site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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室外機をこわがる職人

2014/07/30 (水)  カテゴリー: 特別養護老人ホーム
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エアコンの室外機_01


こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

昨日の日中、アルツ君のところへ面会に行ってきました。

ノックし、居室に入ると、アルツ君と女性介護士さんがベッドに腰かけ、外を眺めています。

ヤッチ:「お邪魔だったかな?」

女性介護士さん:「あっ、いえ!こんにちは。」

アルツ君:「なんだ、お前かよ…。」

二人が振り返り、そう言います。

女性職員さん:「いえね、今、お父様が、エアコンの室外機をご覧になって、何かの顔に見えるって、おっしゃるもんですから…。『こわい、こわい。』っておっしゃるんですよ。」

以前の記事でも書かせていただいた通り、アルツ君のいる特養では、空調設備が故障し、本格的な空調設備の工事が終わるまでの間、各居室にルームエアコンが設置され、暑さをしのいでいます。

アルツ君:「お前も見てごらんなさいよ。気もちっ悪いんだからっ!あー、こわい、こわい!」

確かに、窓の外からゆるキャラか、ロボットのようなものが、居室の中を覗き込んでいるようにも見えます。

ヤッチ:「なに~?エアコンの室外機じゃん!それに新品のはずなのに、熱交換器のフィンが潰れてるところが有るなぁ…。ひと暴れしたかぁ…???」

アルツ君:「ばか!お前、こんなに気持ち悪いもの見て、何とも思わないのか?どうかしちゃってるんじゃないのか?あー!やだ、やだ…。あー!こわいっ!」

そう言って、アルツ君が自分の腕を高速でさすります。

ヤッチ:「どうかしちゃってるのは、旦那さんのほうじゃないかよ…。そんなにこわがりの性格じゃなかったじゃないかよ。」

アルツ君:「ばか、言ってるよ…。こわいもんはこわいし、気持ち悪いもんは気持ち悪いってんだよ。ねっ?」

アルツ君が介護士さんに同意を求めています。

介護士さんはほほ笑んで返すだけ…。

ヤッチ:「そんなにこわいかなぁ…。」

アルツ君:「あーあ…。いよいよ、お前も末期症状だな…。こんなにおっかないものを見て、何とも思わないんだから…。こんなこわいもん、捨てちゃえよ!」

ヤッチ:「今、『お前も』って言ったよな?誰かほかに末期症状の人間がいるのか?それに、変だな…。いつもなら、美味そうとか言いそうだけどな…。」

アルツ君:「バカだな…。誰がこんな気持ちの悪いもんを食えるって言うんだよ…。だいたい、こっちだってそうだよ。誰がこんなところに十字架を貼りつけたんだよ。」

アルツ君が今度は室内に取りつけられているルームエアコンのほうを指さします。

視線の先は、エアコン本体ではなく、エアコンから延びた電気コードです。

このルームエアコンが設置された日にアルツ君がむき出しになったコードを引き抜いてしまったため、アルツ君がまた同じことをしないようにと、ヤッチが電気コードを粘着テープ(布テープ)で見えないようにしてしまったものです。

後で外す時のことを考え、粘着テープを壁紙に直に貼るのではなく、先に壁紙にマスキングテープを貼り、その上に粘着テープを貼っています。

最初はアルツ君が何を言っているのか、よくわかりませんでしたが、粘着テープの交差している部分がアルツ君には、十字架に見えるようです。

交差している部分は本体コードと延長コードの継ぎ目です、

ヤッチ:「毎日、お祈りできて、いいじゃん。これから高山右近と呼んでやるよ。」

アルツ君:「バカ言っちゃ、いけませんよ。こんなもん、必要ないんだから、捨てちゃえよ。」

ヤッチ:「捨てると、暑くなって、毎日、『涼しくなりますように。』ってお祈りしなくちゃならなくなるぞ?」

女性介護士さんは二人の会話を笑いながら聞いていらっしゃいましたが、しばらくすると、用事が有るのか、居室を出て行ってしまいました。

アルツ君:「お前ね、俺がこんなに寒いおもいをしてるんだから、こんな冷蔵庫、捨てちゃえよ。」

アルツ君の言う冷蔵庫とは、設置されているルームエアコンのことです。

ヤッチ:「俺は捨ててもかまわないけど、俺の持ち物じゃないからな…。旦那さんが弁償してくれるなら、この階から投げ落とすぞ?」

アルツ君:「そうかぁ…。」

ヤッチ:「もう少ししたら、冷蔵庫を外すって言ってたから、あと、ちょっとの辛抱だよ。」

アルツ君:「なら、いいけど、こっち(室外機)のほうをなんとかしろよ~?」

ヤッチ:「カーテンを閉めておけば?」

アルツ君:「バカ!こんなこわくて、気持ちの悪いもんがいることがわかっているんだ。臭いもんにフタをしたって、無駄だ。」

ヤッチ:「そうかぁ…。」

アルツ君:「俺はこんなこわい部屋にいるの嫌だから、あっち(アルツ君のいつもいる廊下の定位置)にいるから、その間に、お前、何とかしろよ!」

アルツ君はそう言って、居室を出て行ってしまいました。

ん…。

考えるのはヤッチの役目じゃないんだが…。

窓ガラスに、何かを貼って、エアコンの室外機が見えないようしてしまうことを最初に思いつきました。

施設の職員さんにお伺いすると、換気等のため、窓を開閉することがあるので、やらないでくれと…。

(-_-;)

じゃあ、やっぱり室外機を投げ落とすか、ぶっ壊す?

いろいろと考えた末、今はアルツ君が室外機の存在を『こわい』と言っていますが、すぐに忘れるだろうと…。

ただ、再び室外機が目に入って、思い出すかもしれません。

結局、室外機そのものがアルツ君の視線に入っても、それが『こわい』、『気持ち悪い』と、アルツ君に思わせなければ良いのですから、室外機を何かで覆ってしまえば良いのかなという結論に落ち着きました。

臭いものにフタをすることにかわりはありませんが…。

材料を持って来ているわけではないので、施設で、リハビリパンツの入っていた段ボールをもらって、それで覆うことに…。

窓ガラスに段ボールを貼りつけるのと大差ないのですが、窓ガラスに貼るのはご法度なので、ちょっと面倒でしたが、施設で借りたカッターを使い、段ボールを切り貼りして、しばしヤッチの工作の時間です。

エアコンの室外機の窓側(居室に向いている側)には、熱交換器のフィンが有ります。

これを段ボールでキッチリ覆ってしまうと、冷房効率が下がるし、故障の原因になります。

なので、すき間を空けました。

あまりベストな方法ではありませんが、コードやドレンの都合上、室外機を窓から離すのもこれでイッパイイッパイ…。

出来上がったところで、『定位置』でくつろいでいるアルツ君を呼びに行きます。

ヤッチ:「ちょいと、部屋に戻って、窓の外を見てくれよ?」

アルツ君:「なんでよ?」

ヤッチ:「『なんでよ?』って、さっき、『誰かいる』って、騒いでたじゃないかよ。」

アルツ君:「そっかぁ…。まあ、いいや、見てあげましょっ!」

アルツ君を居室に連れて行き、窓の外を見せます。

ヤッチ:「どう?まだ誰かいるように見えるかい?」

アルツ君:「ああ、あの事か!?大丈夫じゃないのかぁ…。まあ、いいだろっ!?」

ヤッチ:「何?その他人事のようなセリフ…。それに現場監督みたいな口調だな…。」

アルツ君:「現場監督じゃないけど、大丈夫そうだなぁ…。」

ヤッチ:「こわくないだろ?」

アルツ君:「まあね~。あの(段ボールの)うしろにいるのは隠れキリシタンだよな!?」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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