site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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認知症を疑う職人の息子

2014/10/29 (水)  カテゴリー: 認知症の症状
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ワーファリン

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

アルツ君の最愛の妻であるキノコさんですが、両足の先からひざ下にかけて、ところどころ内出血があり、月曜日に掛かり付けのお医者さんに診察に出かけたようです。

掛かり付けのお医者さんというのは、アルツ君の居る特別養護老人ホームの嘱託医でもあり、アルツ君が日頃お世話になっている主治医でもあります。

主治医のクリニックはアルツ君のいる特別養護老人ホームの近くに有るので、キノコさんは診察の後、その足でアルツ君の面会に行ってきたそうです。

帰宅途中にキノコさんがヤッチの部屋に立ち寄ります。

ヤッチは部屋に引き入れ、座ってもらいます。

キノコさん:「今日は、お医者さんに行って、おじいちゃん(アルツ君)のところにも行ってきたわ。」

ヤッチ:「で、どうだった?」

キノコさん:「『どうだった?』って、私のこと?おじいちゃんのこと?」

ヤッチ:「どっちも。」

キノコさん:「おじいちゃんは、元気、元気。とうとう部屋のカーテンを全部外しちゃったみたい。」

ヤッチ:「また、やらかしたのか…。しようもないなぁ…。」

キノコさん:「なんでも夜中に目を覚ましては私のことを捜しまわるらしいのよ。私がいるはずがないのに、『ばあさんをどこへ隠したっーー!!』って、興奮して暴れまわるらしいのよ。」

ヤッチ:「で、興奮して、カーテンを引きちぎるわけだ?」

キノコさん:「なんだか、そうらしいわよ。」

ヤッチ:「でも、お宅が面会に行った時はそんなでもないんだろ?」

キノコさん:「うーん、ニコニコしちゃって、『お前、帰るな、帰るな。』ってなかなか帰してくれなかったわよ。」

ヤッチ:「泊まってくれば、良かったじゃん。」

キノコさん:「そんなことさせてもらえるわけないじゃない!」

ヤッチ:「夕食時に旦那さんのとなりに腰かけて、職員に『私のご飯がまだなんだけど?』とか言って、催促して来ればよかったんだよ。」

キノコさん:「…。」

やはり、キノコさんには、冗談は通じないようです。

(-_-;)

ヤッチ:「で、あなたの方はどうだったの?」

キノコさん:「わたし?病院の事?」

ヤッチ:「そう。」

キノコさん:「2、3週間前から、○○先生(掛かり付けの主治医のこと)にワーファリンを増やされちゃったのよ。それが原因でこんなふうになっちゃったんじゃないかと思って、診察に行ってきたのよ。」

ご存知のように、ワーファリンは血液を固まりにくくする薬。

キノコさんもやや心臓に問題が有るため、心筋梗塞などを防ぐためにこの薬を飲んでいます。

ワーファリンは血液をサラサラにしてくれる利点がありますが、出血しやすくなるという欠点もあります。

キノコさんが部屋でズボンの裾をまくって、ヤッチに見せます。

すいません…。

写真を撮るのを忘れたので、おおいに妄想を膨らませて下さい…。

キノコさん:「ひざのところから足の先まで、あっちこっちすごいでしょ?」

ヤッチ:「確かにひどいね。痛くのないの?」

キノコさん:「それが痛くもかゆくもないのよ…。」

ヤッチ:「昨日、俺がお嬢さん(姉のこと)から電話をもらった時は、御嬢さんのやつ、俺に『ママのことなんだけど、足が壊死して大変なことになってるらしいんだわ~。』って言ってたぞ?」

キノコさん:「またっ。あの子ったら、なんでそんな大げさなことを言うのかしら。」

ヤッチ:「俺はしらないよ。だから、伝言ゲームは嫌いだって言うんだよ。」

キノコさん:「痛いわけじゃないんだけど、両足が同じようになっているから、ちょっと心配になって、お医者さんに行っただけよ。」

ヤッチ:「で、○○先生はなんて言ってた?」

キノコさん:「原因不明だって。ただ、『ワーファリンのせいでは、ないと思うなぁ…。』って言っていたわ。」

ヤッチ:「じゃあ、何のせいだって言うのかね?息子さんの虐待?」

キノコさん:「そんなことは言いやしなかったけど、『来週詳しく検査してみましょう。』だって。『もしわからなければ、大きい病院を紹介します。』って。それに、『ワーファリンは減らさずにこのまま同じ量を飲んで下さい。』って。」

ヤッチ:「まあ、主治医の先生としては、薬をストップして、ポックリ逝かれても困るからなぁ…。」

キノコさん:「やだわ~!」

ヤッチ:「ブラックジャックの俺の見立てだと、これ、乾燥肌が原因なんじゃないかなぁ?」

キノコさん:「どういうこと?」

ヤッチ:「夏場と違って、空気が乾燥してきてるでしょ!?あなたの足も、その乾燥した空気で、水気が無くなって、パサパサしているのがわかる?」

キノコさん:「自分じゃ、痛くもかゆくも無いから…。」

ヤッチ:「で、その乾燥肌になっているところが、歩くたびにズボンとの摩擦で、ささくれ立って、ところどころ出血するんじゃないかな?内出血といより、うっすらした引っ掻き傷にも見えるぞ。」

キノコさん:「でも、痛いわけじゃないのよ。」

ヤッチ:「残念ながら、ご高齢で少し感覚鈍ってるのかもしれないよ。それにワーファリンで出血しやすくなってるところをスリスリしちゃうから、こうなるっていうこともあるんじゃない?」

キノコさん:「うん…。」

ヤッチ:「今、履いているズボンは化繊(化学繊維)でしょ?それが肌に合わないのかもよ。」

キノコさん:「そういえば、七分のズボン下も履いてるからそれがいけないかしら?でも、こっちは綿よ?」

ヤッチ:「うん…、何とも言えないけど、ズボン下のレース部分がこすれてるのかもよ。」

キノコさん:「そっか…。」

ヤッチ:「どっちみち、また医者に行くんでしょ?ちょっとの辛抱だから、そのままそっとしておいたら?」

キノコさん:「薬とか塗らないで大丈夫かしら?」

ヤッチ:「先生が何も処方してくれていないんだったら、今は何にもしない方がいいと思うよ。悪化させたら、先生に怒られるよ。」

キノコさん:「わかったわ。そういえば、話は変るけど、おじいちゃんのところに明日面会に行く?」

ヤッチ:「行く予定にしてるけど、なんで?」

キノコさん:「いやぁ、最近朝晩は冷え込むでしょ?カーテン無しで寝て、風邪でも引いてやしないかと思って…。予備のカーテンが(施設に)ないのかしら?」

ヤッチ:「前は遮光カーテンを引っ剥がしちゃったんだろ?で、今回はレース?」

キノコさん:「そう。部屋にはカーテンが一枚も付いてない状態なのよ…。」

ヤッチ:「じゃあ、遮光カーテンの方を施設の人が修理してくれてるかもしれないから、明日、行ったら訊いてみるよ。」

キノコさん:「じゃあ、お願いね。」

そんなわけで、昨日、アルツ君のところに面会に行ってきました。

アルツ君、『定位置』に腰かけ、ウトウトしています。

アルツ君に声を掛けようとしたヤッチは、先に施設の職員さんに呼び止められます。

職員さん:「お父様なんですけど…、お昼ご飯の前あたりからご機嫌がよくないようでして…。お昼ご飯も、他の利用者の方よりも遅い時刻に召し上がっていただいたくらいでして…。」

ヤッチ:「もう、引っ剥がすものは何もないんでしょ?部屋のカーテンも全部無いって聞いてるけど?」

職員さん:「まあ、そうなんですけど、リハパンの交換もさせていただけない状態でして…。」

ヤッチ:「了解。俺がリハパンを引っ剥がすよ。」

ヤッチはアルツ君に静かに声を掛けます。

ヤッチ:「ご機嫌うるわしくいらっしゃいますか~?」

アルツ君:「なんだ?お前どっから来たんだ?ばあさんは帰ったのか?」

ヤッチ:「それ、いつの話?」

アルツ君:「いつって今だよ。」

ヤッチ:「旦那さんはどっちだと思うの?」

アルツ君:「いないところをみると、帰ったんじゃないのか?」

ヤッチ:「すばらしい!でもちょっとだけ違うのは、帰ったのは昨日なんだなぁ…。」

アルツ君:「そうか…。す~ぐ忘れちゃうんだよなぁ…。」

ヤッチ:「でも、今回は(記憶が)しっかりしてそうじゃないか。ばあさんの顔を覚えてるか?」

アルツ君:「覚えてるさよ~。」

ヤッチ:「顔はツルンとしてた?シワクチャ?」

アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ。シワだらけだよ。」

ヤッチ:「それだけ、覚えてれば大したもんだ。」

アルツ君:「でも、どうやら、俺は『人殺し』らしいんだ…。」

ヤッチ:「『人殺し』?なんだよ、急に。誰を殺したんたっていうんだ?」

アルツ君:「それがわからないんだよなぁ…。すーぐ忘れちゃうからさぁ…。」

ヤッチ:「それで、気分がすぐれず、機嫌が悪かったっていうことか?」

アルツ君:「どうやらそうらしいや…。」

ヤッチ:「じゃあ、スッキリするために、誰か殺しに行くか?」

アルツ君:「ばーか。そんなことしたら大変だぞ!」

ヤッチ:「大変な事がわかってる人に『人殺し』はできないと思うぞ?」

アルツ君:「そうかなぁ…。」

ヤッチ:「『人殺し』をした気がするんだろ?せめて誰を殺したか思い出したら、自首すればいいんじゃないか?思い出してるうちに、自分が先に天に召されるから…。」

アルツ君:「かーっ!お前のほうがよっぽど『人殺し』だ。」

ヤッチ:「それより、部屋にカーテンが付いてないらしいな?」

アルツ君:「どうだったかな…?」

ヤッチ:「寒くて眠れなかったんじゃないのか?風邪でも引いてない?」

アルツ君:「バカ言っちゃいけないよ。俺が風邪なんか引くもんかよ。」

ヤッチ:「なら、よかった。」

後の話しになりますが、この日、ヤッチが帰るまでに、アルツ君がボロボロにしてしまった遮光カーテンを施設の職員さんが修理してつけてくれたので、一応、夜間に外から丸見えということは無くなり、寒さもしのげるようになりました。

アルツ君:「だいたい、俺はいつだってポカポカしてるぞ。寒さの奴が寒いって言うから、俺が温めてやってるくらいだ。」

ヤッチ:「そうかぁ、旦那さんが地球温暖化の原因か。いやさ、ばあさんが心配してたからさぁ…。」

アルツ君:「ばあさん?ばあさんなんていつ来たんだ?」

ヤッチ:「昨日。」

アルツ君:「昨日?」

ヤッチ:「ああ、昨日。脚の皮が引っ剥がれたとか、内出血してるとか言って無かったか?」

アルツ君:「ああ、なんか言ってたなぁ…。あれ、昨日か?すーぐ忘れちゃうんだよな~。」

ヤッチ:「昨日だよん。」

アルツ君:「だいたい内出血だなんて、ばあさんの場合は、『無い出ケツ』じゃないのかよ。」

ヤッチ:「また、そんな事言って、ばあさんをイジメたんじゃないだろうな?ばあさん、冗談通じないから、あんまりイジメるなよ。」

アルツ君:「ふふ…。」

ヤッチ:「『ふふ…。』って笑ってるところを見るとイジメたな?」

アルツ君:「知らないよ!だいたいばあさんなんていつ来たのかも知らないし…。」

ヤッチ:「病院の帰りに寄って、しばらくここに居たんじゃないのか?」

アルツ君:「そうかぁ…。ばあさん来てたのかぁ…。」

ヤッチ:「旦那さんのことだから、ばあさんに向かって、『腐った足なんか切っちゃえ!』とか言ったんじゃないのか?」

アルツ君:「ふふ…。」

ヤッチ:「『お前の足なんか、切ったって一銭にもならないぞ。』くらいなことは言ってそうだな?」

アルツ君:「…。」

ヤッチ:「笑ってるところを見ると、図星だろ?」

アルツ君:「知らないよ!俺はすーぐ忘れちゃうんだから!」

ヤッチ:「怪しいな。今のうち白状すれば、かつ丼の上をおごってやるぞ?」

アルツ君:「かつ丼よりボタモチを最近食ってないから、ボタモチがいいなぁ…。」

ヤッチ:「ああ、何でも好きなもんを食わせてやるよ。で、どうなの?」

アルツ君:「どうだろうなぁ…。ボタモチの美味そうなのは思い出せるけど、ばあさんの顔が出てこないぞ?」

ヤッチ:「さっきは『覚えてる』って言ってたのにな?」

アルツ君:「うん…。」

ヤッチ:「でも、やっぱり、イジメたんだろ?」

アルツ君:「だから、イジメないよ!だいたい、切った足の替わりに材木をぶち込んでおけなんて、言った覚えはないぞ!」


やはり、認知症ではないのかも…。

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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