site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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認知症の非薬物療法 ~ 回想療法

2013/05/23 (木)  カテゴリー: 進行性核上性麻痺
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過去の記憶

こんにちは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

今日の記事はかなりの長編なので、時間の余裕のある時、寝苦しい夜がおススメかもしれません。

交通機関を利用し、車内などで閲覧の方は降車駅を確認しつつ、読み進めてくださいね。

さて、5月20日の月曜日にアルツ君と大学病院で診察を受けてきました。

以前の記事でも書かせていただいたように、アルツ君は去年の大晦日にキノコさんのアパートの部屋で意識を消失し、救急搬送されました。

[関連記事:救急搬送される職人(スマホ版はこちら)]

幸い、大事には至らず、入院することもなく、すぐに帰宅することができましたが、その後、このことに関して、何の診察も受けていません。

また、アルツ君の入所している特養で手違いが有り、飲んでいないはずのメマリー(認知症の薬)を今年になってアルツ君が服用している事が発覚し、施設や施設の嘱託医と相談の上、徐々にメマリーを減薬し、最終的にはゼロにするという話が付いていました。

[関連記事:何でメマリー飲んでるの?(スマホ版はこちら)]

このメマリーの服用については、今年の4月9日にゼロになっています。

その後、認知症薬と呼ばれるものは、何も飲んでいません。

さらに、アルツ君が特養に入所する前の話になりますが、去年の2月に認知症専門医から『進行性核上性麻痺の疑い』という診断を受けています。

[関連記事:アルツ君の診断結果~進行性核上性麻痺の疑い(スマホ版はこちら)]

この診断から、おおよそ1年が経過しているわけですが、未だ『疑い』のままで、本当に進行性核上性麻痺(認知機能の低下を伴うパーキンソン病関連疾患で難病指定)なのか、そうではないのか、わからない状態です。

さらにさらに、最近のアルツ君、歩行の方もおぼつかなくなって、フラフラしています。

以上のことについて、すべていっぺんに解明されるとは考えていませんでしたが、とりあえず、大きな病院で診てもらおうと、月曜日に大学病院で診察を受けて来たわけです。

診察を受けた大学病院はアルツ君が救急搬送された病院でもあり、ヤッチが顔面神経麻痺で入院した病院でも有ります。

アルツ君が救急搬送されたときに診察券は作ってあります。

今回、アルツ君に受診してもらおうと思っていたのは、脳神経内科です。

事前に大学病院で確認したところ、診察券が有っても、はじめての診療科では、『紹介状』が無いと、診察はできないとのご回答…。

(-_-;)

アルツ君が救急搬送されたときの診療科は救急・集中治療科です。

ただし、月曜日だけは、予約をしていない患者や、紹介状無しの患者を専門的に診る医師が来るので、月曜日に来てもらえれば、診てもらえるということを病院から教えていただきました。

ただし、これについての診察の順番は先着順…。

_| ̄|○

この大学病院では、朝7時に受け付けを開始しているので、早く診察してもらいたければ、『早く来い』っていう話です。

というわけで、月曜日にちょいとばかり早起きして、小雨の降る中、7時に間に合うように、ヤッチは大学病院に向かいました。

診察時間が何時になるかわからないので、アルツ君は特養で待機です。

特養には姉に行ってもらって、ヤッチの電話連絡で、姉がアルツ君をタクシーで連れて来るという作戦です。

ヤッチは顔面神経麻痺やら脂肪腫のことで幾度となく、この病院を受診しているので、おおよそこの病院の手続き的なことを把握しているつもりです。

総合受付は朝の7時に開いたとしても、各外来の受付が開くのは8時半です。

そして医師が診察室に入るのは、多分9時頃です。

医師が診察室に入ると、外来患者よりも入院患者優先で診察をします。

ですから、どんだけ早くこの大学病院に出向いても、9時以降でないと、診察してもらえないことになります。

ヤッチが総合受付に到着したのは、時計ではっきり確認したわけではありませんが、6時50分ごろではないかと思います。

当然、窓口は開いていません。

すでに20人くらいの飛び込みでの診察を待つ患者さん達が、設けられたソファに腰かけています。

7時を回りました。

窓口はまだ開く気配ではありません。

恋愛の上なら、焦らし上手のプロのなせる技かもしれません。

7時半くらいでしょうか…。

受付の事務を行うと思われる女性職員さんの姿が見えます。

腰かけている方達はその姿が目に入ったのか、一斉に、窓口の前に歩み寄り、列を作ります。

中には走っている人もいます。

ヤッチはその列が整然とするのを待って、ゆっくりと立ち上がり、最後尾に並びます。

ヤッチの後ろへは少し遅れて車椅子の女性が並びます。

アルツ君と同じくらいの年齢でしょうか…。

車椅子を押す介助者はおらず、一人で車椅子の車輪を回して列に着いたようです。

足の不自由な方は当然スタートが遅れるは当たり前…。

ヤッチ:「お母さん、お先にどうぞ。」

お母さん:「いえいえ、悪いからいいですよ。」

ヤッチ:「そんなことをおっしゃらずに、私の前をどうぞ。」

お母さん:「でも、悪いから…。」

ヤッチは体を入れ替え、お母さんの車椅子の後ろに着きます。

ヤッチ:「押しますよ?」

無理やりお母さんをヤッチの前に並ばせてしまいました。

(^^ゞ

混雑している駅のホームで、降りる人を待たずに、われ先に電車に乗り込んでくるマナーのないサラリーマンの姿を思い浮かべたのはヤッチだけでしょうか…。

どうも、ヤッチは順番待ちの列に並ぶのが得意ではありません。

(-_-;)

雑誌やテレビで紹介されたラーメン店の前で、よく並んでいる人を見かけますが、あそこまでして、食べたいと思ったことがありません。

ヤッチは車椅子のお母さんと雑談しながら、順番を待ちます。

聞けばそのお母さん、診察前に月が替わって、保険証をまだ提示していないので、心配になって見せにきただけのこと…。

病院側もこういう方のための窓口を設ける必要がありそうですね。

そこまでしないでもみんなで譲ればそこまでする必要はないかっ!?

しばらくしてヤッチの順番が回ってきました。

アルツ君の保険証と診察券を窓口に出します。

ヤッチ:「受診するのは認知症の父なんですが、去年の大晦日に、こちらの病院に救急搬送されたことが有ります。その後診察を受けていないので、受診しようと思っているのですが、どちらの科を受診すればよいかわからないんですが…。私自身は、脳神経内科の先生に、まず診てもらうのが良いのかなと考えているんですが~??」

受付の女性職員さん:「今日は紹介状をお持ちですか?」

ヤッチ:「いえ、有りません。診察券だけです。」

受付の女性職員さん:「受診されるお父様は今日はこちらにいらしていますか?」

ヤッチ:「いえ、施設に居ます。私の連絡を待って、姉がこちらに連れて来ることになっています。すぐにお伺いできるとは思いますが…。」

受付の女性職員さん:「そうですか…。認知症関連だと、おっしゃるように脳神経内科になるのですが、(脳神経内科の)医師は9時にならないと診察室に入らないんですよ…。医師が来てから、医師と相談して、脳神経内科で受診していただくか、それとも他の科を受診していただくか、ご返事させていただきますけど、よろしいでしょうか?」

ヤッチ:「お願いできますか?」

受付の女性職員さん:「はい、わかりました。それでは、今から9時頃までお待ちいただくことになりますが、ここでお掛けになってお待ちいただきます?それとも席を外されますか?」

ヤッチ:「プラプラしてようかな~。」

受付の女性職員さん:「それでは診察券と保険証をお返ししますね。9時頃にまたお戻りなられたら、ここに声を掛けて下さいね?」

ヤッチ:「わかりました。」

9時まで時間が空いてしまいました。

病院内で携帯電話を利用できる所に移動し、姉に電話をかけ、今のやり取りを伝えます。

姉:「私もまだ家に居て、パパのところに行ってないんだわ~。パパのところに行って、9時くらいに施設を出ればいいかね?」

施設と大学病院までの距離はタクシーでおそらく30分程度…。

ヤッチ:「9時過ぎに診察してもらえる時間が決まるからさぁ~。もしかすると診察時刻が午後になっちゃう可能性も有るんだよな~。9時過ぎになって、診察時間がわかったらもう一度電話するよ。」

姉:「わかった!!パパも早く行きたがってるだろうから、じゃあ、9時にパパと施設を出るよ!!」

相変わらずですが、お姉さま、全く人の話を聞いていません…。

(-_-;)

ヤッチは、9時まで、1階のエントランスにある病院内の休憩ロビーのような所で、コーヒーを飲んで時間を潰します。

まだ、時間が早いせいか、患者さんより、病院内で働いている人たちが自分の持ち場に向かう姿の方が、目立ちます。

病院内の仕事も朝が早くて大変ですね。

しかも昼夜を問わずですから、頭が下がります。

ゆっくりコーヒーを飲み終え、9時になったので総合受付へ再び戻ります。

ヤッチ:「○○と申しますが、9時になったら、伺うように言われていたんですが…???」

ヤッチは女性職員さんにアルツ君の診察券を手渡します。

受付の女性職員さん:「はい。」

職員さんは診察券にハンドスキャナーのようなものをかざし、目の前にある端末を眺めています。

受付の女性職員さん:「○○さんですね?医師に確認いたしましたところ、やはり脳神経内科で診させてもらうとの返事が来ました。こちらに診察の予定時刻が書いてありますから、これをお持ちになって、脳神経内科の外来窓口にお出しください。」

受付の女性職員さんにヤッチはA4クリアファイルに入った書類を手渡されます。

そこには医師の診察する予定時刻が記載されています。

診察予定時刻:『10:00~10:30』

あくまでも目安時間なので、絶対にこの時間という意味ではありません。

総合受付と各科の外来受付は違う場所に有ります。

ヤッチは脳神経内科の外来受付に向かいます。

ここの外来診療科は、ほとんどが総合受付と同じフロアに有るので、迷わず向かうことができます。

ヤッチは、脳神経内科の外来受付の女性に、総合受付でもらった書類と診察券を手渡します。

脳神経内科:「こちらの科を受診されるのは初めてですか?」

ヤッチ:「はい。」

脳神経内科:「紹介状はお持ちですか?」

ヤッチ:「持っていません。」

脳神経内科:「承知しました。では、こちらの問診票をお席に掛けてご記入ください。お書きになったら、こちらにお出しください。」

ここで、ヤッチの携帯のバイブが振動します。

姉からのメールです。

メール本文:『もう、着いちゃった。パパと1階でコーヒーを飲んでいます。』

ヤッチは問診票を書き終わったら、1階に二人を迎えに行く旨のメールを送り返し、問診票を書きはじめます。

最初の方の問診票の質問に、ちょいと一人でニヤついてしまいました。

だって…。

『問.どこが悪いのですか?』

さすがに、答えの欄に、『頭が悪い』とは書けんでしょう…。

(-_-;)

一応、真面目に問診票に記入し、受付に提出します。

脳神経内科:「ありがとうございます。血圧は測られていますか?」

ヤッチ:「いえ。まだ、受診する人間がこちらに来ていないので…。」

脳神経内科:「そうですか。おみえになられたら、奥に血圧を測定する機械が有りますので、そこで血圧を測っていただいて、お手数ですが、機械から出てきた紙を再度こちらにお出し願えますか?」

ヤッチ:「わかりました。」

診察予定時刻は10時からですが、まだ十分に余裕が有ります。

ヤッチはエスカレーターを使って階下に下り、アルツ君と姉を迎えに行きます。

エスカレーターで下りている途中で、二人の姿を発見です。

ヤッチはテーブル付の椅子に腰かけている二人に近づきます。

ヤッチ:「何飲んでるの?」

アルツ君:「おっ?お前…。どっから来たんだ?」

ヤッチ:「どっからって二階の受付からだよ。」

アルツ君:「へー。お前、ここの二階に住んでるのか?」

ヤッチ:「なんで、病院に俺が住まなきゃならないんだよ!!」

アルツ君:「まあ、どっちでもいいや。それよりコーヒー飲むか?美味いぞ!!」

姉:「コーヒーはパパがおごってくれるんだって!!ねっ?」

アルツ君:「おお、いいぞ。100杯でも200杯でも飲め!!」

ヤッチ:「ずいぶん景気いいな~。金は有るのか?」

アルツ君:「おお有るぞ。140円!!」

特養に居ると、お金を使うということがないので、アルツ君、入所してからは、お金を持ち歩いていません。

ただ、お守り程度に、小銭入れに姉が140円だけ、お金を入れています。

今回は姉が病院を受診することを成年後見人さんに告げると、成年後見人さんは、5万円を姉の口座に振り込んでくれたそうです。

もちろん、その5万円は成年後見人さんのものではなく、アルツ君のお金を成年後見人さんが管理しているものです。

たぶん、その話を姉から聞いて、なんとなくおぼえていたのでしょう…。

ヤッチ:「140円持ってることをおぼえてるとは大したもんだ~。でも俺はさっき飲んだから遠慮しておくよ。」

アルツ君:「へー、ずいぶん控え目だな。珍しい…。」

姉:「パパね、病院に来るのを昨日と勘違いしてたらしいよ。待てど暮らせど誰も来ないから、一人でビービー泣いてたらしいよ!!」

アルツ君:「余計なこと、言うな!!」

姉:「あっ、だってホントじゃない!!施設の職員さんに言わせると、持って行くものを一生懸命準備してたらしいよ!!」

アルツ君:「余計なこと、言うな!!」

文章では伝わりにくいですが、誤解の無いよう、この会話は終始アルツ君、ニコニコ顔です。

ヤッチ:「へー、病院嫌いの旦那さんが、病院に行きたがるなんて、珍しいじゃないか?」

姉:「パパも、最近、歩けなくなってきてるのが、どうも変だって思うらしくて、イッペン診てもらわないとと、思うみたいよ!?」

アルツ君:「余計なこと、言わんでもいい!!」

姉:「あっ、だってホントじゃない!!『足がむくんでるからじゃない?』って私が言ったら、『そうかなぁ…。』って言ってたじゃない!!」

アルツ君:「うるさいっ!!」

姉:「それでね、今日は病院の先生にカンナで足を削ってもらうんだって!!ねっ?」

アルツ君:「もう、いいっ!!」

姉:「自分で削るより、プロに削ってもらったほうが、綺麗になるって言ってたじゃん!!」

アルツ君:「まあね!!削ればスッとするからな!?足を細くしてもらわんとなぁ!?」

ヤッチ:「カンナとは恐れ入ったなぁ…。血だるまになるぞ?」

アルツ君:「いいんだよ。少しぐらい血が出たって。お前とは鍛え方が違うんだから、少しぐらいの痛みは、ヘッチャラだよん!!」

ヤッチ:「今日はいつになく、元気がいいなぁ???」

姉:「久しぶりに外の空気を吸うからじゃない!?施設に居た時から、もう遠足気分よ!!」

アルツ君:「お前、こいつ(ヤッチ)にそんなことを吹きこんだら、大変なことになるぞっ!!」

姉:「でもね~。車椅子なんだよ~。」

アルツ君:「うるさい、うるさいっ!!」

アルツ君の腰かけている椅子の横には、病院で借りた車椅子が有ります。

ヤッチ:「長丁場になりそうだから、車椅子に乗っている方がいいでしょ。」

アルツ君:「お前に貸してやろかっ?俺は要らないぞ?」

ヤッチ:「旦那さんが借りたんだろ?だったら遠慮しておくよ。後で高いもんに付くからな!?」

アルツ君:「あーいうこと言ってやがるんだからなぁ…。」

ヤッチ:「そりゃそうと、診察なんだけど、10時からだって。その前に血圧を測ってくれって?」

アルツ君:「ケツ圧でもムネ圧でも、なんでも測ってやるぞ。美味いもの食わしてもらってないから、肉が最近減ってきてるけどな!?もう、もう行くか?」

ヤッチ:「まだ、コーヒー飲んでからでいいよ。そんなにノンビリはできないかもしれないけどな!?それにしてもそのテンションの高さじゃ、相当血圧高いんじゃないかぁ…。」

アルツ君:「そんなこともないよ…。上の中くらいだよ。」

姉:「それじゃあ、高いじゃん!!」

アルツ君:「そっか!?」

アルツ君がコーヒーを飲み終えたところで、3人でエレベーターを使って2階に上がり、脳神経内科に向かいます。

アルツ君、車椅子のステップに載せた両足が、少し飛び出したような格好になるので、車椅子を押しているヤッチが、エレベーターなどで壁際に寄ろうとすると、不安になるらしく、小さな悲鳴を上げます。

アルツ君:「あぁぁぁぁ…。お前、気をつけてくれよ。足は二本しか生えてないんだから。」

ヤッチ:「大丈夫だよ。だいたい、カンナで削ってもらうって言ってんだから、少し荒削りしておいた方がいいんじゃないか?」

アルツ君:「嫌だっ!!」

遠足気分のまま、血圧測定です。

特に正常値の範囲…。

ヤッチは血圧計から出てきた測定結果の紙を受付に出しに行きます。

戻ってきたヤッチにアルツ君が不安そうな顔で話しかけてきます。

アルツ君:「何だって?やっぱり入院だって?」

ヤッチ:「まだ、診察したわけじゃないよ。血圧の測定結果を出しに行っただけだよ。その前に、そんなうるさい患者は、入院お断りだよ。」

アルツ君:「俺はうるさくないよ。こいつ(姉のこと)がうるさいんだよ~。」

姉:「あっ?そういうこと言うなら親子の縁切るよ!!」

アルツ君:「へへーんだ!!俺は構わないぞ。」

姉:「そしたら、美味しいもの、もう食べられないよ!!いいの?」

アルツ君:「それは困るなぁ…。」

この二人、ここが病院であるという認識がすでに欠落しているようです…。

(-_-;)

血圧の測定を終え、脳神経内科の受付で、受付前に設けられている椅子に腰かけて、順番を待つように言われます。

まだ診察室前の待合室には入れません。

受付で渡された紙には、診察室の番号と自分の受付番号が記載されていて、受付横の表示板に、自分の受付番号が表示されたら、はじめて診察室のある待合室に入って良いことになっています。

要は二段階で順番を待たなくてはならないわけです。

たくさんの患者をさばかなくてはならないので、混雑緩和の策なのでしょう…。

アルツ君は車椅子なので、受付前の三人掛けのソファには腰かけられません。

受付から少し離れた位置ある場所に陣取って、表示版に自分たちの番号が表示されるのを待ちます。

ようやくアルツ君も落ち着いてきたのでしょうか。

少し辺りを見回す余裕が出てきます。

アルツ君:「かー!!こんなに人が大勢いるのか?みんなどっかしら悪いんだろう?かー!!いやだいやだ…。」

姉:「パパだってそのうちの一人じゃないっ。」

アルツ君:「俺はちょっと足が太ってるだけだからな!?」

姉:「他は悪い所はないの?」

アルツ君:「ちっとだけ頭がな!?それは昔からだからな!?」

姉:「ふ~ん…。」

アルツ君:「だからってお前(姉)よりは頭はいいぞ。」

姉:「失礼なやつだっ!!」

アルツ君、この日ヤッチと顔を合わせてから、ほとんどしゃべり放し…。

約一名、同類項の女性もいますが…。

(-_-;)

大きな病院なので、まず診察予定時刻に診てもらえることは、少ないと考えた方が良さそうです。

10時半を回ったところで、ようやく診察室前の待合室へのゴーサインが出ます。

まだ、ここから診察している先生に、スピーカー越しに自分の名前を呼ばれるのを待たなくてはなりません。

診察室前の待合室の奥には、脳神経内科だというのに、大きな文字で『中央処置室』と書かれた看板が、目に飛び込んできます。

アルツ君にもそれが目に入ったようです。

アルツ君:「おい!!あんなところに死人を入れておく部屋が有るぞ!?」

姉:「違うよ!!あれは処置室だよ!!霊安室じゃないよ!!」

アルツ君:「そっか!?そうじゃないのか…。俺は、また死人を放り込んでおく部屋かと思ったぞ!?」

姉:「そっか、そっか…。パパも死にたいのか???」

アルツ君:「バカっ言え!!俺はまだピンピンしてるっ!!」

ヤッチ:「あのさぁ…。ここは病院なんだからさぁ…。『死人』とか『死』とか口にしちゃ、まずいでしょ…。頭抱えて座っている人もいるんだから…。」

姉:「…だって!?怒られちゃった!!やっぱりパパとあたしは頭の構造が一緒なんだよっ!!この子の脳ミソを少しもらった方がいいかもね!?」

アルツ君:「俺はそんなもんよりは、ボタモチもらった方がよっぽどいいぞ!?」

姉:「お腹空いたかぁ???」

アルツ君:「俺は年中、空いてるね~。」

気付けば、姉は自分のカバンから、饅頭らしきものを取り出し、アルツ君に盗み食いさせています…。

(-_-;)

恐るべし親子…。

(-_-;)

この親子のことを書いていると、いつまで経っても先に進まないので先に進みます。

( ̄^ ̄)

診察室のあるドアの横には、この日担当して下さる医師の名前が、プレートのようなもので表示されています。

この先生、大きな病院にしては珍しく、一人の患者さんにものすごい多くの時間を割いています。

一人の患者さんに30分以上は割いているのでは!?

ふと時計を見ると、診察予定時刻10時を超えて、11時半…。

アルツ君がお腹が空くのも、無理もない話かもしれません…。

ようやく、アルツ君の名前がアナウンスされました。

\(^o^)/

病院で借りたアルツ君の車椅子を廊下に置き、三人でゾロゾロと診察室に入ります。

この日担当して下さる先生はお若い先生…。

30代かな!?

先生:「問診票を拝見しましたが、今日はどういった?」

ヤッチは1年前に撮ったアルツ君のMRIの画像を持参してきました。

それを先生に差し出します。

アルツ君が、MRIのあまりのうるささで、装置の中で動いてしまったときの画像です。

[関連記事:アルツ君の診断結果~進行性核上性麻痺の疑い(スマホ版はこちら)]


ヤッチ:「これは去年撮ったMRなんですが…。」

先生:「はい、それでは拝見させていただきます。」

ヤッチ:「その時診断して下さった先生は、『正直、難しいなぁ…』とおっしゃり、『進行性核上性麻痺(PSP)の疑い』という診断でした。」

先生:「はいはい、そうですね…。私も難しいなあ…。というのも、何で難しいかというと、お父様は85歳という年齢です。正直、年齢的にみてもいろいろな症状が出て来るわけですよ。」

この先生、実に早口でお話になります。

たぶん、アルツ君には、あまりに早口過ぎて、何をおっしゃってるのか、わからなかったと思います。

ヤッチ:「その時診断して下さった先生は、『明るいレビー(レビー小体型認知症)』みたいな表現もしておられました。」

先生:「問診票に書かれている事と、今の話をお伺いする限りでは、まあ、雑な言い方をすれば、混合型の認知症かな!?今、申し上げたように、年齢を重ねると、どんな方でも、パーキンソン症状が出てきたりもします。55歳くらいから健常な人でもアルツハイマーが始まっていて、じわりじわりと進行しています。初期段階ではそれをアルツハイマー病という表現を使わないだけですから…。」

ここから先に書かせていただく文章ですが、診察時に先生がおっしゃった表現とかなりズレが有るかもしれません。

なんせ、早口過ぎて、聞き取るのに必死で、踏切で急行列車の通過を目で追っているかのようです。

\(◎o◎)/!

先生:「じゃあ、お父さん、僕の指先を見て。僕が指を動かすから、僕の動きについて来て。」

先生は立ち上がり、アルツ君の目の前から少し離れた距離で、左右に指を動かします。

先生がアルツ君の左側に、指を持って行きます。

アルツ君、今回は首を動かしません。

1年前のドクターが同じことをやった時は、首を一緒に動かしてしまいました。

アルツ君:「左!!」

どうやらアルツ君、首も眼も動かさずに、視野を確かめているようです。

先生:「首を動かさないのは結構ですが、眼は動かしてよ。」

アルツ君:「あんまり得意じゃないね…。」

何回かやるうちに、先生の指の動きに眼を動かすようになりましたが、アルツ君が理解してやっていない様子なので、あまり先生の参考にはならなかったようです…。

(-_-;)

このあと、長谷川式簡易知能評価スケールをやります。

何回かアルツ君にこれをやってもらっていますが、毎回爆笑物の珍解答が飛び出します。

先生:「お父さん、歳はいくつですか?」

アルツ君:「80…いくつだっけな!?忘れちゃったよ。」

先生:「じゃあ、今日はいつだかわかる?何年何月何日?」

アルツ君:「今日は今日だよ。」

先生:「そうじゃなくて、何年何月何日?」

アルツ君:「あんまり気にしたことないよ。」

先生:「じゃあ、ここはどこだかわかる?」

アルツ君:「ここはここだよ。」

先生:「今居るところは病院、家?」

アルツ君:「病院かな…。」

この後も先生の質問は続きます。

過去にアルツ君がこれと同じことをやった時の記事を書かせていただいているので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

だいたい同じような結果です。

[関連記事:長谷川式簡易知能評価スケール(スマホ版はこちら)]

今回は先生の採点が甘かったのか、30点満点中15点だそうです。

以前より成績アップです。

先生:「まあね…、これの点数が悪いからと言って、あまり気にしないでください。逆に良いからと言って、安心もしないでください。ね、その程度のテストですから…。」

この後も先生は、いろいろなテストをして下さいました。

両手の指を使って数を数えたり、ひざの上でグーチョキパーをやらせたり、ひじを曲げさせ抵抗を診たり、診察室の中を歩かせてみたり…。

盛りだくさんの内容で、ヤッチも全部を思い出せないので、長谷川式では、満点を採れないかもしれません。

(^_^;)

アルツ君:「ずいぶんといろんな体操するんだね?」

先生:「体操じゃなくて、お父さんのことを調べてるんです。」

アルツ君:「どっこも悪くないでしょ?」

先生:「まあね…、いろいろ調べてみないとね…。」

ヤッチ:「先生、進行性核上性麻痺じゃないかって言われているんですけど、この辺はどうなんでしょうかね?」

先生:「はい、じゃあ、お父さん。自分の胸のところで、腕を十字に結んでみてください。」

アルツ君:「結んだら、ほどけなくなっちゃうよ!?」

先生はご自身でお手本を示します。

絵に描いて示せば良いのですが、絵心が無いので、うまく伝わるかどうか…。

ちょうど、着替え中の女子更衣室の戸を開けてしまったときの、女子の反応です。

胸の前で腕を交差させ、胸を『キャー!!』と言って、隠す仕草です。

先生:「そうそう。その格好のまま立ち上がれるかな?」

アルツ君:「そんなのヘッチャラだよ。」

アルツ君、普段は、何かにつかまらないと立ち上がれないのに、この時はスーッと立ってしまいました。

工エエェェ||li(´;д;`)il||ェェエエ工

姉:「えっ…、普段は絶対こんな事できないのに…。」

先生:「今はいろいろなことをやって、お父様は普段より興奮しているんだと思います。脳の中で何が起こっているかというと、ドーパミンという物質がたくさん出ている状態です。普段できないことが、できたりすることは良く有る事です。」

姉:「はぁ…。」

先生:「第一の医師より、第二の医師ってご存知ですかね?」

先生がこのような表現をしたか、はっきり言って、おぼえていません。

(-_-;)

先生:「初めて診察を受ける患者さんは、医師とも初対面で、興奮していることが多いですよね。でも、二回目以降は落ち着いて、普段通りの症状が出るんですよ~。よく私のところに来られる患者さんのご家族は『いつもはもっと元気がないんですけどね…。先生のところに来ると急に元気になっちゃうんですよ…。』って、おっしゃる方が大勢います。ね、これは当たり前です。ドーパミンがいっぱい出てるんですから…。ですから、二回目に診察したり、あるいは、違う先生に改めて診てもらう方が、症状について、医師もご家族も把握しやすいのかもしれません。」

姉:「はぁ…。」

先生:「でもね、仮にいつもよりお父さんが元気だとして、もし進行性核上性麻痺なら、こんな風にスーッと立てません。そう言ったことから、現時点で進行性核上性麻痺ではないと言えます。」

姉:「そうなんですか…。よかった!!」

先生:「でもね、勘違いしないでくださいよ。これだけ年齢を重ねている方なわけですから、いろんな症状が今後出て来る可能性は有りますからね。」

ヤッチ:「今現在は進行性核上性麻痺ではない、ということですか?」

先生:「そうですそうです。私はたくさんある症状の中で、どれが突出しているかを申し上げているのであって、1年後は違う症状が突出してくるかもしれません。現時点での重症度をみて、申し上げていると言ったらわかりやすいかな!?」

ヤッチ:「なるほど…。」

先生:「歩いているところを見させてもらいましたが、若干の小刻み歩行は有ります。パーキンソン症状だと言えるかもしれませんが、レビー小体型認知症なら、もっと、すくみ足で歩幅は、小さくなると思います。あと、お父様は、ここ数年で人格がガラリと変わってしまったということは有りますか?」

姉:「それはないと思います。」

先生:「そうですか…。脳の委縮は前頭葉と側頭葉、側頭葉については、どちらかというと左側の委縮が大きいかな…!?そう言った意味では、前頭側頭型認知症、いわゆるFTDも考えたんですがねぇ~。」

姉:「ただ、最近施設の生活でストレスが貯まっているのか、興奮して声を荒げることもあるようなんですが…。」

先生:「うん…。まあ、前頭側頭型認知症、いわゆるFTDなら、ガラリと人格が変わってしまうことが多いですから、要素は無きにしもあらずかな…。」

姉:「そうなんですかぁ…。」

先生:「ただ、前頭側頭型認知症(FTD)は、脳の神経細胞が死んでしまう変性疾患という点では、アルツハイマーやレビー小体型認知症と同じです。ただ、後者二つの認知症は、脳の後方で、変性が起きます。FTDは、名前のとおり、脳の前方です。お父様の場合は、どちらかというと、脳の後方…。時間や空間の認知機能が低下しています。アルツハイマーの方が強く出ているかな…。」

もうここまで来ると、自分の脳ミソをパックリ先生の前で開けて、『どこ?』って聞きたくなります。

おまけにこの先生、前頭側頭型認知症のことをFTD、アルツハイマー型認知症のことをADとおっしゃったり、ATDとおっしゃったり、レビー小体型認知症のことをDLBとおっしゃるので、ヤッチの脳ミソの中では、アルファベットが喧嘩しまくりです。

(-_-;)

ちなみに東京ディズニーランドは何でしたっけ?

先生:「今の重症度からは、この言葉は曖昧な表現ですが、混合型の認知症で、動脈硬化+アルツハイマー型認知症+BPSDかな~。BPSDは周辺症状と呼ばれるものです。脳の後方に変性が有ると考えられ、時間や空間の認識が薄くなっているというのが、現時点です。」

姉:「はい…。それで、先生、時々、父の左足がカックンってなるんですが…???足のむくみもひどくなってきているんですが…???」

先生:「左足ですか?右足じゃないの?」

姉:「いえ、左足です。」

先生:「MRを見させてもらった限りじゃ、右足に障害が出るはずなんだがなぁ…。」

姉:「でも、私も、時々、父と一緒に歩きますけど、左足がカックンってなることが多いんです。」

アルツ君:「そうだよ。左がおかしくなるんだよ。足も太っちゃってるしな!?」

姉:「それで、父は先生に『カンナで削ってもらう』、『カンナを貸してもらう』なんて言ってるんですよ。」

先生:「最近、歩いていますか?」

姉:「施設に入所してしまったんで、機会は減っていますね。」

先生:「お父さん!!それは運動不足。ね、取り繕いが上手なお父さんだから、なんとかかんとか言って、歩いてないんでしょ?」

アルツ君:「『なんとか』は言うけど、『かんとか』は言わないよ。」

先生:「それもお父さん、取り繕い。少しでもいいから、歩くのが一番の薬。まだ若いから、イッパイ歩いて下さいよ~。カンナでなんか、僕は削りません!!」

アルツ君:「そうだね!?まだ若いもんな?」

先生:「そうです、そうです!!」

ヤッチ:「それと先生、もう一つお伺いしてよろしいでしょうか?」

先生:「どうぞ。」

ヤッチ:「去年の年末に意識消失して、こちらの病院に救急搬送されているんですが、何か今までのお話の中で関係することって、あるんでしょうか?」

先生:「そうですね…。アルツハイマー型認知症の方には、よく有る事ですよ。脳に有る海馬も委縮して、脳室が拡大しますから、これが意識消失に繋がるんですよ。」

ヤッチ:「けいれんはしませんでしたが、私自身はてんかんの発作なのかなとも思ったのですが…???」

先生:「海馬の委縮によって、てんかんのようなけいれん発作もおきます。場合によっては自律神経発作、意識消失…、いわゆる失神って言うやつです。」

ヤッチ:「そうだったんですか…。」

先生:「もし、御心配なら、脳波をとって調べる必要が有りますね。」

姉:「父の負担を考えると、それはちょっと無理かな…。もし倒れるようなことが有れば、改めて考えたいと思います。」

先生:「まあ、てんかんの可能性は低いと考えて良いと思いますよ。頻繁に起こるようなら、検査する方が良いかもしれません。」

姉:「先生、今、父は認知症の薬は飲んでいないんですけど、薬を飲んでもらった方が良いのでしょうか?」

先生:「今までは飲んでいたの?」

ヤッチ:「はい。飲んでいたんですけど、どうも薬剤過敏が有るらしく、飲むと調子が悪くなってしまうんです。それで、進行性核上性麻痺ではないかと言われたときに、この病気なら効果は期待できないからと、やめてしまいました。その後、施設で手違いが有って、1年ほど飲むことになりましたが、この4月に飲むのをやめています。」

先生:「どうでしょう!?飲んでいて何か変化は有りましたか?」

ヤッチ:「メマリーについて言えば、5mgからマックス20mgまで行きましたが、どちらかといえば傾眠傾向が強くなるだけで、何か劇的に変化が有ったという様子は無かったように思います。」

先生:「5mg飲んだ時と、20mg飲んだ時と、違いは有りましたか?」

ヤッチ:「目に見えての変化は、有りませんでした。」

先生:「そうしましたら、飲まなくても良いでしょう。」

ヤッチ:「と、おっしゃいますと…?」

先生:「20mgまで増やして変化がみられないなら、薬が効いていないと考えられます。反対に言えば、薬が効く人は5mg飲んだところで、明らかな変化が出ますよ。薬の量の問題じゃないんだな…。量の…。」

ヤッチ:「そういうもんなんですか?」

先生:「はい、『どうして?』って訊かれると、私もまだ勉強中ですけれども、多くの患者さんを診察していると、メマリーに関しては、効く人は少ない量でも『元気になった』とか、『スッキリした』っておっしゃるものですからね…。」

ヤッチ:「他の認知症の薬も同じようなことが言えるんですかね?」

先生:「正直、はっきりしたことは、わかりません。ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン、リバスチグミン(リバスタッチ、イクセロン)、メマチン(メマリー)…、といろいろな薬が出ています。ご存知のようにどれも病気の進行を遅らせる薬であって、病気そのものを根治する薬ではありません。メマチン(メマリー)なども、グルタミン酸を抑制するって言ってますけど、じゃあ100人患者さんがいらしたら、全員が同じような効き目、つまり進行を遅らせることができるかというと、そうじゃないんだなぁ…。」

ヤッチ:「じゃあ、今のところは薬は飲まなくても良いということで…?」

先生:「だいたい、お父様は薬に過敏に反応してしまうんでしょ!?だったら、なおさら多くの量の薬は使わない方がいいと思いますよ。DLB(レビー小体型認知症)なら、たくさんの量の薬を飲むと、返って症状が悪化する人もいますからね。」

ヤッチ:「私自身もこれといった決め手のない薬を飲んで、返ってグッタリするようなら飲まない方がいいのかな!?って考えています。薬以外になんか良い方法ってあります?」

先生:「ん…。どれも明確な根拠は有りませんが、何よりも大事なのは、日常生活に支障をきたさないようにサポートしてあげる事です。原点に立ち返って、『怒らない』、『否定しない』、『説得しない』の、この三つを守ってください。ね!?御病気の方でも尊厳が有ります。自尊心を傷つけるのは、一番してはいけないことだと僕は考えますよ。」

ヤッチ:「うむ。おっしゃる通りだ…。」

先生:「薬が使えないのなら、薬を使わないアプローチで、お父様の尊厳を傷つけないように、明るく、楽しく過ごしてもらう…、非薬物療法ですよ。ね?お父さん?」

アルツ君:「まあね!?」

先生:「非薬物療法の中に、回想療法というものがあります。短期の記憶に障害のある方でも、昔のことはよく覚えています。これに働きかけてあげるんですよ。懐かしいこと、楽しかったことなどの遠い過去のことを思い出してもらって、精神的に落ち着く環境にしてあげるんですよ。話をするだけでも良いし、時には一緒にやるということもしてみてくださいよ。もしかすると、遠い記憶を呼び起こすことで、どんどん忘れてしまっていたことを思い出して、記憶が結びついていくかもしれない。そうだ!?お父さん、昔は何をしていたの?」

アルツ君:「だれ?俺?昔?昔も今も遊んでたかなぁ…。」

先生:「はい、おなじみのト・リ・ツ・ク・ロ・イ…。昔の職業は?」

アルツ君:「昔?昔は『花屋』だよ。」

(。´・д・)エッ

ちょっとビックリ…。

アルツ君の中で『花屋』の記憶は抜けています。

たしかに『花屋』時代は長いものになりますが、『植木屋』とか『植木職人』と言うかと思っていました…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

先生:「じゃあ、花に興味はある?」

アルツ君:「どうかなぁ…。花は、食えないものが多いからな…。」

先生:「またト・リ・ツ・ク・ロ・イ…。じゃあ、盆栽は?」

アルツ君:「盆栽?どうかなぁ、俺が凡才だよ!!」

ヤッチ:「先生は、『剪定』に興味はありますか?って訊いてるんだよ!!」

アルツ君:「剪定?あー頼まれれば、何ぼでも切るぞ!!そのかわり、金くれないと、切らないぞ!?」

先生:「その調子その調子…。」

ヤッチ:「時々私が、『地下たび履いて散歩しよう』なんて言ったりするんですが、あながち、間違ってはいなかったんですね?」

先生:「良い事だと思いますよ。」

アルツ君が、特養で月に2回受けている音楽療法なども、昔の懐かしい童謡などを歌ったり、それに付随して、その時に何をしていたかなどの質問をしたりしますから、非薬物療法になりますかね!?

ヤッチ:「じゃあ、旦那さん、今度から公園に地下たびで行くか?」

アルツ君:「今日は天気悪いからなぁ…。」

先生:「僕の方はこの辺でいい?繰り返しになりますが、現時点で言えるのは、お父様の場合、動脈硬化、それにアルツハイマー型認知症、いわゆる後方型です。時間や空間に対しての認識が薄くなる、それにBPSD。今後は、年齢とともに、別の症状も予想されます。その時は、またこちらにいらしてきてください。そして、『怒らない』、『否定しない』、『説得しない』のこの三つを守ってください。ご家族や周囲は、ご本人の自尊心を傷つけない努力をして下さい。お父さん、いっぱい歩いて早く元気になってね!!」

かれこれ、1時間以上は診察室に居たのではないでしょうか…。

時間をかけて、いろいろ説明して下さった先生に感謝です。

医師にとって、病名を特定することは重要なことかもしれませんが、家族には病名の特定より、どうお世話するかの方が大事な事…。

改めて、初心に帰らなければいけませんね…。

ヤッチの場合は、アルツ君の自尊心を傷つけないギリギリのラインで、自尊心を刺激しつつ、やる気みたいなものを起こさせようとしてきましたが、改めて考える必要が有るかもしれません。

診察室を出ようというところで、姉がヤッチに耳打ちしてきます。

姉:「フェルガードのこと、訊かなくていいの?」

質問事項盛りだくさんで、すっかり忘れていました。

(^^ゞ

ヤッチ:「先生、すいません。もう一つだけ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」

先生:「どうぞどうぞ。」

ヤッチ:「父に、フェルガードというサプリメントを飲ませているのですが、これを継続して飲んでもらって良いものかどうか、お伺いしたいんですが…???」

先生:「フェルガード?」

ヤッチ:「フェルラ酸が主成分のサプリです。」

先生:「サプリメントでしょ!?医薬品ではないんですよね?」

ヤッチ:「いわゆる栄養補助食品っていうやつですかね…。」

先生:「ふんふん、サプリメント…、医薬品と言うのは、長い期間をかけて、臨床試験をクリアしてきたものです。臨床試験をパスして、厚労省が認めたものだけが、医薬品です。今は黒酢だとかの、いろいろなサプリが出ています。でも、これらは臨床試験を通っていないので、医薬品ではありません。言い方をかえると、サプリメントの類は医薬品ではないので、効果や効能をうたってはいけないものです。うたってしまうと、医薬品になってしまいます。医薬品でないものを医薬品としてしまえば、当然、法律に触れることになります。サプリメントではありませんが、よくコマーシャルなどで、『効果については個人差があります』なんて小さな文字で書いてあるのをご存知ですかね!?サプリメントなら、これすらもうたっちゃいけないんじゃなかったかな…。」

ヤッチ:「たしかに、なんとなくその言葉が脳裏に焼き付いていますね…。」

先生:「ね!?そういうものがサプリメントです。もし効果があるのなら、それは医薬品です。でも現在の認知症薬で認知症を完全に治す薬はまだ出ていません。私の口から医薬品ではないものを『はい、どうぞ』とはね…。あくまでも、『個人やご家族の御判断で…』ということでよろしいでしょうか?」

ヤッチ:「そうですよね!?どんなお医者さんの言葉も、説得力がありますからね!?そう、おっしゃっていただいた方が、先生に対しての信頼感が増しますよ。」

ちょいと歯切れの悪いご回答でしたが、確かに正論です。

否定も肯定もしないナイステクです。

ヤッチ自身も最近、サプリメントに疑問を感じはじめているのは事実です。

姉やキノコさんは、サプリメントに対して肯定的ですがね!?

これについては、賛否両論あると思われるので、この辺にしておきましょうかね!?

診察を終え、先生にお礼を言い、再び待合室に出てきます。

アルツ君をトイレに連れて行き、会計を済ませます。

成年後見人さんから5万円も用立ててもらっているのに、支払った金額はたったの70円…。

工エエェェ━━||liil||━━ェェエエ工

病院内のレストランで少し遅い昼食をとります。

アルツ君が食事を待っている間、ぼそりと、つぶやきます。

アルツ君:「おい、あの先生、俺に、いいこと言ったな?」

ヤッチ:「なんで?」

アルツ君:「俺に『もっと歩け』って言ったよ。薬は、『飲まんでいい』とも言ってたよな?」

薬嫌いのアルツ君にしてみると、病院は、薬を出すところという印象が強いのでしょう…。

ヤッチ:「今日は素晴らしい記憶力ですね?」

アルツ君:「まあね。あの先生、俺に『若い』って言ってたからな!?」

ヤッチ:「たしかに言ってた…。」

アルツ君:「でも、あの先生、俺にカンナを、貸してくれなかったんだよなぁ…。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

食事を終え、アルツ君と姉はタクシーで施設に戻りました。

ヤッチは自宅へ…。

自宅に着いたところで、姉からの携帯が鳴ります。

姉:「今、施設から自宅に帰ったんだけどさぁ、施設の人に診察結果がどんなだったか、いろいろ訊かれたんだわ~。」

ヤッチ:「それで?」

姉:「今日の先生の話を、だいたいは伝えたんだけどさぁ~。私もパパと同じで、右から左だからさあ~。『詳しいことは、弟がきいているから、弟に聞いて下さい。』って言っておいたから?」

ヤッチ:「で、どんなことをしゃべったの?」

姉:「現時点で、進行性核上性麻痺の症状は出ていないって言うのと、あと、あの先生、『三つを守りなさい』って言ってたじゃない?」

ヤッチ:「三原則のこと?」

姉:「そうそう!!それを施設の人に言ってきたのよ!!『怒らない』、『否定しない』、それと…、うぬぼれさせる!!」

お姉さま

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2013/05/23 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

病識のない職人

2014/08/02 (土)  カテゴリー: アルツ君
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「はやく、食わせろ!」


こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

昨日、ボタモチを持ってアルツ君のところへ面会に行ってきました。

アルツ君、居室でリハパンのパッド交換をしてもらったばかりの様子で、ちょうど居室から、女性職員さんが廊下に出てきたところでした。

ヤッチ:「いつも、お世話になっています。」

女性職員さん:「こんにちは。」

ヤッチ:「お昼ご飯のあと、何か食べていますか?」

女性職員さん:「お父様のことですか?」

ヤッチ:「はい。」

女性職員さん:「それなら、今日はお召し上がりなっていませんね。」

ヤッチ:「ボタモチを持って来たので、食べさせてもいいですか?」

女性職員さん:「はい、およろこびになられると思いますよ。今、(居室で)お座りになられています。」

ヤッチは居室の扉をノックします。

アルツ君:「おうっ!」

ヤッチ:「暑いね?」

アルツ君:「そうか?俺はそれほどでもないぞ!?」

ヤッチ:「ここは冷房が入っているからだよ。外に出てみん?アスファルトの上で焼肉パティ―を開催できるぞ。」

アルツ君:「そうか~。そんなに暑いのか~。」

7月の末から、故障した空調設備の修理をすると聞いていましたが、居室にルームエアコンが付いたままということは、まだ工事は終わっていないのか、まだ始まっていないのかもしれません。

ヤッチ:「今日の陽気なら、道路で石焼きビビンバができるよ。ボタモチを持って来たけど、食うか?」

アルツ君:「この暑いのにボタモチかよ…。」

ヤッチ:「今、『俺はそれほどでもない。』って言ってたべ?」

アルツ君:「そうかぁ??」

ヤッチ:「食うの?食わないの?食べるの?食べないの?捨てるの?投げるの?召し上がるの?召し上がらないの?死ぬの?死なないの?」

アルツ君:「いいから、はやく食わせろっ!!」

ヤッチ:「持って来てくれた息子に感謝の気持ちはないわけ?」

アルツ君:「感謝の気持ち?そんなのは30年前にどっかに落としてきた。お前はどっかで拾ってきた。」

ヤッチ:「30年前?30年前って、旦那さんが何歳の時よ?」

アルツ君:「他人に歳を聞いちゃいけないの!」

ヤッチ:「女性限定の話だろ?」

アルツ君:「年寄りも同じだ。」

ヤッチ:「今、認めたな?『年寄り』って言ったよな?」

アルツ君:「うるさいっ!」

ヤッチはスーパーマーケットで買ってきたボタモチをアルツ君の前に広げ、スプーンを渡します。

スプーンを差し出したにもかかわらず、アルツ君、口を開けて、スタンバっています。

ヤッチ:「なに?その口は?」

アルツ君:「お前が放り込んでくれるのかと思ってよ。」

ヤッチ:「な~に、言っちゃってるのかな~。足のほうは、だいぶ腐って来てるけど、まだ手は腐ってないんだろ?自分の手で食えよ。」

アルツ君:「ケチなこと、言ってやがるな~。」

ヤッチ:「ケチはどっちだよ。そんな事言ってると、棺桶の中、ぬか漬けにしちゃうぞ?」

アルツ君:「ぬかは勘弁だな…。せめてあんこにして下さいよ。」

ヤッチ:「おう、わかったよ。周りに敷き詰めるだけじゃなくて、腹をかっさばいて、その中にもメーイッパイ詰め込んでやるよ。」

アルツ君:「つぶあんで、頼むぞ。」

ヤッチ:「で、それを食い終わったら、向こうの棟まで歩こうよ?」

アルツ君:「ああ、構いませんよん。」

ヤッチ:「ばかに素直だね~???」

アルツ君:「『ばか』は余計だ…。」

この日、会話のキレも良かったし、足取りも軽かったようです。

もちろん、歩行器のお世話になりましたが、途中、休むこともなく、別棟に行くことができました。

いつも、別棟の突き当りまで歩いて、アルツ君には、そこに設けてあるテーブルの前に腰かけてもらい、テレビを観て過ごしてもらっています。

ヤッチ:「もう、『大江戸捜査網』は終わっちゃったのかな?囲碁の番組だな?旦那さんは囲碁できるの?」

アルツ君:「昔はやったけど、もう覚えてないな~。」

そんな会話をしていると、すぐそばの居室から、車椅子に乗った女性の入所者さんが出てきます。

この方、記憶の衰えはあるものの、アルツ君と同じように、会話はちゃんと成立します。

アルツ君とも、顔見知りです。

ご本人の話では、心臓にペースメーカーが入っており、トイレに座る事は出来ても自分では立てないとの事。

ヤッチ:「おかあさん、こんにちは。」

入所者さん:「あら、こんにちは。囲碁(の番組)を観てるの?いいわねぇ~。」

ヤッチ:「一緒に観ますか?」

入所者さん:「私は囲碁をできないから、いいわ。マッサージの人が来ることになっているのだけど、まだ来ないから、(廊下に)顔を出したのよ。」

ここの特別養護老人ホームでは、施設で行う歩行訓練などのリハビリとは別に、マッサージを受けている入所者さんが多数いらっしゃいます。

ヤッチもマッサージのお姉さんが利用者さんの居室を巡回しているのをよく見かけます。

以前、施設の職員さんに話を伺ったところ、外部に委託している治療院と入所者さん(家族)が個別に契約して、マッサージなどを受けられるというものらしいです。

介護保険は特別養護老人ホームの入所で枠を使ってしまっているので、マッサージ等は介護保険による給付ではなく、医療保険(後期高齢者医療保険)の給付の扱いになるようです。

したがって誰でもマッサージを受けられるというわけではなく、医療保険の扱いですから、医師の診断を仰ぐことになるようです。

原則、歩行が困難な人や寝たきりの人が受けられるようですが、実は、歩行が怪しくなってきたアルツ君にも、つい先日、姉がこのマッサージを申し込んだばかりでした。

ヤッチ:「俺が呼んでくるか、さがしてきましょうか?」

入所者さん:「ううん、ここで、な~にをするわけでもねえし、遊んでるだけだからいいわ。」

ヤッチ:「失礼なことをきいちゃったかな?」

そこへ、ちょうど、マッサージのお姉さんがいらっしゃいます。

すいません、どうネーミングしてよいのかわからないので、ここでは便宜上、『マッサージのお姉さん』とさせていただきます。

そのお姉さんがヤッチとアルツ君が一緒にいるのに気づきます。

入所者のお母さんには、大変申し訳ないことですが、入所者さんのマッサージより、ヤッチとお姉さんの立ち話が先になってしまいました。

お姉さん:「先日、お姉さま(こっちは実の姉のことです。)から、お話を伺って…。」

ヤッチ:「あ、どうも…。はじめまして。というより、お姿はよく拝見していました…。」

お姉さん:「早速ですが、どういったご様子なんですか?」

ヤッチ:「最近、歩行がかなり怪しくなってきていましてね。施設の中では歩行器を使わせていただいているんですが、なかなか歩いてくれないもんですから…。」

お姉さん:「息子さん(ヤッチ)が、お父様と(施設の)中を歩いているのは、よくお見かけしますけど…?」

ヤッチ:「それが、俺が言っても、最近、なかなか歩いてくれないんですよ。今より筋肉や関節が固くなってしまうと、二足歩行ができなくなってしまうのではないかと思いましてね…。姉もその辺を心配して、そちらにお願いをさせていただいた次第です。」

お姉さん:「実際に気になる箇所というのは?」

ヤッチ:「もともと、左ひざがカックンと折れて、転倒しそうになることがあって、最近は運動不足のせいもあるのだと思いますが、両膝とも…。なっ?旦那さん?」

アルツ君:「誰?俺?俺はまだ歩けるさよ~。どっこも悪いところなんてないぞ!?」

ヤッチ:「本人はこう申しておりますが、時折、『重い、重い。切っちゃえ!』なんてことを申しております。」

お姉さん:「そうですか…。お医者様に掛かられたことは?」

ヤッチ:「足だけについて、診てもらったことはありません。こっち(認知症)については、いろいろお医者さんにも診てもらいましたが、パーキンソン(症状)だっていうお医者さんもいれば、運動不足だっていうお医者さんもいて、正直わからないです。」

お姉さん:「えっ?パーキンソン?」

ヤッチ:「そう。レビー(レビー小体型認知症)かもしれないと言われたこともありますし、PSP(進行性核上性麻痺)ではないかと言われたこともあります。最近では前頭側頭型認知症の症状もあるなんて、言われています。疑いだしたら、全部当てはまっちゃうのがこの病気だって、俺は最近思うんですよね…。なっ?旦那さん?」

アルツ君:「そうだよ。医者なんて、悪くもないところを悪いと言って、カネをふんだくる商売だからな?」

お姉さん:「そうですね…。診るお医者さんによって診断がまちまちですからね…。」

ヤッチ:「PSP(進行性核上性麻痺)なら、体が後屈するわけでしょ?でも、旦那さんの場合、前傾がひどくなってますからね…。」

お姉さん:「そうですね、(PSPの場合は)後ろに傾く方が多いですよね。」

ヤッチ:「で、難病の申請をしようかというところまで行きましたが、結局、お医者さんのほうで、申請になるまでの十分な条件を満たしていないっていうことで、やんわり断られました。その後、別の病院の直近の診察では、ATD(アルツハイマー型認知症)の症状のほうが強く見られるで終わっています。」

お姉さん:「お薬は?」

アルツ君:「以前は飲んでいましたが、頭(認知症)の薬については、なにも今は飲んでもらっていません。もともと薬に敏感なのは事実だし、薬嫌いなので…。なっ?旦那さん?」

アルツ君:「そうだよ。変な薬を飲むと、美味いもんもまずくなるからな!?」

お姉さん:「そうですね…。お薬はあまり飲まない方がよいみたいですね。」

ヤッチ:「薬を飲んで、グッタリとやる気のなかった姿の方が今から思えば、病気ですよ。」

お姉さん:「お見受けする限り、体つきも、他の方に比べるとしっかりとされていますよね?」

ヤッチ:「元々、植木屋なんです。ハシゴを上ったり、下りたり、チョキチョキやってましたからね~。腕だって、その頃は俺の倍くらい有りましたからね。ねっ?旦那さん?」

アルツ君:「倍は何ぼなんでも言い過ぎだろぅ~。」

お姉さん:「骨格もしっかりとしてらっしゃいますよね?」

ヤッチ:「旦那さん、ほめられてるよ?どうする?」

アルツ君:「ほめられたって、カネは持ってないぞ!?」

お姉さん:「わかりました…。今後なんですけど、どういった方向で進めていきましょうか?歩行訓練とかは?」

ヤッチ:「歩行訓練はこちら(特別養護老人ホーム)の療法士さんがやって下さっているみたいなので…。」

お姉さん:「では、マッサージを中心にやらせていただいて…。時折、仰向けの姿勢で、膝などに負荷をかけるというのは?」

ヤッチ:「その辺は、お任せしますよ。手さぐりではじめていただいて、何かこうした方がいいというのが有れば、実践していただいて構わないですよ。」

お姉さん:「今度、一度、診させていただいてご報告させていただきますね?」

ヤッチ:「それと最近、視野が狭くなっているような気がします。歩行と視野の狭さというのも、もしかしたら因果関係が有るのでは?と素人判断で考えています。」

お姉さん:「なるほど…。」

ヤッチ:「いずれにしても、一度、ご自身の目で確かめて下さい。プロの目から見ると、どうなのか教えていただけると、ありがたいです。姉が身元引受人になっていますが、姉は夜じゃないとここには来ないので、私におっしゃっていただけば、姉に私から何か有れば伝えます。」

お姉さん:「わかりました。では、今後ともよろしくお願いいたします。」

ヤッチ:「あ、すいません。それと、時々、お金のことを心配しますので、お分かりになっていると思いますが、うまい具合に…???」

お姉さん:「あ、わかりました。お父様、お金のご心配はなさらないで大丈夫ですよ。」

アルツ君:「あ、そう。」

お姉さん:「では。」

お姉さんはマッサージを待っていた入所者さんと一緒にデイルームのほうへ…。

二人だけになったところで、ヤッチはアルツ君に話し掛けます。

ヤッチ:「旦那さん、今度っから、足をマッサージしてくれるらしいぞ?」

アルツ君:「『今度』っていつよ?」

ヤッチ:「たぶん、来週じゃないか!?」

アルツ君:「来週っていつよ?」

ヤッチ:「その説明をするといつまでかかるかわからないけど、どうする?」

アルツ君:「じゃあ、やめとく!」

ヤッチ:「ただ、お嬢さん(姉)の話だと、週に3回もマッサージしてくれるらしいぞ。」

アルツ君:「へえ…、マッサージ?」

ヤッチ:「マッサージはわかるよな?」

アルツ君:「わかるさよ~。揉んでくれるんだろ?」

ヤッチ:「そうだよ。あんなにきれいなお姉さんが揉んでくれるんだぞ?3回のうち1回くらい、俺にその時間を分けてくれないかなぁ…???」

アルツ君:「俺は、どっこも悪くないから、構わんぞ。」

ヤッチ:「なんだか、今日は妙に素直だね~。夕立ちでも来るのか?」

アルツ君:「お前も少し頭を揉んでもらえ!そうすりゃ、少し芽(毛)が出るかもしれんぞ?」

ヤッチ:「うるせ~えよっ!」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2014/08/02 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

病状説明は余命宣告

2015/01/30 (金)  カテゴリー: アルツ君
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ヤッチの部屋のポトス

こんにちは。

アルツ君の息子ヤッチです。

前記事のとおり、アルツ君は2月5日(木)までの一週間、O病院に入院となりました。

朝から姉とヤッチはアルツ君の入院に立ち会い、午前中にO病院の担当医となる先生から『病状説明』を受けました。

夕方になって、この『病状説明』と同じ内容のものを書面でO病院の看護師さんを通じて手渡されました。

まずは、この『病状説明』をご覧ください。

ヤッチが書き写したものです。

一部、個人名などは伏せてありますが、それ以外の部分は改変していません。

▽引用
病状説明書


患者ID  ×××××

氏名    ○○○○○(アルツ君の名前) 様

生年月日 昭和03年○○月○○日 86歳 男性

病状説明を一緒に聞かれた方の氏名 ○○○○○(ヤッチの名前) 様 
(ご本人との続柄 次男)


病名
  • ①食欲不振、衰弱、老衰
  • ②前頭側頭葉型認知症
  • ③発熱、慢性的な誤嚥


病状説明内容
①②
特別養護老人ホーム○○○○○に入所され、介護を受けています。発熱と食事の摂取量の低下があり入院されました。86歳と高齢であります。診断されている前頭側頭葉委縮症の自然な経過と思われます。今後は老衰が進行し、日常生活動作は困難になり老衰にて亡くなる可能性が高いと考えます。
今後の方針として二つの方法があります。
  1. ひとつは老衰の介護を行い安らかに看取ってあげる方法です。自宅での介護が困難な場合は特別養護老人ホームは最適な環境と思われます。(老人ホームによっては看取りをしてくれないところもあります。)年齢やご本人の体力を考えると1~2ヶ月の経過と思われます。好きな物を食べさせてご本人の納得の行くように過ごしてもらうのがよいと思います。しかし、老人ホームにも限界があります。点滴の治療は行えません。
  2. もう一つは、延命治療を行う方法です。中心静脈栄養や胃瘻造設/経管栄養です。特別養護老人ホームを退所して医療療養型病院入院する必要があります。老人ホームに比べると介護が少なくなります。食事継続の努力ができないことが多く車椅子乗車もできず寝たきりになります。20~25万円/月の費用負担もかかります。
本日、ご家族の意向は老人ホームで看取ってもらう方法でした。退院後にホームで相談の機会をもってもらって下さい。ご家族からご本人最後の療養についてお願いして下さい。


発熱については、胸部CTにて両側背側の肺野に陳旧性の炎症所見あり、体力の低下とともに慢性的に誤嚥しているものと思われます。食事の形態を考え、慎重に介護すれば食事継続してもよいと考えます。

急性期病院の介護の状況があり短期間の入院で、治療と精査を行います。1週間後の2月5日(木)の退院とします。

  • 上記のとおり説明いたしました。
    わからないことがあれば医師・看護師・薬剤師にお尋ねください。


2015年01月29日
内科 医師 ○○○○(医師名)
△引用

『病状説明』の中に『前頭側頭葉委縮症』、『前頭側頭葉型認知症』の記述があります。

最近のアルツ君はすぐに不機嫌になったり、ちょっと人格が変わってしまったのではないかと思わせる部分があり、確かにアルツ君の現在を診断すれば、『前頭側頭型認知症』と診断されるかもしれません。

でも、過去にこういった『前頭側頭型認知症』とはっきりと診断を受けたことはないので、特養の嘱託医から受けた診療情報提供書(紹介状)に誤りがあるか、このO病院の先生が勘違いしているのか、どうもよくわかりません。

午前中に担当医から説明を聞いている時に、ヤッチはこの先生にATD(アルツハイマー型認知症)の診断を受けているということを申し上げていますが、FTD(前頭側頭型認知症)の診断を過去に受けた事が有るとは申し上げていません。

『看取り』が前提なら、こんなことはどうでもよいことなんですが、もしアルツ君が元気に回復し、特養に戻った時のことを考えると、再び特養の嘱託医に誤った情報が伝わるのをヤッチは危惧しているんです。

また、『本日、ご家族の意向は老人ホームで看取ってもらう方法でした。』という記述がありますが、上記の文章の中の二つの方法しかないとしたら、家族としてどちらを選ぶか?という質問に対してこう答えただけです。

前記事では、詳細を書かせていただくと申しあげておきながら、この書類をもらって、何だか書く気力が無くなってしまいました。

今回の入院に至るまでの経緯や施設での話し合いなどについて書こうと思っていましたが、萎えてしまいました。

どうかご容赦ください。

m(__)m

もう、『看取り』を考えなくてはいけないのでしょうかねぇ…?

『病状説明』の書類には書かれていませんが、午前中に担当医に直接話をお伺いしたとき、担当医は『きびしいことを申し上げますが、(アルツ君の病状は)もうこれ以上回復しません。』とはっきりとおっしゃいました。

病状説明のあと、ヤッチはアルツ君の入院生活に必要な身のまわり品を用意するため、特別養護老人ホームに向かいました。

その間、キノコさんが面会に来ていたようです。

後から聞いた話では、キノコさんのいる間、アルツ君は病室で尿検査を受けたようです。

看護師さん5人と格闘、医師は引っ掻き傷をつくるほどのアルツ君の暴れようだったそうです。

実際に見たわけではなく、キノコさん情報なので人数的なことは盛っている可能性がありますが、それにしても寝たきりの老人が、大勢の看護師を相手に大暴れし、医師に手傷を負わせるパワーが有るのに『看取り』をしろという段階にきているとは、にわかに受け入れがたい気もします。

ヤッチは特養から再び病院に戻り、身の回り品を整理している時にもO病院の看護師さんからも同じような話を聞きました。

看護師さん:「夕方から点滴と抗生剤の指示が出ているんですけど、またお父様、興奮されるんでしょうかね?」

ヤッチ:「本人じゃないからわからないけど、背後に回りこめば、ゴルゴ13に変貌する可能性は大ですね…。」

看護師さん:「そうですか…。」

ヤッチ:「点滴の間だけでも、俺が付き添いしようか?」

看護師さん:「お願いしてもよろしいでしょうか?」

ヤッチ:「針も俺が刺そうか?」

看護師さん:「いえいえ…。」

点滴の針を腕に刺す時に上手く入らず、何度も看護師さんが失敗してしまったので、一触即発の場面もありましたが、暴れることなく、留置針を刺すことができました。

昼間のバトルのせいで、アルツ君は疲労困憊していたのかもしれません。

点滴を打っている間にアルツ君は寝てしまい、その間に夕食時間になってしまったため、アルツ君、夕食を食いっぱぐれてしまいました。

途中、目を覚まし、アルツ君がつぶやきます。

アルツ君:「水が飲みたい…。」

ヤッチ:「じゃあ、飲んでもいいか聞いて来るよ。」

看護師さん:「まだ、口から飲んでいいという指示が出ていないので…。」

ヤッチ:「せっかく、自分から『飲みたい』って言ってるんだから、なんとかならないかな?」

看護師さんは小さな氷を一かけらアルツ君の口含ませてくれました。

アルツ君:「もう無くなっちゃったぞ…。」

ヤッチ:「ゴメンな…。今日はそれだけしか食べちゃダメらしいんだよ…。」

アルツ君:「水も飲ませてくれないのか…。」

ヤッチ:「今、腕から点滴で水分が入ってるから、干からびることはないよ。」

そう、アルツ君がこの日、病院内で水分を口から摂ったのは、この氷だけです。

とてもかわいそう…。

アルツ君:「水を飲まないと死んじゃうよ…。」

アルツ君にしては、かなり弱々しい声です。

ヤッチ:「俺の部屋のポトスだけど、もうかれこれ一ヶ月近くお水をあげてないけどピンピンしてるよ。」

ひねりのある返事ができませんでした…。

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2015/01/30 | コメント (14) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top
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