site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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食事摂取 ~ 入院26日目から29日目

2014/12/24 (水)  カテゴリー: 脳梗塞
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・入院26日目 ~ 12月20日(土)

2014年12月20日のアルツ君

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

アルツ君が脳梗塞で入院してから、26日目になりました。

キノコさんがアルツ君の食欲のないことを心配して、ヤッチと一緒に面会に行くことになりました。

午前中は小雨だった天気も午後から大雨に…。

午後4時ごろです。

ヤッチは部屋へキノコさんを迎えに行き、そこからタクシー会社に電話でタクシーを呼びます。

うん…。

中々つながりません…。

繋がっても、自動音声に切り替わり、やがて保留音、そしてその後、電話が切れてしまいます。

何度も粘って、同じことをしますが繋がりません。

別のタクシー会社に電話することに…。

今度はオペレーターがすぐに応答します。

ヤッチは住所を告げます。

オペレーター:「大変申し訳ありません。今日はそちらの地区には一車も配車できない状況なんです。」

すぐに電話を切られてしまいました。

もう一度最初に電話したタクシー会社へかけ直します。

このタクシー会社には部屋の住所を登録してあるので、オペレーターに『一車、お願いしたいんですけど?』と言えば、自動音声に切り替わり、『○○分後に、黒色の1234の番号のタクシーがお迎えに上がります。』という音声が流れ、だいだいその時間通りに部屋の前にタクシーがやってきます。

今度はすぐにオペレーターが電話に出ました。

オペレーター:「○○さん(ヤッチの名前)ですね?15分後にお迎えに上がるよう、そちらに一車向かってますよ。」

ヤッチ:「あれ?さっきは電話が切れちゃったのに…。」

オペレーター:「いえ、そちらにお伺いすることになっています。」

ヤッチ:「おっと。ダブルブッキングにならなくてよかった~。了解です。ありがとうございます。」

もう、タクシーが来るまでの15分間のうち、何分かは経過しています。

部屋の外に出ると、すぐにタクシーがやってきました。

ヤッチ:「K病院までお願いします。」

ドライバー:「わかりました。」

ヤッチ:「なんか、今日はお忙しいみたいですね?電話が全然繋がりませんでしたよ…。」

ドライバー:「クリスマス前の最後の土曜日でしょ。それにこの雨だから…。道路もものすごく混んでますよ。」

こっちは、アルツ君の18時の夕食の前に到着すればよいので、特に急いでいるわけではありません。

余裕を持って出て来ています。

こっちが何も知らないと思って、あえて渋滞の道路を走るつもりだな?とピンときたヤッチは、ドライバーに裏道を指示します。

ヤッチが『そこを右に曲がってください。』、『そこの一通、ちょっと狭いですけど、そこに入って下さい。』など、色々と指示しているうちに、ドライバーがつぶやきます。

ドライバー:「ここ、いったいどこなんですか?」

ヤッチ:「病院に向かっている道で、ブラジルじゃあないことは確かです。」

日頃の自転車通院で、色々と近道を探しながら走っていた事が役に立ちました。

ドライバー:「…。」

嫌~~な客をドライバーはK病院で降ろします。

K病院のスロープを使って、キノコさんとヤッチはK病院の中へ入り、アルツ君の病室へと向かいます。

病室に入ると、アルツ君、看護師さんと何か話していたようです。

看護師さんがアルツ君に何かをおっしゃっています。

看護師さん:「ほーら!奥さん、いらっしゃったじゃないですか~。」

キノコさんがアルツ君のベッドの方にちょこんと顔を出します。

アルツ君、すでに『ケンケン泣き』です。

キノコさん:「なーに、泣いているの?」

アルツ君:「うるさいっ。」

キノコさん:「まあ、失礼ね~。せっかく会いに来たのに…。」

アルツ君:「俺は、もう寝ちゃうの…。」

本当はうれしくて仕方ないくせに、有りがちな意思表示です。

ヤッチは丸椅子を用意し、キノコさんをアルツ君のそばに座らせます。

キノコさんはアルツ君の手を握りしめます。

アルツ君:「あああ。お前の手、冷たいよ…。」

キノコさん:「外は寒かったんだもの、仕方ないわよ…。」

アルツ君:「どっから、お前来たんだ?」

キノコさん:「わたし?私は家から来たのよ…。」

アルツ君:「そっか、そっかぁ…。」

涙をボロボロこぼしちゃっています。

キノコさん:「もうすぐうちに帰れるんでしょ?」

アルツ君:「帰れっこないよ…。」

キノコさん:「どうして?」

アルツ君:「死んじゃうの…。」

キノコさん:「死んじゃう人が、私の手を『冷たい』なんて言わないでしょ。なに、弱音を吐いてるのよ。」

アルツ君:「そうじゃないよ…。お前の手は冷たいな…。」

アルツ君、毎度のことですがなかなかキノコさんと目を合わそうとしません。

うれしくて仕方がないのは表情からすぐにわかります。

口をポカンと開け、キノコさんの冷たい手ばかりを気にしています。

理由はわかりませんが、キノコさんをヤッチがどこかで拾ってきたと言っています。

会話の続きをYouTubeにアップしました。(音割れ多数)

ちょっと、アルツ君のケアの行き届いていない口ばかりがアップになるので、グロいかも?

また、キノコさんの右手の親指には大きな脂肪腫が…。

病院にて受診済みですが、手術で取ってしまうと、右手が当面使えなくなる可能性もあると言われています。

本人に痛みや不自由さが無いので、今のところ経過観察です。

これもヤッチは見慣れてしまっているので、何ともありませんが、ご覧になるとグロいかもしれません。

あらかじめご了承下さい。




動画をご覧になられた方はお分かりになると思いますが、アルツ君のしゃべり方も以前に比べると、ずいぶん呂律もよく回っていると思います。

入れ歯を入れれば、そこそこ聞き取れるではないでしょうか?

また、この雰囲気なら、このあと運ばれて来る食事も食べてくれそうな感じもすると思います。

『メシぐらい食わしてくれよ~。』、『まずいもんばっかり食わしてやがんの…。』などと、会話に関連性は有りませんが、食欲が有るようにも思えます。

でも、この後、食事が運ばれてくると一変…。

口を開けてくれません。

あれだけ口をだらしなく開けていたのにへの字口です。

スプーンで食事をアルツ君の口元に運ぶと、グッと唇に力を入れ、拒絶します。

食べさせようとすればするほど、かたくなになっていってしまいます。

小さな子供がデパートのおもちゃ売り場で、大の字になって、駄々をこねる風景に似ています。

ヤッチのアプローチが悪いのかと思い、席を外してキノコさんとアルツ君二人だけにして、キノコさんに食べさせてもらうことも試みましたが、キノコさんもお手上げ状態です…。

結局、スプーン3口ほど食べたさせましたが、すべて『まずい~。』と言ってしかめ面です。

最後の一口を飲み込んでもらったところで、疲れて眠ってしまいました。

・入院27日目 ~ 12月21日(日)


前日と同じくらいの時間にヤッチはアルツ君の病室に行きました。

姉は風邪で寝込んでしまっています。

病室に入ると、D子さんの姿が有りました。

D子さんは、姉の幼なじみで、姉とは大親友…。

姉の話によると、介護施設で働いている現役の看護師さん。

ヤッチとはいつお会いしたか覚えていないくらい久しぶりです。

たぶん、ヤッチが学生の頃、会っているはずなのに、なぜかその記憶がありません。

記憶として残っているのは、ヤッチがまだ幼稚園生くらいの頃の記憶…。

ヤッチのイメージでは、姉が男勝りの性格で、D子さんはおっとりした性格というまるで正反対な二人です。

面倒見のいいお姉さんという感じです。

やさしく、よくヤッチの目線になり、頭を撫でてくれたような淡い記憶が有ります。

とうにご結婚されて、姓もかわっているはずなのに、ヤッチの頭の中は未だに旧姓のままです。

アルツ君も、D子さんの話題をときどき口にするので、記憶がハッキリと有るようです。

まだ、アルツ君が店をやっている頃、D子さんにアルバイトをしていただいたこともあります。

D子さんは、アルツ君のベッドサイドに座っていました。

ヤッチも病室に入ると、すぐにD子さんとわかり、遠い記憶がよみがえります。

ひな祭りの頃になると、二人が姉の部屋にこもり、ヤッチを部屋に入れてくれてくれなかった記憶です。

きっと、お雛様の前で、女の子だけの遊びを繰り広げていたのだと思います。

部屋の外に聴こえてくる二人の楽しそうな笑い声だけが頭に残っています。

D子さん:「あら?」

ヤッチ:「どうも、ご無沙汰しています。」

D子さん:「今日は、実家に帰って来てるんで、おじさん(アルツ君)がここにいるって聞いたから、会いに来たの。」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。」

まだ、ほとんどD子さんと会話をしていないのに、アルツ君、『ケンケン泣き』です。

ヤッチ:「旦那さん、だってよ?誰だかわかるか?」

アルツ君:「わかるさよ~。D子ちゃんだろ…。ハヒヒヒ…。ありがと、ありがと…。ハヒヒヒ…。」

D子さん:「すごーい。覚えていてくれたんだ~。」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。」

D子さん:「おじさんのところで、シクラメンを売ったり、笹の葉を売ったことあるもんね。あの時は楽しかった~。」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。ありがと…。ハヒヒヒ…。」

D子さん、今は実家を離れて、別の場所で生活していますが、実家を建て直しするそうで、その関係も有って、こちらに休みを利用して帰って来ていたようです。

確か、ご実家にはアルツ君、キノコさんと同じ歳のお母様もいらっしゃると伺っています。

本当は久しぶりに姉と会う約束をしていたらしいのですが、姉が風邪でダウン…。

姉の代わりと言っては大変失礼ですが、貴重な時間を割いてアルツ君に会いに来てくれました。

D子さん:「今度ね、実家を建て直すのよ。」

アルツ君:「へー。」

D子さん:「お宅の○○(姉のこと)は今から、家の設計について、あーしな、こーしなって言ってきているのよ。」

アルツ君:「そうか…。あいつ、そんな生意気なこと言ってやがるのか…。」

ヤッチ:「そうだ、旦那さん、新しい家ができたら、庭をみてあげたら。」

アルツ君:「もうできっこないよ…。ハヒヒヒヒ…。」

ヤッチ:「まだ、若いんだろ?38じゃなかったのか?」

D子さん:「あれ?86じゃなかった?うちもお宅もみ~んな辰年じゃなかった?」

この後もしばらく、色々な会話を楽しみました。

普段、閉じているアルツ君の目もこの日は開いていました。

アルツ君は、泣いたり笑ったりを交互に繰り返しています。

おしゃべりをしていると、食事が運ばれてきます。

今日はD子さんが、食事の介助をしてくれるようです。

D子さん:「じゃあ、最初にまずお茶を飲もうか?」

D子さんはとろみのついた吸い飲みのお茶をアルツ君の口に持って行きます。

ヤッチがこれをやると、アルツ君、いつも『まず~い。』と言って、一口しか飲んでくれません。

しかし、D子さんが飲ますとどうでしょう…。

アルツ君、喉をゴクゴク言わせちゃってます。

ヤッチ:「あれ?喉が鳴ってるね?」

アルツ君:「D子ちゃんのお茶は美味いからな~。」

D子さん:「これは美味しいかなぁ?」

D子さんは、アルツ君の口に夕食のおかずを運びます。

アルツ君の食事はペースト状になっているので、肉なのか、魚なのか、全く元の形状がわかりません。

アルツ君は大きく口を開けます。

アルツ君:「みんな美味しいよ。」

まだ、お茶と今の一口だけなんですけどね…。

D子さん:「ゴックンって飲んで?」

アルツ君が口の中のものを飲み込みます。

アルツ君の喉からハッキリと『ゴックン』という音が聴こえてきます。

今まで、たぶんこんなにしっかり音が聴こえてきたことは有りません。

D子さんがアルツ君の口へ何口か運びましたが、すべて『ゴックン』です。

そこへ、K病院の看護師さんがアルツ君の薬を持ってきます。

看護師さん:「お願いしてもよろしいでしょうか?」

ヤッチ:「はい。」

D子さん:「いつも薬はどうやって飲んでもらってるの?」

ヤッチ:「まだ、水で飲むのが無理なんで…。というか、試したこともありません。」

D子さん:「あ、そうなんだ。じゃあ、おじさん、同じものばかりじゃ、飽きちゃうから、違うのも食べようか?おじさん、甘いものは好き?」

アルツ君:「嫌いじゃないな~。」

D子さんは、グレープ味のプリンを見つけ、フタを開けます。

D子さん:「こういう味って、おじさん好きなのかな?」

ヤッチ:「今まで、かぼちゃ味のプリンは出たことは有るけど、グレープ味は、俺もはじめてだなぁ。元々かぼちゃは好きなはずなんだけど、かぼちゃ味のプリンはいつも食べてくれないんですよね~。」

D子さん:「じゃあ、ちょっと食べてみようか?」

そう言って、アルツ君の口に運びます。

D子さん:「おいしい?」

アルツ君:「うん。」

アルツ君、グレープ味のプリン、全部完食です。

ヤッチ:「グレープ味のプリンなんて、ちょっと想像つかないけど、全部食べましたね?」

D子さん:「かぼちゃとかって、臭いが無いでしょ?でも、こういう時は、臭いのきつい、インパクトのある物の方が食欲をそそるのよ。」

ヤッチ:「なるほど…。」

アルツ君、そろそろ疲れてきたようで、寝落ちしそうな気配です。

D子さん:「けっこう、食べるだけで疲れるみたいね。お薬を飲もうか?」

D子さんはスプーンにヨーグルトを取り、その上に錠剤の薬と抑肝散(アルツ君の服用薬~顆粒)を半分くらい載せます。

D子さん:「こういう顆粒状の物って飲みにくいのよね~。上手く飲めるかな?」

D子さんはアルツ君の口の中に薬の載ったヨーグルトを入れます。

アルツ君:「まずい~。」

アルツ君もさすがに『美味しい。』とは言いません。

D子さん:「じゃあ、お茶で口の中の苦いのを消そうか?」

D子さん、同じことを何回か繰り返し、アルツ君の薬も全部飲ませてくれました。

アルツ君を見ていると、まるで迷子の子供のようです。

案内所で、お母さんを待つ間、やさしい迷子係のお姉さんにジュースを飲ませてもらっているかのようです。

ヤッチの頭の中では、嫉妬と安堵がスクワットしています。

嫉妬については、説明するまでも有りませんが、安堵については、アルツ君が退院して施設に戻った場合、もしかすると、出された食事をモリモリと食べてくれるかもしれないという希望にも似た安堵感です。

薬を飲み終えた後、アルツ君は眠ってしまいました。

完食というわけにはいきませんでしたけど、ここ数日間で、一番食べてくれた方ではないでしょうか。

D子さんに感謝です。

D子さん:「また、あっち(施設)に帰ったら、遊びに行くね。」

アルツ君が寝ぼけ眼で答えます。

アルツ君:「うん…。ありがと…。ハヒヒヒ…。」

・入院28日目 ~ 12月22日(月)

病室に着くと、アルツ君ウトウトしていたみたいですが、ヤッチの姿が視界に入ったようです。

アルツ君:「ハヒヒヒ。」

いきなりの『ケンケン泣き』です。

ヤッチ:「なに?どうした?」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。」

ヤッチは上着を脱ぎ、アルツ君のベッドの背もたれを少し上げます。

ヤッチ:「今日は旦那さんにうれしい知らせを持って来たよ。24日の水曜日にうちに帰れるってよ。」

この日、姉から電話があり、特養とK病院と上手く話し合いがつき、アルツ君の退院が決まったとの連絡が有りました。

アルツ君:「ハヒヒヒ…。ウソをつけ…。」

ヤッチ:「なんで、ウソつかなくちゃならないんだ?」

アルツ君:「もう、俺は死んじゃうの…。」

ヤッチ:「死んじゃう奴がここを追っ払われるわけないだろ?」

アルツ君:「そんなの、わかるもんかい。死んじゃうの…。」

ヤッチ:「さては『死んじゃう病』だな?『死んじゃう病』の患者を医者は診てくれませんよ~。」

アルツ君:「死んじゃうんだから、診てくれなくてもいい…。」

ヤッチ:「でも、ホントにうちに帰れるんだぜ。」

アルツ君:「ウソだ…。」

あえて、『病院を退院』と言わずに、『うちへ帰る』という言葉を選んで使っています。

『うち』は『きのこさんのいる場所』かもしれないし、『施設(特別養護老人ホーム)』かもしれないので、どう感じるかは本人次第です。

ヤッチ:「どうして『ウソだ』って言うんだろうな…。ひょっとして俺のことを信用していない?」

アルツ君はすぐさまコクリと首を縦に振ります。

ヤッチ:「『死んじゃう』のも結構だけど、『殺される』っていうのも覚悟しておいた方がいいぜ…。」

ヤッチはアルツ君の首に軽く両手を添えます。

ヤッチ:「あのさ…。自分で死ぬのと、殺されるのと、どっちがいい?」

アルツ君:「どっちもやだ!バカっ。」

ヤッチ:「今さ、『どっちもやだ。』って言ったよな?」

アルツ君:「うん。」

ヤッチ:「っていうことは、『死にたくない』っていうことだぜ?」

アルツ君:「お前に殺されるなら、死んだ方がマシだ!」

すこし、アルツ君のテンションが戻りました。

少し、暗い表情がアルツ君から消えましたが、『死ぬ』ばかりを会話の中で口にします。

まあ、施設に戻れば、いつものアルツ君に戻るでしょう。(希望)

ちなみにこの日もアルツ君、食事をほとんど口にしてくれませんでした。

・入院29日目 ~ 12月23日(火)

アルツ君の退院が、12月24日水曜日の午前中に、正式に決定しました。

病院から姉のところに連絡が行き、『24日の午前中に(アルツ君の)着替えを持って、お迎えにいらして下さい。』と具体的な時刻が決まりました。

この知らせを持って、夕方、ヤッチはアルツ君のところに食事介助に出かけて来ました。

食事の前に、覚醒してくれないアルツ君に話し掛けます。

ヤッチ:「明日、午前中に迎えに来るからな。うちに帰れるってよ。」

アルツ君:「ウソをつけ。そう言って、みんなで寄って集って、俺をだまそうとしてるんだろ…。」

ヤッチ:「失礼なやつだな…。だましてやってもいいけど、旦那さんの場合、だますメリットが無いじゃないかよ。」

アルツ君:「そうだよ…。どうせ死んじゃうんだから…。」

ヤッチ:「また、そっちかよ。旦那さんは面倒なことと、面倒じゃないことだったら、どっちを選ぶ?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「『わかんない。』はダメ。あえて言うならどっち?」

アルツ君:「わかんない…。」

アルツ君:「面倒じゃない方がいいだろ?」

アルツ君:「そうだな。」

ヤッチ:「『死ぬ』ことを考えると、あれやこれやと思い悩んだり、考えたりしなきゃならないだろ?」

アルツ君:「ん…。」

ヤッチ:「でもさ、『実は俺、生きようと思ってるんだよ…。』って、悩みを打ち明けるやつ、いないよな?」

アルツ君:「ふん…。」

ヤッチ:「だったら、生きてる方が面倒臭くなくていいんじゃないか?」

アルツ君:「お前の話は難しすぎてわからん!のど渇いちゃったよ。」

ヤッチ:「もう死ぬんだから、飲まなくてもいいんじゃないか?」

アルツ君:「うるさいっ。」

ちょっと機嫌が戻りました。

ヤッチは吸い飲みのお茶をアルツ君の口へ持って行きます。

アルツ君、音を立てて、お茶を飲みます。

今さらですが、アルツ君、今まで水分不足だったんじゃないですかね…。

病院で満足に水分補給してもらえず、それで、体力も食欲も落ちてしまったのではないかと…。

抑制を掛けられるくらいの暴れん坊のアルツ君なら、看護師さんに気づいてもらい、『お茶でも飲みましょうか?』と言ってもらえるような気がします。

でも、今回の入院では、ずっと大人しく寝ていたアルツ君なので、ほったらかしされた可能性も有るんじゃないかと…。

結局、この日は、吸い飲みのお茶をほとんど飲んでしまい、食事をあまり食べてもらえませんでした。

アルツ君ですが、自分が脳梗塞で入院したことも、どこの病院に入院しているかもわかっていない様子です。

ヤッチも姉もキノコさんも、『良い悪い』は別にして、未だ本人の前で、『脳梗塞』という言葉を使っていません。

ただ、アルツ君、自分が病室にいる事だけはわかっていると思います。

ナースステーショーン前の病室に寝かされ、毎日のように、入れ替わり立ち替わり重篤な患者さんが運ばれてきます。

次の日はその患者さんのベッドが空いていることもあります。

ご家族がいらして、泣きながら患者さんの名前を呼びかけていることもあります。

そんな中にずっと寝かされていたら、やはり、アルツ君でなくとも、良好な精神状態は保てなくなると思います。

『違う』と説得すればするほど、どんどん変な方向に考えて行ってしまうような…。

ヤッチがアルツ君に『明日からここで寝なくていいんだよ。』と言うと、アルツ君、少し表情がやわらいだように見えました。




ひょっとして、アルツ君の言葉を理解できるのはヤッチだけ?

追記
本日12月24日水曜日、アルツ君ですが、K病院を退院し、特別養護老人ホームに戻ってきました。
姉に続いて、今度はキノコさんが風邪を引いてしまい、本来なら愛妻が待ち受ける特養になるはずだったのですが、それも叶わず…。
やっと一息と言いたいところですが、アルツ君の食事摂取が順調ではないままの退院ですので、まだまだ落ち着けそうにありません。
また特養に通うことになりそうです。
しばらく記事の更新が滞るかもしれませんので、どうかご容赦下さい。
まずは御報告まで!


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2014/12/24 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

なぜ特養では点滴一本も打ってもらえないのか?

2015/01/16 (金)  カテゴリー: 脳梗塞
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点滴注射

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

アルツ君のことを心配して下さっている方もいらっしゃると思うので、あまり記事としては面白い内容ではありませんが、ご報告をかねて、書き記したいと思います。(※追記を書きました。最新の情報はこの記事の後半部分にあります。 2016年5月

これから書かせてもらう内容は、ヤッチの主観がほとんどで、医療、介護のプロの方からすると、間違った考えや知識かもしれませんので、あらかじめご了承の上、ご覧下さいね。

まず、特別養護老人ホームでのアルツ君の生活ですが、一日の大半をベッドの上で過ごしているようです。

『ようです。』と書かせていただいたのは、一日中、施設内にいたことがないので、推測です。

『寝たきり』の状態がK病院退院後からずっと続いていることになります。

賛否の分れるところなのかもしれませんが、一日の大半をベッドの上で過ごしていることは、ヤッチには健全だとは思えません。

すぐに眠くなってしまうので、仕方のないことと言えば、それまでですが…。

せめて施設の職員さんが、アルツ君を介助し、車椅子に座ってもらう時間を増やすなどしてもらえれば、覚醒レベルも上がり、負のスパイラルから抜け出せそうな気もします。

K病院に入院中は、午前中にリハビリなどが毎日有ったわけですから、特別養護老人ホームに戻って来てからの方がベッドで過ごしている時間が長いことになります。

続いて食事面ですが、退院直後は、環境の変化にアルツ君自身が順応しきれていなかったのか、あまり十分な摂取量とは言えませんでした。

すぐに不機嫌になってしまうか、『俺はもう長いことはない…。』と弱音を吐き、口を開けてくれない日が続いていました。

でも、機嫌の悪くなったりする頻度も減り、少しずつですが、口を開けてくれるようになりました。

まだまだ、平均すると、イッパイ食べた日で、通常の6割程度ですが、食べる量が減ってきているわけではないので、まあ良しとしましょうか。

機嫌が悪くなるスイッチは脳梗塞で入院する前は、ヤッチなりにけっこう把握できましたが、最近のアルツ君は、ゲラゲラ笑いながら、怒り出すような時も有り、イマイチ、いつスイッチが入ったかわかりません。

余談ですが、このような時を、ヤッチは『竹中直人状態』と呼んでいます。

また、食事を摂ると、すぐに眠くなってしまうのも、いっこうに改善されません。

飲み込むのにエネルギーを消費するのか、食べた物を消化するのに、胃袋に脳に行く血液を奪われてしまうからなのかよくわかりませんが、以前はこんな事が無かったわけですから、脳梗塞の後遺症といっても過言ではないかもしれませんね。

ヤッチは、今年になってから、夕食の介助だけ毎日やらせてもらっていますが、アルツ君が食事を摂り終わって、あるいは食事を摂るのをギブアップしそうになった時、必ず、ある質問をします。

『食べてすぐ寝てしまうと…?』です。

アルツ君の前日の答えは、『牛になる。』

その前の日は、『象になる。』

そのまた前の日は『豚になる。』でした。

なんか気の利いた答えを期待して、質問していましたが、面白くないので、そろそろやめにしようかと…。

(-_-;)

水分の摂取ですが、何度も書かせていただいているとおり、特養の嘱託医に一日に500cc以上水分を摂れない日が続くようであれば、『再び入院になる。』と言われています。

これについては、最近もあまり変化が見られず、500ccを摂れる日も有れば、摂れない日も有り、以前として、十分な摂取量とは言えませんね…。

アルツ君の年齢の平均では、1000cc~1500ccが必要と言われていますから、いかに少ないかがわかると思います。

特養の職員さんの多くは、半袖のポロシャツ一枚で仕事をしています。

そう…、高齢者用の温度設定なので、寒い屋外から施設の中に入ると、ムッとするくらいです。

施設内の空気も乾燥しているので、のどがもっと渇いてもおかしくないはずなんですけど、アルツ君、あまり水分を欲しがりません。

というより、ヤッチの目には、アルツ君が水分を摂ること自体を億劫に感じているようにも映ります。

口元に吸い飲みを運べば、わずかですが、すすることもありますからね…。

まあ、食事摂取量がほんの少しだけ増えたというだけで、以前に書かせていただいた記事内容とたいして変わらないので、ブログの更新をためらっていた次第です。

m(__)m

で、今日の話題はアルツ君の水分摂取の話題です。

昨日(1月15日木曜日)は特養で特養の嘱託医の診察が有りました。

アルツ君も当然嘱託医の診察を受けています。

同じくその日の夕方5時過ぎに、ヤッチはいつものようにアルツ君の夕食介助に施設に向かおうとしていたところ、姉から一通のメールをもらいました。

▽引用
姉からのメール(本文)

15分くらい前にA看護師(特養の主任看護師さん)から電話がありました。

A看護師によると、
B先生(特養の嘱託医)から『あまりにも水分摂取量が少ないので、このままでは生命維持が難しい。病院に行き、点滴を勧める。』との診断が下されたとの事。

ご家族の意向を明日(1月16日)午前中までに下さいと言われました。

私も、今日の19時頃に特養に行けるので、その時また相談しよう。
△引用

姉からのメールの内容だけでは、具体的なことはなにもわかりませんよね。

『病院』といっても、どこの病院なのか?

嘱託医のクリニックなのか、それとも別の外部の医療機関なのか?

入院なのか、外来で診察を受けるのか?

誰がアルツ君を『病院』に連れて行くのか?

家族の付き添いが必要なのか?

どうやって連れて行くのか?

経口摂取によって水分をアルツ君が十分に補うことができないので、水分補給のために『点滴(注射)』を打つというのだけは、わかります。

姉が特養に来てから、もう少し詳しく話を聞こうと、ヤッチはアルツ君の夕食の介助を始めます。

介助と申し上げても、介助になりません。

アルツ君、『食欲が無い』と言って、2、3口しか食べてくれませんでした。

これでは、処方されている薬も飲めません。

(-_-;)

この日の日中にキノコさんがアルツ君のところへ面会に行き、昼食をめずらしく完食したということを聞いていたので、まあ食べなくても、いいかくらいに思いましたが、やはり心配は心配です。

また、キノコさんが面会に訪れた時、アルツ君のテンションがマックスで、『俺はどこも悪い所はない。もう家に帰る。』と言ったそうで、アルツ君の食欲が気分的なものに大きく左右されていることは、誰の目から見ても確かなはずです。

これは食事摂取に限らず、水分摂取についても同じことが言えると思います。

なのに…。

嘱託医の診察はアルツ君の昼食の後ですから、なぜ故今頃になって、このような診断を嘱託医が下したのかもよくわかりませんね…。

アルツ君はこの後、車椅子に座ったまま寝てしまったので、ヤッチは居室の外の廊下に出て、姉の到着を待ちます。

姉が夜の7時ごろ到着です。

姉:「パパは?」

ヤッチ:「今、車椅子で眠ってるよ。」

姉:「ご飯は?」

ヤッチ:「ほとんど食べてない…。」

姉:「薬も?」

ヤッチ:「飲ませられないよな…。」

姉:「メール、見たでしょ?」

ヤッチ:「見たけど、あれだけの内容じゃ、『意向』もなにも、判断できる情報が少なすぎるよ。」

姉:「私もここの看護師さんにそう言われただけだからさぁ…。」

ヤッチ:「もう、事務所にいる生活相談員さん、帰っちゃったかね?」

姉:「訪ねてみる?」

ヤッチ:「うん。」

姉と二人で、同じフロア内にある生活相談員さんの事務所をノックします。

普段だと、もう帰宅している時間帯ですが、幸い古株の生活相談員さんが事務所から出てきます。

姉が、施設の主任看護師さんからもらった電話のことをこの生活相談員さんに伝えます。

生活相談員さん:「いや、その話はうちの看護師からもらっていないですね…。何時ごろの話ですか?」

姉:「今日の夕方5時すぎだったと思います。」

そこへ、今度は新任の生活相談員さんが姿を現します。

姉:「どうも、お世話になっています。そちらの主任看護師さんから何か聞いています?」

新任の生活相談員さん、キョトン顔です。

どうやら耳に入っていないようです。

姉は古株の生活相談員さんに申し上げたことと、同じこと伝えます。

新任の生活相談員さん:「いや、私もその話は伺っていないですね…。」

姉:「でも、そちらの看護師さんから明日の午前中までに返事を下さいって言われてるんですよね…?」

新任の生活相談員さん:「そうなんですか。それは確認してみないとですね…。」

ヤッチ:「ダメだこりゃ。今居る人間がだれも詳しいことを知らないんじゃ、議論する余地はないね。『病院に行く。』って言ったって、家族が連れて行くのか、御所で連れて行くかもハッキリしないんでしょ?」

生活相談員さん:「ですね…。」

ヤッチ:「『入院』なんてことになれば、水分摂取は出来ても、本人の精神状態が悪くなるのは目に見えてる話だと思うんだけどね…。」

新任の生活相談員さん:「わかりました。明日の午前中までのご返事というのは保留にしていただいて、私の方でもう一度、主任看護師、嘱託医に確認をさせていただきます。詳細がわかり次第ご連絡差し上げるというのでいかがでしょう?」

姉:「私たちはそれで構いませんけど…。」

姉とヤッチは居室に戻り、車椅子に座ったままのアルツ君をベッドに寝かせます。

ちょっと愚痴を言わせてもらえば、ベッドから車椅子、車椅子からベッドへの移乗について、毎回ヤッチがやっているのはなぜなんでしょうね?

ここは特別養護老人ホームという介護施設で、ヤッチが在宅で面倒をみているわけじゃないんですけどねえ~。

しかもヤッチの移乗介助、全くスキルの無い力任せの介助方法です。

アルツ君を半ば担ぎ上げるパワー介助です。

アルツ君をベッドに寝かせ、ずり下がったアルツ君の身体を枕の方に引き上げていると、先ほど会話をした新任の生活相談員さんが居室に入ってきます。

新任の生活相談員さん:「先ほどの件でちょっとお話があるんですけど…。」

ヤッチ:「あっ、ちょっと待ってもらえます。もう少しで終わりますから。」

新任の生活相談員には廊下で待ってもらいました。

姉とヤッチはアルツ君に布団を被せ、離床センサーと転倒用のマットをセッティングして、居室の外に出ます。

姉:「ごめんなさい。お待たせしました。」

新任の生活相談員さん:「あ、いえ。こちらこそ申し訳ありません。」

かつてはアルツ君の『定位置』だった場所に三人で腰かけます。

新任の生活相談員さん:「今、うちの看護師に電話で確認いたしました。やはり、お姉さまがおっしゃられていたことと同じことを、うちの看護師も嘱託医から聞いた話として申しておりました。」

もう、このとき、ヤッチはこの先の会話が回りくどい展開になることを察知していました。

自分のブログは回りくどいのに、自分の普段の会話が回りくどくなるのを非常に嫌う性格です。

m(__)m

ヤッチ:「確認の確認をしただけでしょ?で、どうする?」

新任の生活相談員さん:「期日については、改めてご相談ということになると思いますが、外部の医療機関を受診していただきたいと…???」

ヤッチ:「その外部の医療機関というのは、嘱託医もクリニックを経営しているわけですから、そこで受診して、点滴を打ってもらうという方向でもいいの?」

新任の生活相談員さん:「確認してみないとわかりませんが、嘱託医が『OK』であれば、その選択肢も有りかと…?」

ヤッチ:「OKが出た場合、誰が連れて行くの?本人(アルツ君)は絶対嫌がると思うけどね?」

新任の生活相談員さん:「こちら(施設)の車をご用意して、受診していただくことも検討させていただきますけど?」

ヤッチ:「点滴を打つとなれば、10分やそこらじゃ帰って来られないよね?たとえば、2時間くらい掛かるということになったら、その間もそちらの職員さんが付き添っててくれるの?」

新任の生活相談員さん:「…。」

ヤッチ:「嘱託医のクリニックでなくても同じことだと思うけど、受診先で本人(アルツ君)が大声を出して暴れる可能性も大だよね?その時もそちらで面倒見てくれるのかな?」

新任の生活相談員さん:「その時は、やはりご家族様のご協力が必要にもなってくるかと…。」

ヤッチ:「仮に医療機関に連れて行ったとして、水分を補えても、帰って来てから、不穏になる可能性を考えると、今外に連れ出すことを俺は危険だと思うんだけどね?」

姉:「私もそう思う…。ちょっとずつだけど、ご飯を食べられるようになってきているのに、外へ連れ出したばかりに、またご飯を食べてくれなくなっちゃうかもしれないし…。こちら(施設)で点滴を打ってもらうというわけにはいかないかしら…???」

新任の生活相談員さん:「その件は、以前もお話しさせていただいたとおり、こちらは介護施設で、医療機関ではないので…?」

ヤッチ:「でもさ、こちらには施設の看護師さんもいらっしゃるし、嘱託医もいらっしゃって、毎週定期的に往診だか、訪問診療をやってるわけだよね?具合が悪い人が入れば、何かの処置などをして、医療行為を行ってるわけだよね?」

新任の生活相談員さん:「そうですね…。ただ基本的には病院という役割を担っているわけではないので…。」

ヤッチ:「建て前はそうかもしれないけど、軽く二、三本、(点滴を)ここで打っちゃおうよ?ここなら、穏やかに点滴に応じてくれると思うからさぁ~。」

新任の生活相談員さん:「ただ、そこは、嘱託医のご判断でするものなので、私にはお答えができかねるかと…。」

ヤッチ:「軽くチュッチュと打っちゃえば、いいじゃん。病院じゃないからダメ?」

新任の生活相談員さん:「たとえば、療養型の病院に入院されて、そこで、たとえば1週間とか点滴治療を行っていただくという選択肢も有るかと…?」

ヤッチ:「あのさ、たぶんおっしゃられていることは正論だと思うよ。でもさ、お宅の施設とK病院との間で、話し合いを進めて行く中で、病院で入院しているよりは、この施設の方が環境が整っているっていうことで、親父は退院してきたわけでしょ?何でそんな本末転倒な発想が出るかな…。」

姉:「お前、またやめな!言い過ぎだよ!」

ヤッチ:「いや、悪いけど、親父の命が掛かってるんだ。遠慮して後悔はしたくないからハッキリ言わせていただくよ。」

姉:「やめなって!」

ヤッチ:「嘱託医と以前話し合いを持った時に、回復の見込みのない人に点滴は打てないとおっしゃいました。でも、回復の見込みが有るか、無いかは点滴を一本打ってみて、判断してみたって遅くないんじゃないかな?」

新任の生活相談員さん:「おっしゃっているお気持ちは非常によくわかります。ですが、慢性期、あるいは回復期の介護や医療をどうやってしていくかは、こちらの課題でもありまして…。」

ヤッチ:「だったら余計、今がチャンスじゃない?嘱託医といっても、この施設と使用従属関係にあるわけでしょ?いわば、嘱託医は施設サイドの人間じゃない?施設側から、嘱託医に『ここ(施設)で、打ってよ。』って言えないの?」

新任の生活相談員さん:「は…。嘱託医といっても、少々意味合いが違いますからね…。嘱託医に直接お話ししていただくのが良いかと…。」

ヤッチ:「悪いんだけどさ…、いつもいろいろな提案をするのはこっちでさぁ…。どうして、施設から、なにかアドバイスとか提案をいただけないのかな?俺ら、介護のプロじゃないわけで、親父のことしか知らないわけじゃん?たくさんの利用者さんと接している方々から良きアドバイスをいただけないかな…????」

姉:「私も、同じことを申し上げたいです。私は弟以上に介護のことはわかりません。ですから、素人が申し上げる事なので、皆さんにとっては、大変失礼なことを申しあげているのかもしれません。ですから、余計に素人意見を言わせていただけるなら、何で、ここ特別養護老人ホームで点滴を打てないんですか?」

新任の生活相談員さん:「お姉さまのお気持ちもよくわかりました。こちらで何かできる事はないか検討してみたいと思います。」

ヤッチ:「今日の話だけじゃなくて、以前話した時もそうだったんだけど、うちら家族以外は、みんな『回復の見込みがない。』を前提に話しをするんだよね…。医療で補えない部分を介護でフェローし、逆に介護で補えない部分医療でフォローしていくことは有ってもいいんじゃないかな?親父さんが『食べられない。』、『飲み込めない。』をどう介護の力で克服させられるのか、そろそろ皆さんの本領を見せて下さいよ。」

新任の生活相談員さん:「…。」

ヤッチ:「今回、嘱託医に我々から『点滴を打って下さい。』と申し上げるのではなく、施設から嘱託医におっしゃって下さいよ。嘱託医の返事によって、また次を考えなくてはいけなくなると思うけど、そういう場合は、今度はそちらから何か良いアイデアを下さいよ?」

この後も、いろいろと話をさせていただきましたが、主要な部分ではないので、省略させていただきます。(ほとんどがヤッチの理不尽な要求です。)

話し合いの結果としては、嘱託医に施設から姉の言葉として『点滴を打ってください。』と連絡していただくことで終了です。

新任の生活相談員さんからは、『なぜ、特別養護老人ホームにおいて、点滴を打つことができないのか?』ということに関して、明確な回答をいただけませんでした。

翌日の今日(1月16日金曜日)の午後に姉から電話が入りました。

姉:「今度の1月の20日の火曜日に臨時のケース会議(サービス担当者会議)をやるでしょ?その後になるか、先になるかわからないけど、嘱託医が施設にいらっしゃるから、『直接会ってお話ししましょう。』ってことになったから。」

なんだか点滴一本で、なんでこんなに面倒なんでしょうかね…。

嘱託医は毎週アルツ君の診察をするのだし、アルツ君の診察だけをして帰るわけではないので、何時間か特養にいらっしゃるはずです。

その間に、自身のクリニックから点滴薬をはじめとする医療材料を持ち込んで、アルツ君に点滴を打てば、特に医療、介護と縦割りの話にはならず、問題は起こらないような気がするのですがね…。

ん…。

『なぜ、特別養護老人ホームにおいて、点滴を打つことができないのか?』ということについて、調べてみました。

どうやら厚生労働省保険局医療課から出されている「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」というのが根拠になっているようです。

pdfファイルで、結構な長文なのでリンク先だけ貼っておきます。

「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」の一部改正について
保医発0328第2号(平成26年3月28日)


これは厚生労働省(厚生労働省保険局医療課長)から、医療機関等の特定の人、もしくは特定の事業所に発せられた『通知』です。(国民全員が知っておかなければならない内容ではないので、一部の人にしか発せられていないということです。)

『療養の給付』というのは、お医者さんに行って受ける診察、処置、薬の支給、手術、入院などの事です。

この文章の中で、『なぜ、特別養護老人ホームにおいて、点滴を打つことができないのか?』に該当すると思われる箇所を抜粋して引用させていただきます。

▽引用
特別養護老人ホーム等の職員(看護師、理学療法士等)が行った医療行為については、診療報酬を算定できない。
△引用

全文を読んでも、『点滴を打ってはならない。』といったダイレクトな表現は出てきません。

※(重要)このブログの記事下に追記を書きました。ご参照ください。
2016年05月01日


上記の抜粋した文章でも『診療報酬を算定できない。』とあって、『点滴打ってはならない。』とは書いてありません。

どういうことかというと、点滴を医療機関で受けたことのある方ならご存知だと思いますが、医療機関においては、医療機関のお医者さんが看護師に指示を出し、看護師さんが点滴の針を刺し、薬液が落ちはじめると、時々カーテンを開けて、点滴の落ち具合を確認しに来ます。

何が言いたいのかというと、最近ではお医者さん自らが点滴の針を刺すことは少なくなって、ほとんど看護師さん任せの事が多くなって来ているということです。

点滴液が無くなれば、看護師さんが点滴の針を抜き、ゆっくり起き上がって終了になります。

これをもし、特養でやるとどうなるか?

引用文章には、『配置医師』という文言が使われ、施設の嘱託医がこれに該当するかは明らかではありませんが、一応、含まれるものとします。

わかりやすくするため、ちょっとドラマ仕立てで展開させていただきますね。

特別養護老人ホームにはそこで雇用されている看護師さんがいらっしゃいます。

嘱託医がアルツ君の居る特養に一人で診察にいらっしゃいます。

嘱託医は特養の看護師さんと一緒に一人一人の利用者さんの居室を訪ね、診察して回ります。

アルツ君の居室にも診察の順番が回って来ます。

嘱託医:「ちょっと、水分が足りてないね…。お水飲んでますか?」

アルツ君:「わかんない…。」

嘱託医:「ちょっと、水分不足だから、点滴を一本打とうか?」

嘱託医は特養の看護師さんに、水分補給のための点滴を打つように指示します。

点滴薬などの医療材料は、嘱託医のクリニックから持って来たものです。

ちょうど、アルツ君の順番が診察の最後だったので、嘱託医は特養の看護師さんに点滴の指示だけを出し帰ってしまいました。

ここで問題となる行為は『特養(特別養護老人ホーム)』の看護師が点滴の針を刺した場合…。

特養の看護師が点滴の針を刺し、点滴が終わるまでの一式をやってしまうと、嘱託医は診療報酬を市区町村などの保険者に請求できないということのようなのです。

もちろん、アルツ君に打った点滴薬の薬剤料もアルツ君に請求できないし、アルツ君が一部負担金を支払う必要も無くなるというお話なのです。

嘱託医としては、お金を取れないなら、点滴を打てば打つほど赤字になってしまいますから、打ちたくないですよね…。

ちなみに特養ではなく、老健(介護老人保健施設)では診療報酬を請求できるようです。(特養は介護老人福祉施設)
※老健でも診療報酬を請求できないとコメントを頂きました。(コメントNo.2166

これが、もし、嘱託医が自分のクリニックから連れてきた看護師に指示を出し、アルツ君にこのクリニックから来た看護師が特別養護老人ホームという施設内で点滴の針を刺すというのであれば、嘱託医は診療報酬を請求できるようなのです。

嘱託医が点滴の指示を特養の看護師に出し、特養の看護師がアルツ君の腕に点滴の針を刺しても、嘱託医も看護師もオナワになることはないようですが、嘱託医からすると、一円も自分の手元に戻って来ないので、やるメリットが無いというのがどうもカラクリのようですね。

特別養護老人ホームの看護師が点滴を打つ行為そのものは医療行為として認められ、かつ違法性は問われる事は無いのに、特別養護老人ホームも嘱託医も金銭としての利益を得ることができないということです。

少々というか、おおいにややこしい説明になりましたが、特養の看護師が点滴を打っても違法性は無い。

違法性は無いが報酬が発生しない。

報酬が発生しないのなら、損することはやりたくない…。

これを国が指導しているんですよ~!

もう超高齢化社会に突入していて、アルツ君のような人間はたくさん居るはずです。

弱って来ているところに、通院や入院で点滴を受けて来いというのはあまりにも酷かと…。

外部の医療機関の受診を拒否すれば、点滴を受けられず、最悪死に至る可能性だってあるわけです。

こんなわけのわからん矛盾を放置していてよいものなのか…。

ちなみに、特養に嘱託医が診察に来て、自ら持ち込んだ点滴薬を自らの手でアルツ君に投与することは問題ないような気がしますが、これもできないんでしょうかねぇ~????

特別養護老人ホームの看護師さんは何のためにいるんだろう…?????

間違えている箇所も有るかもしれませんが、是非この話、広めてください。


追記~01

後日談があります。
上記の記事と合わせてご覧ください。
  1. なぜ特養では点滴一本も打ってもらえないのか? [2015/01/16] - 現在ご覧の記事
  2. 予想通り?アルツ君、救急搬送!! [2015/01/17]
  3. アルツ君の救急搬送の詳細 [2015/01/19]
  4. 特養嘱託医との話し合いは物別れ [2015/01/21]
  5. アルツ君、明日から『入院』です! [2015/01/28]
  6. 病状説明は余命宣告 [2015/01/30]


追記~02(2016年05月01日)

上記の記事を書かせていただいたのは2015年(平成27年)1月のことです。
記事の中で『「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」の一部改正について』(平成26年3月28日 保医発0328第2号)という厚生労働省保険局医療課長からの『通知』を取り上げさせていただきました。
そして、この後、2016年(平成28年)に3月なって、新しい『通知』が発せられました。

「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」の一部改正について
保医発0325第9号(平成28年3月25日)


標題は同じですが、リンク先、そして内容が異なります。

新しく発せられた通知の中で改正されたところを抜粋して引用させていただきます。

▽引用
特別養護老人ホーム等の職員(看護師、理学療法士等)が行った医療行為については、診療報酬を算定できない。
ただし、特別養護老人ホーム等に入所中の患者の診療を担う保険医の指示に基づき、当該保険医の診療日以外の日に当該施設の看護師等が当該患者に対し点滴又は処置等を実施した場合に、使用した薬剤の費用については診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第1第2章第2部第3節薬剤料を、使用した特定保険医療材料の費用については同第4節特定保険医療材料料を当該患者に対し使用した分に限り算定できる。

また、同様に当該看護師等が検査のための検体採取等を実施した場合には、同章第3部第1節第1款検体検査実施料を算定できる。

なお、これらの場合にあっては、当該薬剤等が使用された日及び検体採取が実施された日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

「特別養護老人ホーム等における療養の給付の取扱いについて」の一部改正について
保医発0325第9号(平成28年3月25日)より抜粋して引用
△引用

上記内容から配置医師(嘱託医)が『健康管理』と称して特養に訪問する日でなくても、配置医師(嘱託医)が指示を出せば、特養の看護師が、点滴等の医療(治療)行為を行うことができると解釈できるのではないでしょうか。
ただし、点滴注射の手技料(注射に際しての手間賃、手数料のようなもの)などは、算定できないままなので、点滴に関して算定できるものは、点滴(補液)の薬剤料や特定保険医療材料(平成26年3月5日保医発0305第8号)の材料費のみです。(薬剤単独で保険請求できない注射もあるので、手技料も算定できるのではないかという疑問もありますが…。)
配置医師(嘱託医)が、あるいは特養自体が人員の確保等の理由で採算が取れないと判断すれば、点滴等の医療行為を行わないことも考えられます。
それでも特養入所者の立場からすると、施設内で点滴を受けられる可能性はかなり高くなったのではないでしょうか。
また特養の職員さんの立場からすると、提供できるサービスの幅が広がったのではないでしょうか。
『算定できない』から『算定できる』という文言が加えられたのですから、大きな一歩といえるかもしれません。

余談ですが、『通知』という言葉を何度も使用させていただきましたが、法律用語(行政用語)が実に難しい…。
比較的わかりやすい解説を見つけたので引用文を載せておきます。

▽引用
あくまで、一般的にどう理解されるかを踏まえて分けると、

  通知=事実を知らしめるためのもの。特定の人に伝える場合が多い。
     一般に広く知らしめる場合は「公告」という場合が多い。
  通達=法令の解釈運用のために、規範の実効性を補うための個別指針を示したものが多い。
     それ自体が法的拘束力があるものではないが、法規範と一体となって事実上法的拘束力を持つ。

通知に反した場合、それが直ちに「違法」ではなくても、知りながら従わなかったことの責任を追及される根拠にはなりえます。例として相応しいかどうかを敢えて無視して例に挙げれば、薬害エイズのときには、当時の厚生省が米国当局や関係機関から危険情報を得ていたにもかかわらず、これを黙殺して危険な血液製剤を製薬会社の在庫処理のために販売禁止措置を講じなかったことが問題にされました。
これと同じように「故意または過失」の存在を裏付ける証拠になりますから、法的な意味はあるものと思います。
△引用


今回のケースでは『特定の人』というのは、医療保険の診療報酬事務を行っているような保険医療機関(病院、診療所)、あるいは事業所等が該当し、介護報酬請求事務を行っているような特別養護老人ホームなどには、『通知』は送付されていない可能性が高いです。
さらに『保医発』とは『厚生労働省保険局医療課長発』という意味です。

(参考)
難しい法律用語と難しいアルツ君 [ アルツ君は職人 ]


今後もこのような改正が行われると思います。
機会があれば、追記していきたいと思いますが、確約できませんので、リンクを貼っておきます。
随時そちらでご確認していただくようお願い申し上げます。

厚生労働省平成○○年度診療報酬改定
最新の情報を得るには、○○年度の○○の部分を現在の年度に置き換えて、リンク先を探してください。(たくさん有り過ぎて、探すのが大変かも?)


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2015/01/16 | コメント (8) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

アルツ君、明日から『入院』です!

2015/01/28 (水)  カテゴリー: 脳梗塞
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体温計

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

久しぶりに書かせていただく記事のタイトルが、毎度お騒がせムード満載で申し訳ありません。

記事のタイトル通り、アルツ君、明日(2015年01月29日)から『入院』です。

通常ですと、『脳梗塞で入院』とか、『誤嚥性肺炎で入院』など、『入院』の文字の前に『病名』が付される事が多いと思いますが。今回は、この『病名』というのが有りません。

アルツ君が去年脳梗塞で入院した辺りから記事をご覧になっている方なら、もうお分かりになっていると思いますが、この脳梗塞で入院し、退院して以来、アルツ君、ずっと水分摂取や食事摂取が上手くできない状況が続いていました。

途中、『特養で点滴(水分)を打ってもらえないか?』という話し合いも続いていましたが、平行線のまま…。

最近になってのアルツ君は38度台の発熱を繰り返し、また、『迷走神経反射』による意識消失などもあって、これ以上、特養においての点滴にこだわっているわけにもいかなくなってきてしまいました。

なので、『水分不足で入院』、『脱水気味で入院』ということになるのでしょうかね。

あるいは『施設の勧めがあって入院』とでもいうのでしょうか…。

もちろん、『病名』を決めることが『入院』の目的ではなく、アルツ君が元気になってくれさえすれば、家族はよいわけで、アルツ君の回復を願うばかりです。

また、『入院』と書かせていただきましたが、まだ医療機関を受診したわけではないので、『入院』になると決まったわけではありません。

ただし、施設での話し合いの結果、施設の嘱託医はその場にいらっしゃいませんでしたが、嘱託医は、『入院』を前提に診療情報提供書(紹介状)を書くとおっしゃっている様子なので、『日帰り』というわけにはならないようです。

入院先と申しますか、受診先はO病院で、明日の朝から検査になると思います。

幸い、O病院はキノコさんの部屋から(ヤッチの部屋からも)歩いて通える距離です。

ヤッチも明日は朝からO病院に行く予定です。

詳細については追々書かせていただきたいと思います。

明日の朝は施設の職員さんだけで、アルツ君を施設から病院に連れ出すようです。

『医者嫌い』のアルツ君ですから、一騒動起きなければよいのですが…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2015/01/28 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

入院中、退院後の向精神薬の投与の是非は?

2015/02/08 (日)  カテゴリー: アルツ君
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アルツ君の腕

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

ご報告が遅くなりましたが、アルツ君、2月5日木曜日に退院しました。

冷たい雪の降る中の退院となりましたが、生きて特養に戻ってきました。

この日のアルツ君は特別養護老人ホームに戻ってもほとんど眠ってばかりで、あまり元気とは言えない様子でした。

朝退院し、特養のベッドで夕方までいびきをかいて寝ていました。

入院している時と違って、もう点滴を外されてしまっていますから、水分摂取は自力で自分の口から摂るしかありません。

このままの傾眠傾向が続けば、また危うい状態になってしまうのは確実です。

そんなアルツ君ですが、食事摂取や水分摂取が上手くできず、熱も上がったり下がったりを繰り返していたので、特別養護老人ホームの職員さん、看護師さん、そして特養の嘱託医の勧めもあり、O病院に1月29日木曜日に入院しました。

結局のところ、O病院では、アルツ君の退院までの間、きちんとした病状説明というのは、前回記事にもさせていただいたものだけで終わってしまいました。

しかも入院時の病状説明は看護師さんから入院に際しての留意事項を聞き、いろいろな書類にサインをしてすぐの、まだパタパタしている時の午前中の病状説明でした。

ですから、細かな検査をした後の病状説明ではなかったのではないかという気がします。

アルツ君の入院中、アルツ君の病室内で、医師と質疑応答程度のことはあっても、結局、検査結果の数値だとか、画像を見せられて、時間を掛けて医師と話をする場面というのは、一度も有りませんでした。

当のアルツ君ですが、入院二日目から、同じ病室内の患者さんとトラブルになったらしく、早くも病室を移されてしまいました。

細かな事情はお伺いできませんでしたが、おそらく他の患者さんの話声にアルツ君が『うるさいっ!』と大声を上げ、『お前が一番うるさいんだよ状態』で病室を移されたんだと思います。

移された病室はアルツ君を含め、三人。

他の二人の患者さんは女性でしかも絶食状態の様子で静かな病室…。

お決まりになってしまったナースステーションから監視の目が届く病室でした。

入院初日はヤッチの食事介助の申し出を断られましたが、二日目から一変して、病院側から食事介助をお願いされる始末…。

『ああ、また、なんかやらかしたな?』と察しのつくような変りっぷりです。

入院初日の夕方からアルツ君の点滴治療が始まったようですが、退院日前日になっても、アルツ君の元気な姿を拝むことは出来ませんでした。

入院2日目からヤッチが昼と夜の2回、アルツ君の食事介助に毎日出かけましたが、いつ面会に行ってもアルツ君、眠っています。

声を掛けて起こそうとしても、全く起きてくれない日もあるし、起きてくれたとしても、何だか朦朧としています。

水分については点滴が入っているので、さほど心配しなくてもよいと考えましたが、食事摂取量を増やすための入院だったのにも関わらず、全入院期間を平均すると、まあ出された食事の5割程度の摂取だったのではないでしょうか。

アルツ君が起きてくれたとしても、アルツ君の出す声が日に日に小さくなっていく印象でした。

アルツ君の口元へ耳を近づけないと、しゃべっている言葉を聞き取れない日も…。

目を開けても、穏やかなのは良いのですが、何だか焦点が合わず、遠い目をしていて、アルツ君本来の目ではありません。

正直、入院先のO病院の先生の病状説明通りになってしまうのかと、ちょっと心が折れそうになる日もありました。

もちろん、ちゃんと起きていて、食事もモリモリ食べてくれる日も有りましたが、数えるほどしかなかったとヤッチは記憶しています。

こんな日が続き、入院も後半になって来ました。

2月2日月曜日にアルツ君のお昼ご飯の介助をしていた時、担当の先生が病室にいらっしゃいます。

ヤッチの食事介助の様子を背後からご覧になり、介助が終わるのを待って、先生がヤッチに声を掛けます。

アルツ君は眠ってしまいました。

先生:「そうやって、お父さんとコミュニケーションを取りながら食事を摂ってもらうのは実によいことだと思うよ。上手だね。」

ヤッチ:「いえいえ、まだ数えるほどしか、やった事が無いので…。」

先生:「実は今日は相談したいことがあって…。」

ヤッチ:「はい、何でしょう?」

先生:「実は、お父さんのことなんだけど。」

ヤッチ:「はい…。」

先生:「今は静かに眠っていらっしゃるし、ご家族がご面会にいらっしゃってる時は穏やかなんだけど、どうも夜中になると、さびしくなるのか騒ぎ出すらしいんですよ…。」

ヤッチ:「うん…。それは昔からなんですけどねぇ…?」

先生:「でね、昨日の夜もかなり大きな声を出すことが有って、ご存知のように、ここは病院でしょ?」

ヤッチ:「他の患者さんの迷惑になっちゃう…?」

先生:「そう…。」

ヤッチ:「で?」

先生:「ネットで検索して調べてもらってもいいんだけど、今日の夜から『リボトリール』っていう薬を使おうと思ってるんですよ。」

ヤッチ:「『リボトリール』…。」

先生:「そう、お父様の睡眠を改善するお薬です。これを0.5mgから始めようと思うんですよ。」

ヤッチ:「どんな薬かわからないから、0.5mgとおっしゃられても、弱いのか強いのかわからないんですけど…。」

先生:「その辺は心配しなくても大丈夫、そんなに強い薬じゃないから。」

ヤッチ:「…。」

先生:「ここにお父様が入院していらっしゃる間、僕がちゃんと様子を診させていただきますから。それに、その方がお父様の昼夜逆転傾向も改善されていいと思うし、施設に戻られてからだって、きっと睡眠のバランスが取れて今よりはずっと健康的になると思うよ。」

ヤッチ:「ん…。で使うのは、夜だけですか?あと、それは点滴で入れるんですか?」

先生:「今日の夜から使おうと思っています。点滴で入れるのではなく、飲薬です。夕食の時に服用してもらおうと思っています。」

ヤッチ:「なんだか、ちょっとこわいな…。」

先生:「その辺は注意深く見守らせていただきますから、心配しないで。お父様にとっても、他の患者さんのためにも決してマイナスになることではないから。」

ヤッチ:「一応、ここに父が居る間だけと考えてよろしいんですね?」

先生:「その辺は経過をみて判断させて下さい。」

ヤッチ:「ん…。他の患者さんのことを言われると、私の方も何も言えなくなっちゃうよな…。姉にも連絡させていただきますけどよろしいですか?」

先生:「もちろん、もちろん。」

ヤッチ:「『リボトリール』ですね?」

先生:「そうです。今日の夜から処方します。」

早速、家に帰り、O病院の先生のおっしゃった通りにネット検索です。

▽引用
リボトリール錠0.5mg
成分(一般名)
クロナゼパム
製品例
リボトリール錠0.5mg~1mg~2mg、リボトリール細粒0.1%~0.5%、ランドセン錠0.5mg~1mg~2mg、ランドセン細粒0.1%~0.5%
区分
抗てんかん剤/ベンゾジアゼピン系/抗てんかん剤
概説
てんかん発作を予防するお薬です。そのほか、体のふるえやパニック障害などの治療に応用されることがあります。
作用
脳の神経をしずめて、てんかん発作が起こりにくい状態にします。とくに、顔や手足がぴくつくミオクロニー発作に効果が高いです。他の抗てんかん薬が十分効かないときに切り替えたり、併用することもあります。
神経をしずめる作用があることから、医師の判断により、いろいろな精神・神経系の不調に使用されています。たとえば、体の不随意運動(無意識な体の動き・ふるえ)、レストレスレッグ症候群(むずむず脚症候群)、不安神経症やパニック障害をふくめ各種の不安障害、躁病やうつ病、さらに鎮痛補助薬として神経痛などの治療に応用することがあります。
特徴
ベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬です。正式な保険適応症は各種のてんかん治療になりますが、それ以外のいろいろな精神・神経系の病気に対しても広く用いられています。
同類薬のなかでは、作用が強く、作用時間は長いほうです(作用/時間:強/長時間型 24時間以上)。比較的安全性が高く、副作用も少ないほうです。
重い副作用
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある(徐々に減量すれば大丈夫)。
呼吸抑制、睡眠中の多呼吸発作..息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。
刺激興奮..興奮、もうろう状態、取り乱す、かえって眠れない。(もともと精神障害がある場合などに、まれに出現)
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
△引用

抗てんかん薬のようですが、『向精神薬』に指定されています。

抗てんかん薬の多くは服用するとたいてい『眠気』が伴いますから、O病院の先生は、アルツ君の睡眠導入剤として使おうと考えたのかもしれません。

この『リボトリール』という薬の名前ですが、あとあと厄介な話が出て来るので、記事をご覧になる間だけでも、記憶にとどめておいてくださいね。

釣り糸を巻き取る道具の名前ではありません。

O病院の先生がおっしゃったとおりに、アルツ君の夕食時にこの薬が出されました。

え?液体なの?

乳液などの化粧品のサンプルを小さくしたようなパッケージに液体が入っています。

ヤッチは看護師さんにたずねます。

ヤッチ:「今日から処方になった薬ですけど、これ、内服液なの?」

看護師さん:「そうみたいですね。」

ヤッチ:「にがくないのかな?チョクで飲ませるの?」

看護師さん:「はい。スプーンの上に薬を出してもらって、服用してもらうのがよいかと思いますよ。」

ヤッチ:「ちょっと、悪いんだけど、はじめてなんで、飲ませてもらえませんか?」

看護師さん:「わかりました。」

看護師さんが少量のおかゆをスプーンに載せ、薬をその上に出し、アルツ君の口へ運びます。

アルツ君:「にがい…。」

ヤッチ:「だよな。我慢してゴックンしちゃいな。」

アルツ君がしかめっ面をして、薬を飲みほします。

ヤッチ:「やっぱ、にがいみたいですね?」

看護師さん:「ですね?」

次の日の夕食時も同じ薬が出ました。

昨日看護師さんがやっていた時と同じやり方でアルツ君に飲ませます。

アルツ君:「にがい…。」

この日はアルツ君、薬を口から出してしまいました。

ヤッチはアルツ君が口から出してしまった薬を再びスプーンですくい取ります。

飲ますのは至難の技だよな…。

だいたい、自分の唾液でも誤嚥しそうになるのに、サラサラした液体は勘弁です。

ヤッチは看護師さんをさがします。

ちょうど昨日担当して下さった看護師さんを発見。

ヤッチ:「薬なんですけど、やはり、にがいらしく吐き出されちゃったんですけど…?」

看護師さん:「薬はどうされました?」

ヤッチ:「全部はキャッチできなかったけど、スプーンに残ってますよ。」

看護師さん:「じゃあ、もう一度挑戦してみましょうか?」

看護師さんがアルツ君に再び薬を飲ませます。

アルツ君:「にがい…。」

やはり、口から出してしまいます。

看護師:「口に含んだだけでもすこし薬の成分は体内に入ると思うので今日はこれくらいにしておきましょう。」

ヤッチ:「内服液(液体)じゃなくて、錠剤とかないんですかね?せめてOD錠辺りにしてもらえるとありがたいんですけど?」

看護師さん:「それでは、医師に報告して明日から剤形の変更ができるか聞いてみます。」

ヤッチ:「よろしくお願いします。」

翌日はこの薬、内服液から錠剤に改められました。

白い錠剤一粒です。

後から考えると、どうもこの錠剤、0.5mgではなくて、1mgだったような気がします。

この日はアルツ君の入院最後の夕食です。

姉も面会に来ていて、姉が食事介助をし、アルツ君にこの薬も飲ませます。

そこへ、O病院の先生が病室に入ってきます。

入院時の病状説明した先生でもあり、『リボトリール』を処方した先生でもあります。

先生:「ちょっといいかな?」

姉はアルツ君の食事介助中なので、ヤッチが応答します。

ヤッチ:「どうも、こんばんは。」

先生はA4サイズの用紙を2枚、ヤッチに手渡します。

先生:「一枚はお父さんのCRP血液検査の結果をグラフ化したもので、もう一枚はお父さんの入院中の体温変化をグラフ化したものです。」

▽引用
CRP血液検査とは?
 CRP血液検査とは、血液中に含まれる「C反応性たんぱく」の含有量を測定する検査のことです。
 C反応性たんぱくは、一般的に「免疫比濁法(定量法)」と呼ばれる一定量の血液中に含まれる定量を測定する形で検査が行われます。
 C反応性たんぱくは、人体内で炎症性の刺激や細胞の破壊が生じると急激に増加してくるタンパク質成分であり、このように症状に反応して増加する物質を「急性相反応物質」と呼びます。
 CRP血液検査は、炎症の発症時に体内に増加する「C反応性たんぱく」の血中量を測定することで炎症の度合いを測定する検査です。

CRP数値の基準値の範囲 単位(mg/dl)
一般的な基準値の範囲
 → 0.3以下
軽い炎症などが検討される範囲
 → 0.4~0.9
中程度の炎症などが検討される範囲
 → 1.0~2.0
中程度以上の炎症などが検討される範囲
 → 2.0~15.0
重体な疾患の発症の可能性が検討される範囲
 → 15.0~20.0
△引用

画像はO病院の先生からいただいた用紙ですが、拡大しても小さな文字を読み取ることは出来ないと思うので、こんなものをいただいた程度で、ご容赦下さい。

先生は続けます。

先生:「入院された時はCRPの値が15.84と結構高かったんだけど、抗生剤を点滴で入れて、ご覧のとおり今はそこそこの数値に落ち着いています。膀胱炎のほうも、もうよくなっていると思いますよ。」

アルツ君が膀胱炎も発症していたとは初耳です。

しかもアルツ君、結構入院時はヤバヤバな状態だったようですね。

ヤッチ:「…。」

先生:「こっちの用紙はお父さんの体温をご覧いただこうと思って持って来たんだけど、当初高かった熱も今は36度台に戻って来ています。」

ヤッチ:「ありがとうございました。」

先生:「明日、ご退院ですよね?」

ヤッチ:「はい、そうです。」

先生:「お父さん、ちょっと元気がなくてご心配でしょ?」

ヤッチ:「そうですね…。」

先生:「元気がないのは抗生剤の他に実はもう一つ薬を入れてるからなんで、特別養護老人ホームに戻られたら、徐々にいつも通りのお父さんに戻ってくると思いますよ。」

ヤッチ:「???」

先生:「点滴で、セレネースという薬を入れていましたが、今日はその点滴の針は抜いてあります。どういうことかというと、もうその薬は切れてくるので、だんだん覚醒してくれると思いますよ。あすの退院の時は僕も時間が有れば、お見送りできると思うので。それじゃあ!」

先生は足早に立ち去って行きました。

おいおい、また初耳事項…。

しかもセレネースというのは向精神薬(抗精神病薬)じゃん!

▽引用
セレネース注5mg
主成分
ハロペリドール(Haloperidol)
剤形
注射剤
この薬の作用と効果について
脳内の神経伝達物質(ドパミンなど)の働きを整えることにより、強い不安や緊張感をやわらげ、気分を安定させます。また、抑えることのできない興奮状態や行動を抑えます。
通常、統合失調症,躁病の治療に用いられます。
副作用
主な副作用として、パーキンソン症状(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様顔貌、嚥下障害など)、不眠、焦燥感、肝機能異常(全身倦怠感、食欲不振)、発疹、蕁麻疹、かゆみ、光線過敏症、喉頭れん縮(急に咳込む)、呼吸困難などが報告されています。このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
くすりのしおりより抜粋して引用
△引用

先生からもらった用紙の『体温表』の下の方にはアルツ君の入院期間中、どのような処置が行われたかの看護記録のようなものも書いてあったので、ヤッチはその場で細かくチェックします。

おいおい、『セレネース』という向精神薬、入院2日目からずっと入ってるじゃん!

アルツ君の入院期間中、この『セレネース』と『リボトリール』という向精神薬が2剤使われたことになります。

やられた感、満載です。

弱って体力のない人間に強い薬を投与してよいものなのか…。

ヤッチはさらに細かくチェックします。

O病院の先生がヤッチに『リボトリールをアルツ君に使いたい。』とおっしゃった日付に目をやります。

2月2日~2月4日です。

そこに書かれている文字は『リボトリール』ではなく、『リスぺリドン』…。

認知症の薬でおなじみのアリセプトも製薬会社が出している製品名で、一般名はドネペジルと言ったりしますから、別名が記載されているのかと最初は思いました。

は~い、また検索です。

▽引用
リスぺリドン
成分(一般名)
リスペリドン
製品例
リスパダール錠1mg~2mg~3mg、リスパダールOD錠0.5mg~1mg~2mg、リスパダール細粒1%、リスパダール内用液1mg/mL
区分
神経系用剤(含む別用途)/非定型抗精神病薬(SDA)/抗精神病剤
概説
心の不具合を調整し、気持ちをおだやかにするお薬です。心の病気の治療に用います。
作用
【働き-1】
気持ちの高ぶりや不安感をしずめるほか、停滞した心身の活動を改善する作用があります。そのような作用から、統合失調症にかぎらず、強い不安感や緊張感、抑うつ、そう状態などいろいろな精神症状に応用することがあります。
【働き-2】
心の病気の一つ「統合失調症」は、脳の情報伝達系に不調を生じる病気です。現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなります。幻聴など幻覚、妄想を生じることも多いです。
このお薬は、そのような脳内の情報伝達系の混乱を改善します。おもな作用は、ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質をおさえることです。2つをおさえることで、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想、興奮)と陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)の両方によい効果を発揮します。
効能
統合失調症
副作用
悪性症候群(Syndrome malin)..急激な体温上昇、筋肉のこわばり、体の硬直、飲み込みにくい、発汗、ふるえ、意識がはっきりしない。
遅発性ジスキネジア..頻回なまばたき、口の周辺がピクピクけいれん、口をすぼめる、口をモグモグさせる、舌のふるえ。
麻痺性イレウス..食欲不振、吐き気、吐く、激しい腹痛、ひどい便秘、お腹がふくれる。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)..だるい、のどが渇く、頭痛、吐き気、けいれん、意識もうろう、気を失う。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。
重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、胸苦しい、だるい、めまい、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。
高血糖、糖尿病性昏睡..異常にのどが渇く、多飲、多尿、食欲亢進、多食、脱力感、もうろう、意識がうすれる。
低血糖..力の抜けた感じ、ふるえ、さむけ、動悸、冷や汗、強い空腹感、頭痛、不安感、吐き気、目のちらつき、イライラ、眠気、ぼんやり。さらに重くなると、異常な言動、けいれん、昏睡(意識がなくなる)。
無顆粒球症、白血球減少..発熱、喉の痛み、口内炎、咳、だるい。
静脈血栓症、肺塞栓症..手足(特にふくらはぎ)の痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、胸の痛み、急な視力低下、視野が欠ける、目が痛む。
持続勃起症..不相応な続勃が長く続く。
△引用

『リスぺリドン』というより『リスパダール』の方が聞き覚えのある方が多いのではないでしょうか。

『リスぺリドン』と『リスパダール』は同じものですが、当初O病院の先生が使用するとおっしゃっていた『リボトリール』という抗てんかん薬とは明らかに違います。

同じなのは、『リスぺリドン(リスパダール)』も『リボトリール』も向精神薬であること…。

あとは、『リ』から始まる薬ということでしょうか…。

しかもしかも、この『リスぺリドン(リスパダール)』という薬、退院前日に0.5mgから1mgに増量されています。

もう先生は不在のようです。

翌日はアルツ君の退院日だというのに、またヤッチはお医者さんと喧嘩をしなくちゃいけないんですかねぇ…。

翌日になり、アルツ君の退院の日を迎えます。

朝から雪です。

午前9時に迎えに来るように言われていましたが、O病院の先生と話をしたかったので、早目に病院に向かいます。

病室に着くと、アルツ君、看護師さんに着替えをしてもらっています。

ヤッチ:「おはようございます。」

看護師さん:「おはようございます。今、朝食を召し上がられて、着替えをさせてもらっています。あとは下を履けば終わりです。」

アルツ君、目を閉じたままです。

ヤッチ:「旦那さん、帰るよ。目を開けられるかい?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「『わかんない…。』って、今自分で言ったのはわかるかい?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「名前は?」

アルツ君:「わかんない…。」

答える気力無しです。

看護師さんと一緒にアルツ君にズボンを履かせ、そのまま、特別養護老人ホームの車が迎えに来るまで、横になってもらうことに…。

すぐに寝息をたてて、眠ってしまいました。

ヤッチは看護師さんにたずねます。

ヤッチ:「退院後のことについて、先生とお話をしたいんですけど、先生は御不在ですかね?」

看護師さん:「お約束か何か、なさっていらっしゃるんでしょうか?」

ヤッチ:「いえ、アポなしです。」

看護師さん:「どういったご用件でしょうか?」

ヤッチ:「夕食後に服用している薬のことで。」

看護師さん:「リスぺリドン?」

ヤッチ:「そうです。増量になっているので、納得がいかないもので…。」

看護師さん:「すぐに先生をお呼びしないといけない重要なことなのでしょうか?」

ヤッチ:「はい。本人、家族にとっては、とても重要なことです。」

看護師さん:「わかりました。それでは担当医師と連絡を取ってみます。もうしばらくお待ちいただけますか?」

ヤッチ:「わかりました。施設の車が迎えに来てしまうので、出来ればお早目にお願いします。」

先生は朝礼中だということで、その間待つことに…。

ほどなく先生が病室にいらっしゃいます。

先生:「薬の事で何かご質問があると伺いましたが?」

ヤッチ:「申し訳ありませんが、廊下で?」

先生:「あ、ごめんごめん。」

二人で廊下に出ます。

ヤッチ:「実は『リボトリール』という薬のことなんですが?」

先生:「ごめんなさい。あれは僕の言い間違いでした。『リボトリール』ではなく、『リスぺリドン』の誤りでした。『ネットで調べて?』なんて言っておきながら、大変失礼しました。『リスぺリドン』というのは、『リスパダール』という薬で、そっちのほうがなじみがあるかな?」

ヤッチ:「いずれにしてもどちらも向精神薬ですよね?」

先生:「厳密な言い方をすると難しい面もあるけど、一般的にはそういうことになるかな?」

ヤッチ:「で、先生から昨日いただいた用紙を拝見すると、0.5mgから1mgに増量になっていますよね?このまま、先生の診療情報提供書(紹介状)をご覧になった施設の嘱託医はそのままの処方を継続すると思うので、その辺が気になって…?」

先生:「ああ、それはね、入院時から『セレネース』という薬を入れていました。そう、後半は『セレネース』と『リスぺリドン(リスパダール)』のダブルでお父さんの治療を行いました。」

ヤッチ:「…。」

先生:「でも、もう退院ですから、当然、点滴の針は抜いちゃってます。つまり、『セレネース』は入っていません。この『セレネース』が抜けた分を補うために『リスぺリドン(リスパダール)』を0.5から1.0に増量させていただいたんですよ。」

ヤッチ:「でも、向精神薬に抵抗が有るので、増量というのは勘弁願えないでしょうか?今、1mgに増量したら、増量分の0.5mgは『セレネース』ではないわけで、当然、今までの薬ではないわけです。どういった症状が出るかわからないわけで…。やはり、施設に戻るという現状もあるわけで先生に見守りしてもらえないんですよね?」

先生:「ただ、『リスぺリドン(リスパダール)』には、0.5mgの錠剤というのが確か無いんだよね。」

ヤッチ:「割線が有るなら、割って使うっていう方法もあるし、出来れば、ゼロmgにしてもらう方がなおいいんですけど…。ご存知のように、父には薬剤過敏も有るし、進行性核上性麻痺、レビー小体型認知症など、いろいろな診断を受けて来ています。ここへ来て、薬で苦しませたくないんですよ。それに施設の嘱託医は認知症専門医ではないので、単純に増量されてしまうことも有りうるし…。」

実際にはもう少し長い会話のやり取りがあります。

先生:「わかりました。息子さんがそこまでお父さんのことを考えておっしゃるなら、僕のほうももう一度、(診療情報提供書)を書き直します。お父さん、元気になるといいね?」

ヤッチ:「ありがとうございます。お世話になりました。」

あとで、『リスぺリドン(リスパダール)』に0.5mgの錠剤が有る事が判明し、看護師さんを通して後から訂正が入りました。

でも、結局、増量をやめてもらっただけで、向精神薬の『リスぺリドン(リスパダール)』の処方はゼロにはならず、0.5mgのままになってしまいました。

しかも特養で出されているのは、なぜか『リスぺリドン(リスパダール)』の1mgの錠剤を割ったもの…。



退院後のアルツ君ですが、前記事のコメント欄でもすこし書かせていただきましたが、回復しているのか、下降線なのか傾眠傾向が続いているため、よくわかりません。

薬が効きすぎてそうなのか、やはり体力的な衰えなのか、それともその両方なのか、もう少し様子を見ないとわからない感じです。

入院したものの、水分摂取、食事摂取、ともに上手くいっていないし、むしろ入院前よりも落ちているので、そろそろ施設から『看取り介護』を提案してきそうな気配です。

それにしても、アルツ君、何のために入院したんでしょうかねぇ…。

O病院の先生はなにかお考えがあって、こうした治療をされたのだとは思うのですが、十分な説明を伺えなかったのは残念です。

病室は精神科の病室ではなかった気がするが…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

参考 2015年11月06日追記

日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(案)を作成しました。
リンク
高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015(案)【PDF 20.8MB】
「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」に関するパブリックコメントの募集

上記ガイドライン中の用語の意味
エビデンス
その治療法がよいとされる証拠
ストップ
高齢者に対して、中止を考慮すべき薬物もしくは使用法のリスト
スタート
高齢者に対して推奨される薬物もしくは使用法のリスト



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2015/02/08 | コメント (8) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

妖怪ゴゴ、完食!

2015/05/13 (水)  カテゴリー: アルツ君
▲ Page Top
アルツ君の昼食のメニュー(5月12日)

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

『妖怪ゴゴ』の名前の由来が分からないという問い合わせが有ったので、ヒントを出しますね。

『妖怪ゴゴ』を全部ひらがなに直して、じっと文字をながめてください。

答えが見えてくると思います。(アルツ君の現在の要介護度は?)

さて、5月6日に誤嚥性肺炎でOG病院に入院したアルツ君、入院から一週間経とうとしています。

これまで、点滴のみで絶食状態だったアルツ君の食事も5月11日(月)の昼食から始まったようです。

アルツ君の病室のサイドテーブルに食事摂取の記録が置かれていました。

5月12日(火)の昼食は6割程度の摂取量だったみたいです。

画像のように『「もういい」で終了』と書かれていたので、アルツ君が『もう結構です。』と言って食事の途中で眠ってしまったことが推測されます。

そして同じ日の5月12日の火曜日にアルツ君を担当している医師(主治医)から、アルツ君の病状説明がありました。

以前アルツ君が入院した時と同一人物の女性の医師です。

姉とヤッチの二人はカンファレンスルームに通され、主治医から、病状説明を聞きます。

内容は前回の記事とほとんど変わりありません。

主病名は『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』です。

アルツ君の血液検査の結果のコピーを渡され、パソコン画面でアルツ君の胸部のCT画像を見せてもらいました。

主治医:「画像を見ていただくとお分かりになると思いますが、まだ若干ですが、肺にお水がたまっています。またお渡ししたお父様の血液検査の結果ですが、たくさん数値が並んでいますが、お身体の炎症を見る上で重要になるのは、ここにあるCRPというたんぱく質と白血球数になります。」

姉:「そうなですか…。」

アルツ君のCRP値(基準値 0~0.3
1.73(5月6日)
11.79(5月7日)
8.91(5月8日)
3.68(5月11日)

アルツ君の白血球数(基準値 30~98
52.0(5月6日)
183.7(5月7日)
120.3(5月8日)
84.2(5月11日)

主治医:「救急でこちらにいらした日(5月6日)はそれほどでもないのですが、その翌日からCRPも白血球もぐっと上がっています。そして、昨日の検査で少し落ち着いたかなという印象です。」

ヤッチ:「救急の先生がおっしゃっていたように翌日のほうが炎症反応が大きく出ていますね。」

主治医:「はい。それと関連するかもしれませんが、お父様の尿をとれさせていただきましたが、尿からバイ菌が見つかりました。『尿路感染』が疑われます。」

ヤッチ:「なるほど…。バイ菌と闘おうと、体を熱くしちゃってるわけですね?」

主治医:「まあ、簡単に申し上げてしまうと、そういうことになります。」

他にも主治医から細かな説明を受けましたが、主要な部分ではないので、省略させていただきます。

姉:「それで父が退院できるのはいつぐらいになりそうですか?」

主治医:「このまま順調にいけば、肺の中のお水も炎症反応も治まってくると思いますが、十分にお食事が摂ることができるか、すこし心配でして…。」

ヤッチ:「そうおっしゃっていただけると嬉しいです。早急に退院させて施設に戻っても、また水分摂取、食事摂取がうまくいかずに、再び入院なんてことになりかねませんからね。」

主治医:「そうですね…。ただ『食べる』ということに関しては、ここにいらしてもご本人様次第ですし、これだけ飲んでおけば元のお体に戻るというお薬は無いのが現状でして…。」

姉:「お気遣いありがとうございます。具体的に退院の日は早くて来週くらいと考えても良いですか?」

主治医:「そうですね。週明けくらいにはと、私どもの方でも考えております。」

姉:「お忙しいところ、貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。」

主治医:「いえいえ、こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした。」

この後、姉とアルツ君の病室に向かいます。

病室のドアは開いていて、アルツ君のベッドサイドには看護師さんの姿があり、夕食介助の準備を進めています。

とてもきれいな看護師さん。

ヤッチも誤嚥性肺炎で入院したいです。(ジェラシー)

アルツ君担当のSTさん(言語聴覚士)の指示書のようなものを看護師さんが読んでいます。

アルツ君の食事介助の時は飲み込みをスムーズにするため、お茶などの水分を摂って、口の中を湿らせてから本格的な食事を摂ってもらっています。

ただ、アルツ君の場合、とろみのついたお茶が苦手…。

なので、実は事前にSTさんとヤッチが申し合わせをして、食事前にお茶の代わりにヤッチが冷蔵庫に買い置きしている『水ようかん』を一口二口食べてもらってから、食事を摂ってもらうようにしようということで、話が一致していました。

看護師さん:「水ようかん…????」

ヤッチ:「ひょっとして、水ようかんをお探しですか?それなら冷蔵庫に買い置きしています。」

看護師さん:「あ、そういうことでしたか。水ようかんがお好きなんですか?」

姉:「大好きだよね~。」

アルツ君:「おいしね(美味しいね)~。」

ヤッチ:「在庫切れにならないよう補充しておきますので、夕食に限らず、必要な時はどうぞお使いください。」

看護師さん:「ありがとうございます。それじゃあ、お父さん、水ようかんを先に食べましょう。」

アルツ君:「うん、おいしね~。」

姉:「まだ、口の中に入ってないじゃんかよ!」

アルツ君:「おいしね~。」

看護師さんが水ようかんを小さなスプーンでアルツ君の口に運びます。

看護師さん:「どうですか?おいしいですか?」

アルツ君:「おいしね~。」

姉:「今度は本物の『おいしね~。』だ。」

看護師さん:「今日は鮭の西京焼きだそうです。お魚はお好きですか?」

アルツ君:「おいしね~。」

看護師さん:「それではお口に入れますよ?」

看護師さんが手際よく、ムース状になった鮭の西京焼きをアルツ君の口に入れます。

アルツ君:「おいしね~。」

姉:「よく甘いものを先に食べてから、しょっぱいものを食べられるね。」

アルツ君:「おいしね~。」

このあとも、ふろふき大根などのおかず(もちろんミキサーにかけてあります。)をアルツ君が『おいしね~。』と言って、食します。

後半になると、少しアルツ君が疲れてしまって、時々目を閉じてしまいます。

姉:「パパちゃん。頑張って目を開けて!目の前にいるの、誰だかわかる?」

アルツ君の目の前にいるのは、姉です

その後方にヤッチも立っています。

アルツ君:「わ~んない(わからない)…。」

姉:「そっか…、わからないか…。」

ヤッチ:「旦那さん、誰に食べさせてもらっているかわかるか?きれいなお姉さんだよ。頑張って目を開けて食べて。」

アルツ君:「はい。」

この日のアルツ君、気持ちの悪いくらい、素直です。

ヤッチ:「どう、おいしいかい?」

アルツ君:「おいしね~。」

ヤッチ:「誰が食べさせてくれてるの?」

アルツ君:「お姉さん…。」

姉:「本当に見てるのかあ?パパちゃん、ちゃんと目を開けて見ないと、看護師さんの顔がわからないよ。」

アルツ君:「はい。」

『はい。』と言いつつ、目を閉じてしまっています。

それでも、看護師さんの食事介助の仕方が上手だったのか、アルツ君の食欲が戻ったのか、後半は目を閉じながらも、アルツ君、食事を完食です。

食事を完食するアルツ君を見るのはヤッチも姉も久しぶりです。

姉:「すごいね。入れ歯を入れてるせいもあるのかね?」

ヤッチ:「さあね?本人に聞いてみないとわからないね~。」

姉:「パパ。すごいね!おいしかった?」

アルツ君:「かわいいね~。」

姉:「見えてるじゃん!このエロじじい!」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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