。」

男性:「わかりました。それと、患者様(アルツ君のこと)がこちらの検査着を着ていらっしゃるので、洗濯をしないで結構ですので、ご返却いただけますか?」

ヤッチ:「わかりました。会計に伺う時に、必ず持参してお返しいたします。」

救急車の後部のハッチが閉まり、動き出します。

救急車のドライバー、幹線道路を走行すればよいのに、なぜか裏道ばかりを走りたがります。

救急車はサイレンを回しているので、何も裏道を走る必要はないと思うのですが、何か事情が有ったのでしょうか。

おかげでこっちは強い揺れを感じ、脳を損傷しているアルツ君のことも心配になってしまいました。

アルツ君、時折寝返りを打とうという仕草を見せますが、ベルトで抑制されているので動けません。

諦めたのか、眠ってしまいました。

15分か20分くらいかかったでしょうか、再搬送先のK病院に到着です。

後部ハッチをノックする音が聴こえ、ハッチが開きます。

ヤッチはシートベルトを外し、外に降り立ちます。

おっと。

屋根なし?

冷たい雨の水滴が雨滴感知機能の増しているヤッチの頭頂部にあたります。

救急の入り口は通りに面していますが、屋根がありません。

これ、ゲリラ豪雨の日だったらどうなるんだろう?

ストレッチャーに載せられ、救急車から出てきたアルツ君もさすがに一瞬目を見開き、空を仰ぐような素振りを見せました。

アルツ君に続いて、救急室の中にヤッチも入ります。

大変失礼な話ですが、救急室というよりも、ガレージのようなところです。

屋根付きの車庫と言った方がイメージしやすいかな!?

かろうじてルームエアコンが設置され、空調が確保されていましたが、ちょっと肌寒い…。

しばらくそこで待っていると、手術着にマスク姿の男性が姿を現します。

救急救命士さんがその男性にJ病院で書いてもらった診療情報提供書やCD-ROMを手渡しています。

その男性は立ったまま、ストレッチャーに載ったアルツ君とヤッチにお尻を向け、カウンターテーブルのような所に書類を拡げています。

定かではありませんが、担当してくれる医師ではなく、助手さんのような印象です。

男性が消え、しばらくの間沈黙が流れます。

ヤッチが外の方を見やると、くもりガラス越しにサイレンを回した別の救急車が次の受け入れのために待機しているようです。

ヤッチはすでにこの時、心の中で『ヤバそうだな…。』を連呼しています。

すこし経って、先ほどの手術着姿の男性と一緒に白衣姿の中年男性が姿を現します。

その風貌から医師であることは間違いないようです。

チラリとこちらを見ましたが、すぐにお尻を向け、カウンターテーブルの書類に目を通し始めました。

医師:「脳梗塞だって?」

医師は立ったまま、こちらにお尻を向けています。

ヤッチ:「はい。J病院でベッドの空きが無かったのでこちらへ…。」

医師:「なんか、(J病院で)言ってた?」

ヤッチ:「梗塞から4時間半以内ならTIMだか、TPPをやれると言っていましたが、年齢的にも無理だろうと…。」

医師と手術着姿の男性:「それ、t-PA(血栓溶解療法)だろっ!」

ヤッチ:「はい、すいません…。」

なんで、こんなに横文字を知らないだけで怒られなければいけないのかという印象です…。

グレてやる…。

医師:「なんか、薬は飲んでいるのかな?」

ヤッチ:「J病院でですか?」

医師:「うん。」

ヤッチ:「点滴に何を使っていたかは、よくわかりませんが、J病院の看護師さんが私の目の前でバイアスピリンを2錠、飲ませていました。」

▽引用
バイアスピリン
概説
血液を固まりにくくするお薬です。血栓や塞栓の治療に用います。
働き
血管内で血液が固まり、血流を止めてしまう状態を“血栓”といいます。また、血栓が流れ、その先の血管を塞いでしまうのが“塞栓”です。心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)がその代表です。血管が詰まってしまうので、その先の組織が障害を受け機能を失ってしまいます。

このお薬の主成分はアスピリンです。アスピリンは少量で「抗血小板薬」として作用します。血小板の働きをおさえ、血液が固まるのを防ぐ作用です。おもに、狭心症や心筋梗塞、脳卒中(脳梗塞)などに用いるほか、川崎病にともなう心血管障害にも適応します。また、経皮経管冠動脈形成術(PTCA、PCI)においては、チエノピリジン系抗血小板薬との併用療法が推奨されています。
△引用

医師:「よく飲めたね?」

ヤッチ:「かなり無理やりでしたが、時間を掛けて…。むせずになんとかその時は飲んでいました。」

医師:「バイアスピリンじゃ、意味ないかもしれないよ!」

だから、俺が飲ませたんじゃないって…。

これからこの医師とフレンドリーになれるかはヤッチ次第だと思いますが、第一印象としては、苦手なタイプ決定です。

ヤッチ:「…。」

仮称K先生としましょうか。

何をおっしゃりたいのかヤッチにはわかりません。

K先生:「ま、ま、わかりした…。あっちで待っていて。」

手術着を着た助手と思しき男性がヤッチを案内します。

助手:「この廊下を歩いて行くと、待合室がありますので、そこでお待ちください。」

アルツ君とは一旦お別れです。

ヤッチは言われた通り、廊下を歩き、待合室にある長椅子に腰を下ろします。

外来の待合室のようです。

もう外来診療は時間的に終わっているのでしょう、人影はまばらです。

たぶん、救急患者のご家族なのでしょう、深刻な表情でひそひそと話しをしている姿も見えます。

この日、特養に行ってから今まで、ずっと水分を補給していなかったヤッチの喉はカラカラです。

飲料の自販機を見つけ、お茶を購入し、一気に飲み干します。

しばし、休憩と言ったところでしょうか。

事前に姉にはアルツ君がK病院に再搬送になったことを伝えてあります。

ここまで、アルツ君の最愛の妻であるキノコさんが登場していないことを不思議に思われた方もいらっしゃると思いますが、実はキノコさんずっと風邪をひいていて、やっとここへ来て治って、本調子ではありません。

なので、無理をさせてはいかんということで、ヤッチと姉がアルツ君のことをまかされているような状態です。

姉からキノコさんには連絡が行っていると思います。

一息ついていると、姉と姉の旦那さんがやってきます。

姉:「パパは?」

ヤッチ:「救急車でこの病院に来て、俺はここで待ってるように言われて、それっきり…。」

姉:「どこに居るの?」

ヤッチ:「さあ…。検査のほうは、J病院で済ませてるわけだから、後は病室だけだと思うんだけどね…。」

姉:「いろいろ大変だったでしょ?ごくろうさま。」

ヤッチ:「ほとんど座ってただけだからね。」

1時間くらい待ったでしょうか。

待合室にいる三人の前をアルツ君を乗せたストレッチャーが通り過ぎます。

いくつかある外来の診察室の一室に運ばれたようです。

姉:「あれ?今のパパだよね?」

ヤッチ:「だね。」

姉:「どこに居たんだろう?」

ヤッチ:「何だかこの病院、バンバン、救急患者を受け入れているみたいだから、ひょっとしたらずっと待たされていたのかもよ!?順番待ちしていたとか…。」

姉:「えっー!」

ヤッチが待っている間、待合室から見える外の大通りでは、引っ切り無しに救急車が出入りしています。

何でこの病院だけ、こんなにベッドが空いているんだろう…?

今度は医療事務をやっている職員さんが三人の前に現れます。

『入院のご案内』と書かれた冊子とこの病院のパンフレット、それに入院のための手続き書類一式を持ってきたようです。

姉が説明を聞き、印鑑が無いので、手続き書類の提出は翌日ヤッチが行うということでOKを貰いました。

ヤッチは後で書類に目を通せばよいことだろうと、姉にまかせてしまっていました。

姉から手続きの書類やパンフレットを預かり、家に持ち帰ると、書類の中には入院料金の記載がありませんでした。

『健康保険法に定める料金にて算定致します。』としか記載がありません。

国の診療報酬の改定が有った場合、案内書を刷りなおさなくて済むよう、コストを削減しているのでしょうか。

『入院保証金(任意):100,000円』はやたら目立つんですけどね…。

いずれにしても、入院してしまうわけですから、高いの安いの今さら言っても仕方がありません。

姉や姉の旦那さんとゴチャゴチャと入院の手続きについて話し合っていると、外来の診察室に呼ばれます。

アルツ君の運ばれた診察室の隣りです。

診察室には姉とヤッチが入ります。

診察室に座ってらっしゃったのは、先ほど救急室にいらしたK先生です。

K先生がいきなり切り出します。

K先生:「前にも脳梗塞をやってるね。はじめてじゃないね。」

ヤッチ:「それはJ病院の先生からも同じことを言われました。」

K先生:「そう。」

ヤッチ:「以前の脳梗塞って、いつぐらいのことなんでしょうか?」

K先生:「それはわからないな。」

ヤッチ:「そうなんですか…。」

K先生:「やったことはわかっても、いつっていうのはわからないな。」

ヤッチ:「…。」

K先生:「さっき、弟さんにちょっとお話ししたんだけど、普段バイアスピリンを飲んでいるらしいんだけど、シンゲンセイの脳梗塞だったら、バイアスピリンじゃダメだよ。」

姉:「シ・ン・ゲ・ン・セ・イ…???」

K先生:「ふふ、わからないようだから、コピーしようか?」

K先生はそうおっしゃって、コピーしたA4サイズ用紙をヤッチと姉に渡します。

一枚の用紙に裏表コピーしたものです。

一応もらった用紙を写メしてアップしましたが、意味をなしていませんね。

m(__)m

片面には脳の動脈の図説です。

もう片面には脳梗塞の種類の図説のようですが、今ひとつよくわかりません。

K先生は脳梗塞の種類の方を拡げて、説明を始めます。

K先生:「脳梗塞といっても、色々種類が有るんだよ。大きく分けると三つ。」

どうやら、『シ・ン・ゲ・ン・セ・イ』は『心原性』と書くようです。

このあと、K先生の説明が続きますが、ヤッチも姉もこの時は何を説明されているのか、全くわかりませんでした。

悔しいので、家に帰ってから、少し脳梗塞について調べました。

この記事をわかりやすくするため、調べたことを予備知識として載せておきます。

名称までおぼえる必要はなく、ヤッチのような素人レベルでは『そんなものがある』くらいでとどめておいた方が頭がかゆくならないで済むと思います。

脳梗塞にはK先生のおっしゃるように、大きく分けて三つあるようです。

▽引用
脳梗塞の成り立ち
「脳梗塞」は、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気です。

脳梗塞は詰まる血管の太さやその詰まり方によって3つのタイプに分けられます。症状やその程度は障害を受けた脳の場所と範囲によって異なります。

脳梗塞の種類
ラクナ梗塞
脳の細い血管が詰まって起こる脳梗塞【小梗塞】
脳に入った太い血管は、次第に細い血管へと枝分かれしていきます。この細かい血管が狭くなり、詰まるのがラクナ梗塞です。日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、主に高血圧によって起こります。ラクナは「小さなくぼみ」という意味です。

アテローム血栓性脳梗塞
脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞【中梗塞】
動脈硬化(アテローム硬化)で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まるタイプの脳梗塞です。動脈硬化を発症・進展させる高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が主因です。

心原性脳塞栓症
脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞【大梗塞】
心臓にできた血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を詰まらせるものです。原因として最も多いのは、不整脈の1つである心房細動。ミスターG・長嶋茂雄氏を襲ったのも、このタイプの脳梗塞です。
NO!梗塞.netより引用
△引用

K先生は説明を続けます。

K先生:「お父さんの脳梗塞がもし心原性、つまり心臓から来ていると、バイアスピリンを普段服用しているっていうけど、あまり意味が無いかもしれないよ。お父さん、不整脈が有るっていう話だからさ…。」

ヤッチと姉:「はい…。」

K先生:「バイアスピリンは抗血小板薬だから…。血液をサラサラにする薬でも違う薬を使わなくちゃ。」

ヤッチ:「ワーファリンかなにかということですか?」

K先生:「へー。よく知ってたね?」

ヤッチ:「母がたまたま飲んでいる薬だったものですから…。」

▽引用
ワーファリン
概説
血液を固まりにくくするお薬です。血栓症の治療に用います。
働き
血管内で血液が固まり、血流を止めてしまう状態を“血栓”といいます。また、血塊が流れ、その先の血管を塞いでしまうのが“塞栓”です。心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)がその代表です。血管が詰まってしまうので、その先の組織が障害を受け機能を失ってしまいます。

このお薬は「抗血栓薬」です。血管内で血液が固まるのを防ぐ強い作用があります。そのため、心筋梗塞や脳卒中の治療に用いられています。とくに、心臓の手術のあとや、心房細動などある種の不整脈により生じる脳卒中‘心原性脳塞栓症’の予防効果が高いことが分かっています。

そのほか、静脈血栓症、肺塞栓症、末梢動脈疾患、腎炎など、血栓や塞栓に起因するいろいろな病気に広く用いられています。ただ、効果発現までに1~2日かかるので、深部静脈血栓症などに対しては、まず低分子ヘパリンの皮下注射をおこない、維持療法としてこの薬を内服するのが一般的です。
特徴
抗凝固療法として用いる代表的な抗血栓薬(抗凝固薬)です。長年にわたり、血栓や塞栓の治療薬として、標準的に用いられてきました。ただし、できてしまった血栓を溶かす作用はありません。血栓の予防あるいは進行の抑制を目的に使用するものです。また、アスピリンなど抗血小板薬とは作用のしかたが違うので、適切に使い分ける必要があります。

とくに心房細動に起因する各種の塞栓症に有用です。上手に用いれば心原性脳塞栓症のリスクを3分の2ほど低減させるといわれています。そのほか、いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれる深部静脈血栓症や肺塞栓症の治療にも適します。

一方で、治療域がたいへん狭く、用量の設定に細心の注意を払わなければなりません。少ないと効きませんし、多すぎると出血を起こしてしまうのです。他の薬剤や食物との相互作用を起こしやすいのも難点です。
△引用

K先生:「バイアスピリンは抗血小板薬、ワーファリンは抗凝固薬。似て非なるものだから。」

あまりにわかりにくいので、ヤッチ的に整理してみました。

整理すると余計にわかりにくいかも…。

まず、名称はともかく脳梗塞には大きく分けて三種類あります。

ひとつは先生のおっしゃっている、心臓から流れ星(血栓)がイッパイ飛んできて、脳の血管を塞いでしまう脳梗塞。

残りの二つは脳の血管の太さによって二分されますが、脳の中の血管を詰まらせたり塞いでしまう脳梗塞で、ザックリ言えば、『脳内だけ』で起こる脳梗塞ということになります。

心臓から流れ星(血栓)が飛んでくる脳梗塞では、作られる血栓の種類が違い、主に心房細動(心臓の心房が細かく動く不整脈の一種)で作られる血栓は赤色血栓というもののようです。

赤色血栓をサラサラにするには、バイアスピリンよりワーファリンの方が適しているという話です。

転んだりして膝小僧などを擦りむくと出血しますが、この出血を止める時、血小板が一生懸命頑張って傷口に堤防を築きます。

作られる血栓の種類としては白色血栓です。

堤防の決壊を防ぐために、傷口付近の血液がネバネバ(赤色血栓)になって、血小板を応援する接着剤になります。

これが凝固作用で対義語は抗凝固作用です。

この二つの作用で出血を止めるわけで、傷を治すという面からは、ありがたい働きですが、血液をサラサラにするにはありがたくないので、病気に応じてこれらの働きを抑制する抗血小板薬のバイアスピリンや抗凝固薬のワーファリンが存在するというわけです。

で、K先生はアルツ君の不整脈が心房細動(心臓の心房が細かく動く不整脈の一種)で、アルツ君の脳梗塞が心臓から飛んでくる流れ星系の脳梗塞ではないかと考え、抗血小板薬のバイアスピリンは適さず、抗凝固薬のワーファリンの方が適しているという風に考えたのではないかと思います。

だからどうなのよっていう話ですが…。

姉:「で、父の脳梗塞は先生がおっしゃっている心臓から来ているものなのでしょうか?」

K先生:「それは、まだわからない。いろいろ検査してみないと。今日検査をするのは無理だから、明日だね、明日。」

姉:「はぁ…。」

K先生:「じゃあ、待合室で待っていて。」

K先生から、アルツ君の病状が回復に向かっているのか、それとも悪くなっているかの説明も無ければ、どんな薬を使って治療をしていくのかの説明も無かったように思えます。

診察室から追い出されるような格好になってしまいました。

ヤッチの頭に『転院』の文字が浮かびましたが、もう受け入れてくれる別の病院は無いわけで、アルツ君をホームレスにすることはできません。

姉も首を傾げていたので、たぶん同じことを考えていたのだと思います。

待合室に戻り、二人ため息をつきます。

それから、さらに1時間くらいして、ようやくアルツ君の病室が決まったようです。

事務の女性職員が姿を見せます。

女性職員:「病室が決まりましたので、ご案内いたします。こちらのエレベーターへどうぞ。」

姉:「何階ですか?」

女性職員:「三階の○○号室です。」

この時、すでに夜の10時近くだったと思います。

三階に上がると、小さなデイルームで待つように言われます。

看護師さんが現われ、そこで看護師さんからアルツ君の日頃についてのことを聞かれます。

看護師さんからはアルツ君が他の入院患者さんの迷惑になるような場合はベッドを移動することもありうることを聞かされます。

暴れないようにベッドに固定されたり、ミトンを着けられ、指先を使えない状態にする抑制もあることも…。

色々な書類にサインをさせられ、今後の看護について聞かされます。

ここでも、『保存的治療』(手術によらない治療)という言葉が出てきます。

流行語大賞にノミネートされた言葉なんですかね~。

一通りの手続きが終わり、ようやくアルツ君の居る病室に案内されます。

案内された病室はナースステーションの目の前。

6人部屋です。

4人部屋を無理やり6人部屋にしたような感じで、ベッドとベッドの感覚が非常に狭い…。

当然、消灯時間(でも部屋は明るいぞ?)は過ぎているので、他の入院患者さんは就寝中です。

全員、ガオ(いびきがうるさい人~ヤッチ用語)です。

アルツ君もガオです。

姉が寝ているアルツ君の顔に近づき、小声でアルツ君に呼びかけると、いびきをかいていたアルツ君が目を開けます。

姉の顔がわかったのか、アルツ君、急に嗚咽し、泣き出します。

姉:「うん、うん、いい子だ、いい子だ。泣かなくてもいいよ。心配しないで…。ゆっくり休みな。」

姉がそっとアルツ君の顔を撫でます。

アルツ君、その声を聞き、安心したのか再び眠ってしまいました。

長居はできないので、三人は病室を後にしました。


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