site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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高齢者虐待防止法05

2012/03/28 (水)  カテゴリー: キノコさん
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今朝、会社にいる姉から電話が入りました。

姉:「昨日のキノコさんとの面会について、どんな状況だったかを聞こうと高齢者相談センターに電話したんだけどさぁ…。係長さんが接客中かなにかで電話に出られないんだって。それでさ、私もこれから忙しくて、電話に出られなくなるから、電話応対した人に伝言をお願いしますって言っておいたから…。『弟に電話して昨日のことについて説明をお願いします。』っていう伝言だからさ。きちんと内容を聞いておいて!?」

間もなく高齢者相談センターの支援係長さんからヤッチの携帯に電話が入ります。

支援係長さん:「お姉さまから電話でご伝言をいただいて、弟さんに電話を差し上げたのですが…。昨日の午後3時ごろからお兄様に来ていただいて、お母様とお父様と面会をしていただきました…。」

ヤッチ、朝からかなり不機嫌です。

一昨日に面会をすることが有れば、ヤッチの携帯に直接電話をくれるとおっしゃっていたこの支援係長が、面会が昨日行われたことをヤッチに知らせていなかったからです。

事前に連絡してくれるようにお願いして、ヤッチはこの面会に同席せず、キノコさんの要望が有れば、馳せ参じる約束を取り付けていたのに、ヤッチに知らせることなく役所の勝手な都合で、キノコさんとの面会を開催していたのです。

さすがに大事な局面なのに、連絡なしは、怒ります。

ヤッチ:「すいませんが、話を伺う前に何で直接電話をするとおっしゃっていたのに、電話をくれなかったんですか?」

支援係長さん:「それは、面会の日にお兄様が『兄弟に一任されてきた』とおっしゃったからです。」

ヤッチ:「それは、つじつまが合わないな。もちろん、いつ行われるかわからない面会に備えて、代表で兄が行くという申し合わせはしていました。でも、そちらには、呼び出しが有れば、いつでも出向きますよということを直接あなたに申し上げましたよね?兄がそちらにお伺いする前に私に連絡が入るのが普通じゃないかな…。」

文字にすると迫力が有りませんが、この時のヤッチの電話の声は、さすがに虐待者と思わせる強い口調で、怒り爆発気味です。

支援係長さん:「たしかにお聞きしましたが、お兄様に一任されたということで、こちらはそのように理解していましたが…。」

ヤッチ:「だからさぁ…。いつ面会をやるのかが分からなければ、待機するということだって、不可能じゃないですかっ!」

支援係長さん:「それは、大変申し訳ありませんでした。」

ヤッチ:「あのさぁ…。申し訳ないで済む問題じゃないでしょっ!家族の一生の問題でもある大事な話し合いですよ。しかも、母の本心を聞き出すための面会だということもおっしゃってましたよね!それには虐待者である私が同席したのでは、母が本心を言いにくいのではないかと思い、私は席を外すと申し上げたのですよ。そちらに対する配慮だったということがどうしてわかっていただけないんですかっ!私だって、本当は同席したかったんですよっ!苦渋の選択をしたのですよっ!なぜそういうことが一つも分からないのですかっ!」

これまでできるだけ沈黙を保ってきたヤッチですが、ついに怒り爆発です。

支援係長さん:「それでは、申し上げますが、本来なら、防止法の13条の規定を読んでもらえば、わかると思いますが、虐待者に対して、面会を制限することも可能なのですよ。でも今回のケースを十分検討して、特別に同席をお願いしたんです。」

支援係長さんもかなりエキサイトした口調です。

ヤッチ:「それは、お宅らの勝手な都合でしょっ!あなたからそう言う提案を出して来たんじゃないですか!ならば、最初から俺に声をかけなきゃよかった話じゃないですか。でも実際に同席しろと言ってきたのはそっちですよ!ふざけるのはいい加減にしろよっ!」

支援係長さん:「別にふざけているつもりはありませんが…。」

ヤッチ:「あんたにはまったく信用無しだな!?こんな人に母が保護されていると思ったら母が可愛そうで仕方がないわッ!今までの話は、無かったことにして、もう一度母と面会させてください。」

支援係長さん:「無かったことにしてとは?…。」

ヤッチ:「今回の面会は無かったことにして、もう一度私に母と面会させてくれということだよっ!」

支援係長さん:「それはできません!」

ヤッチ:「なぜ?」

支援係長さん:「申し上げられないし、申し上げる必要が有りません!」

ヤッチ:「電話で話すのもさ、また言った言わないになるから、直接会って話をしようよ。」

支援係長さん:「それはできません。今日も予定が入っていますし、明日は地方に行くので不在です。早くてもお話しできるのは30日以降になります。」

ヤッチ:「それじゃあ。俺はこの話は聞かなかったことにするよっ?もちろん聞く耳持たないということじゃ無いよ。もうこれ以上あなたと話をしても無駄なようだ…。」


支援係長さん:「わかりました…。」

ブチッ…。

電話を先に切ったのはまぎれもなく支援係長…。

向こうもかなり感情的になっていた事の表れです。

だいたいの面会の内容はわかっていたし、予想がつくので支援係長の口から聞かなくても済んだ話なのですが、『連絡する』という基本的なことを省略されたことに憤りを覚えます。

やり取りは実際にはもっと長かったのですが、まあ、言った言わないのバトルなので割愛させていただきました。

長いこと電話をかけていたせいか、またもや左耳の聞こえ方が変…。

もうロシアンルーレットは御免なのですが、ちょいとまた聞こえが悪くなっています。

まあ、その分、ヤッチの電話の声が大きくなって、向こうにはプレッシャーになったかも!?

支援係長さんからの電話が終わると、携帯の着信履歴に姉からの番号が何件も入っています。

リダイヤルしようとした矢先に姉からまた電話が入ります。

姉:「あのさ。キノコさんが新しい施設に行く車の中でまた大暴れしてるらしいよ。」

ここからは、姉とキノコさんに同行していた相談センターの女性職員との電話でのやり取りです。

この女性職員、全く表情を変えないちょっとシャイなヤッチには苦手なタイプ。

ヤッチは彼女のことを陰で『能面女』と呼んでいます。

能面女の声からスタートです。

女性職員:「今、お母様が車の中で暴れていて、家に帰りたいと言うことを聞いてくれないんです。動く車から飛び降りようとしたりまでするんですよ。お姉さまどうしたら良いでしょうか?」

姉:「はあ!?なんでそんなこと私に聞くんですか?家に帰りたいと言ってるのなら、家に連れて行ってあげたらいいんじゃないですか?家には弟がいますから、家のカギは開けてくれると思いますよ。」

女性職員:「今、上司とも電話したのですが、弟さんは精神的にも落ち着いてらっしゃらない(ヤッチと支援係長とのバトルのこと)ようだし、虐待者でもあるので…。」

姉:「落ち着かないのはあんたでしょ!弟なら大丈夫!私が120%保証します!」

こう言って姉は電話を切ったようです。

これが、お昼を少し回ったころでしょうか?

時間は定かではありませんが、昼の2時近くだったと思います。

姉からまた電話が入ります。

完璧に会社での勤務態度の査定に響きそうな状態ですが…。

姉:「ママが脱走したらしいよ!今○○駅に向かってるらしいよ。支援係長がその駅で張ってキノコさんを捕まえようと待ち構えているから…。○○駅なら家の近くだから、家に戻ってくるかもしれないから、準備しておいてね!よろしく!」

中々キノコさんにしては大胆な行動に出たものです。

ヤッチもキノコさんが家に戻ってくるのではないか!?

高齢者相談センターの職員がどこかで家の近辺で張り込んでやしないか!?

玄関の戸を開け、周囲を見回します。

しばらくすると、玄関ではなく、裏のサッシの窓を叩く音が聞こえます。

ヤッチが玄関から外に出て、サッシの窓の方に確認に行きます。

そこに立っていたのはまぎれもなく、キノコさんです。

ヤッチ:「おかえりなさいませ。疲れたでしょ?早く家に入りな。」

キノコさん:「あいつらつけて来ていないかしら?」

ヤッチ:「つけて来ても、家に入ればこっちのもんだよ。入るようなことが有れば、建造物侵入で通報すればいいさ。」

キノコさん、かなり興奮気味です。

ヤッチ:「昼飯食べたのか?」

キノコさん:「食べた。食べた。あいつらのいる前でラーメン屋に入ってやったわ。」

かなり興奮気味ではありますが、キノコさんの話をまとめると以下のような具合になります。

まず、キノコさんが保護されていた施設に、高齢者相談センターの職員3人が新しい養護老人ホームに移送するため、車でキノコさんを迎えに来ます。

この中の一人が能面女で、後は男女一人づつ。

キノコさんは自動車に乗るように言われます。

キノコさん:「どこに行くの?」

職員:「これから生活していただく、新しい施設です。」

この時の心境はどうだったかはわかりませんが、キノコさんは自動車に乗ります。

車に乗っているうちに、以前見学に行った施設だと気づきます。

キノコさんは見学に行ったとき、その施設の印象を『いいけど、息子や娘の意見を聞かないと入るかどうかは決められない。』と言っているそうです。

移送先の養護老人ホーム(?)の入り口付近に到着です。

キノコさん:「ここに私は入るなんて言った覚えはないわよっ!帰らしてちょうだいっ!」

キノコさんが暴れ出します。

たぶん能面女から姉への電話はこの辺りかと…。

キノコさんの話では、あいつらに閉じ込められたと言っています。

自動車の窓を叩いて周囲の人に助けを求めたようです。

しかし、施設の入り口付近…。

おそらく認知症の人が騒いでいるのだろうくらいにしか思われなかったのかもしれません。

通行人は見て見ぬふり…。

汗だくになりながら、自動車から出ようと試みたそうですが、扉を開けてもらえなかったようです。

そうこうしているうちに、自動車の中にいた男性職員がトイレに行きたいと言い出したので、キノコさんも私も行きたいと言ったそうです。

施設の中のトイレを使用しようと施設の入り口に向かいます。

当然、能面女も一緒についてきます。

ちょっとした隙に、キノコさん走り出して逃げ出します。

まあ、年寄りの走る速度はタカが知れています。

職員が追いかけてきます。

でも、高齢者虐待防止法を意識しているのでしょう…。

キノコさんの身体をつかんだり、引き戻すようなことはできません。

ピッタリとキノコさんをボディーガードのようにつけ回します。

キノコさん、土地勘のないところでバス停を発見。

行き先がキノコさんの知っている駅だったので、これに乗り込みます。

職員は説得を続けながら、ボディーガードも続けます。

終点の駅に着き、今度はキノコさん、ラーメン屋に飛び込みます。

ボディーガードは店内に入らず、外で待機…。

この時、キノコさんは外にいるボディーガードに見えるように、食べたくもないラーメンを1本ずつすすったようです。

そして、店のお兄さんにタクシーを呼ぶように耳打ち…。

こんなエネルギーがキノコさんにもあったのだとヤッチもちとビックリです。

タクシーが店の前にピタリと着きます。

キノコさんが乗り込もうとするとボディーガードも乗り込もうとしたそうな…。

キノコさん:「この人たち、私をだまして施設に入れようとしているんです。運転手さんこの人たちを乗せないで!行き先は○○駅南口!」

『○○駅南口』を耳にしたボディガードは多分センターにいる支援係長に連絡したものと思われます。

センターからの方が○○駅南口は近く、支援係長が先回りできます。

支援係長がやはり先回りしたようです。

でも、キノコさん、○○駅には向かわず、自宅にタクシーで舞い戻ったというわけです。

まだ、キノコさんからの話だけですが、キノコさんは高齢者支援センターの人間に騙されたと言っています。

保護にアルツ家に職員が来た時も「二、三日お休みしましょう。」と連れ出したと言っています。

保護の時に、ヤッチに虐待が有ったと言っていないと…。

しかも、エスケープの途中に職員の一人に

『あなたはお金が無いんですよ。帰る家なんかないんですよ。犯罪者の家に帰るんですよ。』

と言われたそうな…。

とにかくお嬢様育ちのキノコさんにとって、『お金が無い』を強調されたのが相当腹立たしかったようです。

かなり興奮状態なので、この話が第三者が聞いてどうかは別として、息子としてはキノコさんの言っていることを信じてあげたいと思っています。

またしても、言った言わないの水掛け論が噴出しそうですが、今日の老人のエスケープはなかなかさすがです。

ちなみに、キノコさんの手首のあざが気になります…。

aza.jpg


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2012/03/28 | コメント (19) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

モンローかぶれの職人

2012/09/03 (月)  カテゴリー: お風呂
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

昨日、姉がアルツ君をキノコさんのアパートの部屋まで連れて来るかもしれないとお話しをしましたが、やっぱり来ちゃいました。(施設には許可をもらっています。)

(^^ゞ

姉からの電話がヤッチの携帯に入ります。

「あのさあ、今からパパとタクシーでママの部屋に向かうから!!あんたは今日は家に居るの?じゃあ、あと10分くらいでそっちに着くから!!じゃあね!!」

ブチッ!!

まだ何も答えてないのに電話を切られました…。

(-_-;)

電話を切る速度は多分電波より速いと思います…。

(-_-;)

ヤッチは自分の部屋に居ましたが、ほどなく大きな声が外から聞こえてきます。

同じ遺伝子を持つにぎやかコンビのお出ましです。

姉:「ここが○○ちゃん(ヤッチ)の部屋だよ。ママの部屋のすぐそばでしょ?覗いて行く?」

アルツ君:「俺は男の部屋には興味はないね。なんだこのトマトは?下手くそに育ててやがるな!!」

前回アルツ君がキノコさんの部屋に来た時も同じような会話をしていたような気がします。

(-_-;)

[関連記事:ウチくる!?]

ヤッチの名誉のためにお断りしておきますが、ヤッチがベランダで育てているトマトはもう収穫が終わって実は付いていません。

もう一度秋の涼しい時期に収穫できないかと、脇枝を出させ、株を捨てずにとってあります。

姉:「ママの部屋はこの奥だから、早く行こう!!」

こうなってくると、ヤッチもキノコさんの部屋に顔を出さなくてはいけなくなってきます。

自分の部屋のドアを開け、キノコさんの部屋まで歩いて行きます。

キノコさんの部屋をノックすると『開いてま~す』とキノコさんの声が…。

ドアを開けると、キノコさんが普段腰かけている椅子にアルツ君がちゃっかり腰かけています。

アルツ君:「なんだ、お前?どっから来たんだ?」

ヤッチ:「自分の部屋からだよ。」

アルツ君:「へー。自分の部屋があるのか?俺はまた(タクシーの)トランクから出て来たのかと思ったぞ!?」

ヤッチ:「なんで俺がトランクから出て来なきゃいけないんだよ。それじゃあまるでストーカーじゃないか。」

アルツ君:「ふん!!そんなのわかるもんか。」

姉:「桃が有るんだけど食べる?」

アルツ君:「へえー、そんなものが有るのか?俺は果物は何だって食べるぞ。」

基本、雑食です…。

姉が桃の皮を剥き、小さく切り分け、桃の載ったお皿をアルツ君の前に差し出します。

アルツ君が一口頬張ります。

アルツ君:「桃なんて食べるの何十年ぶりだろ!?これは美味いなぁ~。お前(キノコさん)はいつもこんな美味いもん食ってるのか?」

キノコさん:「なんでえー?これはあんたの娘が持ってきたんじゃない。私はいつも質素ですよ。あんたみたいに食いしん坊じゃないんだから!」

アルツ君:「ふん、わかるもんか。男を連れ込んで、美味いもんばっか食ってるんでしょ?」

キノコさん:「なんで!!またその話?いつ私が男を連れ込んだって言うの?どこにも居ないじゃない!!」

冗談の通じないキノコさんは顔が真っ赤です。

(*`д´)

アルツ君:「そうやって怒るところが怪しいってんだよ。だいたい、お前は俺が来る時ぐらい、口紅の一つも塗っておきゃあいいんだよ。」

キノコさん:「だって、あんたが突然来るって言うんだもの…。それに八十過ぎのばあさんが今さら口紅塗るのも変でしょ?」

アルツ君:「へー。お前、そんなに歳を取ったのか?クソババアだな!?」

キノコさん:「まあ!!あんただってクソジジイじゃない!!」

姉:「まあーまあーまあー!!こんなところで喧嘩したってしようがないじゃない!!仲良くしなさいっ!!」

アルツ君:「あいつが男を連れ込むからだよ…。」

姉:「何回教えても学習しないねえー。まあそんなことはどうでもいいから、パパ、お風呂に入る?」

うっ…!!

何だか不吉な予感…。

(;一_一)

アルツ君が入ると言えば、多分、ヤッチがお風呂介助…。

(;一_一)

バレンタインデーに好きな子が下駄箱の前をウロウロしている時の、あのドキドキ感に似ています…。

(;一_一)

ヤッチ:「今日はちょっと涼しいから入らなくてもいいんじゃない!?」

アルツ君:「入りますよ。俺は風呂が好きだからな。」

即答であリンス…。

(;一_一)

姉:「そう思って、パパの着替えを持ってきたんだぁ!!」

まさに姉の計画的犯行…。

(;一_一)

姉:「○○ちゃん(ヤッチ)に入れてもらうんだから、ちゃんと洋服脱ぐのよ。」

ますます形勢不利であります…。

(;一_一)

ヤッチ:「ここの風呂は狭いから入るの無理なんじゃないかなぁー。」

アルツ君:「狭くたって、風呂は風呂だろ!?」

うーん…。

せんせい…、具合が悪いので保健室に…。

(;一_一)

というより、アルツ君、すでに紙パンツ一丁…。

(;一_一)

ヤッチ:「やる気満々なのはいいけど、まだお湯入れてないぞ?」

アルツ君:「じゃあ、さっさと入れろよ。特急列車で頼むぞ。」

ヤッチは渋々キノコさんの部屋のお風呂にお湯を貯めます…。

姉:「これ持ってきたから、これを浴槽の中に半分ぐらい入れて。」

なにやら小さなシャンプーのような容器を渡されました。

姉:「そうそう、それの中身を半分くらい浴槽に入れっちゃって!?」

ヤッチ:「何これ?」

姉:「入れればわかるって!!」

姉の言われるままに液体を投入です。

オブザーバー的存在だったはずが、いつの間にか下僕にされているような…。

(;一_一)

アルツ君も一緒にお風呂を覗き込みます。

「ああっ!!泡が立ってるぞ!!ははーん、マリリン・モンローだ!!」

どうやら姉がヤッチに渡した物は泡風呂の素だったようです。

アルツ君:「俺がここに入るのか?かっー!!色が無くなっちゃうぞ!?」

姉:「無くなったていいじゃない!?キレイになるよ!!」

アルツ君:「かっー!!洗濯風呂だな!?洗濯風呂…。」

姉:「そうだよ!!お風呂の中で洗ったっていいし、普段自分でよく洗ってやしないんだから、綺麗に洗ってもらえ!!キレイに…。」

『もらえ』とはやっぱりヤッチに関連する言葉なんですよね…!?

(;一_一)

アルツ君:「こんな風呂に入るのか!?何時間入っててもいいな!?コイコイ!!」

ヤッチ:「じゃあ。死ぬまでにするか?」

家族のテンションに一人置いてけぼり食った感は否めません…。

(;一_一)

アルツ君:「地獄でも天国でもいいや!!もう貯まったんじゃないか?入れるぞ!!」

ヤッチ:「入る前にシャワーで身体を流すんだよ。」

アルツ君:「飛び込んじゃったっていいじゃないか!?まあいいや、さっさと洗え!!」

アルツ君はすでに全裸の状態…。

完璧に今日は敗北です…。

(;一_一)

ヤッチは裸足になり、風呂場に入ったアルツ君に続きます。

お風呂に椅子に腰かけているアルツ君の身体をシャワーで軽く流します。

敗北ついでに妙案を思いつきました…。

(●`w´●)ニァ・・

アルツ君を立たせます。

ヤッチは自分の手にボディーソプをしこたま塗りたくります。

(●`w´●)ニァ・・

ボディーソープを泡立てます…。

(●`w´●)ニァ・・

そして…。

(●`w´●)ニァ・・

アルツ君のお尻の穴目がけて、思いっきり手の甲を差し入れます。

手の甲をやっていうほど、グラインド&スウィングです。

(●`w´●)ニァ・・

アルツ君が歓喜の悲鳴を上げちゃってます。

アルツ君:「あっ、は~ん!!うっ、ふ~ん!!」

アルツ君:「お前!!そんなにこすったら壊れちゃうよっ!!」

ヤッチの逆転勝ちです…。

( ̄ー+ ̄)ドヤ・・

あんまり揉みしだくのも可愛そうなので湯船に入れてあげることに…。

以前住んでいた家のお風呂よりちょっと小さいので、アルツ君の足を折りたたむのに苦労しましたが、何とか湯船に放り込むことができました。

ヤッチ:「息しなくなるまで出て来なくていいから!!」

アルツ君:「嫌だっ!!」

なんだかんだ言って、アルツ君ご満悦です…。

bath01.jpg
ピンボケで~す


けっこうな時間、お風呂を満喫したアルツ君、身体を拭き終ると(拭いたのはヤッチですが…)変なことを言い出します。

アルツ君:「香水はつけなくてもいいのか?」

姉:「何?マリリン・モンローだから?シャネルの5番なら有るわよ!!つけてあげようか?」

アルツ君:「冗談ですよ。あんな臭いもんはつけない方がいい!!」

すでにテーブルの上に梨が用意されています。

ヤッチ:「そんなに食わせたら、夜中に施設の辺りは水害に遭うぞ。」

アルツ君:「心配無いって!!泳げばいいだけなんだから…。」

キノコさん:「どうしてそんだけトンチがきくのに、何でもすぐ忘れちゃうの?」

アルツ君:「そんなこと、わかるわけないだろっ。あんまりなんでもかんでも覚えておくと、病気になるぞ!?」

キノコさん:「まあ!!私に男が居るだなんて言ったりして…。変なことは覚えているんだからっ!!」

アルツ君:「まあまあ、その話しは、無し(梨)だっ!!」

ちょっと寒いジョークもほんわかムードのフォローを受けています。

この後、しばらく談笑は続き、アルツ君が施設に帰る時間がやってきました。

姉:「パパ、そろそろ帰る時間だよ。断ってないから夕飯に間に合わなくなっちゃう…。」

アルツ君:「ああ、わかった…。おい、ばあさん!!今度俺が来る時は香水(幸水)つけておけよっ!!」

姉がタクシーを呼び、ほどなくアパート前に到着です。

タクシーが停まっている道路まではほんの少しだけ距離があります。

少し湯疲れしているのかアルツ君、よろめきながら歩いています。

ヤッチ:「大丈夫かぁ?フラフラしてるぞ?」

アルツ君:「大丈夫だよっ!!モンロー・ウォークなんだからっ!!」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2012/09/03 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

空を飛ぶ職人

2012/09/17 (月)  カテゴリー: お風呂
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

アルツ君ですが、キノコさんの誕生日の日(9月15日)には、外食したものの、特養でキノコさんのケーキをいっぱい食べてしまって、結局頼んだものをほとんど食べられずにギブです。

子供がご飯の前にジュースをがぶ飲みして、ご飯を食べられないのと同じです。

しかも、昨日の朝に転倒して肩を打ったと施設から連絡が入り、ヒヤリとする場面も…。

幸い大事には至らず、医者にも行かず、湿布も貼らずに事なきを得たようですが…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

まあ、興奮気味だったなので、はしゃぎ過ぎて疲れていたのかもしれません。

でも…。

アルツ家の長女である姉はそんなことでは許してはくれません。

昨日もアルツ君をキノコさんのいるアパートに連れて来るというのです。

イベント盛りだくさんで年寄りをひきづり回して大丈夫なのかという状態ですが、そんなことは姉にはお構いなしのようです…。

(-_-;)

この日はヤッチには連絡は入らず、キノコさんに姉から連絡が入ったようで、アルツ君を昼過ぎに特養から連れて来るとの事…。

昼の2時半頃にヤッチの部屋のインターホンが鳴ります。

カギを開けると、ドアの前に立っているのは、アルツ君です。

姉に腕を抱えられています。

アルツ君:「お前、こんなところに住んでるのか?」

ヤッチ:「こんなところって、この間も来たんだろ?タクシーで来たのか?」

アルツ君:「ああ、どうもそうらしいな…。」

アルツ君がドア越しにヤッチの部屋を覗き込みます。

クンックンッ!!

鼻をヒクヒクさせ、怪しげな表情…。

???

アルツ君:「どうやら、女はいないみたいだな…」

そう言い放ち、背中を向け、キノコさんの部屋の方に歩き出しました。

ヤッチも部屋を出て、姉に抱えられたアルツ君の後に続きます。

アルツ君がキノコさんの部屋で大声を上げます。

アルツ君:「おーい!!ばあさ~ん!!いるのかッ?」

ちょっと間が空き、キノコさんの部屋のドアが開きます。

アルツ君:「亭主が来るっていうのに、カギくらい開けとけよ!!」

キノコさん:「そんなに大きな声を出さないでよ。みっともないじゃない。」

アルツ君:「ミットもないも、グローブもないもあるかッ!!中に入れろよ。」

キノコさん:「はいはい。肩は大丈夫?」

アルツ君:「肩?肩はあるぞ!?」

キノコさん:「痛くないかって聞いてるのッ。」

アルツ君:「何にもしてないのに、痛いもへったくれもあるかよ。おかしなこと言ってやがるなー!!」

キノコさん:「おかしいのはどっちよ。」

あるつくん:「俺はおかしくないから、やっぱりお前だ!!」

アルツ君、朝に転倒したことをすっかり覚えていないようです。

(^^ゞ

すでにキノコさんの部屋の食卓にはアルツ君の好物が並んでいます。

ブドウ、梨、ボタモチ…。

早速、アルツ君がその中の飛び切りを発見します。

アルツ君:「かぁー。ボタモチがあるじゃんかよ。お前、いつもこんな贅沢なもん食ってるのか?」

キノコさん:「なんで~。あんたが来るって言ってたから、あんたのために買って来たんじゃない。」

アルツ君:「そっかよ。それはすまん、すまん。で、食べていいのか?」

キノコさん:「どうぞ、召し上がれ。」

アルツ君が速攻パクつきはじめます。

アルツ君がボタモチを食べているときに、姉がアルツ君に質問します。

姉:「パパ、今日はママの部屋でお風呂に入って行くの?」

ヤッチ的には、聞いてはいけない一言です。

(-_-;)

アルツ君:「入りますよん。それはそうとばあさん、お前はこんな狭いところに住んでたのか?」

キノコさん:「なんで~。この間も来たでしょ?」

アルツ君:「そうだっけ…。来たことあったかなぁ…。」

もう、お決まりのパターンなので、定型文として辞書登録したいくらいです…。

(-_-;)

キノコさん:「この間もお風呂に入って行ったでしょ?」

アルツ君:「まあ、あんまり細かいこと言わんでもいい。来なかったことにしておけ。その方が新鮮でいいだろ!?」

確かにおっしゃるとおりであります。

(^^ゞ

結局、姉の一言でお風呂に入ることに決定です。

当然、介助はヤッチなわけで、アルツ君の身体を一通り洗い、湯船に沈めます。

アルツ君の特養ではアルツ君は一般浴です。

全介助でお風呂に入るわけではないので、多分いい加減に身体を洗い、いい加減に湯船に浸かっていると思われます。

時間も限られているので長風呂もできないんじゃないかと思います。

ヤッチのフィンガーテクにすっかり逝かされてしまったアルツ君、お風呂でうたた寝をはじめます。

ヤッチ:「熟睡するなよ。土左衛門になるぞ。」

アルツ君:「土左衛門はやだなぁ…。土掘ってきて、埋めちゃえ!!」

ヤッチ:「埋めてもいいけど、土葬じゃ俺がおナワになるからな…。ガソリン浴びるかあ?」

アルツ君:「嫌だッ!!」

少し、長湯をしたアルツ君…。

お風呂から上がってキノコさんのベッドで横になってしまいました。

Zzz…

あまり、グッスリ寝かせてしまうと帰りが大変になりそうなので、15分くらい寝かせたところでアルツ君を起こします。

姉:「パパ、起きて。あんまり寝ちゃうと帰れなくなっちゃうよ。」

アルツ君:「う、うん…。もう朝か?」

姉:「何言ってるのよ!!キノコさんの家だよ!!」

アルツ君:「あれ!?なんで俺はここに居るんだ!?空を飛んできたのか?」

すっかり、寝ぼけているのか、ちょっと前の記憶が飛んでいるのか、かなり混乱しているご様子…。

姉:「何、寝ぼけてるのよ。タクシー呼ぶけど、道路まで歩ける?」

アルツ君:「タクシーでどこに行くんだ?」

姉:「パパのいるところ(特養)よ。」

アルツ君:「そっかぁ…。空を飛んだ方が早いんじゃないのかぁ…???」

姉:「空を飛んでなんか帰れないでしょ?タクシーで帰るのよ!!」

アルツ君:「そんなことないさぁ…。屋根に乗っかって行けばいいじゃん!?」

そんなことするんだったら、タクシーの座席に座って行けばいいんじゃん…。(byヤッチ)

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2012/09/17 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

食事摂取 ~ 入院26日目から29日目

2014/12/24 (水)  カテゴリー: 脳梗塞
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・入院26日目 ~ 12月20日(土)

2014年12月20日のアルツ君

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

アルツ君が脳梗塞で入院してから、26日目になりました。

キノコさんがアルツ君の食欲のないことを心配して、ヤッチと一緒に面会に行くことになりました。

午前中は小雨だった天気も午後から大雨に…。

午後4時ごろです。

ヤッチは部屋へキノコさんを迎えに行き、そこからタクシー会社に電話でタクシーを呼びます。

うん…。

中々つながりません…。

繋がっても、自動音声に切り替わり、やがて保留音、そしてその後、電話が切れてしまいます。

何度も粘って、同じことをしますが繋がりません。

別のタクシー会社に電話することに…。

今度はオペレーターがすぐに応答します。

ヤッチは住所を告げます。

オペレーター:「大変申し訳ありません。今日はそちらの地区には一車も配車できない状況なんです。」

すぐに電話を切られてしまいました。

もう一度最初に電話したタクシー会社へかけ直します。

このタクシー会社には部屋の住所を登録してあるので、オペレーターに『一車、お願いしたいんですけど?』と言えば、自動音声に切り替わり、『○○分後に、黒色の1234の番号のタクシーがお迎えに上がります。』という音声が流れ、だいだいその時間通りに部屋の前にタクシーがやってきます。

今度はすぐにオペレーターが電話に出ました。

オペレーター:「○○さん(ヤッチの名前)ですね?15分後にお迎えに上がるよう、そちらに一車向かってますよ。」

ヤッチ:「あれ?さっきは電話が切れちゃったのに…。」

オペレーター:「いえ、そちらにお伺いすることになっています。」

ヤッチ:「おっと。ダブルブッキングにならなくてよかった~。了解です。ありがとうございます。」

もう、タクシーが来るまでの15分間のうち、何分かは経過しています。

部屋の外に出ると、すぐにタクシーがやってきました。

ヤッチ:「K病院までお願いします。」

ドライバー:「わかりました。」

ヤッチ:「なんか、今日はお忙しいみたいですね?電話が全然繋がりませんでしたよ…。」

ドライバー:「クリスマス前の最後の土曜日でしょ。それにこの雨だから…。道路もものすごく混んでますよ。」

こっちは、アルツ君の18時の夕食の前に到着すればよいので、特に急いでいるわけではありません。

余裕を持って出て来ています。

こっちが何も知らないと思って、あえて渋滞の道路を走るつもりだな?とピンときたヤッチは、ドライバーに裏道を指示します。

ヤッチが『そこを右に曲がってください。』、『そこの一通、ちょっと狭いですけど、そこに入って下さい。』など、色々と指示しているうちに、ドライバーがつぶやきます。

ドライバー:「ここ、いったいどこなんですか?」

ヤッチ:「病院に向かっている道で、ブラジルじゃあないことは確かです。」

日頃の自転車通院で、色々と近道を探しながら走っていた事が役に立ちました。

ドライバー:「…。」

嫌~~な客をドライバーはK病院で降ろします。

K病院のスロープを使って、キノコさんとヤッチはK病院の中へ入り、アルツ君の病室へと向かいます。

病室に入ると、アルツ君、看護師さんと何か話していたようです。

看護師さんがアルツ君に何かをおっしゃっています。

看護師さん:「ほーら!奥さん、いらっしゃったじゃないですか~。」

キノコさんがアルツ君のベッドの方にちょこんと顔を出します。

アルツ君、すでに『ケンケン泣き』です。

キノコさん:「なーに、泣いているの?」

アルツ君:「うるさいっ。」

キノコさん:「まあ、失礼ね~。せっかく会いに来たのに…。」

アルツ君:「俺は、もう寝ちゃうの…。」

本当はうれしくて仕方ないくせに、有りがちな意思表示です。

ヤッチは丸椅子を用意し、キノコさんをアルツ君のそばに座らせます。

キノコさんはアルツ君の手を握りしめます。

アルツ君:「あああ。お前の手、冷たいよ…。」

キノコさん:「外は寒かったんだもの、仕方ないわよ…。」

アルツ君:「どっから、お前来たんだ?」

キノコさん:「わたし?私は家から来たのよ…。」

アルツ君:「そっか、そっかぁ…。」

涙をボロボロこぼしちゃっています。

キノコさん:「もうすぐうちに帰れるんでしょ?」

アルツ君:「帰れっこないよ…。」

キノコさん:「どうして?」

アルツ君:「死んじゃうの…。」

キノコさん:「死んじゃう人が、私の手を『冷たい』なんて言わないでしょ。なに、弱音を吐いてるのよ。」

アルツ君:「そうじゃないよ…。お前の手は冷たいな…。」

アルツ君、毎度のことですがなかなかキノコさんと目を合わそうとしません。

うれしくて仕方がないのは表情からすぐにわかります。

口をポカンと開け、キノコさんの冷たい手ばかりを気にしています。

理由はわかりませんが、キノコさんをヤッチがどこかで拾ってきたと言っています。

会話の続きをYouTubeにアップしました。(音割れ多数)

ちょっと、アルツ君のケアの行き届いていない口ばかりがアップになるので、グロいかも?

また、キノコさんの右手の親指には大きな脂肪腫が…。

病院にて受診済みですが、手術で取ってしまうと、右手が当面使えなくなる可能性もあると言われています。

本人に痛みや不自由さが無いので、今のところ経過観察です。

これもヤッチは見慣れてしまっているので、何ともありませんが、ご覧になるとグロいかもしれません。

あらかじめご了承下さい。




動画をご覧になられた方はお分かりになると思いますが、アルツ君のしゃべり方も以前に比べると、ずいぶん呂律もよく回っていると思います。

入れ歯を入れれば、そこそこ聞き取れるではないでしょうか?

また、この雰囲気なら、このあと運ばれて来る食事も食べてくれそうな感じもすると思います。

『メシぐらい食わしてくれよ~。』、『まずいもんばっかり食わしてやがんの…。』などと、会話に関連性は有りませんが、食欲が有るようにも思えます。

でも、この後、食事が運ばれてくると一変…。

口を開けてくれません。

あれだけ口をだらしなく開けていたのにへの字口です。

スプーンで食事をアルツ君の口元に運ぶと、グッと唇に力を入れ、拒絶します。

食べさせようとすればするほど、かたくなになっていってしまいます。

小さな子供がデパートのおもちゃ売り場で、大の字になって、駄々をこねる風景に似ています。

ヤッチのアプローチが悪いのかと思い、席を外してキノコさんとアルツ君二人だけにして、キノコさんに食べさせてもらうことも試みましたが、キノコさんもお手上げ状態です…。

結局、スプーン3口ほど食べたさせましたが、すべて『まずい~。』と言ってしかめ面です。

最後の一口を飲み込んでもらったところで、疲れて眠ってしまいました。

・入院27日目 ~ 12月21日(日)


前日と同じくらいの時間にヤッチはアルツ君の病室に行きました。

姉は風邪で寝込んでしまっています。

病室に入ると、D子さんの姿が有りました。

D子さんは、姉の幼なじみで、姉とは大親友…。

姉の話によると、介護施設で働いている現役の看護師さん。

ヤッチとはいつお会いしたか覚えていないくらい久しぶりです。

たぶん、ヤッチが学生の頃、会っているはずなのに、なぜかその記憶がありません。

記憶として残っているのは、ヤッチがまだ幼稚園生くらいの頃の記憶…。

ヤッチのイメージでは、姉が男勝りの性格で、D子さんはおっとりした性格というまるで正反対な二人です。

面倒見のいいお姉さんという感じです。

やさしく、よくヤッチの目線になり、頭を撫でてくれたような淡い記憶が有ります。

とうにご結婚されて、姓もかわっているはずなのに、ヤッチの頭の中は未だに旧姓のままです。

アルツ君も、D子さんの話題をときどき口にするので、記憶がハッキリと有るようです。

まだ、アルツ君が店をやっている頃、D子さんにアルバイトをしていただいたこともあります。

D子さんは、アルツ君のベッドサイドに座っていました。

ヤッチも病室に入ると、すぐにD子さんとわかり、遠い記憶がよみがえります。

ひな祭りの頃になると、二人が姉の部屋にこもり、ヤッチを部屋に入れてくれてくれなかった記憶です。

きっと、お雛様の前で、女の子だけの遊びを繰り広げていたのだと思います。

部屋の外に聴こえてくる二人の楽しそうな笑い声だけが頭に残っています。

D子さん:「あら?」

ヤッチ:「どうも、ご無沙汰しています。」

D子さん:「今日は、実家に帰って来てるんで、おじさん(アルツ君)がここにいるって聞いたから、会いに来たの。」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。」

まだ、ほとんどD子さんと会話をしていないのに、アルツ君、『ケンケン泣き』です。

ヤッチ:「旦那さん、だってよ?誰だかわかるか?」

アルツ君:「わかるさよ~。D子ちゃんだろ…。ハヒヒヒ…。ありがと、ありがと…。ハヒヒヒ…。」

D子さん:「すごーい。覚えていてくれたんだ~。」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。」

D子さん:「おじさんのところで、シクラメンを売ったり、笹の葉を売ったことあるもんね。あの時は楽しかった~。」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。ありがと…。ハヒヒヒ…。」

D子さん、今は実家を離れて、別の場所で生活していますが、実家を建て直しするそうで、その関係も有って、こちらに休みを利用して帰って来ていたようです。

確か、ご実家にはアルツ君、キノコさんと同じ歳のお母様もいらっしゃると伺っています。

本当は久しぶりに姉と会う約束をしていたらしいのですが、姉が風邪でダウン…。

姉の代わりと言っては大変失礼ですが、貴重な時間を割いてアルツ君に会いに来てくれました。

D子さん:「今度ね、実家を建て直すのよ。」

アルツ君:「へー。」

D子さん:「お宅の○○(姉のこと)は今から、家の設計について、あーしな、こーしなって言ってきているのよ。」

アルツ君:「そうか…。あいつ、そんな生意気なこと言ってやがるのか…。」

ヤッチ:「そうだ、旦那さん、新しい家ができたら、庭をみてあげたら。」

アルツ君:「もうできっこないよ…。ハヒヒヒヒ…。」

ヤッチ:「まだ、若いんだろ?38じゃなかったのか?」

D子さん:「あれ?86じゃなかった?うちもお宅もみ~んな辰年じゃなかった?」

この後もしばらく、色々な会話を楽しみました。

普段、閉じているアルツ君の目もこの日は開いていました。

アルツ君は、泣いたり笑ったりを交互に繰り返しています。

おしゃべりをしていると、食事が運ばれてきます。

今日はD子さんが、食事の介助をしてくれるようです。

D子さん:「じゃあ、最初にまずお茶を飲もうか?」

D子さんはとろみのついた吸い飲みのお茶をアルツ君の口に持って行きます。

ヤッチがこれをやると、アルツ君、いつも『まず~い。』と言って、一口しか飲んでくれません。

しかし、D子さんが飲ますとどうでしょう…。

アルツ君、喉をゴクゴク言わせちゃってます。

ヤッチ:「あれ?喉が鳴ってるね?」

アルツ君:「D子ちゃんのお茶は美味いからな~。」

D子さん:「これは美味しいかなぁ?」

D子さんは、アルツ君の口に夕食のおかずを運びます。

アルツ君の食事はペースト状になっているので、肉なのか、魚なのか、全く元の形状がわかりません。

アルツ君は大きく口を開けます。

アルツ君:「みんな美味しいよ。」

まだ、お茶と今の一口だけなんですけどね…。

D子さん:「ゴックンって飲んで?」

アルツ君が口の中のものを飲み込みます。

アルツ君の喉からハッキリと『ゴックン』という音が聴こえてきます。

今まで、たぶんこんなにしっかり音が聴こえてきたことは有りません。

D子さんがアルツ君の口へ何口か運びましたが、すべて『ゴックン』です。

そこへ、K病院の看護師さんがアルツ君の薬を持ってきます。

看護師さん:「お願いしてもよろしいでしょうか?」

ヤッチ:「はい。」

D子さん:「いつも薬はどうやって飲んでもらってるの?」

ヤッチ:「まだ、水で飲むのが無理なんで…。というか、試したこともありません。」

D子さん:「あ、そうなんだ。じゃあ、おじさん、同じものばかりじゃ、飽きちゃうから、違うのも食べようか?おじさん、甘いものは好き?」

アルツ君:「嫌いじゃないな~。」

D子さんは、グレープ味のプリンを見つけ、フタを開けます。

D子さん:「こういう味って、おじさん好きなのかな?」

ヤッチ:「今まで、かぼちゃ味のプリンは出たことは有るけど、グレープ味は、俺もはじめてだなぁ。元々かぼちゃは好きなはずなんだけど、かぼちゃ味のプリンはいつも食べてくれないんですよね~。」

D子さん:「じゃあ、ちょっと食べてみようか?」

そう言って、アルツ君の口に運びます。

D子さん:「おいしい?」

アルツ君:「うん。」

アルツ君、グレープ味のプリン、全部完食です。

ヤッチ:「グレープ味のプリンなんて、ちょっと想像つかないけど、全部食べましたね?」

D子さん:「かぼちゃとかって、臭いが無いでしょ?でも、こういう時は、臭いのきつい、インパクトのある物の方が食欲をそそるのよ。」

ヤッチ:「なるほど…。」

アルツ君、そろそろ疲れてきたようで、寝落ちしそうな気配です。

D子さん:「けっこう、食べるだけで疲れるみたいね。お薬を飲もうか?」

D子さんはスプーンにヨーグルトを取り、その上に錠剤の薬と抑肝散(アルツ君の服用薬~顆粒)を半分くらい載せます。

D子さん:「こういう顆粒状の物って飲みにくいのよね~。上手く飲めるかな?」

D子さんはアルツ君の口の中に薬の載ったヨーグルトを入れます。

アルツ君:「まずい~。」

アルツ君もさすがに『美味しい。』とは言いません。

D子さん:「じゃあ、お茶で口の中の苦いのを消そうか?」

D子さん、同じことを何回か繰り返し、アルツ君の薬も全部飲ませてくれました。

アルツ君を見ていると、まるで迷子の子供のようです。

案内所で、お母さんを待つ間、やさしい迷子係のお姉さんにジュースを飲ませてもらっているかのようです。

ヤッチの頭の中では、嫉妬と安堵がスクワットしています。

嫉妬については、説明するまでも有りませんが、安堵については、アルツ君が退院して施設に戻った場合、もしかすると、出された食事をモリモリと食べてくれるかもしれないという希望にも似た安堵感です。

薬を飲み終えた後、アルツ君は眠ってしまいました。

完食というわけにはいきませんでしたけど、ここ数日間で、一番食べてくれた方ではないでしょうか。

D子さんに感謝です。

D子さん:「また、あっち(施設)に帰ったら、遊びに行くね。」

アルツ君が寝ぼけ眼で答えます。

アルツ君:「うん…。ありがと…。ハヒヒヒ…。」

・入院28日目 ~ 12月22日(月)

病室に着くと、アルツ君ウトウトしていたみたいですが、ヤッチの姿が視界に入ったようです。

アルツ君:「ハヒヒヒ。」

いきなりの『ケンケン泣き』です。

ヤッチ:「なに?どうした?」

アルツ君:「ハヒヒヒ…。」

ヤッチは上着を脱ぎ、アルツ君のベッドの背もたれを少し上げます。

ヤッチ:「今日は旦那さんにうれしい知らせを持って来たよ。24日の水曜日にうちに帰れるってよ。」

この日、姉から電話があり、特養とK病院と上手く話し合いがつき、アルツ君の退院が決まったとの連絡が有りました。

アルツ君:「ハヒヒヒ…。ウソをつけ…。」

ヤッチ:「なんで、ウソつかなくちゃならないんだ?」

アルツ君:「もう、俺は死んじゃうの…。」

ヤッチ:「死んじゃう奴がここを追っ払われるわけないだろ?」

アルツ君:「そんなの、わかるもんかい。死んじゃうの…。」

ヤッチ:「さては『死んじゃう病』だな?『死んじゃう病』の患者を医者は診てくれませんよ~。」

アルツ君:「死んじゃうんだから、診てくれなくてもいい…。」

ヤッチ:「でも、ホントにうちに帰れるんだぜ。」

アルツ君:「ウソだ…。」

あえて、『病院を退院』と言わずに、『うちへ帰る』という言葉を選んで使っています。

『うち』は『きのこさんのいる場所』かもしれないし、『施設(特別養護老人ホーム)』かもしれないので、どう感じるかは本人次第です。

ヤッチ:「どうして『ウソだ』って言うんだろうな…。ひょっとして俺のことを信用していない?」

アルツ君はすぐさまコクリと首を縦に振ります。

ヤッチ:「『死んじゃう』のも結構だけど、『殺される』っていうのも覚悟しておいた方がいいぜ…。」

ヤッチはアルツ君の首に軽く両手を添えます。

ヤッチ:「あのさ…。自分で死ぬのと、殺されるのと、どっちがいい?」

アルツ君:「どっちもやだ!バカっ。」

ヤッチ:「今さ、『どっちもやだ。』って言ったよな?」

アルツ君:「うん。」

ヤッチ:「っていうことは、『死にたくない』っていうことだぜ?」

アルツ君:「お前に殺されるなら、死んだ方がマシだ!」

すこし、アルツ君のテンションが戻りました。

少し、暗い表情がアルツ君から消えましたが、『死ぬ』ばかりを会話の中で口にします。

まあ、施設に戻れば、いつものアルツ君に戻るでしょう。(希望)

ちなみにこの日もアルツ君、食事をほとんど口にしてくれませんでした。

・入院29日目 ~ 12月23日(火)

アルツ君の退院が、12月24日水曜日の午前中に、正式に決定しました。

病院から姉のところに連絡が行き、『24日の午前中に(アルツ君の)着替えを持って、お迎えにいらして下さい。』と具体的な時刻が決まりました。

この知らせを持って、夕方、ヤッチはアルツ君のところに食事介助に出かけて来ました。

食事の前に、覚醒してくれないアルツ君に話し掛けます。

ヤッチ:「明日、午前中に迎えに来るからな。うちに帰れるってよ。」

アルツ君:「ウソをつけ。そう言って、みんなで寄って集って、俺をだまそうとしてるんだろ…。」

ヤッチ:「失礼なやつだな…。だましてやってもいいけど、旦那さんの場合、だますメリットが無いじゃないかよ。」

アルツ君:「そうだよ…。どうせ死んじゃうんだから…。」

ヤッチ:「また、そっちかよ。旦那さんは面倒なことと、面倒じゃないことだったら、どっちを選ぶ?」

アルツ君:「わかんない…。」

ヤッチ:「『わかんない。』はダメ。あえて言うならどっち?」

アルツ君:「わかんない…。」

アルツ君:「面倒じゃない方がいいだろ?」

アルツ君:「そうだな。」

ヤッチ:「『死ぬ』ことを考えると、あれやこれやと思い悩んだり、考えたりしなきゃならないだろ?」

アルツ君:「ん…。」

ヤッチ:「でもさ、『実は俺、生きようと思ってるんだよ…。』って、悩みを打ち明けるやつ、いないよな?」

アルツ君:「ふん…。」

ヤッチ:「だったら、生きてる方が面倒臭くなくていいんじゃないか?」

アルツ君:「お前の話は難しすぎてわからん!のど渇いちゃったよ。」

ヤッチ:「もう死ぬんだから、飲まなくてもいいんじゃないか?」

アルツ君:「うるさいっ。」

ちょっと機嫌が戻りました。

ヤッチは吸い飲みのお茶をアルツ君の口へ持って行きます。

アルツ君、音を立てて、お茶を飲みます。

今さらですが、アルツ君、今まで水分不足だったんじゃないですかね…。

病院で満足に水分補給してもらえず、それで、体力も食欲も落ちてしまったのではないかと…。

抑制を掛けられるくらいの暴れん坊のアルツ君なら、看護師さんに気づいてもらい、『お茶でも飲みましょうか?』と言ってもらえるような気がします。

でも、今回の入院では、ずっと大人しく寝ていたアルツ君なので、ほったらかしされた可能性も有るんじゃないかと…。

結局、この日は、吸い飲みのお茶をほとんど飲んでしまい、食事をあまり食べてもらえませんでした。

アルツ君ですが、自分が脳梗塞で入院したことも、どこの病院に入院しているかもわかっていない様子です。

ヤッチも姉もキノコさんも、『良い悪い』は別にして、未だ本人の前で、『脳梗塞』という言葉を使っていません。

ただ、アルツ君、自分が病室にいる事だけはわかっていると思います。

ナースステーショーン前の病室に寝かされ、毎日のように、入れ替わり立ち替わり重篤な患者さんが運ばれてきます。

次の日はその患者さんのベッドが空いていることもあります。

ご家族がいらして、泣きながら患者さんの名前を呼びかけていることもあります。

そんな中にずっと寝かされていたら、やはり、アルツ君でなくとも、良好な精神状態は保てなくなると思います。

『違う』と説得すればするほど、どんどん変な方向に考えて行ってしまうような…。

ヤッチがアルツ君に『明日からここで寝なくていいんだよ。』と言うと、アルツ君、少し表情がやわらいだように見えました。




ひょっとして、アルツ君の言葉を理解できるのはヤッチだけ?

追記
本日12月24日水曜日、アルツ君ですが、K病院を退院し、特別養護老人ホームに戻ってきました。
姉に続いて、今度はキノコさんが風邪を引いてしまい、本来なら愛妻が待ち受ける特養になるはずだったのですが、それも叶わず…。
やっと一息と言いたいところですが、アルツ君の食事摂取が順調ではないままの退院ですので、まだまだ落ち着けそうにありません。
また特養に通うことになりそうです。
しばらく記事の更新が滞るかもしれませんので、どうかご容赦下さい。
まずは御報告まで!


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FC2スレッドテーマ : 認知症を介護する家族の悩み (ジャンル : 福祉・ボランティア

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2014/12/24 | コメント (4) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top
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