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こんばんは。
アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
東京では、成人の日(1月14日)に降り積もった雪もほとんど解け、比較的交通量の多い道路は路面をあらわにするようになっています。
でも、北側などの日の当たらない路地に入ると、まだ雪が氷のような状態となって、ツルツルと滑るような箇所もあります。
キノコさんのような高齢者の外出はまだちょっと危険かなというレベルですかね。
キノコさんはシルバーカーを杖代わりにして歩くので、雪が解けてきたとはいえ、雪でデコボコした箇所ではシルバーカーを押すことができません。
東京は雪の少ない地域ですが、雪の多い地方にお住まいの方達は、シルバーカーや車椅子を使えないので、外出はどうしているんだろうと、ちょっとそんなことを考えちゃいました。
また、ヤッチは雪で外に出られないキノコさんのために、買い物を代行していますが、一人暮らしの高齢者のお宅では、買い物に外へ出られないわけですから、どうされているんでしょうか…???
キノコさんもアルツ君の施設に面会に行くには、もう少ししてからでないと、無理そうなので、ヤッチが昨日ピンチヒッターでアルツ君のところに面会に行ってきました。
アルツ君の居室のある3階までエレベーターで昇り、デイルームの脇を通って居室までの廊下を歩きはじめようとしたところ、ヤッチは職員さんに呼び止められます。
職員さん:「あの、ちょっと?」
ヤッチ:「はい、こんにちは。」
職員さん:「お父様でしたら、あちらにいらっしゃいますよ。」
ヤッチ:「あ、はい…。」
職員さんの指さしている方向はデイルームにあるテレビの方です。
デイルームには何脚ものテーブルが置かれていますが、ちょうど中央付近です。
今日はデイルームにたくさんの入所者さんが居るなとは思っていましたが、そこには元植木職人(アルツ君)の姿もあります。
テレビの前に四人掛けのテーブルが置かれていますが、アルツ君がそこに座っています。
残りの3脚の椅子に腰かけているのは全員女性の入所者さんです。
ヤッチはアルツ君のそばにより、声をかけます。
ヤッチ:「今日は合コンかい?」
アルツ君:「なんだ、お前。いつ来たんだ?」
ヤッチ:「今日の明け方。」
アルツ君:「うそをつけ!!こういうことを平気で言うんだから…。ねえ~?」
アルツ君、テーブルを囲んでいる女性陣に訴えかけています。
ヤッチ:「今日は『ホーム喫茶』か…???」
アルツ君の入所している特別養護老人ホームでは、月何度かはわかりませんが、数回程度、『ホーム喫茶』と称して、希望する入所者さんを集めて、デイルームでお茶と茶菓子が振る舞われます。(介護保険を使えますが有料の1杯50円。)
アルツ君:「そうですよん!!今、俺はコーヒー飲んでるんですからね。コーヒー。お前も飲むか?」
ドヤ顔のアルツ君を見て、合コン相手の女性陣もニコニコしています。
ヤッチ:「俺は遠慮しておくよ。せっかくの御歓談をぶち壊しちゃ悪いからね。」
アルツ君:「そうかあ~???美味しいぞ!?」
ヤッチ:「俺は部屋(居室)の掃除でもしてるから、ごゆるりとどうぞ。」
そう言い残し、ヤッチは誰もいないアルツ君の居室に向かいます。
洗濯が終わって届けられているアルツ君の着替えやら、トイレを掃除していると、アルツ君が『ホーム喫茶』から帰って来ます。
アルツ君:「あれっ?お前、いつ来たんだ?」
ヤッチ:「昨日の夜からだよ。」
アルツ君:「うそをつけ!!それはそうとばあさん(キノコさん)はどうした?」
ヤッチ:「この雪だもん、来られるわけないじゃないかよ~。」
アルツ君:「そりゃそうだ~。でも今日はいい天気だぞ!?」
ヤッチ:「晴れたけど、まだ道路の雪は解けてないところがいっぱいあるからね~。」
アルツ君:「そっか…。あずきをかけたら美味いんだけどなぁ…。」
ヤッチ:「なに言ってるんだよ。ばあさんは今週一週間は来られないかもな!?無理させて転ばれたら大変だしな!?」
アルツ君:「そっか…。」
ヤッチ:「部屋に缶詰だよ、缶詰。」
アルツ君:「ふん!!缶詰じゃなくて、糞詰まりなんじゃないのか?糞詰まり…。」
ヤッチ:「糞詰まりかどうか、今電話してやるから、聞いてみな?ばあさんも外に出られなくて、だいぶストレスたまってるはずだから…。」
そう言って、ヤッチはキノコさんの携帯に電話をかけ、携帯をアルツ君に手渡します。
キノコさんに電話が繋がったようです。
アルツ君:「おい、お前元気なのか?『糞詰まり』って聞いたからさぁ…。」
キノコさん:「…。」
ヤッチには電話で話すキノコさんの声は聴こえません。
アルツ君:「なら、いいんだけど、美味いものばっかり食ってるんだろ?俺にもたまには美味いもん食わせろよな?」
キノコさん:「…。」
アルツ君:「まあな、雪で転ばれても、お前じゃ、『むすび』にならないからな。で、いつここに転がって来るんだ?」
キノコさん:「…。」
アルツ君:「かー!!そんなかよ?俺が生きてるうちに来いよ!!」
キノコさん:「…。」
アルツ君:「ああ、わかった、わかった。おまえもな!!」
…と、キノコさんの話し声は聴こえませんでしたが、だいたいの内容は見当がつくかと思われます。
ヤッチはアルツ君に携帯電話を返してもらい、アルツ君に話しかけます。
ヤッチ:「で?ばあさんはいつ来るって?」
アルツ君:「何て言ってたかなあ…?」
ヤッチ:「え~~っ!!まあ、いいや、(アルツ君の)葬式には来るだろうから。」
アルツ君:「お前、人をバカすか殺すなっ!!」
ヤッチ:「まっ、長生きしてもらおうと思って、今日も『漢字テスト』を持ってきたけど、やる?」
アルツ君:「別に…。構いませんよん。」
『漢字テスト』というのは、ヤッチがRecbox(レクリエーション支援サイト)からダウンロードして使っている『漢字のよみ』のテストのことです。
№1から№100まで有って、エントリーごとにダウンロードできます。
一つのエントリーには問題が30から40問くらいあります。
ご興味のある方は是非ダウンロードしてみてください。(けっこうハマります。)
[参考サイト:Recbox(会員登録は無料です)]
面会に行くたびにプリントアウトした用紙を持って行き、№1から始めて、昨日はアルツ君に№19をやってもらいました。
ヤッチも読めない漢字がたくさん有って、とても勉強になります。
アルツ君も最近これにハマっているご様子…。
どうも、読めない漢字をアルツ君が知っていたりすると、『○○さん(アルツ君)、すご~い!!』と周囲に褒めちぎられ、本人もドヤ顔ができるのが心地よいようです。
脳科学者の茂木健一郎さんに言わせると、褒められると脳内にドーパミンという物質がたくさん出て、脳が活性化されるそうなので、褒められることは脳にとってもアルツ君にとっても悪いことではなさそうです。
時間がある時は、アルツ君に一問ずつ答えを書いてもらいますが、この日はヤッチが問題を指さし、アルツ君に答えを口で言ってもらう形でテストをやりました。
ヤッチ:「これはどうかな?」
ヤッチはアルツ君に『雲雀』という字を指さします。
アルツ君:「お前、こんな字も知らないのか?これは『ひばり』だよ。『ひばり』っていうのは雲を突き刺すようにピャーっと高く飛んでいくんだぞ。」
ヤッチ:「ずいぶん、詳しいね?」
アルツ君:「当たり前さよ~。『ひばり』は食ったことないけどな!?」
ヤッチ:「へえ~、大したもんだ。じゃあ、これは?俺もこれは読めないなぁ…。」
アルツ君に見せた文字は『蜻蛉』…。
アルツ君:「かっー!!お前、こんな簡単な字も読めないのかっ?やだやだ、なんのために学校行ってるんだか…。」
ヤッチ:「わかんないな…。なんて読むんだい?」
アルツ君:「しようがねーな。これは『せいれい』って書いて、『とんぼ』って読むんだよ。昔からそういう風に読むって相場が決まってる。」
完璧なるドヤ顔状態のアルツ君…。
こっちは我が父を超えられない苛立ち…。
(ー_ー)!!
ヤッチ:「じゃあ、これはどうだい?」
見せたのは、『鯵』…。
アルツ君:「かっー!!これは俺もわかんないなぁ…。寿司屋に行けばわかりそうだけど、最近寿司も食わしてもらってないからなぁ…。」
確かにこの文字が書いてある湯呑茶碗をヤッチも目にしたことがあります。
でもそこに答えは書いてありません。
(-_-;)
ヤッチも読めませんでした…。
(-_-;)
ヤッチ:「俺もわかんないぞ!?ちょっと答えをみて、ヒントを出すよ。」
アルツ君:「ああ、いいぞ。」
ヤッチは印刷してきた答えを覗き込みます。
ヤッチ:「ははー、なるほどね…。最初に『あ』がつくよ。」
アルツ君:「『あ』かぁ…。『あんこ』じゃないしなぁ…。」
ヤッチ:「あの…、すいません…、魚だよ?」
アルツ君:「あ、そっか…。」
ヤッチ:「最初に『あ』がついて、二文字の魚だよ。」
アルツ君:「アヒルかっ!?」
ヤッチ:「二文字じゃないしっ!!しかも魚じゃないしっ!!」
アルツ君:「たしかアヒルは美味いんだよなあ…。」
ヤッチ:「話も逸れてるしっ!!」
アルツ君:「わかんないなあ…。降参っ!!」
ヤッチ:「これは『あ』…、『じ』…。これで『あじ』って読むんだよ。」
アルツ君:「かっー!!これが?『あじ』かよ…。これはあいつ(姉のこと)に読ませても絶対にわからないな!?へー、これで『あじ』…。」
後で調べてわかったことですが、『魚』へんに『参』と書くこの『鯵(あじ)』の語源ですが、諸説ある中で、『美味しくて参ってしまう』という説があるようです。
もう、これで皆さんも忘れませんね!?
今回はアルツ君にもわからない漢字が出て来てしまいました。
しかし以前も同じような記事を書いたと思いますが、高齢者の方が漢字の読みはどちらかというと、我々より、よく知っているみたいですね。
『虱(シラミ)』なんていうのを読めるのは、やはり時代背景もあるのでしょうか…。
一通り『漢字テスト』をアルツ君と一緒にやり、再び『鯵』のところに戻ります。
ヤッチ:「もう『鯵』っていう漢字は頭にインプットできた感じ?」
アルツ君:「ちゃんとおぼえましたよん!!」
ヤッチ:「じゃあ、ここ(施設)の中で歩く練習してから、もう一度質問するから、それまでちゃんとおぼえててな?」
アルツ君:「はいはい、わかりましたよん!!」
ご存知のように記憶には短期記憶というのが有って、アルツ君の場合、最近では電話したばかりのキノコさんのことを『電話していない』と言ったり、ついさっきまで食べていたものを何を食べていたか忘れてしまったりと、昔の古い記憶より、比較的近場の記憶が抜け落ちてしまうようです。
ただ、『す~ぐ忘れちゃうんだよなぁ…。』と忘れた事をおぼえているのがアルツ君。
もの忘れ=認知症のように言われますが、忘れた事もおぼえていないのは、自分でまったく何をしていたのかわからないことになるので、問題アリだと思いますが、忘れた事をおぼえているようなアルツ君のレベルでは、認知症というのはかわいそうなんじゃないかと最近思い始めています。
アルツ君と一緒に施設の廊下を歩きはじめます。
途中、先日メマリーのことでお世話になった職員さんとも顔を合わせます。
何もおっしゃってこなかったので、まだ調査中ということでしょうか…。
(-_-;)
アルツ君:「今日は左ひざがあくびしてやがるなぁ…。」
ヤッチ:「またひざがカックン、カックンするのか?」
アルツ君:「どうもそうらしいや…。」
ヤッチ:「だからって、なんであくびなの?」
アルツ君:「知らないよ。ひざの奴がそう言ってやがるんだからっ!!」
短い距離ですが、施設の廊下を歩き、居室に戻ります。
ヤッチ:「さっき、『漢字テスト』やったのは、おぼえてるかい?」
アルツ君:「おぼえていますよん!!それよりばあさんはどうした?」
ヤッチ:「さっき電話してたと思うんだがな…。それよりさっきやった漢字だけど、読めるかい?」
ヤッチはアルツ君に『漢字テスト』の用紙を見せ、『鯵』を指さします。
アルツ君:「なんだっけなぁ…。あっ!!思い出した!!『ひらき』っ!!」
う~ん…。
間違っているわけではないですよねぇ…!?
(; ̄ー ̄川 アセアセ
忘れているというわけでもないですよねぇ…!?
(; ̄ー ̄川 アセアセ
味のある
アルツ君
参ったっ!!
(; ̄ー ̄川 アセアセ
お詫び
記事の後半部分が消失し、記事が中途半端に終わっていましたが、2013/01/18の午前11時頃に加筆し、修正をしました。
消失時にこのブログにいらして下さった方にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。
今後とも応援のほどよろしくお願い申し上げます。
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キーワード検索 : シルバーカー ホーム喫茶 コーヒー 漢字
FC2スレッドテーマ : 日々徒然なる話 (ジャンル : 福祉・ボランティア)
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アルツ君の息子ヤッチです。
(^_^)/~
突然ですが、Windowsに標準で付いているメモ帳が日記にもなるってご存知でしょうか?
メモ帳を開いて半角の大文字で『.LOG』と記入します。

記入し終わったら、開いているファイルにたとえば、『日記.txt』など、ご自身の好きなファイル名を付けて保存します。
保存したファイルを再び開くと、この開いたファイルに自動で日付と時刻が記入されます。

書き込まれた日付と時刻につづいて、内容を書き込めば、立派な日記帳の出来上がりです。
保存して再びファイルを開くたびに、日付と時刻が自動で記入されます。
しかも何と言っても、メモ帳なので軽いのが良いところ…。
付箋も良いですが、保存ができず、デスクトップが散らかってしまうことが有るので、こっちの方が使い勝手が良いかも!?
デスクトップなどに置いて、いくつかファイルを作成し、ビジネスとプライベートと分けて日記を付けるなんていうこともできるかもしれませんね。
是非使ってみてください。
\(^o^)/
上記のような『日記.txt』などのファイルを作らなくても、メモ帳に日時を挿入することは可能です。
新しくメモ帳を開き、日時を挿入したいところにカーソルを合わせ、キーボードの 【F5】 キーを押すと日時が挿入されます。
あるいは、メモ帳上部のメニューバーの [ 編集 ]-[ 日付と時刻 ] をクリックしても同様に日時が挿入されます。
これらの方法は『日記.txt』の日時を修正したい場合にも、有効だと思います。
さて、昨日は、アルツ君の施設に面会に行ってきました。
アルツ君の居室でお決まりの漢字テストからスタートです。
漢字テストの設問の中に『蠍』という文字があります。
アルツ君:「かー!!また難しい字が出てきやがったな…。虫が付いてるから虫なんだろうな…。」
ヤッチ:「砂漠とかに居るらしいよ?」
アルツ君:「ラクダか!?」
ヤッチ:「自分で虫って言っておいて、何でラクダなんだよ。」
アルツ君:「そうだよなぁ…???」
ヤッチ:「刺されると痛いらしいよ?」
アルツ君:「注射か?」
ヤッチ:「あの…。注射だったら、すぐ読めるでしょうに…。」
アルツ君:「そうだよなぁ…???」
ヤッチ:「俺も実物は見たことが無いけど、刺されたら痛そうな感じだな?」
アルツ君:「わかった!!ムカデだろっ?」
ヤッチ:「う~ん。おしいちゃ、おしいな…。ムカデは『百足』って書くだろ!?そんなにイッパイ足は無いかな…。足を少なくすると、段々似てくるかもな!?」
アルツ君:「足をむしり取るんだろ…。おっ!?ミミズか?」
ヤッチ:「それじゃあ、むしり過ぎだろう。じゃあ、ヒントね!?こいつが出て来る歌があるよ。」
アルツ君:「歌?」
ヤッチ:「♪いいえ わたしは 何とかの おんな~」
アルツ君:「オカマか?」
ヤッチ:「どうして、俺がオカマにならなきゃなんないんだよ!!反応するところが違うでしょうに!!…さ○り?」
アルツ君:「さゆり?」
ヤッチ:「そういうこと言ってると、天城越え熱唱するぞ~!!この字が女の人の名前だったら怖いぞ~!!」
アルツ君:「わかんないな~。バンザイだ~。」
ヤッチ:「答えはサ・ソ・リ…。」
アルツ君:「かー!!これがサソリかよ…。あいつ(姉のこと)じゃ絶対わからないな…!?かー!!サソリ!?」
アルツ君、漢字テストのことになると、必ず姉のことを引き合いに出し、自分と比べます。
そして漢字に弱い姉のことをコバカにします…。
くだらない問答をしているところで、施設の職員さんがアルツ君の居室の開いたままの扉をノックします。
職員さん:「あの…。今日これから、『ホーム喫茶』があるのですが、ご家族の方と一緒に参加されてはいかがでしょうか?」
以前も記事にしたと思いますが、こちらの施設では、『ホーム喫茶』と称して、月に何度かデイルームが喫茶店と化します。
入所している方の中で、希望者にお茶が振る舞われます。
もちろん、無料というわけではなく、後日、介護保険から請求されるシステムです。
現在アルツ君の介護保険等のお金の出し入れは成年後見人さんにやってもらっているので、定かではありませんが、1杯50円と聞いたことが有ります。
ヤッチ:「コーヒー飲めるってよ?どうする?」
アルツ君:「コーヒー!?じゃあ、行こ、行こう!!でも俺は財布持ってないぞ!?」
ヤッチ:「大丈夫だよ。今はお金持ってなくても…。」
アルツ君:「それじゃあ、余計行こ、行こう!!」
ヤッチ:「俺の分もおごってくれるのか?」
アルツ君:「おお、いいぞ。店ごと買っちゃえ!!」
今は、インフルエンザも落ち着いたということでしょうか…。
防火扉は閉まっていません。
防火扉が開いて開放的になった渡り廊下を歩いて、アルツ君とデイルームを目指します。
デイルームにはすでに入所者さんが大勢集まっていて、ホール係と化した職員さんたちが忙しそうにしています。
職員さん:「何をお飲みになりますか?」
職員さんがアルツ君にメニュー表を差し出します。
メニューには、コーヒー、紅茶の他にココア、カルピスや昆布茶も有るようです。
ホットにするか、冷たいのにするかも選択できるようになっています。
アルツ君:「そんなもん見なくたって、俺はコーヒーでいいよ。砂糖イッパイちょうだいよ。俺は甘いもん好きだからな!?」
職員さん:「では、あたたかいのにしますか?冷たいのにしますか?」
アルツ君:「コーヒーったらあったかいでしょ~。」
ヤッチもホットコーヒーを注文します。
すぐにアルツ君のもとに、コーヒーが届きます。
スティックシュガー2本にミルク、それにビスケットが3つ付いています。
高齢になると細いスティックシュガーは封を切るのも、意外に上手くできません。
ヤッチが特別に封を切ってやることに…。
ヤッチ:「このカップに砂糖2本は多いんじゃないの!?ひとつでいいんじゃないか?」
アルツ君:「そう言わずに、全部放り込めよ!!後で塩をなめるから。」
ヤッチ:「塩をなめたら、また砂糖をなめたくなるぞ~。」
アルツ君:「いいんだよ、いいから全部放り込め!!」
結局、2本のスティックシュガー全部投入です。
ヤッチ:「これじゃあ、コーヒーの味がしなくなっちゃうぞ~。」
アルツ君:「甘けりゃ、何だっていいんだよ。」
ヤッチ:「そのうち、朝起きたら、全身、アリだらけでまっ黒だな!?」
この日は、なぜか、ヤッチは入所者達からさんから、施設の職員さんと間違われます。
入所さんA:「ちょっと、わたしのココアまだ?」
ヤッチ:「申し訳ありません、すぐにお持ちします。すいませ~ん!!おかあさんのココアがまだだそうで~す!!」
職員さん:「はーい!!ただいま~!!」
あくまでもなごやかムードの中、『ホーム喫茶』が進行します。
アルツ君の腰かけているテーブルのひとつ向こうでは飲み物を飲み終えた入所者さんの集団が何やらもめています。
腰かけているのは全員女子…。
4名…。
聴こえてくるのは、代表格のお二人の会話です。
入所者さんB:「あら、奥さん、お財布引っ込めて~。今日はあたしが払うから。」
入所者さんC:「それじゃあ、悪いわよ。いつもお世話になっているんだから、私のほうこそ、払うわよ!!」
入所者さんB:「そんなわけ、行かないわよ!!私が!!」
入所者さんC:「私が!!」
入所者さんB:「私っ!!」
時々、街中の喫茶店で見かけるあき竹城集団とまったく変わりありません。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
もちろん、『ホーム喫茶』の場でお財布を出す必要はありません。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
入所者さんC:「何だか悪いわ~。それじゃあ、ワリカンにしましょうよ?」
入所者さんB::「そ~う~!!奥さんがそうおっしゃるならそうしましょっか!?」
入所者さんC:「…。」
入所者さんB:「…。」
腰かけている他の入所者さん:「…。」
急に全員無言になってしまいました。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
どうやら、ワリカンの計算をしているようです。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
でも、全部50円だから、計算する必要ないんですけどね!?
(; ̄ー ̄川 アセアセ
やがて入所者さんBが職員さんに声をかけます。
入所者さんB:「ちょっと、悪いんだけど、いくらになるか計算してくれる?」
職員さんが笑顔で答えます。
職員さん:「今日は、皆さん、お財布をしまってください。後で、僕が計算して、皆さんに請求しますから。」
入所者さんB:「じゃあ、頼んだわよ!?負けといてね!?」
ヤッチはこの光景がおかしくて、すっかりそっちに見入ってしまっていました。
気がつくと、アルツ君、不敵な笑いを浮かべながら、素知らぬ顔でヤッチのコーヒーまで飲んでしまっています。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
そして、またしても、ヤッチは施設の職員と勘違いされます。
少し遅れて、『ホーム喫茶』にいらした女性の入所者さんです。
車椅子を一人で押してきたようです。
入所者さんD:「そんなところに腰かけてないで、はやく仕事しなさいよ。」
ヤッチ:「申し訳ありません。すぐに仕事に入ります。」
またどこからか大きな声が聴こえてきます。
入所者さんE:「ねえ、ちょっと冷たい昆布茶もらえる?」
『冷たい昆布茶』って…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
さすがにメニューにはないでしょ!?
飲みたくねーーー!!!
入所者さん
さすがです…。
(; ̄ー ̄川 アセアセ
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