site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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アパート探し

2012/03/22 (木)  カテゴリー: ヤッチ
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昨日家に帰って来ると留守番電話にメッセージが入っていました。

福祉事務所のケースワーカーさんからです。

メッセージ:『正式に生活保護の決定が出そうなので早目にアパートを探して下さい。』

決定が下りていないのに見切り発車せよとのお達しです。

今朝は不動産屋さん巡りをしようと決め、とりあえず、福祉事務所にも顔を出しました。

すでにいつもいらっしゃる受付の方には顔を覚えられているらしく、にこやかな笑顔で応対してくださいました。

あまり、ヤッチ的には顔を覚えられて欲しくない印象ですが、覚えられているもの仕方が有りません。

ほどなく、ケースワーカーさんとご対面です。

ヤッチから先に切り出します。

ヤッチ:「昨日お電話をいただいたみたいなんですが…。」

ケースワーカーさん:「あっ。わざわざ来ていただいたんですか?電話でもよかったのに…。」

ヤッチ:「どっちみち、何軒か不動産屋さんを当たろうと思っていたので、ついでと言っては失礼ですが、お伺いしました。」

内容について特別変更は有りません。

今月(3月)中に部屋を見つけて、転宅してくれとのお話で、4月までに今住んでいるところを完全に引き払ってくれということです。

ヤッチ:「もう一度確認なんですが…。」

ヤッチがケースワーカーさんに問い直します。

ヤッチ:「もう一度確認なんですが、アパートを探す時の賃料は、管理費や共益費を除いた額の53,700円でよろしいんですよね?」

ケースワーカーさん:「はい、そうです。共益費や管理費を含めて、53,700円をオーバーしても構わないのですが、オーバーした分は区からの補助は出ませんので自己負担になります。ただ、こちらとしては、できれば、53,700円の範囲内で探して欲しいと考えています。保証人になってくれるような方はいらっしゃいますか?」

ヤッチ:「はい。まだ確認は取っていませんが、多分姉が引き受けてくれると思います。」

ケースワーカーさん:「そうですか、それなら少し安心ですね。この辺りにもたくさん不動産屋さんは有りますから、当たってみて下さいね。」

ケースワーカーさんは、不動産屋さんのある場所を事細かに教えて下さいました。

ヤッチ:「その際に不動産屋さんに対しては、生保(生活保護)を受給予定だときちんと伝えないといけないんですよね。」

ケースワーカーさん:「もちろんです。生活保護を受けているという理由だけで部屋を貸してくれない大家さんもいらっしゃいますから、最初に伝えて、物件を探して置いた方が、後でトラブルになる確率は少なくなりますから、事情を説明して探して下さい。」

一応、物件を見つけたら、そこで見積もり書をもらい、それを福祉事務所に提出し、審査をあおぐことになっています。

福祉事務所や不動産会社、大家さんの審査が通れば、晴れて引越しへのGOサインが出ることになっています。

決して手付金などを打たないで下さいとケースワーカーさんに釘を刺されましたが、そんなお金を持っていれば、生活保護のお世話になる必要ないと思うのだが…。

福祉事務所の階下に一軒の不動産屋さんを発見。

ヤッチはさっそく店に入ります。

ヤッチ:「すいません。生活保護を受給している人間でも借りられる物件を探しているのですが…。」

不動産屋さん:「はい。少々お待ちください。そうしますと、賃料は53,700円以内ということでよろしいのでしょうか。」

さすがに、福祉事務所の下にある不動産屋さん。

ヤッチのような人間をやって言うほど応対しているのだろう…。

手馴れた様子で、物件情報を机の上に並べ始めました。

不動産屋さん:「今、この物件がおススメなんですよ。」

もともと商売をやっていたヤッチ、「おススメ」と言われると「裏が有る」と勘繰るひねくれ者です。

ヤッチ:「二番目におススメの物件が有れば教えて下さいますかね~。」

一瞬、応対して下さった方はどきっとしていましたが、2番目チョイスを提示して下さいました。

少しヤッチの今住んでいるところから電車の線路を挟んで遠い位置にあるが、比較する材料を持っていないので、何がおススメなのか正直良くわかりませんでした。

昨晩、ネットで賃貸情報なんぞをサーフィンしましたが、完全に船酔い状態での今回の参戦です。

贅沢は言えない身の上ですが、譲れないのは暗い間取りの部屋だけには住みたくないということ…。

我がままですが、許していただけるとありがたいと思う次第で有ります。

不動産屋さん:「今は入学や異動のシーズンでもありますので、物件がすぐに決まってし合う可能性も有りますので、なるべく、これはというものが有れば、お早めに手続きされた方が良いですよ。」

出たっ!!セールストーク!!

やっぱりこれを言ってもらえないと不動産屋さんではありません。

ヤッチ:「福祉事務所がOK出せばの話だからね…。でもなるべく早いうちにそちらにお伺いしますよ。」

こっちも社交辞令で応戦です。

結局、一件の見積もりを書いていただき、その不動産屋さんを後にしました。

お次は、その不動産屋さんからはそう遠くない距離にある不動産屋さんです。

事務所のガラスに目を通し、物件案内を注意深く、慎重に見ていきます。

ちょっと気になるお手頃価格のものが有ったので、聞いてみることに…。

ヤッチ:「外に出ている物件案内なんですけど、あのA-17は生活保護受給者にも借りられる物件ですかね?」

若い男性社員がなにをやぶからぼうにという表情を見せましたが、すぐに営業スマイルに戻り、奥にいた店長らしき方に目くばせします。

奥から店長が笑顔を見せ、ヤッチに「どうぞおかけください。」と名刺を差し出します。

ヤッチは、いただいた名刺をかたわらに置き、話しはじめます。

ヤッチ:「まだ、正式決定ではないのですが、生活保護受給しながらの物件探しなんですけど…。」

店長さん:「そうですか~。お役に立てるかわかりませんが、お手伝いさせていただきますよ。」

そう言いながら、店長さんは、先ほどの不動産屋さんと同じように机に物件情報を並べていきます。

店長さん:「なにかネットとかで物件をお探しになりましたか?もし、気になったものが有れば、こちらでも探しできますよ。」

ヤッチ:「気になるものが有り過ぎて覚えてないですよ。見れば見るほど欲が出てくるので、途中で手打ちにしました。」

店長さん:「そうでしたかぁ~。こんなことを申し上げるのは失礼なんですけど、この地区は福祉を受けている方に理解の無い大家さんが多いんですよ。福祉が面倒見てくれるのだから、滞納などのトラブルが無く、逆に安定収入なんですけどね。」

ヤッチ:「でも、それわかるなぁ~。『なんとなくやだ』という印象かな!?俺が大家さんだったらやはり福祉は御免と言うかもしれないもんなぁ~。」

結局、調べてくれて提示してくれたものは、微妙に53,700円をオーバー。

有るじゃんと思えば、女性限定だったり、敷金、礼金の面で福祉が援助してくれる額でなかったり…。

結局、予算の範囲のものが一件出てきて、そこの店長さん電話で確認をとってくれました。

店長さん:「すいません。1階の物件はもう決まってました。二階なら同じ建物で紹介できるお部屋が有るのですが…。」

特別、ヤッチは一階がいいとか、二階がいいとかの希望は出していません。

ヤッチ:「二階が有るのなら、二階でも構わないのですが…。」

店長さん:「それがですね…。二階のお部屋の方が賃料が若干高いんですよ。」

ヤッチ:「なるほどね。じゃあ、予算内の物件はこの近辺では無理と言うことかな?」

店長さん:「まあ、大家さんと交渉して、福祉を受けられる方を受け入れてもらえないか説得すれば、何件かは見つかると思いますが、それには少しお時間をいただかないと…。」

ヤッチ:「そうですかぁ…。」

店長さん:「今のお二階のお部屋ですけど、大家さんとお話しして、数字を動かせないか聞いて差し上げますよ。」

店長さんは再度、大家さんに電話を掛けてくれました。

店長さん:「大家さんのお宅に電話をかけたのですが、奥さんしかいらっしゃらなくて、お値段については、大家さん旦那さんしかわからないので、帰ってきたら返事をしてくれるということです。」

ヤッチ:「わかりました。じゃあ、大家さんの返事を待つということで、オーバーした金額のままで結構なので、見積もりを出して下さい。」

店長さん:「わかりました。見積書を書いている間に、うちの者に物件を実際に案内差し上げましょうか。」

特段、断る理由もなかったので物件を見に行くことに…。

予算をオーバーしている物件なので、もうヤッチとしては、見たとしてもこれ以上に高望みはできないわけですからケチをつける理由は有りません。

車で数分のところにアパートは有りました。

二階の角部屋です。

カギを開けていただき、部屋に入ります。

間取り図で見るよりは、広く感じます。

社員さん:「いかがですか?」

ヤッチ:「一人で住むにはもったいないくらいだね~。多分持ってくる荷物もそんなに無いし…。」

社員さん:「あまりお気に召さなかったですか?」

ヤッチ:「いえいえ、十分過ぎますよ。」

風呂やら、バルコニー、ロフト見て回り、このアパートも後にすることに…。

帰りの車の中で、案内してくれた若手の社員さんがヤッチに質問してきます。

社員さん:「確か、保証人とは別に、この物件には信用保証協会の審査が有るのですがその辺のところは大丈夫ですか?」

えっ!!!

ヤッチ:「あの…。自己破産の経験が有ってブラックリストに載ってると思いますよ。」

こういうことは先に言ってよ~。

不動産屋さん

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2012/03/22 | コメント (12) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

ウチくる!?

2012/08/22 (水)  カテゴリー: アルツ君
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

先日、アルツ君が入所している特養(特別養護老人ホーム)でアルツ君の今後について、施設と家族との間で相談会が有りました。

アルツ君がこの施設に入所して、ちょうど3ヶ月ということで今後の事について話し合いをしたいという施設側の提案です。

高齢者相談センター(地域包括支援センター)も同席です。

この相談会のようなものについては、また改めて記事にしたいと思いますが、まあそんなに大した内容でもなかったので、あんまり期待しないでくださいね。

(^^ゞ

で、この相談の後、施設の許可を得て、アルツ君を外食に連れて行こうということになりました。

相談の席には姉とヤッチが着いたのですが、この日はキノコさんもアルツ君のところへ面会に来ています。

おそらく、兄を除いて家族が一堂に会し、食事を一緒にとるなんていうことは、アルツ君が保護されてから一度も無かったんじゃないかな!?

(^^ゞ

アルツ君が保護されたのが2月の事ですから、約半年ぶりの事です。

ワァ──o(。´・∀・`。)o──ィ♪

食事の場所は、近くに気の利いたところが無かったのですが、アルツ君がかろうじて歩いて行けそうなところに『華屋与兵衛』がありました。

関東圏に多いのかな!?

和食のファミリーレストランです。

万が一歩けなくなったときのことを考え、施設に無理を言って車椅子を借りてしまいました。

施設の職員さんとの相談が終わり、姉とアルツ君の部屋に向かいます。

アルツ君とキノコさんが何か話をしています。

キノコさん:「なんで、私が湖に住んでるの?湖になんか住んでないわよ。」

アルツ君:「そうかあぁ~??確か俺は山奥の湖って聞いたんだがなぁ…。」

キノコさん:「どっかで聞き違えたのよ。山なんてどこにもないわよ。それに川のそばを湖と勘違いしているんじゃないの?」

相変わらず、いつもの話を繰り返しているようです…。

(-_-;)

姉が部屋に入ると、二人の話をぶった切ります。

姉:「はいっ!!行くよ!!」

アルツ君:「『行くよ』ってどこへ?」

姉:「華屋与兵衛!!」

アルツ君:「なんだ?『はなやよへい』って?」

姉:「ご飯を食べるところ!!」

アルツ君:「メシはここで食うんじゃないのか?」

姉:「今日はここで食べないで、外で食べるの!!」

アルツ君:「その土左衛門とかいうところで食うのか?」

姉:「土左衛門!?華屋与兵衛でしょ?」

相変わらず言葉尻を捉えて奇妙な誤変換しちゃってる技は衰えていない様子で、マイクロソフトに送信したくなる感は否めませんが、姉の前ではバッサリです。

アルツ君:「まあ、なんでもいいや。今日はそこで食うのか?」

姉:「そうだよ。」

アルツ君:「歩いて行くのか?」

姉:「そうだよ。途中で歩けなくなってもいいように、車椅子を借りてるから…。」

少々余談ですが、『あるけなくなっても』とキーボードを打つと『有る毛無くなっても』と変換されるのは、ヤッチのパソコンのヤッチに対する嫌がらせでしょうか…。

(-_-;)

アルツ君:「その土左衛門は遠いのか?」

姉:「だから土左衛門じゃないって…。すぐ近くだよ。歩いて5~6分かしら…。」

アルツ君:「じゃあ、車椅子なんて要らないじゃないか!?俺はいらないぞ。」

姉:「そんなこと言ったって、ここ最近、そのくらいの距離も歩いたことないんだから、持って行けば安心でしょ!!」

アルツ君:「まあな…。俺は要らないけどばあさんが乗って行けば?」

姉:「そうだ!!パパがママを車椅子に乗せて押してあげなさいよ!!」

アルツ君:「ああ~あ…。余計なこと言っちゃった…。」

キノコさん:「あんたが押して大丈夫かしら?」

アルツ君:「大丈夫だよ。死ぬときはお前が先だから。」

キノコさん:「まあ!!どうでもいいけど、転ばないでよ。」

アルツ君:「心配ないって!!転ばぬ先のばあさんってな!?」

キノコさん:「まあ!!」

あーだのこーだの言っておりますが、二人ともまんざらでもないご様子…。

興味のある方はラブラブのツーショットなんぞを載せておきますので…。

(^_^;)

2012_08_20_0333.jpg
♪ラブラブツーショット01♪

2012_08_20_02.jpg
♪ラブラブツーショット02♪

とまあ、この日のアルツ君はよほど外に出られるのがうれしかったのか、とても饒舌です。

終いにはキノコさんに『うるさい!!少し黙りなさい!!』と言われる始末…。

^_^;

アルツ君とキノコさんとで、タッチ交代しながら車椅子を押したり、乗ったりして華屋与兵衛に到着です。

アルツ君:「ここが土左衛門!?」

姉:「だから…。まあ、いいや。来たことあるでしょ?」

アルツ君:「ここはウチのすぐそばじゃないかよ!?」

姉:「えっ!?わかるんだっ!?そうだよ!!前住んでいた家のすぐそばだよ。」

調子が良いのかアルツ君の記憶がよみがえりました。

最近はすぐ前まで住んでいた家まで忘れてしまっていたので、これには一同驚きです。

アルツ君:「お前ね、バカにしちゃいけないよ。俺だってそんなにボケてやしないんだから…。」

人間の記憶というものは視覚的要素が加わると、より一層よみがえりやすくなるのかもしれません。

また、適度な会話も認知症の改善にはプラスに働くかもしれません。

夕方とはいえ、この日も暑かったので、早目に店に入ります。

姉:「パパは何を食べるの?」

アルツ君:「何がいいかねえ…。俺は嫌いなものが無いから選ぶのに困っちゃうよ。」

姉:「よくメニューを見なくて選べるね?」

アルツ君:「はは~んだ!!俺は何だって食うぞ。ばあさんも美味いもん食っとけ。」

結局、刺身やら天ぷらやら少しずつ載った『○○御膳』を二人はチョイス。

まだ、早い時間だったので、店内にお客さんはまばらで、注文したものがすぐに運ばれてきました。

アルツ君:「へー。こんなにいろいろくっ付いてくるのかよ!?ばあさん、お前の方が美味そうだな?」

キノコさん:「何でよ。あんたと同じものよ!!」

アルツ君:「そうかあ!?お前の方が美味そうに見えるのは俺だけか?」

キノコさん:「何なら取り替えてあげるわよ?」

アルツ君:「まま、そう言わずに…。食べなさいよ。それにしてもこんなに食ったら大変だな。死んじゃうかもしれないぞ!?」

ヤッチ:「じゃあ、そうすればぁ?」

アルツ君:「お前はまた俺を殺したがってるなぁ?」

ヤッチ:「『また』って何だよ?『いつも』の間違いじゃないのか?」

アルツ君:「勝手にしろいっ!!それにしても、ばあさん、いつ死んでもいいようにイッパイ食っておけよ。冥土の土産に…。」

ヤッチ:「旦那さんの場合は、冥土じゃなくて地獄だな…。」

アルツ君:「うるさいっ!!それにしてもばあさんはどっかから来てるんだ?湖か?」

キノコさん:「またその話ぃ?湖じゃないってば!!この先をもう少し歩いて行ったところよっ。」

アルツ君:「一人で住んでるのか?」

キノコさん:「そうよ。アパートで一人よ。」

アルツ君:「ホントかあ…???男を連れ込んでるんじゃないのかぁ…???」

キノコさん:「なんでいつもそうなっちゃうのよっ?あんたと私は同じ歳よ?」

アルツ君:「男を連れ込むには歳は関係ないからな!?」

姉:「パパがそんなにママの事を疑うなら、ご飯食べ終わったら、ママのアパートに行ってみようよ!!そうすれば納得するでしょ?」

御存知のように、アルツ君は施設に入ったままだったので、キノコさんが引越ししたことを話しに聞いてはいましたが、実際に見てはいません。

アルツ君にとっては想像の世界なのです。

しかも変な風にインプットされてしまっているので、キノコさんに男と同棲疑惑まで発展してしまっています。

アルツ君:「行ったってしようがないよ~。」

姉:「何で?行ったことも見たことも無いんでしょ?」

アルツ君:「男か!?そりゃあ無いさ…。」

姉:「そうじゃないよ!!アパート!!行って確かめようよ!!」

車椅子を借りたのを良い事に姉はアルツ君が乗った車椅子をヤッチに押させようという魂胆です…。

(-_-;)

行くのは構わないのですが、キノコさんのアパートまで行ってアルツ君を施設に送り届け、また施設から自分の家に帰ることを考えるとかなりハードです…。

(つд⊂)エーン

しかもキノコさんの住むアパートはヤッチのアパートと隣り合わせですから、余計にこのことが邪魔します…。

(つд⊂)エーン

結局キノコさんのアパートに行くということは、一旦ヤッチの家に帰るということと変わらないのです…。

(・。・;

もちろん姉の決定に逆らえる人間はいないので、キノコさんの家を見学しに行くことに決定です。

キノコさんは自分が持ってきたシルバーカーを押してそのまま直帰です。

距離にすると2kmは有りませんが、年寄りが歩くには相当きつい距離です。

ましてや夏場の炎天下のアスファルトの路面を想像すると…。

(゚∀゚ ;)タラー

キノコさんが先頭を行き、その後にアルツ君の乗った車椅子が続きます。

日も傾いて、少し秋を彷彿させる風が時より首筋辺りを撫でていきます。

姉:「ママは、週に2、3回はこんなに遠い距離をパパのために歩いてくるんだよ!!すごいと思わない?」

アルツ君:「そうだなぁ…。」

姉:「歩くのだって、前より早くなったと思わない?やっぱり訓練してるからよ!!パパも頑張って歩きなよ?」

アルツ君:「そうだなぁ、俺よりうんと若いなぁ…。」

姉:「パパと同じ年の生まれだよ。昭和3年だよ。」

アルツ君:「そうだなぁ…。ますます怪しいなぁ。」

姉:「またその話っ!?」

アルツ君:「へへーんだ。」

姉:「まあ、行ってみればわかるよ。男なんて連れ込める環境じゃないんだから。」

20分から30分くらい歩いたでしょうか、ようやくキノコさんのアパートの前に到着です。

キノコさんの部屋へはヤッチの部屋の前を通らないと到着しません。

ヤッチ:「ここが俺の部屋だよ。お宅の奥さんの部屋が見える距離だぞ。俺の部屋も覗いて行くか?」

アルツ君:「お前の部屋なんか見たってしようがないっ。それよりばあさんの部屋はどこだ?」

ヤッチ:「この奥だよ。」

車椅子を押し、キノコさんの部屋の前につけます。

アルツ君:「湖なんてどこにもないじゃないか?」

キノコさん:「だから最初からそんなところじゃないって言ったじゃない。」

キノコさんが部屋のカギを開けながらアルツ君にやや強めの口調で言い放ちます。

キノコさん:「ほら?ここが私の部屋よ。どうぞお上がんなさい。」

アルツ君、車椅子を降り、興味津々で部屋を覗き込みます。

アルツ君:「上がってもいいのか?」

キノコさん:「どうぞ~。あんたの家のようなものなんだから、遠慮なんかいらないわよ。」

アルツ君、靴を脱いでキノコさんの部屋に上がり込みます。

アルツ君:「ずいぶん狭いね~。俺の部屋の方がよっぽど広いじゃんかよ。」

キノコさん:「そうよ。あんたなんか料理も洗濯もしないんだから、こんな洗濯機だって部屋に無いでしょ?」

アルツ君:「そうだなぁ…。」

キノコさん:「ベッドだってあんたのより小さいでしょ?」

アルツ君:「そうだなあ…。で、ここに男は何人来たんだ?」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

[追記]
記事中の画像が時々表示されなくなってしまうようです。
原因を調べていますが、まだわからずじまい…。
(-_-;)
画像が表示されない場合はお手数ですが、コメント欄で知らせていただけるとありがたいです。
m(__)m


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2012/08/22 | コメント (2) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

転倒の連鎖

2013/03/23 (土)  カテゴリー: キノコさん
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

最近、FC2ブログにアクセスできなくなることが頻繁に起こります。

(-_-;)

同じFC2でも掲示板にはアクセスできたりするので、サーバーかなにかの不具合なんでしょうかねえ…。

(-_-;)

FC2の最新障害情報・メンテナンス情報ブログと言うのがあって、何か障害やメンテナンス等があれば、ここに『お知らせ』なりが載るわけですが、ここに繋がらないので、全く無意味…。

(-_-;)

繋がらない時間はそんなに長くはないので、ご訪問いただいている皆さんには、大変迷惑な話しですが、少し時間を置いてからアクセスするなどしていただけるとありがたいです。

m(__)m

さて、先日アルツ君が特養で転倒するという記事を書かせていただきました。

[関連記事:パーキンソンロード(スマホはこちら)]

今度はアルツ君ではなく、キノコさんが転倒してしまいました。

(´゚д゚`)アチャー

転倒したのは、アルツ君のところへキノコさんが面会に出かけたその日の夕方…。

木曜日の夕方ということになります。

30分以上もかけて、アルツ君のいる特養にシルバーカーを押しながらエッチラオッチラ歩いて出かけていくキノコさんですが、最近介護保険のレンタルで新しいシルバーカーを調達したばかり…。

要支援から要介護1の認定になっているキノコさん、ちょいと独りで遠出させるのは可愛そうな気もするのですが、アルツ君のところに面会に行くようになってからは、歩行もしっかりとまではいきませんが、シルバーカーを押していさえすれば、以前に比べると格段に改善されています。

新しいシルバーカーにまだ慣れていないかったせいでしょうか…??

長旅のお疲れがマックスだったのでしょうか…??

キノコさんのアパートの敷地内に入ったところで転倒してしまったようです。

転倒した場所は、アパートの自転車置き場(10m程度)を通り抜ければ、もうすぐキノコさん部屋という場所です。

ヤッチのアパートの部屋のドアを開ければ、自転車置き場が見えます。

キノコさんがアルツ君のいる特養から帰って来る時は、アパートの目の前の駐車場を抜け、ヤッチの部屋の前を経由して、ちょっとしたスロープを上がれば、もう部屋に着いたも同然です。

不幸はこのスロープの小さな段差のところで起きたようです。

転倒場所

段差01

段差02

キノコさんが転倒したという木曜日の夕方はヤッチは不在で、このことを知りませんでした。

次の日の金曜日の朝になって、キノコさんからの電話がヤッチに入ります。

キノコさん:「もしもし、あんたもう燃えるゴミを捨てにいった?」

この日は可燃ごみの取集日。

ゴミ置き場はアパートの前の駐車場の隅に有ります。

ヤッチ:「うん、もう捨てに行ったよ。何で?」

キノコさん:「なんでって…。悪いんだけど私のゴミも捨てに行ってくれないかしら…?」

ヤッチ:「なんか有ったのか?」

キノコさん:「うん、ちょっと…。」

ヤッチ:「わかった。今、そっちに行くよ。」

キノコさん:「悪いわね…。」

ヤッチは部屋を出てキノコさんの部屋に向かいます。

キノコさんの部屋のカギは掛かっていないようです。

ヤッチはノックして、キノコさんの部屋のドアを開けます。

ヤッチ:「なに?どうかしたのか?」

キノコさん:「実は昨日、自転車置き場のところで転んじゃって…。」

見ればキノコさん、鼻の頭を擦りむいて、おでこに10円玉大のアザを作っています。

ヤッチ:「えっーーー!!昨日のいつ?」

キノコさん:「おじいちゃん(アルツ君)のところへ行った帰り…。」

ヤッチ:「誰かに起こしてもらったのかい?」

キノコさん:「いやあ、誰もいないから一人で起き上がったわ。」

ヤッチ:「で?」

キノコさん:「自転車置き場のところ、ちょっと坂になってるでしょ?あそこでシルバーカーを押したら、何だか引っかかって、前に押せなくなっちゃったのよ…。」

ヤッチ:「それで前につんのめった…??」

キノコさん:「そう。段差になってるところをガリガリ押したら、今度はスーッと前にシルバーカーが乗り上げちゃって…。その拍子にシルバーカーと一緒にひっくり返っちゃったのよ…。」

ヤッチ:「怪我したのは顔だけ?」

キノコさん:「それが足も打っちゃって…。」

ヤッチ:「それでゴミを捨てに行けないってかぁ…?骨は大丈夫なのか?」

キノコさん:「膝の下あたりが打ち身になってるだけなんだけど、歩こうと思ったら、どうも自信が無くて…。」

ヤッチ:「医者でレントゲン撮ってもらった方がいいんじゃないかあ?」

キノコさん:「いやあ、骨だったらもっと痛いわよ。何とか歩こうと思えば歩けるんだけど、また転んだりしたらこわいから…。」

ヤッチ:「ゴミは俺が捨てておくよ。これじゃあ、当分旦那さん(アルツ君)のところへも面会に行けないし、買い物も無理だなあ…。」

キノコさん:「そうねぇ…。」

ヤッチ:「だんだん痛くなってくることもあるから、我慢しないで早く言えよ?骨が折れていないといいんだが…。」

キノコさん:「多分、大丈夫よ…。」

ヤッチ:「ところでエサはあるのか?」

キノコさん:「朝ご飯のこと?朝はパンがあるし…。朝食べたら、お昼もそんなにいらないだろうし…。」

ヤッチ:「夜ご飯は?食べたいものが有れば買ってきてやるよ?」

キノコさん:「別に…。」

ヤッチ:「別に何よ?朝から夜ご飯のことは考えられないってか?足りないものとかはないのか?」

キノコさん:「それも今のところ、無いわ。」

ヤッチ:「夜ご飯のおかずはホントに買って来なくても大丈夫なのか?まあ、なんか有れば電話をちょうだいよ?」

キノコさん:「うん…。家に有るもので、何とか済ますわ。無きゃ無いで…。」

ヤッチ:「無きゃ無いで?」

キノコさん:「戦争中だと思えばいいのよ。」

キノコさん

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2013/03/23 | コメント (2) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

浦島太郎になった職人

2014/09/03 (水)  カテゴリー: アルツ君
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また、いつでもいらっしゃい

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

毎日、面会に行っている姉の話によれば、アルツ君、このところ、夜中になると、施設内でキノコさんを捜しまわり、不穏な行動をとるとのこと…。

キノコさんはアパートの一室を借り、アルツ君のいる特養にいないのですから、捜したところで見つかるはずは有りません。

そんな話を姉から聞いたものですから、昨日、ヤッチはアルツ君のところに様子を見に行ってきました。

施設に着いて、アルツ君のいるフロアに上がると、エレベーターをすぐ降りたところにあるデイルームで、アルツ君は他の入所者さんと楽しそうにおしゃべりしています。

生活相談員さんの姿も見えます。

ヤッチが、アルツ君の方へ近づいて行くと、アルツ君の方が先にヤッチに気づきます。

アルツ君:「あっ、あれは、せがれだよ。」

生活相談員さん:「せがれさんって、どなたのことですか?」

アルツ君:「せがれはせがれだよ。お前、何だかずいぶん感じが変っちゃったなあ?」

ヤッチ:「ずいぶん、来るなり、失礼だな。どんな風に変わったんだよ?」

アルツ君:「どんな風って言われても難しいけど、なんだか感じが変ったよ。」

ヤッチ:「別にどこも変わっちゃいないと思うんだけどな…。」

アルツ君:「そうか…???」

アルツ君が横に腰かけたヤッチの顔をジロジロと見回します。

ヤッチ:「どうも視線の先が、俺の頭の方ばかりに行くな?」

アルツ君:「そこは前から変わっちゃいない!」

ヤッチ:「うるせーよ!コーヒーなんて飲んで、ずいぶん贅沢だな?」

アルツ君:「ははー、これは選ばれし人だけしか飲めないんだな…。」

ヤッチ:「なんだ、その、『選ばれし人』っていうのは?問題児として選ばれたっていうこと?」

アルツ君:「ああいうこと、言ってやがるんだからなぁ…。」

生活相談員さん:「僕が、お入れしたんですよ。お父様、コーヒーがお好きだとおっしゃるものですから。」

ヤッチ:「また、砂糖がイッパイ入ってるんだろ?」

アルツ君:「それほどでもないよ、普通だよ、普通…。ねっ?」

アルツ君は前に腰かけている入所者さんに同意を求めています。

ヤッチはアルツ君が入所者さんと歓談している隙を見て、生活相談員さんを廊下の隅に呼び出します。

ヤッチ:「姉から聞いたんですけど。また、夜中にそちらに面倒をお掛けしちゃってるみたいですけど?」

生活相談員さん:「いえいえ。夜中、時折ですよ。昼間はご機嫌も良いようですし、今日もご覧のとおり、なごやかですよ。」

ヤッチ:「暑い時期が続いて、やっと涼しくなったと思ったら、雨ばかりの天気だったでしょ!?外に散歩に連れ出す機会も少なくて、ストレスがたまってるんじゃないかと思うんですよ…。」

生活相談員さん:「それは、確かに有るかもしれませんね…。すいません、こちらもなかなか散歩にお連れすることができなくて…。」

ヤッチ:「いえいえ、それは仕方がないこととして…。で、どうだろう?今日は晴れているので、母の部屋に連れて行こうと考えてるんですけど…?毎回、同じ質問していると思うけど、○○さん(生活相談員さんの名前)はどう思います?」

生活相談員さん:「お父様の場合、御気分を害される時は、たいていお母様のことですから、僕自身はお母様のところにお連れするのは、悪いことではないと思っていますけど…。」

ヤッチ:「そうおっしゃっていだけるなら、母の部屋にこれから連れて行こうかな?」

生活相談員さん:「了解です。ご準備を手伝いましょうか?」

ヤッチ:「リハパンとパッドの予備を持って行くだけなので、それには及びません。」

生活相談員さん:「わかりました。何か必要なものが有れば、声を掛けて下さい。」

ヤッチ:「ありがとうございます。夕飯時までにはこちらに戻ってきます。」

キノコさんも時間が有れば、ここ特養に面会に来ているのですが、アルツ君はキノコさんが面会に来たことをまったく覚えていません。

ヤッチの面会時には、アルツ君に必ずと言ってよいほど、『ばあさんはどうした?』、『ばあさんはどこにいる?』、『ばあさんはどこに住んでいる?』ということを訊かれます。

そんなアルツ君をキノコさんの部屋に連れて来て良いものか、いつも迷います。

外泊でもさせてあげられれば、いくらか違うと思うのですが、なかなかそういうわけにもいきません。

ヤッチは再び、歓談中のアルツ君のとなりに腰かけます。

ヤッチ:「これから、ばあさんのところに行こうと思うんだけど、どうする?」

アルツ君:「ばあさんってだれよ?」

ヤッチ:「ばあさんって、旦那さんの奥さんだよ。変な話だな、俺は旦那さんがここでばあさんを捜しまわってるって聞いたのに。」

アルツ君:「へえ、俺にはそんな人いたのか?」

ヤッチ:「じゃあ、ここに居るのは誰よ?」

アルツ君:「お前はどっかで拾って来たんだろ!?」

ヤッチ:「拾ってきてもいいけど、拾ってきたのは誰なんだろうな?」

アルツ君:「おれじゃあ、ないなぁ…。」

ヤッチ:「じゃあ、誰よ?」

アルツ君:「知らん!」

ヤッチ:「まあ、いいや。コーヒーを飲み終えたら、お宅の奥さんのところへ行こうよ?」

アルツ君:「奥さん?そんな人いたの?へえ…。」

ヤッチ:「奥さん、もしくは奥方、もしくはお嫁さん、もしくは女房、もしくは妻。名前はキ・ノ・コ…。」

アルツ君:「ああ、わかった、わかった。クワガタだか、ドロボウのところへ俺が行くんだろ?どうやって行くんだ?」

ヤッチ:「ここから、車椅子に乗って…。すこし暑いけど、干からびないように休み休みな…。」

アルツ君:「かっー!たまに、しょうゆを掛けて下さいよ?」

ヤッチ:「愛しの愛しの奥方に会いに行くのに、運転手付きだぞ!?」

アルツ君:「へえ…。それで…?キスぐらいさせてくれるのかね?」

ヤッチ:「あのさぁ…、なんで、息子の前でそういうことを平気で言うかな…。どんどんエロさがパワーアップしてないか?エロエロじじいじゃんかよ!」

アルツ君:「じじいは余計ってもんだろう…???」

ヤッチ:「エロは否定しないわけね?」

アルツ君:「うるさいっ!」

ヤッチ:「まあ、早いとこ出かけようぜ。」

アルツ君:「ああ、わかった。ばあさんの家ってどこだっけ?」

ヤッチ:「○○川のそば。前に行った時、イチョウの木が有ったろ?」

アルツ君:「そうだったっけか…。」

ヤッチ:「まあ、行けば思い出すさ。」

アルツ君:「ダメだな、すーぐ忘れちゃうんだよな…。」

ヤッチ:「忘れたら、思い出せばいい話だべ。さあ、行くべ!」

お決まりの会話を繰り返し、施設をスタートです。

道路に出ると、アルツ君、すれ違う人たちをじっと見つめながら、つぶやきます。

アルツ君:「あの人も覚えてないなぁ…。あっちで自転車をこいでる人も覚えてない…。」

ヤッチ:「当たり前だよ。俺だって、見た事のない初対面の人たちばかりだもの、覚えてるわけないよ。

アルツ君:「そうかぁ…。すーぐ忘れちゃうんだよな…。」

ヤッチ:「みんながみんな、顔見知りだったら、大変だぞ。」

アルツ君:「そうかなぁ…。」

ヤッチ:「そうだよ。すれ違う人たちがみんな覚えている人だったら、挨拶するのに大変で、ばあさんの家までたどり着けないぞ?」

アルツ君:「あっ!でもあの木は覚えてるぞ。ずいぶん太くなりやがったなぁ…。」

ヤッチ:「どの辺を歩いてるのかわかるのか?」

アルツ君:「いや、わからない。でもあの木は覚えてる。」

ヤッチ;「へえー、たいしたもんだな。俺は全く覚えてないぞ。」

アルツ君:「確か、あの木は前に俺が切ってやったんだよ。また切ってやらないとボサボサだ。」

アルツ君が本当に覚えているかどうかは疑問でしたが、アルツ君、人物よりも樹木や庭に、反応するようです。

ヤッチ:「じゃあ、また旦那さんがハシゴに登って切ってやれば?」

アルツ君:「やだ!」

ヤッチ:「なんで?」

アルツ君:「なんでも!」

ヤッチ:「まるで、こどもの会話だな。」

行き道はずっとこんな会話が続きます。

キノコさんのアパートが近づいてきます。

ヤッチ:「この辺は、なんとなく覚えてるべ?」

アルツ君:「なんとなく、覚えてないな…。」

ヤッチ:「なんだ、それ!そこを曲がったところに藤棚が有るよ。藤棚は?」

アルツ君:「覚えているような、覚えていないような…。」

ヤッチ:「奥さんの部屋のそばまで行けば、思い出すよ。」

ヤッチはキノコさんのアパートの入り口付近でアルツ君の車椅子を止めます。

ちなみにヤッチの部屋の真ん前なんですけどね。

ヤッチ:「あそこに押し車(シルバーカー)が見えるだろ?あそこが旦那さんの奥さんの部屋だよ。」

アルツ君:「かー!あそこが?あんなところに居るのか?」

ヤッチ:「居るったって、押し車の中にいるわけじゃないからな!」

アルツ君:「お前ね、なんぼなんでも、俺だってそれくらいのことわかるさよ~。確かどっかに、金にならない貧相なトマトを植えてるところが有ったはずだろ?」

ヤッチ:「うるせーよ!それは俺の部屋のことだろ?それ、去年とか一昨年の話だろ?今年は小玉スイカを作って、とっくに食べ終わっちゃったよ。しかし、まあ、変な記憶だけは残ってるんだなぁ…。」

アルツ君:「あんなブザマなトマトを忘れろったって、忘れるわけがない!」

ヤッチ:「失礼、極まりないな!?旦那さんに覚えていてもらおうと思って、ブザマなものをあえて作ったんだよ!」

アルツ君:「ものは言いようですね~。」

キノコさんの部屋の前まで来ました。

キノコさんにはアルツ君を連れて行くことを事前に連絡してあります。

ヤッチはキノコさんの部屋の呼び鈴を押します。

キノコさんが部屋のドアを開けます。

アルツ君は外で車椅子に腰かけたままです。

キノコさん:「いらっしゃいませ。待ってましたよ。」

アルツ君、キョトン顔です。

キノコさん:「何?どうしたの?ここが私のうちですよ。前にも来た事あるでしょ?」

アルツ君:「来たことあるか、どうかは知らんけど、お前そんなだったっけ?」

キノコさん:「『そんなだった』とは?」

アルツ君:「お前、そんな、シワクチャだったっけ?」

キノコさん:「まあ、失礼ね。つい、この間もあっち(施設)で会ったじゃない。いいから、中に入りなさい。」

アルツ君:「入ってもいいのか?」

キノコさん:「なに、遠慮しているのよ。あんたの家みたいなものじゃない。」

アルツ君:「だれか、変な人(男性)が中にいたりしないよな?」

キノコさん:「そんな人がいるわけないじゃない。いいから、いいから入りなさい。」

ヤッチはアルツ君がキノコさんの部屋の中に入るのを手伝います。

部屋に入ると、アルツ君は用意してあった椅子に腰かけ、キノコさんもベッドに腰かけます。

アルツ君:「かー!お前、そんなだったっけ?いつからそんなになったんだ?」

キノコさん:「だって、あんたと同じじゃない。生まれ年が一緒で、もうすぐ誕生日が来たら、あんたと同じ歳よ。」

アルツ君:「うっそー!もっと若かったんじゃなかったっけ?」

キノコさん:「あんたと同じ。昭和三年。」

アルツ君:「じゃあ、まだ若いや。」

キノコさん:「なんで?自分で自分の歳がいくつだと思ってるの?」

アルツ君:「ははーん…。」

アルツ君、自分の生まれ年はすぐ言えますが、年齢は思い出せないので、笑ってごまかします。

キノコさん:「じゃあ、自分がいくつくらいだと思ってるの?」

アルツ君:「そうだな…。30代か40代くらいだろ!?」

キノコさん:「な~んで~?あんた、ホントにわからないの?86よ?」

アルツ君:「うっそっー!!そんなになるわけないだろっ?」

キノコさん:「ウソなんかじゃありませんよ。だから、私だって、こんなにシワクチャなんだから…。」

アルツ君:「かっー!!ホント?」

キノコさん:「そこにいる息子が50なのに、なんであんたの方が若いわけ?」

アルツ君:「あれは、どっかで拾ってきたからだろ?」

キノコさん:「違います。あんたも自分の顔をよく見てご覧なさい?」

アルツ君:「見なくたって自分の顔くらいわかるさよ~。」

キノコさん:「ウソウソ。そこに手鏡が有るから自分の顔を見てごらんなさい?」

そう言って、キノコさん、テーブルの上に有った手鏡をアルツ君に手渡します。

以前にも似たようなことがありましたが、今回はアルツ君、手鏡に映った自分を自分だと認識できるようです。

関連記事:鏡の中の職人 [ アルツ君は職人 ]

その証拠に、顔がニヤついています。

キノコさん:「どう?わかったでしょ?」

アルツ君:「ふふ…。」

アルツ君、ニヤついた顔のまま、手鏡をテーブルに置いてしまい、ヤッチの買ってきた缶コーヒーをすすり始めます。

キノコさん:「鏡にあんたの顔、映ってたでしょ?」

アルツ君「ふふ、どうかな…。」

キノコさん:「髪の毛は?黒かった?」

アルツ君:「ふふ…。」

キノコさん:「どっち?」

アルツ君:「ふふ…。」

キノコさん:「ねえ、どっちなの?」

アルツ君:「白いよっ!!」

アルツ君が大きな声で返答します。

ただ、大きな声といっても、怒っているという感じではなく、顔はニヤけたままです。

さすがに相手も手鏡なので、映った自分の顔を受け入れざるをえません。

その時々で、変化しますが、少なくとも今回、キノコさんの部屋に来る前までのアルツ君の頭の中は、キノコさんも若く、自分も若い頃のままだったようです。

そして、キノコさんの部屋に来て、現実を突きつけられ、笑うしかないといったところでしょうか…。

まあ、落胆している様子でもなく、なごやかな雰囲気だったので、ヤッチは席を外すことにします。

ヤッチ:「ちょっと、俺、用事が有るから、出て来るわ。旦那さん、それまで、奥さんのところでおしゃべりしてて?」

アルツ君:「あいよ。」

施設に戻らなくてはならない都合上、のんびりさせてあげられないのが可愛そうですが、1時間ちょっとしたところで、ヤッチはキノコさんの部屋へ、アルツ君を迎えに行きます。

アルツ君、すでに帽子を被って帰り支度をしています。

ヤッチ:「あれ?もう帰る準備はじめてたのか?」

さっきまでの和やかムードとは違い、ちょっとアルツ君、暗めの表情です。

ヤッチはキノコさんの方に視線を移します。

キノコさんが『いいの、いいの!』と目くばせをします。

アルツ君:「お前、知ってたか?」

キノコさんはヤッチに、『聞き流してちょうだい。』というアイコンタクトです。

ヤッチ「『知ってたか?』って、何を?」

アルツ君:「ばあさんのことだよ…。」

ヤッチ:「なんのことだろう…????」

アルツ君:「ばあさんなぁ…、もう…、子どもは産めないんだってよ…。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2014/09/03 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top
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