site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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特別養護老人ホーム  歩行車  

謎のケンちゃん

2014/04/12 (土)  カテゴリー: 認知症の症状
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謎
こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

金曜日の午後、アルツ君のところに面会に行ってきました。

ヤッチがアルツ君の居室に入ろうとすると、どうやらアルツ君、トイレタイムのようです。

施設の職員さんと個室で何やらおしゃべりしている様子。

ヤッチはアルツ君のトイレ介助が済むまで、居室の前の廊下で待ちます。

しばらくすると、職員さんが居室から出てきます。

職員さん:「あ、どうも。今、お父様にはベッドに座っていただきました。」

ヤッチ:「いつも、お世話になっています。大ですか?小ですか?」

職員さん:「今は、小です。失礼します。」

職員さんは足早に去っていきました。

タッチ交代で、ヤッチが居室に入ります。

アルツ君:「あれ?お前どっから来たんだ?」

ヤッチ:「便器の中かもな!?」

アルツ君:「ちぇッ。」

ヤッチ:「今日も暖かいから、外へ散歩に行こうぜ?」

アルツ君:「今日はダメだよ。」

ヤッチ:「なんで?」

アルツ君:「用が有る。」

ヤッチ:「何の?」

アルツ君:「『何の?』って、ケンちゃんのところに行く。」

ヤッチ:「ケンちゃん?」

アルツ君:「そう、ケンちゃん。」

ヤッチ:「ケンちゃんって誰よ?」

おおよそ、アルツ君の現役時代の仕事関係の人の中にも、そして、親戚にも『ケンちゃん』と呼ばれているような人はいません。

また、アルツ君の居る特別養護老人ホームにも思い当たるような利用者さんはいません。

???

アルツ君:「ケンちゃんはケンちゃんだよ。」

アルツ君、『ケンちゃんも知らないのか?』というドヤ顔で、少し目を剥いてしゃべりだします。

ヤッチ:「いや、だから、その、ケンちゃんって???」

アルツ君:「ケンちゃんは、男だよ。」

ヤッチ:「いや、『ケンちゃん』と聞いて、女を想像する人はいないでしょ?」

アルツ君:「そうだよ。男だよ。」

ヤッチ:「で、そのケンちゃんって何者?」

アルツ君:「何者って聞かれても、困っちゃうけど、人間だよ。」

これ以上続けても、まともに会話が成立しそうに有りません。

(-_-;)

ヤッチ:「で、ケンちゃんってどこにいるのよ?」

アルツ君:「それがさぁ…。俺もちょっとうろ覚えなんだけど、確かそこを出て、右に曲がった辺りだったと思うなぁ…。ケンちゃんのやつ、いるのかなぁ…。」

以前にもお話ししたことがあるかもしれませんが、アルツ君、居室を出たすぐの廊下を屋外だと思い込んでいる時があります。

廊下に設けられたテーブルでいつも食事をしているわけですから、毎日屋外で食事をしていることになります。

ヤッチ:「ケンちゃんはわかったから、そのケンちゃんに何の用が有るんだ?」

アルツ君:「ケンちゃんに用が有るんじゃないよ。奥さんだよ。」

ヤッチ:「奥さん?奥さんて、ケンちゃんの奥さんのことかい?」

アルツ君:「お前は、バカだなぁ。ケンちゃんの奥さんじゃないよ。」

ヤッチ:「じゃあ、誰?」

アルツ君:「奥さんだよ。」

ヤッチ:「だから、その奥さんはケンちゃんの奥さんかって聞いてるんだよ。」

アルツ君:「ケンちゃんの奥さんじゃないんだなぁ…。」

ヤッチ:「ん?ケンちゃんの奥さんじゃないっていうことは…。あ?ひょっとして、ケンちゃんのお母さんなのか?」

アルツ君:「そういうことになるのかなぁ…。」

ヤッチ:「なんだよ、急にテンションが下がってるじゃんかよ?」

アルツ君:「まあ、行ってみれば、わかるさよ~。」

ヤッチ:「で、その奥さんだか、お母さんだかと会う約束でもしてるのか?」

アルツ君:「約束したわけじゃないけど、奥さんに用が有るんだよ。」

ヤッチ:「何の用?」

アルツ君:「あれ?何だっけかな…???お前がゴチャゴチャ言うから忘れちゃったじゃんかよ!」

ヤッチ:「まーた俺のせいかよ!とにかく用が有るのは確かなんだな?」

アルツ君:「そうですね~。」

ヤッチ:「じゃあ、そのケンちゃんだか、ケンちゃんの奥さんだか、ケンちゃんのお母さんだかのところに行ってみようぜ?」

アルツ君:「居るかなぁ…。」

ヤッチ:「『居るかなぁ…。』の前に、『行けるかなぁ…。』じゃないのか?」

アルツ君:「うるさい!まあ、とにかく行ってみるさ。」

ヤッチ:「スーパーカー(歩行車)は要らないのか?」

アルツ君:「どっちだっていいよ。確かすぐそばだから。」

ヤッチ:「じゃあ、念のためにスーパーカーで行こうよ?」

アルツ君:「別に構いませんよん。」

ヤッチは廊下の隅に駐車してあったスーパーカーを取りに行き、居室の中に引き入れます。

ヤッチ:「あいよ。コルベットを持って来たぞ。場所は旦那さんが案内してくれるんだろ?」

アルツ君:「たしか、すぐそばだから、案内するまでも無いよ。」

アルツ君は歩行車(器)を使い、二人は居室を出ます。

アルツ君:「確かそこを右に曲がってすぐだったはずだ。」

アルツ君が、ナースステーションの方向を指さします。

右を曲がったとしても、廊下が続いているだけなんですけどね…。

(-_-;)

しかも、ここは三階…。

(-_-;)

居室とナースステーションまでの距離は10メートル程度でしょうかねぇ…。

特別養護老人ホームがどんなところか、いらしたことの無い方にとっては、イメージしにくいと思いますが、入院設備のある病院を想像していただければ、わかりやすいのではないでしょうか。

居室を病室に置き換え、介護士さんを看護師さんに置き換えてもらえれば、絵が浮かんでくると思います。

小中学校の廊下をイメージしていただいても良いかな!?

アルツ君がナースステーションの直前で立ち止まります。

アルツ君:「どっちだったけかな?左は行き止まりだよな?」

ヤッチ:「左も真っ直ぐも行き止まりだよ。右に行くしかないよ。」

アルツ君:「そうだよな!?じゃあ、やっぱりケンちゃんの家は、ここを右に曲がってすぐだよ。」

右に曲がると、別棟に行く渡り廊下が有り、その渡り廊下を渡ると大きなデイルームが有ります。

アルツ君が少し首を傾げながら廊下を右に曲がります。

ほんの数メートル歩いたところで、アルツ君が立ち止り、アルツ君の右手に有ったドアを開けようとします。

アルツ君:「確かここのはずなんだがなぁ…。」

アルツ君が開くはずの無いドアをガチャガチャとやって開けようとします。

ヤッチ:「あ!旦那さん!そこは防火扉だよ!開けても壁しかないよ!」

アルツ君:「そうかぁ…。おかしいな…。たしかこの辺りだったと思ったんだがなぁ…。」

ヤッチ:「そこは防火扉だから、火事なんかが起きた時に、廊下を間仕切りするためのもんだよ。ケンちゃんはそこには居ないと思うぞ?」

アルツ君:「そうかぁ…。俺の見当違いかぁ…。」

ヤッチ:「壁の向こうに行けたとしても、たぶん空中だぞ?」

アルツ君:「おかしいなぁ…。たしかこの辺だと思ったんだけどなぁ…。こっちかなぁ…???」

今度はアルツ君、防火扉のならびにある扉を開けようとします。

ヤッチ:「あ!旦那さん!そこは女湯!悲鳴が上がるぞ!」

アルツ君:「そっかぁ…。」

これじゃあ、屋外に置き去りにしたら、迷子になること必至ですね~。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

でも、まだ左右は自分で認識できるんですよね。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

ヤッチ:「この辺りは、旦那さんの部屋すぐそばなんだから、ケンちゃんがもしこの辺に住んでいれば、逆に旦那さんを訪ねてくるよ。」

アルツ君:「そうかなぁ…。」

ヤッチ:「試しにエレベーターで下りて、一階と二階も捜索するか?」

アルツ君:「ここは一階じゃないのか?」

ヤッチ:「ここは三階…。」

アルツ君:「じゃあ、一階だな!?ケンちゃんがそんな高いところに居るわけないからな!?」

ヤッチ:「その前にケンちゃんが誰なのか俺は知りたいよ。まあ、おっしゃるように一階も探してみるか!?」

アルツ君と一階をさがします。

一階ではデイサービスをやっています。

デイサービスをやっている脇をアルツ君と通り抜けます。

アルツ君:「やっぱここじゃない。こんなところに俺は来たことがない。」

ヤッチ:「じゃあ、外に行ってみるか?」

アルツ君:「べつに構いませんよん。」

アルツ君を車椅子に乗せ、屋外に出ます。

ヤッチ:「ケンちゃんだか、ケンちゃんのお母さんの居そうな方向はわかるか?」

アルツ君:「もう、なんだかわからなくなっちゃったよ。どうだっていいや!」

ヤッチ:「あっ、今、空き缶をけっ飛ばさなかったか?俺にはカンカラコン…って音が聴こえたぞ!?」

アルツ君:「お前の気のせいだろ!?」

ヤッチ:「じゃあ、気分転換に公園に行こう!少し気分転換すれば、思い出すかもしれないし…。」

アルツ君:「どうかなぁ…。」

公園で日なたぼっこしながら、アルツ君にもう一度ケンちゃんのことをたずねます。

ヤッチ:「ケンちゃんっていうのは、旦那さんより年上なの年下なの?」

アルツ君:「あー、俺よりうんと若いぞ。」

ヤッチ:「だいたい、いくつくらいなの?」

アルツ君:「いくつって言われるとわかんないけど、だいぶ若いぞ。」

ヤッチ:「失礼な話だけど、夢の延長じゃないよね?」

アルツ君:「お前ね、俺はもう10年くらい夢なんて見てないぞ。」

ヤッチ:「10年前に見た夢がケンちゃんなんじゃないの?」

アルツ君:「そんな昔の夢を覚えてるわけないだろッ!」

ヤッチ:「たしかに…。俺の友達に八百屋のケンちゃんがいるけど、八百屋のケンちゃんじゃないよな?」

アルツ君:「バカ、ケンちゃんは八百屋じゃないぞ。」

ヤッチ:「そうかぁ…。じゃあさ、今、あそこでブランコをこいでる男の子がいるだろ?」

アルツ君:「ん?あの青い服着ている子か?」

幼稚園に行っているぐらいの子どもさんでしょうか、お母さんと思しき人にブランコを押してもらっています。

ヤッチ:「そうそう。ケンちゃんっていうのは、あの子ぐらいの背格好か?」

アルツ君:「そうだなぁ…。あれくらいだなぁ…。」

ヤッチ;「じゃあ、旦那さんが『奥さん』って言ってたのは、ケンちゃんの奥さんのはずないよな!?どう考えてもお母さんだよな?」

アルツ君:「そうだなぁ…。確かケンちゃんにはおばあちゃんがいるんだよな。もう亡くなってるかなぁ…。」

ヤッチ:「それ、いつの話なんだろうな?最近?」

アルツ君:「それがわかれば苦労しないさぁ…。」

ヤッチ:「旦那さんが未だ東京に出て来る前の話しなんじゃないのか?」

アルツ君:「いや、違うな。ケンちゃんっていうのはこの辺に住んでいるんだから。」

アルツ君が遠い過去の記憶を元に『ケンちゃん』のことを言っているのかヤッチにも正直よくわかりません。

(-_-;)

言えることは、アルツ君にとっては、ごくごく最近のことだということ…。

(-_-;)

ヤッチ:「もう一度聞くけど、ケンちゃんっていうのは、あのブランコに乗ってる男の子ぐらいなんだろ?」

アルツ君:「ああ、あのくらいだな。俺よりだいぶ若い。」

ヤッチ:「でさ?旦那さんは、今、自分のことを何歳くらいだと思ってるわけ?」

アルツ君:「だれ?俺か?」

ヤッチ:「ああ。」

アルツ君:「俺かぁ…、そうだなぁ…、25、6かなぁ…。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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