site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
このページに表示中の記事 (キーワード: イチョウ の検索結果  2 件)
 項目をクリックするとスクロールを省略できます。

御馳走を振る舞う職人

2012/10/20 (土)  カテゴリー: 下の話
▲ Page Top
こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

きのう、アルツ君のところへ面会に行ってきました。

途中、ボタモチを購入しようとスーパーマーケットに寄ったのですが、またしてもボタモチが置いてありませんでした。

(つд⊂)エーン

仕方がないので、セブン-イレブンでお抹茶ぷりんというのを買いました。

ヤッチもどんな味か知りたかったので二つ購入。

\(^o^)/

早速、施設に行き、アルツ君に食べてもらいます。

アルツ君:「うん。なかなか美味いな~。」

ヤッチ:「あんこが美味いのか?」

アルツ君:「あんこは美味いに決まってるけど、このあんこの下の方が美味いぞ。」

ヤッチ:「下の方っていうのは、抹茶のところか?」

アルツ君:「当たり前だろ。その下はプラスチックだぞ。」

ヤッチ:「すんません…。」

プリンというので、ちょっとどうかなと思ったのですが、口どけがよく、とてもなめらかです。

ヤッチ:「じゃあ、これを食べたら、いつものように外に散歩に行こう。」

アルツ君:「いつも散歩になんか行ってたっけ?」

ヤッチ:「そう思うなら、たまには散歩に行こう。」

アルツ君:「歩いて行くのか?」

ヤッチ:「歩く以外に何が有るって言うんだよ?じゃあ、走るか?」

アルツ君:「嫌だっ!!」

ヤッチ:「今日はどっちに行きたい?子どもがいる公園?それとも遊歩道?」

アルツ君:「それはそうと、最近ばあさん(キノコさん)はどうした?ちっとも顔を見せないぞ!?」

『また、その話しですかぁ…。』と言いたいところですが、こらえます。

ヤッチ:「昨日、何か美味しいものを食べなかったか?」

アルツ君:「美味しいもの…???ボタモチは昨日は食ってないぞ!?」

ヤッチ:「柿を食わなかったか?」

アルツ君:「そういえば、食ったような気がするなぁ…。」

ヤッチ:「施設では柿を出していないから、誰かが持ってきたのを食ったって事だよな?」

アルツ君:「郵便屋か?」

ヤッチ:「郵便屋がわざわざこの部屋まで来て、旦那さん(アルツ君)のために剥いてくれるか?」

アルツ君:「それもそうだよなぁ…。包丁持って来なきゃ剥けないもんなぁ…。」

ヤッチ:「そんなに郵便屋と仲いいわけないだろがっ!?誰か違う人が剥いてくれていると思うよ。」

アルツ君:「隣の客じゃないしなぁ…。」

ヤッチ:「ちょっと寒すぎるぞ。奥さん(キノコさん)の姿はそこに無かったか?」

アルツ君:「ばあさん!?ばあさんはいなかったぞ…。」

ヤッチ:「ああーあ。ばあさん、すっかり透明人間になっちゃったな!?かわいそうに…。」

アルツ君:「かわいそうなことなんてあるもんかっ。俺がいないのをいいことにどっかで羽根を伸ばしてるんだろっ。」

ヤッチ:「まあ、いいや。ばあさんは明後日(施設に)来るって言ってたぞ。」

アルツ君:「明後日来るって!?ホントかぁ…???あさって俺が居なかったらあいつどうするんだろうな…?」

ヤッチ:「居ないことはないと思うよ。居ないとすれば、旦那さんの前で、お坊さんが拝んでるな!?」

アルツ君:「縁起でもないこと言うなっ!!」

施設に行くたびに、必ずこの会話なので、記事を読まれている皆さんも飽き飽きして、もしやヤッチは同じことを何度も書いて、ちょっと危ないんじゃないかと思っている方も多いはず。

でも、ヤッチは、多分ですけど認知症ではないと思います。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

やっちのことはともかく、アルツ君の場合、すぐに忘れてしまうキノコさんが一番気になる存在であることだけは確かなようです。

一番に気になることが、気になるにも関わらず、すぐに忘れてしまうというのは、ホントに認知症というのは奥が深いというか、不思議なメカニズムです。

(-_-;)

ヤッチ:「奥さんは明後日必ず来るから、心配しないでもいいよ。今日は頑張って歩く練習しようよ。」

アルツ君:「しようがないな…。じゃあ、表に行くか。」

もう、気温も夏に比べると、だいぶ低くなっているので、遊歩道を歩いても、蚊に刺されることはないと思います。

まったく余談ですが、皆さんは『蚊に刺される』と言う時に、『蚊に刺される』と言いますか?

それとも、『蚊に噛まれる』と言いますか?

我が家では『蚊に噛まれる』って言うんですけど…。

(^^ゞ

地域によって表現が違うんですかねぇ…???

『そんなのどうでもいいよ』という答えが返って来そうなので、話を元に戻します。

結局、遊歩道をチョイス。

入り口付近には竹藪があって、中に入るとたくさんの木が植えられています。

おそらく、100mにも満たない距離かもしれませんが、施設の前にこんな環境が有るのは、なんとも幸運です。

アルツ君:「かっー!!ずいぶんいっぱい竹が出てやがるな。これは孟宗竹(もうそうちく)だな?」

ヤッチ:「釣竿にするか?」

アルツ君:「お前は何にも知らないんだな!?孟宗は釣竿にはならないんだぞ。釣竿にするなら、布袋竹(ほていちく)じゃないとダメなんだぞ。これだから素人は困るんだよなぁ…。」

アルツ君、植木職人の頃の記憶が蘇るのでしょうか?

この遊歩道に来ると、いつも饒舌になります。

ヤッチ:「あそこに紫式部が実を付けてるぞ!?」

yun_701.jpg
[拡大]

画像は借り物です。(Photo by (c)Tomo.Yun)

アルツ君:「ははーん、これはコムラサキだな。実が小っちゃいや。」

ヤッチ:「紫式部も種類が有るのか?」

アルツ君:「当たり前さよ~。実が小っちゃいのがコムラサキ、大きいのがオオムラサキってちゃんと決まっているんだぞ。」

ヤッチ:「へー。大したもんだ。よく覚えてるな。」

アルツ君:「当たり前さよ~。こいつは、冬に切り戻してやるんだけど、いっぱい切ると来年、実付きが悪くなるから、バッサリ短くしたら、ダメなんだぞ。」

ヤッチ:「アジサイなんかと一緒だな。もう少し歩いてみるか!?」

遊歩道の中をゆっくり進みます。

アルツ君:「ははー。あそこにでっかいイチョウの木も有るぞ。銀杏も落ちてるぞ。キジバトのやつ、あんなところで銀杏でも食ってやがるのか!?」

イチョウの木の下でキジバトが地面をつついています。

ヤッチ:「キジバトは銀杏なんて食うのかね?」

アルツ君:「どうかなぁ…。俺はナマじゃ食わないぞ。」

ヤッチ:「あそこにカエデの木も有るぞ!?」

アルツ君:「ははー、もうすぐ紅葉するな。昼と夜の寒暖の差が大きいほどきれいに赤くなるんだぞ。」

アルツ君、施設の中にいると、時々季節もわからなくなるのに、木を見て季節を感じているようです。

ヤッチ:「もう、夜はだいぶ寒くなって来たもんな。」

アルツ君:「それより何だか、いい香りがしてきたぞ!?」

ヤッチ:「誰かボタモチでも食ってるのかな?」

アルツ君:「お前は風情がないね~。これは金木犀(キンモクセイ)の香りじゃないか。どっかに金木犀が有るはずだぞ。」

遊歩道を抜けると、道路を挟んで農家の生け垣が有るのですが、その生け垣が金木犀であることにヤッチが先に気づきます。

ヤッチ:「あっ!!あそこの生け垣が金木犀なんだよ。生け垣に金木犀とはずいぶん贅沢だなぁ…。」

yun_11521.jpg
[拡大]


写メを撮る余裕がなかったのでこちらも借り物の画像です。(Photo by (c)Tomo.Yun)

アルツ君と遊歩道を抜け、金木犀の生け垣の方へ歩いて行きます。

アルツ君:「『金』はどこにでも有るけど、『銀』はなかなか無いんだよなぁ…。」

ヤッチ:「『銀木犀』っていうこと?」

アルツ君:「そうさよ~。銀木犀はこの辺じゃあんまりないんだぞ。」

ヤッチ:「へー、『銀』の方が希少価値が高いんだ?花の色は何色なんだい?」

アルツ君:「白だよ、白。『金』に比べると、香りはきつくないけど、珍しいんだぞ。」

ヤッチ:「そういえば、この生け垣には一本も『銀』は無いな。」

アルツ君:「そうだよ~。それだけ珍しいってことさ。」

終始ヤッチは聞き役に徹します。

ヤッチ:「今日は口も足も調子がいいようだな!?あそこの公園まで歩けるか?」

アルツ君:「何言ってるんだ。あんなとこ、すぐ着いちゃうぞ。あの子どもたちがいっぱい遊んでる公園だろ!?」

ヤッチ:「そう。大きな木が植わってる公園。」

アルツ君:「あのでかい木、お前、何の木か知ってるか?あれは欅(けやき)だぞ。」

子どもたちが遊ぶ公園には大きな欅の木が何本も生えています。

元々雑木林かなにかだったものを公園にしたのかもしれません。

夏場は、その欅のお蔭で、適度な木陰ができて、実によい環境です。

アルツ君の足取りもこの日は軽かったので、公園まで散策です。

公園には、欅の木を取り囲むように丸くベンチが設置されています。

ヤッチ:「あのベンチまで行って、少し休憩するか?」

アルツ君:「ああ、いいぞ。」

なんなく、ベンチに到着です。

アルツ君:「しかし…、この欅は随分古いな~。」

ヤッチ:「100年ぐらい経ってるかね?」

アルツ君:「どうかなぁ…。100年じゃ、きかないかもしれないな~。」

ヤッチ:「枝ぶりもいいよな?」

アルツ君:「そうだなぁ…。あれは赤目かな?白目かな?どっちだろうなぁ…。」

ヤッチ:「欅のこと?」

アルツ君:「そうだよ、欅だよ。欅には赤目と白目が有るんだ。」

ヤッチ:「種類が有るっていうこと?」

アルツ君:「種類かどうかはわからんけど、赤目と白目が有って、白目の方は青目って言ったりもするな。」

ヤッチ:「幹の肌の色が違うのかね?」

アルツ君:「そうじゃなくて、木の中。」

ヤッチ:「じゃあ、この欅を輪切りにしてみなくちゃわからんっていうこと?」

アルツ君:「そうさよ~。中が赤い方が、材木にしたときは高く売れるんだぞ。」

ヤッチ:「チェーンソー持ってくるか?」

アルツ君:「バカっ。」

ここまでの会話を何もご存知ない方が聞いたら、多分アルツ君が認知症だなんて、気付かないかもしれませんね…。

昔取った杵柄ではありませんが、実に樹木のことに関しては、恐ろしいほどよく記憶しています。

.....φ(・∀・*)ナルヘソー...

でも…。

この辺りから…。

ヤッチはアルツ君のある異変に気づきだします…。

(ー_ー)!!

またしても…。

んー…。

(-_-;)


畑の香りが…。

(-_-;)

[関連記事:ネズミを飼う職人]

いつまでもベンチに腰かけている場合ではありません。

アルツ君には何も告げずに居室に戻ることを促します。

幸い、この日は足取りが軽かったので、施設に早目に戻ることができました。

⊂[ -д-]⊃<セーフ!!!

居室に戻り、アルツ君の紙パンツを確かめることに…。

((*゚д゚))ドキドキ…

ヤッチ:「ちょっとパンツ見せて?」

アルツ君:「なんだよ。やぶからぼうに…。」

ヤッチ:「そろそろパンツの換え時かなと思ってさ…。」

アルツ君:「どうぞ。」

ヤッチはアルツ君の背後にまわり、紙パンツをずらします。

ヤッチ:「やっぱり出ちゃってるんですねぇ…。」

アルツ君:「何が?」

ヤッチ:「何がって、パンツ、重いと思わないか?」

アルツ君が自分の紙パンツを覗き込みます。

アルツ君:「ああーあ!!いつ出たんだろ?」

ヤッチ:「なんか最近、俺が来た時だけ、大の方をやらかすよな!?」

アルツ君:「赤目か?」

ヤッチ:「そんなこと言ってる場合かよ。なんだって奥さん(キノコさん)やお嬢さん(姉)が来た時はやらかさないのに、俺の時に限って出ちゃうかね~。」

アルツ君:「お前に御馳走をやろうと思ってさ~。」

ヤッチ:「いらないよっ!!」

アルツ君:「そうかぁ?金木犀の香りだぞ?」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

【アンケート】


記事の中で気になっていたのでアンケートにしてみました。
無記名ですので、お気兼ねなく、投票してみてください。
(ご自分のコメントは後から修正可能です。)

スクリプトに対応していないブラウザで閲覧の方は下のリンクをクリックして投票してください。
(上記の投票フォームが表示されない、上手く機能しない方用)

»» アンケートを見る

※携帯電話からの投票は多分できません。
m(__)m


ブログランキングに参加しています。
クリックで是非応援をお願いします。
    ↓
にほんブログ村
にほんブログ村へ

人気ブログランキング
人気ブログランキングへ


コメントを見る 8 件
ツイートする

キーワード検索 : ボタモチ 遊歩道 認知症  紫式部 イチョウ 金木犀 銀木犀 植木職人 

FC2スレッドテーマ : 認知症を介護する家族の悩み (ジャンル : 福祉・ボランティア

この記事のURLhttp://alzheimers.blog.fc2.com/blog-entry-351.html   Facebook   Twitter   はてなブックマーク hatena

2012/10/20 | コメント (8) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

キノコさん宅をガサ入れ

2014/02/22 (土)  カテゴリー: アルツ君
▲ Page Top
ikari
こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

金曜日(2月21日)、アルツ君のところへ面会に行ってきました。

アルツ君、ご機嫌斜めのご様子…。

居室の扉は開け放たれたまま…。

ヤッチが居室を覗きこむと、アルツ君の方が先にヤッチの存在に気づきます。

ベッドに腰かけた状態で、ヤッチに向かって大声を張り上げます。

アルツ君:「お前、何でここへ来たっーーー!帰れっ!」

ヤッチ:「おいおい、来るなりずいぶんご挨拶だなぁ。どうかしたの?」

アルツ君:「うるさいっーーー!帰れっ!」

ヤッチ:「帰ってもいいけど、どうしてそんなに怒っているのか理由を聞かせてよ?何か気にいらないことでもあった?」

アルツ君:「お前ね、気にいらないもクソもあるかよ!ここ(特養)のカネは誰が払ってると思ってんだ?俺は何にも聞いていないんだぞっーーー!」

もちろん、アルツ君が特養に入所している費用はアルツ君の年金で賄われ、そのお金のついては、成年後見人である司法書士のI先生が管理しています。

アルツ君にも、理解しているかどうかは不明ですが、一応これまでの経緯については説明済みです。

どうしても最近の記憶がだるま落としのようにスポンと抜けて落ちて、遠い過去の記憶と現在が直結してしまい、時折、この遠い過去の記憶だけを頼りに話しをする傾向が顕在化しています。

最近のエピソードを記憶していないのですから、アルツ君にとっては、みな『聞いていない』ということになってしまいます。

『思い込み』と単純に決めつけてしまうのはちょいと酷な状況でもあります。

ヤッチ:「旦那さん、ここのお金はちゃんと払っているから心配いらないよ。お金の管理もI先生がきちんと管理してるから…。」

アルツ君:「I先生?そんな先生、俺のところに一度だって顔を見せたことがないじゃないかっ!」

ヤッチ:「そうかぁ…。顔を見せてないかぁ…。そいつはまずいなぁ…。俺から脅しの電話でも入れておくかぁ…???」

実際には、I先生も月に1、2回アルツ君の面会に来て下さってるんですけどね…。

(-_-;)

アルツ君:「そんなことをしたって、来るもんかよ!だいたい、ばあさん(キノコさん)だって、イッペンも俺のところになんて来てやしないぞ。親父がここに居るんだから、女房がここに来るのは当たり前だろうがっ!」

ヤッチ:「月曜日にここに来たって、ばあさんから聞いてたけど…???」

アルツ君:「月曜日だか何だか知らないけど、俺は顔を見てないって言うんだよっ!」

ヤッチ:「ばあさんの奴、ウソをつきやがったかぁ…。そいつはばあさんに説教してやる必要がありそうだなあ…。」

本当の大ウソつきはヤッチですがね…。

(-_-;)

アルツ君:「説教したって、無駄だね!ばあさんの顔なんて忘れたね。」

ヤッチ:「ばあさんの奴は執念深いから、旦那さんの顔を死ぬまでおぼえてるんじゃないのか?」

アルツ君:「ふん!俺なんて居ない方がいいね…。」

ヤッチ:「あれあれ、重症だね…。相当辛そうだね…。どうしてそう思うんだろう?」

アルツ君:「わからん!」

ヤッチ:「ばあさんにも話に乗ってもらうかあ???」

アルツ君:「そんなこと、俺が知るかって言うんだよ!どこで遊んで歩いてるかわかるもんかっ!」

ヤッチ:「よし!わかったっ!それじゃあ、これからばあさんのところへガサ入れ(家宅捜索)に行こう!」

今でも、なんでこの言葉を発したのか、よくわかりません…。

とっさの一言っていうやつです。

たぶん、アルツ君のストレスを解消するには最善の方法だと思ったんでしょう…。

アルツ君:「どうせ、行ったって居やしませんね!」

キノコさんのアパートにヘルパーさんが1時間ほど来て、その後は在宅だという情報をヤッチは入手しています。

ヤッチ:「居るか居ないかニギるか?もし、キノコさんが家に居たら、俺が旦那さんの代わりで、ここの女性職員さんにしばらくの間、お風呂で体を洗ってもらうっていうのはどう?」

アルツ君:「どうせ俺の勝ちに決まってら!」

ヤッチ:「よーし!その言葉、忘れずにちゃんとおぼえておけよ!じゃあ、今から外出の許可を取ってくるから!」

忘れずにおぼえておけと言ったところで無理なのはわかっていますが…。

(-_-;)

ヤッチは生活相談員さんの事務所を訪ねます。

ヤッチ:「お忙しいところすいません…。」

生活相談員さん:「こんにちは、どうかなさいましたか?」

ヤッチ:「実は親父のことなんですけど、今から母の家に連れて行こうかと思いまして???」

生活相談員さん:「また、なんで?」

ヤッチ:「どうも最近、雪の影響もあって外に連れ出す機会が少ないので相当ストレスが貯まっているみたいなんですよね…。親父が二言目には『ばあさんどうした?』の話になるので、いっそ母のアパートまで連れ行くのはどうかと思いまして…???」

生活相談員さん:「なるほど…。」

ヤッチ:「ただ、母のアパートに連れていくのはいいとして、ここへまた帰ってきて、興奮してしまうと悪循環になってしまうので、まずお伺いを立ててからにしようかなと?」

生活相談員さん:「そうですね…。ただ、こちらもお父様を散歩にお連れすることができれば良いのですが、なかなかできないでいるので、確かにお父様が不機嫌でずっといられるのも忍びないです…。」

ヤッチ:「母のアパートに連れて行っても、ここに戻ってきたら、記憶がおそらく飛んじゃうと思うんですよね…。連れて行ったことが、逆効果になって、戻って来て余計にわめき散らしたんじゃあ、こちらにもご迷惑がかかるんじゃないかと思ってね…。」

生活相談員さん:「お車かなにかでお母様のところへ?」

ヤッチ:「いえいえ、ちょっと寒くて無謀ですが、こちらの車椅子をお借りして徒歩で…。」

生活相談員さん:「実は私もお父様のことで、ちょっとその辺のところが気になっていたところです。失礼ですが、吉と出るか凶と出るかはわからないこととしても、私が承諾したということでお母様のところにお連れしてみては?」

ヤッチ:「ホントに?」

反対されるような気がしていたので、逆に拍子抜け…。

(-_-;)

生活相談員さん:「多分、寒い中風を切って、時間を掛けてお母様のお宅に行かれるのですから、お父様がお母様のお宅に行かれたことはお忘れになっても、なんだろ、冷たい風を切ったという心地よい感覚だけはお父様の心に残るのではないでしょうか。」

ヤッチ:「そう、おっしゃっていただけるとうれしいです!それじゃあ、さっそく準備して出かけてきますわ。夕飯までには戻るようにしますから。」

生活相談員さん:「了解です。」

この後、生活相談員さんもアルツ君のお出かけ準備を手伝って下さいました。

アルツ君のためにと持参したボタモチもありましたが、キノコさんのアパートで食べてもらうこととして…。

準備完了です。

(^_^)/~

ヤッチ:「それじゃあ、ガサ入れに出発しよう!」

この時にはだいぶアルツ君の興奮は治まっていました。

時刻にすると、もう午後3時を回っていましたから、キノコさんのアパートの部屋で長居はできません。

アルツ君を車椅子に乗せ施設のエントランスを出ます。

エントランスを出たあたりで、アルツ君のさっきまでの機嫌の悪さは何だったんだろうというくらい上機嫌になっています。

ヤッチ:「いつもの公園に行くのとは違って、これから30分くらいかかるからな?」

アルツ君:「そんなに遠いのか?」

ヤッチ:「ばあさんはいつも押し車(シルバカー)を押して、エッチラオッチラ施設まで一人で歩いてくるんだぞ?」

アルツ君:「かー!!そんなに長いこと歩くのか?」

ヤッチ:「そうだよん~。だから毎日、旦那さんに顔を見せに来るっていうのも無理な話だよ。」

アルツ君:「そうだなぁ…。」

ヤッチ:「暖かくなったら、旦那さんが今度はばあさんの家まで歩いて行ったらいいよ。それまでに少し足を鍛えてな?」

アルツ君:「俺はいつだって歩けるさ。」

ヤッチ:「じゃあ、何で今車椅子に乗ってんだ?」

アルツ君:「お前に遠慮してるんだよ。」

ヤッチ:「それは遠慮と言わないと思うが…。」

アルツ君:「まあまあ、そのうち歩くさ。」

ヤッチ:「ばあさんの家までの道のりをよく覚えておけよ。まだ、一回も曲がってないよな?」

アルツ君:「そうだなぁ…。今のところ真っ直ぐだな…。」

ヤッチ:「少し意地悪をして、俺が車椅子をクルクル回してやろうか?」

アルツ君:「まだ、しっかりしてるんだから、そんなことでわからなくなったりしませんよ!」

ヤッチ:「ところで昨日のオリンピックで、スケートを観たか?」

アルツ君:「知らん。」

ヤッチ:「そうか観てなかったか…。浅田真央ちゃんがトリプルアクセルを決めたんだけどなぁ…。」

アルツ君:「なんだ、そのトリプルなんとかって?」

ヤッチ:「フィギアスケートのジャンプだよ。三回転回るんだよ。」

アルツ君:「かー。目が回りそうだな。」

ヤッチ:「実際には三回転じゃなくて三回転半なんだって!?しかもトリプルアクセルっていうのは後ろ向きじゃなくて、前向きで踏み切るからすごく難しいんだってよ。」

アルツ君:「へー。」

ヤッチ:「この車椅子でトリプルアクセル決めてみるか?着地したら、後ろ向きになってるから、バック走行になるぞ?」

アルツ君:「いやだっ!」

ヤッチ:「そう固いこと言わないで、何ならトリプトゥループにトリプルルッツ、トリプルサルコウにステップシークエンスの連続技なんていうのはどう?」

アルツ君:「お前、横文字とチャンバラしてないで、ちゃんと運転してくれよな?」

ヤッチ:「大丈夫だよ。ここ少しゆるい坂道になってるから、手ぐらい放したって…。」

アルツ君:「ばかっ!」

いつものごとくくだらない会話をしていると、キノコさんのアパートに近づいて来ます。

ヤッチ:「イチョウの木をおぼえているか?」

アルツ君:「ああ、お乳イチョウのことだろ?」

『お乳イチョウ』というのは、イチョウの木が老木なると、枝から気根(きこん~空中で生やす根)を出し、それがちょうどお乳が垂れ下がっているように見えることからこの名が付いたようです。

ポトスなども土の無いところで、茎の付け根から気根を出しますよね。

ヤッチ:「おっ、さすがだね~。そのイチョウの木のすぐにそばにキノコさんの部屋があるんだよ。」

アルツ君:「そうだったけか?」

ヤッチ:「キノコさんの部屋の前が駐車場で、そこにイチョウの木が植わってるんだよ。」

アルツ君:「は~はん、ばあさん、毎日眺めてやがるのか?」

冬なので今は落葉していますが、イチョウの木が見えてきました。

↓過去の画像ですが、まだ葉の有る時のイチョウの木の画像です。

ヤッチ:「キノコさんの部屋に行く前にイチョウの木を眺めて行くか?」

アルツ君:「別に構いませんよん。」

ヤッチは駐車場の中に入ります。

ヤッチ:「ここが俺の部屋だよ。夏にベランダでミニトマトを作ってたのおぼえてるか?」

アルツ君:「あー、あの金にならないような小こいトマトだろ?」

ヤッチ:「失礼な奴だな…。まあ、おぼえているから勘弁してやろう…。」

面白いもので、アルツ君の記憶、変なところはインプットされています…。

(-_-;)

ヤッチはイチョウの木の下までアルツ君の車椅子を押します。

アルツ君:「ずいぶんと垂れ下がってやがるな~。相当古い木だぞ?」

ヤッチ:「樹齢にして何年くらいなんだろ?」

アルツ君:「わからないけど、これだけお乳が垂れ下がっているから古いのは確かだ。」

ヤッチ:「よし、ばあさんの部屋に行くか?」

アルツ君:「居るのかなぁ…。」

ヤッチ:「旦那さんが来るのをきっと待ってるよ。」

(事前に電話連絡済みです…。)

通路を通ってキノコさんの部屋に向かいます。

アルツ君:「はは~。ここは何となく覚えがあるな~。」

ヤッチ:「旦那さん、いつだったか大晦日にここでグルグル巻きにされて救急車で運ばれたじゃんかよ?」

アルツ君:「そうだよ~。あれは10年前くらいだったよな~。」

おぼえているから、まあいいか…。

関連記事:救急搬送される職人(スマホは⇒こちら

ヤッチはキノコさんの部屋のドアをノックします。

すぐさま部屋のドアが開きます。

キノコさん:「どうぞ、いらっしゃいませ。」

アルツ君:「お、お前。居たんだ…。」

キノコさん:「なんで?居たら悪かった?」

アルツ君:「いや、そういうわけじゃないけど、遊びにでも行ってるのかと思って…。」

キノコさん:「そんなに遊びまわってや、しないわよ。」

アルツ君を車椅子から降ろし、キノコさんの部屋に導き入れます。

アルツ君はキノコさんの用意した椅子に腰を下ろします。

ヤッチはキノコさんに話し掛けます。

ヤッチ:「むこう(施設)で、旦那さんに食べてもらおうと思って、(ボタモチを)買ったんだけどさ。ここで食べて。」

そう言って、ヤッチはボタモチのパッケージをキノコさんに手渡します。

キノコさん:「それじゃあ、お茶を入れなくちゃねえ…。」

アルツ君がヤッチとキノコさんのやり取りをじっと見ています。

アルツ君がキノコさんに話し掛けます。

アルツ君:「おお、お、おい…、そ、それはお前が食うのか?」

キノコさん:「食べたりしませんよ。今、お茶を入れてあげるから、全部お食べなさい!」
アルツ君がうれしそうな表情を浮かべます。

(o^―^o)ニコ

アルツ君:「お前、それにしても狭っこい部屋に居るな…。ここがお前の家か?」

キノコさん:「そうよ、全部身のまわりのことは自分でしないといけないんだから。ここでご飯も食べるし、ここで寝るのよ。」

アルツ君:「こんな狭いところで?」

キノコさん:「そうよ。あんたのところ(特養)と比べたら狭いでしょ?」

二人のご歓談なのでヤッチは席を外し、自分の部屋で一服です。

30分ちょいでしょうか…。

ヤッチは再びキノコさんの部屋を訪ねます。

あまり、長居をしてしまうと、寒くなるし、暗くなってしまいます。

アルツ君とキノコさんがにこやかに会話を楽しんでいるようです。

アルツ君をキノコさんのところに連れて来て正解だったかな?

ヤッチ:「旦那さん、暗くならないうちに戻ろう?」

アルツ君:「もう帰るのか?」

ヤッチ:「悪いけど、夕飯時には帰るってむこうには言ってあるからさぁ…。」

アルツ君:「もう、そんな時間かぁ…。」

キノコさん:「泊めてあげたいけど、ここじゃ二人で寝られないでしょ?」

アルツ君:「そうだよな…。ちょいと狭すぎるなぁ…。」

キノコさん:「自分で歩けるなら、ちょこちょこ来なさい。いつでも戸を開けて待ってるから。」

アルツ君:「開けっ放しだと寒いぞ?」

キノコさん:「まあ。そういう減らず口はすぐに出るのね?」

アルツ君:「普通だよ。普通…。」

ヤッチはアルツ君のリハパンのチェックに入ります。

アルツ君、さぞかしやらかしてると思いきや、リハパンの中の尿とりパッドは無傷…。

施設を出る時にも確認しましたが、無傷…。

そして、この後、施設に戻ってすぐに確認したときも無傷…。

尿意って、こんなに感情に左右されるものなんでしょうか…。

準備を整え、施設へ戻ります。

途中、見送ろうとするキノコさんをアルツ君が制します。

アルツ君:「転びでもしたら大変だから、そこでいい。」

うん…、何とも大人の発言。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

ヤッチは車椅子を押し始めます。

陽が傾きかけています。

車椅子を押しながらヤッチはアルツ君に質問をします。

少しでも記憶を定着させようという試みです。

ヤッチ:「今日はどこに行ってきた?」

アルツ君:「ばあさんの家。」

ヤッチ:「お、素晴らしい!で、楽しかった?」

アルツ君:「…。」

ヤッチ:「楽しかったかって聞いてるんだけど?」

アルツ君:「ああ、楽しかったよ…。」

ヤッチ:「どこへ行ってきた?」

アルツ君:「同じこと、何度も言わせるな。ばあさんの家!」

ヤッチ:「ばあさんの家で何か食べたよな?何だっけ?」

アルツ君:「食ったかぁ…???」

ヤッチ:「たぶん、食べたと思うよ。」

アルツ君:「そう言われれば、なんか食ったような気もするなぁ…。」

ヤッチ:「旦那さんの大好物だよ?」

アルツ君:「スズメか?」

ヤッチ:「また、そっちかよ!」

アルツ君:「なに、食ったかなぁ…。」

ヤッチ:「じゃあ、ヒントあげるな。ボ…?」

アルツ君:「ボ?」

ヤッチ:「そう、ボ○○○…。」

アルツ君:「ん…。ボーフラか?」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


ブログランキングに参加しています。
クリックで是非応援をお願いします。
    ↓
にほんブログ村
にほんブログ村へ

人気ブログランキング
人気ブログランキングへ


コメントを見る 6 件
ツイートする

キーワード検索 : 興奮 イチョウ 成年後見人 ボタモチ キノコさん リハパン 尿とりパッド 

FC2スレッドテーマ : 認知症を介護する家族の悩み (ジャンル : 福祉・ボランティア

この記事のURLhttp://alzheimers.blog.fc2.com/blog-entry-450.html   Facebook   Twitter   はてなブックマーク hatena

2014/02/22 | コメント (6) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top
申し訳ありません。m(__)m
お探しの記事は、この キーワード (ユーザータグ) を設定していない可能性があります。

画面右上の『ブログ内検索』で、
再入力、もしくは語句を短めに入力していただくと記事が見つかる場合があります。



▲TOP