site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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爪を隠す職人

2015/07/13 (月)  カテゴリー: アルツ君
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アガパンサス

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

あいかわらず、食事摂取量も水分摂取量も増えないアルツ君ですが、一時のように『しゃべるのも辛そう』という状態は脱したように思えます。

最近のアルツ君のブームは会話の中で自分のしゃべった言葉の語尾に『チクショー!』を付けること…。

落語の聴きすぎのせいでしょうか…。

先日、アルツ君の夕飯の食事介助にヤッチがアルツ君の居室に訪れた時の話です。

いつものように会話形式で進めさせていただきますが、ヤッチを含め(元々)、アルツ君の滑舌はここに表記しているようには、良くないことをあらかじめご承知ください。

ヤッチ:「こんばんは。○○(ヤッチの名前)です。そろそろ夕飯なんで、お伺いしました。」

アルツ君、ヤッチと目を合わせますが、片目を閉じて辛そうな顔をします。

ヤッチ:「何?どうした?具合でも悪いのか?」

アルツ君:「かゆいんだよ…。」

ヤッチ:「『かゆい』ってどこが?」

アルツ君:「それがわからないんだって。」

ヤッチ:「『わからないんだって。』って、まるで他人事のようだな?で、どのあたりなんだ?背中?」

アルツ君:「どうもそうらしいや。」

ご存知のようにアルツ君は寝たきりです。

脳梗塞の後遺症で右半身には、麻痺が残っています。

特に利き手である右手は使えないので、どこかを掻くにも左手ということになります。

ヤッチはアルツ君の身体とベッドのマットレスの間に手をさし入れ、アルツ君の背中付近を触ります。

ヤッチ:「この辺か?」

アルツ君:「もっと下。」

ヤッチ:「ここか?」

アルツ君:「それが分からないんだよ…。」

ヤッチ:「じゃあここか?これ以上、下だと背中じゃなくて、お尻だぞ?」

アルツ君:「もっと下だなぁ…。」

ヤッチ:「お尻より下なら、そこは『背中』とは言わんぞ?ここか?」

ヤッチはアルツ君の右太もも辺りを掻きます。

アルツ君:「逆だなあ…。」

ヤッチ:「左かあ?」

アルツ君:「もっと下。」

ヤッチ:「なんだよ。背中じゃなくて足じゃないかよ。」

ヤッチはアルツ君の左足の弁慶の泣き所付近を掻き始めます。

アルツ君:「ああ、そこだ!あーかゆい!チクショー!お前、もっと早く掻けよ。」

ヤッチ:「それは俺が言うセリフだろ?最初から『左足だ。』って言えば話が早いんじゃないの?」

アルツ君:「そうとも言うな…。いいから、もっと掻け!」

ヤッチ:「肉が引きちぎれるくらいか?」

アルツ君:「血が出るくらいにしておけよ。ああ、そこだ!チクショー!」

ヤッチにはアルツ君の脳梗塞以来、麻痺側は『右』という意識はありましたが、こうして考えると、アルツ君のように寝たきりだと、左足を掻くということもできないんですね。

アルツ君:「ああ、だいぶ治ってきた…。」

ヤッチ:「これ以上かゆくならないようにカンナで削ってやろうか?」

アルツ君:「カンナはまずいと思います…。」

ヤッチ:「それよりかさぁ、ここに来る途中、アガパンサスの花(この記事のトップ画像)がきれいに咲いているところがあったよ。もう盛りは過ぎちゃってるみたいだけどな。」

アルツ君:「アガパンかぁ…。」

ヤッチ:「たまには外に出て、四季折々の花を眺めるっていうのもいいんじゃないのか?」

アルツ君、桜の花をほんの数分、屋外へ出て眺めただけで、それ以来、外に出ていません。

いや、正確には5月に救急搬送で一瞬だけ外気に当たっています。

アルツ君:「そのうち、行くって…。」

ヤッチ:「いつ?」

アルツ君:「明日はやめとく。」

ヤッチ:「なんで?」

アルツ君:「天気が悪い。」

ヤッチ:「明日は『晴れ』の予報だぞ?」

アルツ君:「そうかあ…。」

ヤッチ:「アガパンサスだって、もう見頃が終わっちゃうよ?」

アルツ君:「お前、アガパンがこの辺じゃ、どこが産地か知ってるか?伊豆だぞ。」

ヤッチ:「おっ!?鋭いね?覚えてたんだ。大したもんだ~。」

アルツ君とヤッチの二人には花屋の経験があります。

露地物のアガパンサスの花の咲くちょうど1~2か月前には、伊豆からたくさんのアガパンサスが東京の切り花市場に運ばれ、セリにかけられます。

花の部分には傷まないようにセロハンがかけられ、丁寧に梱包して送られてきます。

ヤッチ:「安ヤリ(セリの最中、安い買値を表示すること)を突いて、セリ人によく怒られたっけ?」

アルツ君:「(セリ人に)睨まれるとおっかないからな。」

ヤッチ:「よくそんなことまで覚えてたな?すごいじゃない?」

アルツ君:「それほどでもないよ…。」

ヤッチ:「俺も忘れちゃったけど、アガパンサスが市場に出荷される頃だっけ、芍薬(しゃくやく)とかがセリにかけられるのは?」

アルツ君:「どうだったかなぁ…。俺もよく覚えておらん。」

ヤッチ:「芍薬と牡丹(ぼたん)の違いをよくお客さんに質問されたよな?」

アルツ君:「はは~ん。『立てば芍薬、座れば牡丹…。』ってな!?」

ヤッチ:「さすが物知りだね。その後に続く言葉は何だっけ?」

アルツ君:「教えない…。」

ヤッチ:「なんだそれ?ケチなこと言わないで教えてつかわぁ~さい?」

アルツ君:「やだ。」

ヤッチ:「なんで?『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は…。』の後は?」

アルツ君:「知らない…。」

ヤッチ:「なんでそこだけケチるわけ?」

アルツ君:「さあね…。」

ヤッチ:「歩く姿は?」

アルツ君:「…。」

ヤッチ:「歩く姿は…?」

アルツ君:「ブタのケツ!」

ヤッチ:「なんだよ。やっぱり知ってるんじゃないかよ!そういうのをなんて言うか知ってる?」

アルツ君:「知らない…。」

ヤッチ:「能ある鷹は…?」

アルツ君:「知らない…。」

ヤッチ:「能ある鷹は…?」

アルツ君:「半ケツ隠す。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

芍薬と牡丹の見分け方

見分け方のポイントはいろいろあると思いますが、わかりやすいのは葉で見分けるのが良いかと…。

芍薬の葉には光沢があり、肉厚です。
形状は異なりますが、椿の葉や月桂樹の葉に近いような葉色の光沢と質感があります。

一方の牡丹の葉は芍薬の葉よりも葉色は淡く、バラの葉に近い色をしています。
質感も芍薬の葉より薄く、風でたなびくような葉であれば、それは牡丹の可能性があります。

また、芍薬が宿根多年草であるのに対して、牡丹は落葉性の花木で、『草』と『木』である点が異なります。

偉そうに書かせていただきましたが、芍薬か牡丹のどちらかを、葉を取り除いた状態で花首だけ花瓶に挿した場合、ヤッチにも区別がつきません。

【 正解 】
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。



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2015/07/13 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

瞬間湯沸かし器と化す職人の息子

2015/07/14 (火)  カテゴリー: 特別養護老人ホーム
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2015年7月13日の室内温01

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

ヤッチですが、もう、何回施設で怒りを爆発させているんでしょうか?

大人げないと自分でわかっているのに自分を抑えることができません。

これから書かせていただく記事は介護職の方や施設関係者の方からすると、いや、この方達以外の人にとっても、不愉快極まりない記事になります。

あらかじめご承知の上ご覧ください。

さて、昨日7月13日の東京は晴れて、非常に暑い日でした。

東京にお住まいの方ならご存知かもしれませんが、晴れて暑い上に風も非常に強い一日…。

涼しい風ならよいのですが、これがまた熱風…。

そんな暑いさなか、午後2時を回ったころでしょうか。

ヤッチはアルツ君の居る施設(特別養護老人ホーム)に向かいます。

途中セブンイレブンに立ち寄り、アルツ君の主食となりつつある水ようかん三つ(一日分)と杏仁豆腐を購入しようと、レジに向かいます。

ヤッチ:「これだけ暑いと、ご商売にも影響が出るでしょ?」

店員さん:「そうですね。あんまり暑いので、お客さんも外に出ていらっしゃらないみたいです。それに自動ドアが開くと熱風が入ってくるので、店内に居ても暑いんですよ。」

ヤッチ:「フライヤーを使ったりするから、楽なお仕事じゃないですね。」

セブンイレブンのお姉さんと雑談した後、冷えた水ようかんを持って自転車を走らせます。

なんだか水ようかんがホットになりそうな勢いです。

余談ですが、この水ようかん、もう少し日持ちしてくれると、毎日施設に持っていく必要がなくなるんですが、アルツ君の好物ゆえに切らすことはできません。

アゲインストの風の中をぬって施設に到着です。

持ってきた水ようかんは施設の冷蔵庫に保管してもらい、アルツ君の食事の時に出してもらいます。

ヤッチはナースステーションのカウンターで施設の女性職員さんに水ようかんを預けます。

ヤッチ:「また水ようかんをお持ちしたんで、入れておいてもらっていいですか?」

女性職員さん:「わかりました。」

ヤッチ:「それとまた杏仁豆腐を食べてもらおうと思って持って来たんで、今食べてもらってもいいですか?」

女性職員さん:「あ、それでしたら、冷蔵庫にも以前持って来ていただいたものがあるので、そちらから召し上がっていただけますか?」

女性職員さんが冷蔵庫から杏仁豆腐を出してきます。

なんてことはない、ヤッチが新しく持って来た物の方が日付が古い…。

ヤッチ:「なんだ、今日のやつの方が古いじゃん。じゃあ、こっちから先に食べさせますね?」

ヤッチはアルツ君の居室へ向かいます。

普段、昼間は廊下側の扉は開いたままになっています。

一応、扉をノックします。

その瞬間、ヤッチは熱い空気に包まれます。

そう、向かい側の南側の窓が半分ぐらい開いています。

強風にあおられて、アルツ君の居室のカーテンは暴れています。

ヤッチ:「旦那さん、暑くないかい?」

仰向けにベッドで寝ていたアルツ君がヤッチの姿に気づき、こっちを向きます。

アルツ君:「暑いなんてもんじゃないよ~。」

ヤッチ:「だよな。」

居室にあるデジタルの室温計(姉が購入したもの)を見ると、29.4度を表示しています。

いくら空調(冷房)が入っているとはいえ、直射日光の照りつける南側の窓が開いていれば、室温が上がらないわけはありません。

しかもアルツ君の麻痺側に窓が設置されていますから、アルツ君に閉めることはできません。

ナースコールは有ったとしても使い方を知りませんし、アルツ君に大声をあげられるほどの体力はありません。

ヤッチ:「喉渇いてないか?」

アルツ君:「大丈夫…。」

アルツ君の『大丈夫』は危険のサイン…。

ヤッチ:「ほんのちょっとだけ我慢できるか?」

アルツ君:「大丈夫…。」

アルツ君、少しぐったりしているようにも見えます。

ヤッチは慌てて生活相談員さんがいる事務所に向かいます。

そうそう、記事にしていませんでしたが、以前からのヤッチのクレーマーぶりに現場の職員がビビッてしまっているので、施設側からのお願いで、ヤッチから現場の職員さんに注文をつけないでくれと言われています。

ヤッチも約束を守り、ここ最近は現場の職員さんとは挨拶程度を交わすだけにしています。

直接話しをしてよいのは、生活相談員さん以上の役職のある方たちだけです。

事務所に行くと、この階の課長さんがいらっしゃいます。

ヤッチ:「あのさ、部屋の空調というか、部屋の温度なんだけど何とかならないかな?この暑いのに窓が開いてるんだけど…。部屋の温度。29度以上もあるよ。」

課長さん:「部屋の窓が開いている…???」

ヤッチはうなずきます。

課長さん:「今、(居室に)お伺いしますね。」

ヤッチが窓を開けたまま、アルツ君に辛抱してもらったのはこのためです。

いわゆる現場保存というやつです。

ヤッチはアルツ君の居室に戻ります。

ヤッチ:「旦那さん、大丈夫か?杏仁豆腐持って来たから食べようぜ?」

アルツ君:「お金がないからいらない…。」

ヤッチ:「お金はいらないよ。食べよ。」

アルツ君:「大丈夫ですって…。」

ん…。

元気がありません。

先ほどの課長さんはナースステーションで現場の女性職員さんと空調の設備の電源辺りで冷房の設定温度を確認しているようです。

中々居室にいらしてくれません。

先ほど施設の課長さんと話していた現場の女性職員さんと看護師さんが居室に向かってきます。

廊下近くの扉付近に立っていたヤッチに女性職員さんがヤッチに話しかけてきます。

この女性職員さん、アルツ君の入所している棟の介護スタッフを束ねる介護リーダーと呼ばれる方です。

女性職員さん:「どうもすいませんでした。先ほど便が出たので、換気のために窓を開けておいたんです。」

さっそく、施設との約束を破るヤッチ…。

ヤッチ:「でも、(アルツ君は)グッタリしちゃってるよ。」

女性職員さん:「便が出てすぐだからじゃないかしら。」

どういう根拠でアルツ君のグッタリ感を査定しているのかヤッチにはさっぱりわかりません。

ヤッチ:「換気するだけなら、こんなに室温が上がるまで窓を開けておく必要はないんじゃない?」

女性職員さん:「すいませんでした。」

看護師さん:「すいませんでした。」

ヤッチ:「今日の外はものすごく暑いし、風も強いんだから、窓を開ければどういうことになるかくらいは判断がつくでしょ?」

看護師さん:「そうですよね…。」

そこへ課長さんも居室に入ってきます。

ヤッチは同じことを繰り返します。

課長さん:「以後こういうことがないように気をつけさせていただきます。」

居室の窓を閉めれば済む話なので、ヤッチも話を切り上げ、アルツ君に杏仁豆腐を食べてもらう準備に取り掛かります。

たくさんの人が自分の居室に入ってきて、騒がしくしていたので、もうアルツ君、この段階で不機嫌です。

一口、二口を食べたところで、アルツ君が口を開けてくれなくなってしまいました。

少しでも水分補給をしてもらおうと思って面会に来たのに残念な結果です。

ベッドに横たわり、目を閉じたままのアルツ君がボソッとつぶやきます。

アルツ君:「ばあさん(キノコさん)はどうした?」

ヤッチ:「あれ?今日は月曜日だからばあさんのやつ、お昼頃ここに居たんじゃないか?」

ヤッチもこの日、キノコさんが面会に来ていたのかどうかを知らなかったので、キノコさんに電話を掛けます。

ヤッチ:「今大丈夫?あのさ、今日は旦那さんのところにきた?」

キノコさん:「行ったわよ。お昼ご飯の前に帰ったけど。」

ヤッチ:「やっぱ。そうなんだ。ちょっと待ってね。旦那さんにかわるから。」

ヤッチはアルツ君の耳元に携帯電話を近づけます。

何やら少し話したようですが、アルツ君が、『はい、お願いしま~す。』と言って眠ってしまいました。

再びヤッチはキノコさんと会話をします。

ヤッチ:「今日さ、お宅がここに来た時、旦那さんの部屋の窓は開いてた?」

キノコさん:「そうね…。風がピューピュー入り込んで来ていたから、開いていたんじゃないかしら。でもそんなに暑くはなかったわよ。」

ヤッチ:「了解。ありがとう。今、窓が開けっ放しになっていて旦那さんがバテちゃってたからさ…。」

キノコさん:「そうなの?大丈夫?」

ヤッチ:「わからない…。じゃあ、悪いけど切るよ。」

ヤッチは居室を後にします。

再度、生活相談員さんの事務所を訪れます。

今度は主任生活相談員さんも在席しています。

ヤッチ:「すいません。今、母に電話したんだけど、どうも午前中も部屋の窓が開いていたらしいね?」

主任生活相談員さんがこれに対応します。

主任生活相談員さん:「開いていた??僕がお父様の昼食の時にお伺いした時は閉まっていたんですけど…?」

ヤッチ:「母が嘘を言っているようにも思えないし、旦那さんの目やにがカピカピになっていたからさ…。」

嫌味な言い方ですね~。

あー、ヤダヤダ。

主任相談員さん:「そうでしたか…。」

ヤッチ:「だいたい、部屋の空調の設定温度は何度に設定してるの?」

主任生活相談員さん:「日によって変わりますけど、今日ですと、25度とか26度じゃないでしょうか?」

ヤッチ:「それは現場の職員任せなの?施設で何度に設定しましょうという統一的な冷房の設定温度というのはないの?」

主任相談員さん:「お父様のお部屋は南側で直射日光が入るので、部屋の温度が上がってしまいがちになるので…。」

ヤッチ:「実は昨日も同じ時刻にここへ伺ったんですけど、その時の部屋の温度は25.3度。あまりにも寒いので申し上げようと思ったんだけど、例のように、現場の職員に物申すなと言われているんじゃない!?だから、ここに伺って申し上げようと思ったんだけど、日曜日でどなたもいらっしゃらなかったから、姉にこのことをメールして帰って来ちゃたんですよ。」

主任生活相談員さん:「場合によっては、冷房時に25度代になることもありえるかと…?」

ヤッチ:「いやいや、25度は仕事で動いている人には快適温度かもしれないけど、じっとしている人には酷でしょ。それも高齢者だよ。さらにタオルケット一枚で腕が飛び出てるんだよ?寒すぎない?」

主任生活相談員さん:「寒くなりすぎないように、頻繁にお伺いして様子を見させていただきます。」

ヤッチ:「さっき、ここの看護師さんに聞いたら、『25度はありえないでしょ。』って言っていたぐらいだから、冷房の設定温度についても皆さんで話し合ってくださいよ。現場の裁量で現場の職員の体感温度で設定温度を決めるんじゃなくて、働いている方には失礼かもしれないけど、利用者本位で設定温度を決めてよ。」

主任生活相談員さん:「わかりました。」

ヤッチ:「命にかかわることなんだから、早急に対応してくださいよ。後でまた夕食の介助に伺います。あ、それと親父に二択で質問しないで下さいよ。『暑いですか、寒いですか?』って聞くと、『わからない。』って答えますから。」

午後3時半くらいだったでしょうか。

ヤッチは施設を出ます。

屋外の気温は32、3度あったのではないでしょうか。

自分の用事を済ませ、ヤッチはアルツ君の夕食の介助のために再び施設に自転車を走らせます。

施設に到着したのが午後の5時半を回ったところでしょうか。

受付を済ませアルツ君の居室に向かいます。

居室に入ると、昼間とは打って変わって寒い!!

部屋の室温計は25.1度…。

湿度も38%を指し、『乾燥マーク』が点灯しています。

ベッドの上のアルツ君を見ると、こっちを向いて半笑いです。

ヤッチにはこの半笑いが呆れている顔のように見えました。

ヤッチ:「おい、おい旦那さん、寒くないかい?具合悪くなってない?」

アルツ君:「大丈夫だよ。まだ若いんだから…。」

ヤッチ:「『特別なスープ』をあげたくなる言い回しだな。ほんとのこと言ってみん?寒いだろ?」

アルツ君:「寒くはない。冷たい。死んじゃったって…。」

ヤッチはアルツ君の掛けているタオルケットの上にもう一枚毛布を掛けます。

そしてまたもや、慌てて生活相談員さんの事務所に駆け込みます。

ヤッチ:「今度は冷房が効きすぎて、寒いんだけどさ…。」

課長さん:「寒い?今伺います。」

ヤッチは足早に居室に戻ります。

ヤッチ:「旦那さん、調子悪いところない?」

アルツ君:「悪いっていえば、お腹空いちゃったよ~。」

ヤッチ:「それは調子が悪いんじゃなくて、調子がいいんだよ。あー、よかった。」

女性職員さんがアルツ君の夕食を持って、居室に入ってきます。

女性職員さん:「失礼します。お食事をお持ちしました。」

ヤッチ:「ありがとうございます。」

女性職員さん:「お部屋の冷房温度大丈夫ですかね?」

現場の職員にもの申すなと言われているヤッチでしたが、本日2枚目のイエローカードです。

ヤッチ:「ありえない温度でしょ。寒すぎるよ。」

女性職員さん:「さっきお伺いした時は26度代だったんですけどね。」

ヤッチ:「これで入口の扉を閉めたら、なかなかのストッカーになるよね?」

女性職員さん:「すいません…。」

女性職員さんは足早に出て行ってしまいました。

ヤッチはアルツ君のベッドのリクライニングを上げ、エプロンをつけてもらいます。

ヤッチ:「今日はお魚だよん!」

アルツ君:「かあー、美味しいね、チクショー!」

ヤッチ:「それにひじきの煮物もあるよん!」

アルツ君:「おいしね~、チクショー!」

いつもの儀式として、一通り献立を説明します。

ミキサー食でみんなペースト状になっているので、正直なところヤッチにもどれがどれだかわからない時があります。

お茶を飲んでくれないアルツ君なので、白飯のミキサー食をお茶代わりに最初にアルツ君の口に流し込みます。

ヤッチ:「じゃあ、お魚から行きますか?ちょっとだけ食べてみて?しょっぱいときは白飯と混ぜるから?」

アルツ君の口に放り込みます。

アルツ君が渋い顔をします。

アルツ君:「あー、美味しい。チクショー!」

ヤッチ:「びっくりさせるなよ。変な顔をするから、まずいのかと思ったよ。」

最近分かってきたことですが、どんなに美味しい料理でも、アルツ君が食事を飲み込むときに渋い顔をしたり、顔をゆがめるのは、それだけ飲み込む力が弱ってきているのではないかと…。

一口目は『まずい』と言っても、二口目は『美味しい』というのは、一口目では、まだのどが潤っていないからではないかと…。

4、5口食べたところで、アルツ君、早くもフリーズです。

寝ているわけでもないのですが、完全に動作を停止してしまいます。

こうなると、アルツ君自身が自力で復帰するのを待つしかありません。

そこへ施設の課長さんが居室に入ってきます。

課長さん:「今、よろしいですか?」

ヤッチ:「今、休憩中なんで構わないですよ。」

課長さん:「どうですかね?」

ヤッチ:「『どうですかね?』じゃないよ。さっき25度代だったけど、この室温計見てよ。24度代だよ。」

課長さん:「今、天井の吹き出し口を見させていただきますね?」

課長さんは天井にある空調を確認したり、点検口を開けて何かを調べているようです。

居室を出たり入ったりしています。

課長さん:「この点検口のところに風量を調節できるスイッチがあるようなんですけど…。」

ヤッチ:「今、設定温度は何度なの?」

課長さん:「今、ちょっと前に28度に設定して、ここにお伺いしたところです。」

ヤッチ:「そしたら、風量を絞る前にその設定温度でどうなのかを確認した方がいいんじゃない?」

課長さん、ヤッチの申し上げていることを理解していない様子…。

居室を離れて行ってしまいました。

代わって、主任生活相談員さんが居室に入ってきます。

主任生活相談員さん:「今、風量の方を下げさせていただきますね。」

ヤッチ:「風量の調節よりも設定温度を変更したんだから、その設定温度のまま、しばらく運転してみるのが順序じゃない?」

主任生活相談員さん:「今、風量を下げましたんで、ちょっとこれで様子を見させてください。」

ヤッチ:「様子を見るのは結構だけど、今頃やる話じゃないよね?」

主任生活相談員さん:「申し訳ありません…。」

ヤッチ:「ちょっと表(廊下)に出よう。」

ヤッチは主任生活相談員さんと一緒に廊下に出て切り出します。

ヤッチ:「お昼過ぎに来て、部屋の窓が開いていた時に、ここの職員さん、みな口をそろえて言ったよね?『注意します。』、『気をつけます。』って…。」

主任生活相談員さん:「すいません…。」

ヤッチ:「その時から、2.3時間の余裕はあるはずなのに、なんで今頃空調をいじりだすわけ?何を気をつけていたのかね?」

主任生活相談員さん:「一応、お部屋の温度確認はさせていただいていたのですが…。」

ヤッチ:「じゃあ、俺が来たから部屋の温度が下がったっていうわけ?」

なんで、こんな言い方しかできないんでしょうね…。

主任生活相談員さん;「そういうわけでは…。」

ヤッチ:「だいたいさ、昼にお伺いした時も『換気のために窓を開けていた。』っていうけど、なら、なんで俺が居室に入る前にそのことを言わないわけ?水ようかんを持って来たとき、ナースステーションで職員と会話をしてるよ。これじゃあさ、客観的にみて、『窓を閉め忘れていた。』と思われても仕方がないんじゃない?」

主任生活相談員さん;「そういう風に疑いのまなざしでしか見れないんですよね!」

生活相談員さんは目をむいてヤッチのパーソナルスペースに入ってきます。

プロボクシングでゴングが鳴る前のにらみ合いを想像してください。

ヤッチ:「なんだ、お前。その挑発的な態度は。ふざけるな!!」

ついに点火スイッチが入ってしまいました。

主任生活相談員さん:「『何もしていない。』とおっしゃられましたよねっ!」

さらににじり寄ってきます。

ヤッチ:「『客観的にみて、そう思われても仕方がない。』と言ってるんだよ!」

主任生活相談員さん:「…。」

ヤッチ:「『気をつけます』と言った以上、早急に直してって言ってるんだよ!」

主任生活相談員さん:「直しますけど、僕は向こうの棟で介護に入らないといけないんです!」

ヤッチ:「はあ…???だったら、ここへ顔を出すなよ!親父だって介護を受ける人間じゃないのかよ?他が忙しいから、親父の面倒は見られないんだなっ!」

主任生活相談員さん:「…。」

殴らんばかりの形相でヤッチの顔に自分の顔を近づけてきます。

ヤッチ:「ダメだ。お前と話をしても…。サービス業をやる人間の顔じゃないよ。」

ヤッチは視線を外し、事務所の方に歩いていきます。

主任生活相談員さんもヤッチの後に着いてきます。

騒ぎを聞きつけた課長さんが事務所の前に立っています。

その課長さんにヤッチは口を開きます。

ヤッチ:「もうさあ、なんなわけ…。利用者が『寒い。』っていうのが理不尽な要求なわけ?冷房25度の設定温度じゃ寒すぎるということもお昼過ぎに来た時に申し上げましたよね。それが何で、夕方になってもそのままなわけ?俺、間違ったことを言ってるのかな?」

課長さん:「いえいえ。」

ヤッチ:「じゃあなんで、こんな挑発的な目を向けられるわけ?こいつの顔、見てみなよ」

ヤッチは課長さんに見えるように主任生活相談員の体を換えます。

そして、その相談員さんに言い放ちます。

ヤッチ:「仕事があるんだろ?早く行けよ。」

一番信頼できると思っていた相談員さんだったんですけどね…。

なんとも残念な結果です。

この後、課長さんと同じような話をしました。

課長さんとの話は繰り返しになるので省略(手抜き)させていただきます。

課長さんとの話の中でヤッチが強調したことを一点だけ書かせていただきます。

ヤッチ:「問題点が出たならさ、施設で『きちんと解決しました。』という報告だけでは、もう納得いかないよ。今後こういうことが起こらないようにどう改善したのか、具体的な改善策を示した上で、本当にそれを実行したのかを目に見える形で示してよ。」

まあ、再三再四申し上げてきたことなんですが、そのたびに期待を裏切られているので、今回も当てにはできませんが…。

28度設定が推奨設定の温度ではあるが、利用者さんにとっては『暑い』と感じる方もいらっしゃるということに関しては、ヤッチも施設側も一致しています。

また入浴介助を終えた職員さんの労働環境を考えると、冷房時の推奨設定の28度では労働意欲の低下を招くことも考えられます。

アルツ君の部屋が26度から27度くらいになるように、体感ではなく、随時部屋の温度で確認していくというのが施設の見解でした。

ヤッチとしては湿度によっては26度でも『寒い』という意見なんですが、聞き入れてもらえませんでした。

とりあえず、アルツ君の部屋の温度が26度から27度で推移するように設定温度を変え、こまめに訪室していただくということで妥協しました。

本日(7月14日)もお昼過ぎの2時半ごろにアルツ君のところに面会に行ってきました。

アルツ君の居室の温度はというと…?

25.3度…。

ベッドサイドにはナースコールが設置されていました。

ん…。

どう解釈すればよいのでしょうか…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2015/07/14 | コメント (46) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top


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