site_title進行性核上性麻痺の疑いのある元植木職人のアルツ君(父)、アルツ君の愛妻キノコさん(母)、そしてアルツ君の息子ヤッチの日々の生活を紹介しています。
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妾(めかけ)を囲う職人

2012/07/17 (火)  カテゴリー: 認知症の症状
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こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

連日、茹だるような暑さが続いています。

東京も梅雨明けしたようですね。

そんな暑いさなか、アルツ君のいる施設に面会に行ってきました。

午後の一番暑い盛りに自転車を漕いで行ってしまったので、帰ってきたら、腕が真っ赤です。

^_^;

アルツ君の部屋は今日は引き戸が閉まったままです。

いつもは、開けたままのことが多いのですが、昼寝でもしているのでしょうか。

コンコンとノックすると、中から声が聞こえてきます。

アルツ君:「おうっ!!」

ヤッチは引き戸を開けます。

アルツ君、ベッドからちょうど起き上がったところみたいです。

ヤッチ:「寝てたのか?」

アルツ君:「いや、ちょうど寝ようかなと思ったところだ。何にもやることないからなぁ…。」

この言葉を聞くと、ヤッチも返答に困ります。

(-_-;)

ヤッチ:「今日は外はものすごく暑いよ。」

アルツ君:「夏だからな。」

ヤッチ:「おっ。夏だってわかるんだ!?」

アルツ君:「わかるさよ~。これで冬だなんて言ったらボケてるって言われるぞ!?」

ヤッチ:「いや。じゅうぶんボケてるよ。」

アルツ君:「それより、ばあさんはどうした?」

アルツ君が言う『ばあさん』とはもちろん最愛の妻であるキノコさんの事です。

最近、アルツ君の記憶の中ではしばしばキノコさんが行方不明になります。

ヤッチ:「ばあさん!?ばあさんなら家に居るよ。」

アルツ君:「そっかぁ…。仕事に行ったんじゃないのかぁ…。」

ヤッチ:「仕事なんてもともとしてないじゃないかよ。だいだいいくつだと思ってんだよ?」

アルツ君:「俺よりちょっと若いくらいだろっ!?」

ヤッチ:「じゃあ、いくつ?」

アルツ君:「38。」

ヤッチ:「えっ~。38がそんなにハゲ散らかしてるわけないだろっ。八十いくつの間違いだろっ!?」

アルツ君:「そうだっけっ!?八十いくつだっけ?」

ヤッチ:「84。」

アルツ君:「そうかぁ…。そんななるのかぁ…。じゃあ、ばあさんも結構な歳だなぁ…。」

ヤッチ:「そういうことになるねえ~。」

キノコさんも9月になると、アルツ君と同じ84歳になります。

アルツ君:「で!?俺は今日、家からここに来たんだよな!?」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「朝は家に居たんだよな?」

ヤッチ:「家ってどこ?」

アルツ君:「俺の家だよ。」

ヤッチ:「俺の家はわかるけど、俺の家なんて有るのか?」

アルツ君、すでにここ特養に住所を移して、以前住んでいたアルツ家はもう大家さんにカギを返してしまっています。

アルツ君が高齢者虐待防止法で保護されている間の出来事ですから、事情は説明して有りますが、覚えてはいないようです。

しかし、その間、アルツ君は自宅などには帰っていません。

アルツ君:「家くらい有るさよ~。」

ヤッチ:「どこに有るんだ?」

アルツ君:「道路沿いだよ。」

ヤッチ:「いや、だいたい家は道路沿いだろ!?」

アルツ君:「きれいな道路沿い…。」

ヤッチ:「多分、今日は家から来てないと思うよ。ずっとここに居て、そのベッドで寝てたと思うよ。」

アルツ君:「いや、そうじゃないなぁ…。確かここにすっ飛んできたはずだ。」

ヤッチ:「すっ飛んで来たって!?だいたい走れるのか?」

アルツ君:「そうだよなぁ…。じゃあ、どっから来たんだろ!?」

ヤッチ:「だから、ずっとここに居たって!!。昨日も一昨日もその前からずっとここに居たって!!」

アルツ君:「俺がか?こんな山奥に!?ここをどこだと思ってんだよ。山の中だぞ!?」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「だから、ここは山の中!!」

ヤッチ:「何で急に山の中になっちゃうのかなぁ…。ここは東京だぞ!?しかも23区内!!」

アルツ君:「ウソっ~!!」

ヤッチ:「ウソじゃないよ、ホントだよ。周りを見渡してごらんよ?」

アルツ君:「木がいっぱい有るなぁ!?やっぱり山奥だ。」

ヤッチ:「山奥じゃないよ。山なんてどこにも見えないじゃないか。」

アルツ君:「そうか???」

ヤッチ:「そんなに疑うなら、廊下の窓から景色を眺めてごらんよ?山なんてどこにもないから…。」

アルツ君と一緒に廊下に出て、一番景色が良く見える窓のところに行きます。

ヤッチ:「なっ?山なんて無いだろ?」

アルツ君:「ホントだ。山が無くなってる。」

ヤッチ:「無くなってるんじゃなくて、最初から無いよ。」

アルツ君:「そうだったっけ!?で、ばあさんはどこに居るんだ?」

ヤッチ:「さっき、言ったじゃないか、家だよ。」

アルツ君:「そうじゃないよ。どこに居るのかって聞いてるんだよ。」

ヤッチ:「ああ、そういう事かぁ。あそこに高圧線が見えるだろ!?あの2本目の高圧線の辺りかな!?」

アルツ君:「ぶら下がってるのか?」

ヤッチ:「何でぶら下がるんだよ。ぶら下がってたら、この世にいないよ。」

アルツ君:「そうかぁ…。で、何してるんだ?」

ヤッチ:「だから家に居るよ。洗濯物でも取り込んでる頃じゃないのかな!?」

アルツ君:「えっー!?ばあさんだぞ!?」

ヤッチ:「そうだよ。ばあさんが洗濯物を取り込んじゃいけないなんて法律有る?」

アルツ君:「無いかも知れないけど、俺は仕事に出かけてるとばかり思ってた。」

ヤッチ:「またそれかよ。」

アルツ君:「でさあ、改まって聞くけど、キノコ(キノコさん)はどうした?」

↑便宜上、キノコと書きましたが、アルツ君、この時キノコさんの本名を下の名前で呼んでいます。」

ヤッチ:「はあ?」

アルツ君:「キ・ノ・コ!!」

ヤッチ:「だからさあ…。それは今言った通り洗濯物を取り込んでるって…。」

アルツ君:「それはばあさんの事だろっ!?俺の行ってるのはキノコがどこに居るんだっていう事だよ。」

ヤッチ:「だから、あの高圧線のところだよ。」

アルツ君:「バカ言えっ!!一緒に居るわけないだろっ!!」

???

……

やっと、わかりました…。

アルツ君ですが、どうも『キノコさん』と『ばあさん』を別物と考えているようです。

(-_-;)

一方は若いキノコさん…。

もう一方はばあさんのキノコさん…。

短期記憶の欠落、現実と過去、幻視と夢が錯綜してアルツ君の頭の中で物語が暴走しているようです…。

(-_-;)

もしかすると、アルツ君の元へキノコさんの30~40年くらいも前の写真を届けてしまったからかもしれません。

(-_-;)

まだキノコさんも背筋が伸びてハツラツとしている頃の写真です。

施設の職員さんの話によると、その写真の一枚を大事そうに持ち歩いて、職員さんが見せてくれと言っても、見せてくれなかったそうです。

知っているという事は結局見たんでしょうけど…。

( 一一)

ヤッチ:「いったいどういうこと?もしかして、『キノコ』っていう名前の人物は『ばあさん』より若い?」

アルツ君:「そうだよ。うんと若いさ…。」

ヤッチ:「もしかして、『ばあさん』と『キノコ』の二人いる?」

アルツ君:「そうだよ。俺がこんなところに居るから、居場所がわからなくなっちゃったんだよ…。」

ヤッチ:「お言葉を返すようで、悪いんですけど、『ばあさん』と『キノコ』は同一人物だぞ!?」

アルツ君:「え?そうなのか?うっそっ…!?」

ヤッチ:「う~ん…。多分、キノコさんの昔の写真を見たんじゃないのか?」

アルツ君:「ああ。見たよ…。写真は見たけど、ばあさんはあんなに若くないぞ!?」

ヤッチ:「そうじゃないよ。写真が古いんだよ!!若い『キノコさん』が今は『ばあさん』になってるんだよ!!『キノコさん』と『ばあさん』は同一人物だよ。」

アルツ君:「へー。そうなのかー!!こりゃまた驚いた…。」

アルツ君、首をうなだれちゃってます…。

(-_-;)

ヤッチ:「驚いたのはこっちだよ。だいたい妾を囲えるほどの甲斐性ないだろっ!?」

アルツ君:「まあ、そりゃそうだ…。じゃあ、『キノコ』はあんなに、ばあさんになっちゃったのか!?」

ヤッチ:「だいたい、自分の歳を考えればわかるだろがっ。」

アルツ君:「まあ、そりゃそうだなぁ…。そうか。そういう事だったのかぁ…。」

ヤッチ:「やっとわかったようだね!?どう、スッキリした?」

アルツ君:「ああ、わかった。スッキリしたよ。で、ばあさんはどこに居るんだ?」

ヤッチ:「さっきも言った通り、高圧線のところっ。」

アルツ君:「バカっ!!それは『ばあさん』だろっ!?俺の言ってるのは『キ・ノ・コ』っ!!」

時として、こっちの思考の方がやられちまいそうです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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キーワード検索 :  ばあさん 高齢者虐待防止法 短期記憶 幻視 

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人物誤認する職人

2014/04/06 (日)  カテゴリー: 認知症の症状
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おはようございます。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

金曜日、特養からアルツ君に車椅子に乗ってもらい、キノコさんの部屋に行ってきました。

何度かお話していると思いますが、アルツ君、ときどきキノコさんの存在がわからなくなります。

普段、アルツ君、本人のいないところでは、最愛の妻であるキノコさんのことを『ばあさん』と呼びます。

本人を目の前にする時は、『お前』が多いかな?

この『ばあさん』という言葉ですが、常に『ばあさん』と呼ぶわけではなく、下の名前で『キノコ』と呼ぶ時も有ります。

アルツ君が、『キノコ』と口にする時、たいていは昔の記憶に基づいた発言が多いような気がします。

いつの頃を思い浮かべて、アルツ君が『キノコ』と言っているのか定かで有りませんが、まだ二人が若かりし頃の遠い記憶で有る事は間違いなさそうです。

アルツ君が認知症になる前の記憶で、ヤッチがまだ生まれる前かもしれません。

そして認知症になると、最近の記憶が抜け落ちる傾向になるので、アルツ君の中で『ばあさん』が時々行方不明になります。

わかりにくい説明かもしれませんが、現実はというと、『キノコ』は若かりし頃の記憶であって、遠い昔の記憶ですから、アルツ君の言う『キノコ』の方が本当はもう存在しないわけです。

『キノコ』の方が行方不明で、現実には『ばあさん』しか存在しないことになります。
  • 『キノコ』 ⇒ 昔の記憶
  • 『ばあさん』⇒ 現実

例えば、アルツ君が「さっき、『キノコ』が家から出かけて行った。」と言った場合…。

今は、アルツ君とキノコさんは一緒に住んでいないわけですから、過去の記憶に基づいてこういうことを言ってるんだなということがわかります。

はっきり、いついつということはわかりませんが、まだ一緒に住んでいる時の記憶を頼りにこういうことを言っているんだなということは推測がつくと思います。

ところが、アルツ君、『キノコ』と『ばあさん』をきちんと使い分けしてくれれば、聞いている方もすぐに理解できますが、これがゴッチャになるので、とても厄介です。

(-_-;)

推理力を働かせていないと、聞いている方がわけのわからない脳ミソになっちまいます。

結局のところ、『ばあさんの若かった頃』と『老けたキノコ』では、どっちが年上なのか?という話です。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

毎度のごとく、前置きが長くなってしまいましたが、そんなリアル『キノコさん』が、今週の木曜日、アルツ君のところに面会に行ってきたそうです。

面会から帰ってきたキノコさんからヤッチは電話をもらいます。

もらったのは、電話機本体ではなく、電波にのったキノコさんの声です。

キノコさん:「今日、おじいちゃん(アルツ君)のところに行ったんだけど…。」

ヤッチ:「なんか有った?」

キノコさん:「あまり、元気がないのよ…。」

ヤッチ:「どうしたんだろう?」

キノコさん:「お昼時に行ったんだけど、あまり食欲も無いのよ。」

ヤッチ:「たまには食欲の無いことだって有るんじゃない?」

キノコさん:「ん…。『眠い、眠い』と言って、何だか覇気がないのよ。まるでうつ病みたい。」

ヤッチ:「奥さんが行って、逆に安心してるから眠いんじゃない?」

キノコさん:「ならいいんだけど…。なんだか私の方が居心地が悪くなって早目に帰って来ちゃった。あんた、悪いんだけど、明日でも、おじいちゃんの様子見て来てくれない?」

ヤッチ:「わかった。ちょうど明日行こうと思ってたから、様子を見て来るよ。」

キノコさん:「頼むわね。」

そんなわけで、ヤッチも翌日の金曜日、アルツ君のところへ行ってきました。

居室をたずねると、キノコさんが言っているほど、アルツ君が元気のないようには見えませんでした。

ヤッチ:「なんだか元気がないらしいじゃん。」

アルツ君:「だれが?」

ヤッチ:「旦那さん。」

アルツ君:「俺がかよ?」

ヤッチ:「ばあさんが昨日、ここに来たでしょ?」

アルツ君:「ばあさん?ウソをつけ~。ばあさんなんて、一度もここに来たことないぞ!?」

ヤッチ:「じゃあ、幽霊かなぁ。ばあさんがここへ来て、旦那さんのこと、『うつ病みたいだった』って言ってたぞ?」

アルツ君:「ばっかだね~。俺がうつ病のわけあるもんかよ。そんなことを考える奴のほうがうつ病なんじゃないのか?」

ヤッチ:「おっしゃる通りだな?元気なら、俺も用無しだな?帰るかな?」

アルツ君:「ところで、ばあさんはどうしてる?」

ヤッチ:「旦那さんが昨日元気のないところを見せたから、うつ病なんじゃないのか?それにこの間、ばあさんに『彼女が三人できた。』とか言ってたらしいな?」

アルツ君:「そんなこと言ったか?」

ヤッチ:「言ったから、ばあさんがおぼえてるんじゃないのかい?電話で『これからお前の部屋に三人連れていく。』って言ったらしいな?」

アルツ君:「ははは。バカだな?言ったかどうかわからんけど、真に受けるほうがおかしいってんだよ。」

ヤッチ:「ばあさんのやつ、冗談が通じないんだからさぁ…。ヤキモチ焼いてたぞ。ほんとに連れて来るのかしらって、おろおろしてたぞ。」

アルツ君:「ハッハッハッハッー。」

アルツ君、大笑いしています。

とてもうつ病には見えませんね。

(^^ゞ

ヤッチ:「じゃあさ、今日は暖かいから、そのうつ病患者のばあさんの部屋にでも行ってみるか?」

アルツ君:「行ってどうするのさ?」

アルツ君:「行ってどうするかは、俺の考える事じゃないじゃないかよ。」

アルツ君、まんざらでもない様子…。

支度を整え、キノコさんの部屋に向かいます。

特養からキノコさんの部屋までの会話は、いつも通りのくだらない会話なので、割愛させていただきます。

---------------------

ヤッチ:「もうすぐ、ばあさんの部屋だけど、この間、ばあさんの部屋に行った時の事、おぼえてるかい?」

アルツ君:「ん???ばあさんのところに、行ったことあったけか?」

ヤッチ:「何回か、足を運んでると思うよ。ついこの間は、『狭い部屋だの、へったくれの』って言ってたじゃないかよ?」

ヤッチ:「あれ、ばあさんの家か?そうかぁ…???」

この日はキノコさんの部屋に介護保険を利用して、ヘルパーさんのいらっしゃる日。

週二回、一時間程度、掃除などをして下さって帰られるのですが、アルツ君の訪問と時間が被ってしまいそう…。

ヤッチ:「まだ、ばあさんの部屋にヘルパーさんが来てるから、少しゆっくり行こう。」

アルツ君:「なんだ?その『減るばあさん』って?」

ヤッチ:「ちがうよ。ヘルパー!」

アルツ君:「外国人か?」

一応説明しましたが、わかっているかどうか…。

(-_-;)

余談ですが、ヤッチは『外国人』とは言わず、『外人』と言いますが、これって、世代によって違うんですかね…。

キノコさんの部屋に着くと、ちょうどヘルパーさんが部屋から出て来るところ。

ヤッチ:「どうも、いつもお世話になっています。」

ヘルパーさん:「あ、いえ…。こちらこそお世話になっています。」

ヘルパーさんは足早に帰って行かれました。

アルツ君:「ここはばあさんの部屋なんだろ?」

ヤッチ:「そうだよ。なんで?」

アルツ君:「いや、今、ばあさんとは違う女の人が出て行ったからさ…。」

ヤッチ:「今のが『減るばあさん』、もとい、ヘルパーさんだよ。」

アルツ君:「そうかぁ…。」

返事の様子からして、どうも理解していない様子…。

(-_-;)

今度はキノコさんが部屋から顔を出します。

キノコさん:「どうぞ。いらっしゃいませ。」

アルツ君:「あれ?なんでお前ここに居るんだ?」

キノコさん:「なんでって、ここは私の部屋じゃない。」

アルツ君:「かっー!ここがかよ。」

キノコさん:「いいから、早く部屋の中へ入りなさいよ。」

アルツ君:「いいのか?」

キノコさん:「いいのかって、あんたの家みたいなもんじゃない。」

ここからは前回、アルツ君とキノコさんの部屋に来た時と会話の内容はほとんど同じです。
ヤッチはキノコさんの部屋の椅子にアルツ君を座らせます。

ヤッチ:「ちょっくら、俺はスーパーに行って水をくんで来るわさ。ボタモチを買ってきたから食べて。」

アルツ君とキノコさんを部屋に残し、ヤッチは席を外します。

スーパーへ飲料用の水を汲みに行った帰り、雨がポツポツと…。

この日は天気が不安定でしたからね。

1時間程度でしょうか、再びキノコさんの部屋に顔を出します。

ヤッチ:「すこし、雨が降って来たね!?」

キノコさん:「大丈夫?車椅子で来たんでしょ?」

アルツ君:「大丈夫さ~。降ったら降ったで、泳いで行けばいいさ~。」

ヤッチ:「泳ぐ前に歩く努力をしようよな?」

アルツ君:「うるさい!」

ヤッチ:「たぶん通り雨だと思うけどな。最悪タクシーだな。」

キノコさん:「早目に戻った方がいいんじゃない?」

ヤッチ:「だってよ。旦那さん?どうする?」

アルツ君:「どちらでも構いませんよん。」

ヤッチ:「少しはのんびりできたか?」

アルツ君:「俺は毎日のんびりしてますよん。」

ヤッチ:「まあ、暖かくなって来たから、ちょいちょい奥さんのところにお茶でも飲みに来ればいいさ。な?旦那さん?」

アルツ君:「そうだな…。」

ヤッチ:「今度来る時は車椅子じゃなくて、自分の足でな?」

アルツ君:「かー。厳しいねぇ~。」

ヤッチ:「じゃあ、施設に戻るか!?ばあさんの顔をよく覚えてから帰ろうな?」

キノコさん:「そうよ。すぐ、あんた、私のこと、忘れるんだから。」

アルツ君:「忘れやしませんよ!」

ヤッチ:「じゃあ、今、旦那さんのとなりに座ってるのは誰?」

アルツ君:「ふん。」

ヤッチ:「『ふん。』じゃなくて、誰?」

アルツ君:「ばあさん…。ばあさんだよ。」

ヤッチ:「ばあさんの名前は?」

アルツ君:「ばあさんは、ばあさんだよ。」

ヤッチ:「じゃなくて、名前だよ?」

アルツ君:「名前なんてあるの?お前?」

ちょっと、アルツ君がキノコさんをからかうように話しかけます。

キノコさん:「有るじゃない。言ってごらんなさい?」

アルツ君:「キ…、キノコだ!」

キノコさん:「わかってるくせに!」

ヤッチ:「おおっ!素晴らしいね!で?キノコっていうのは、今どこにいる?」

アルツ君:「くだらんこと、言うな。俺のとなりだよ。」

ヤッチ:「で、どんな顔をしてる?」

アルツ君がとなりに座っているキノコさんの顔を覗き込みます。

アルツ君:「かっー!お前ずいぶんシワクチャになったね~。」

キノコさん:「失礼ね!あんただって、同じじゃない!」

ヤッチ:「まあ、まあ…。頭の中に叩き込んだか?旦那さん?」

アルツ君:「叩き込まなくたってこんなシワクチャババア、勝手に目ん玉に飛びこんで来るぞ。」

ヤッチ:「じゃあ、おぼえたね?」

アルツ君:「ああ。で?」

アルツ君、少しキョトン顔…。

ヤッチも意味がわかりません…。

(-_-;)

ヤッチ:「ん…?で?」

アルツ君:「そうだよ。で?」

ヤッチ:「『で?』ってなによ?」

アルツ君:「で?若いほうは?」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ



おわかりになりましたでしょうか…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ

意味不明の方のために解答を用意しました。



解答


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2014/04/06 | コメント (2) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top

浦島太郎になった職人

2014/09/03 (水)  カテゴリー: アルツ君
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また、いつでもいらっしゃい

こんばんは。

アルツ君の息子ヤッチです。

(^_^)/~

毎日、面会に行っている姉の話によれば、アルツ君、このところ、夜中になると、施設内でキノコさんを捜しまわり、不穏な行動をとるとのこと…。

キノコさんはアパートの一室を借り、アルツ君のいる特養にいないのですから、捜したところで見つかるはずは有りません。

そんな話を姉から聞いたものですから、昨日、ヤッチはアルツ君のところに様子を見に行ってきました。

施設に着いて、アルツ君のいるフロアに上がると、エレベーターをすぐ降りたところにあるデイルームで、アルツ君は他の入所者さんと楽しそうにおしゃべりしています。

生活相談員さんの姿も見えます。

ヤッチが、アルツ君の方へ近づいて行くと、アルツ君の方が先にヤッチに気づきます。

アルツ君:「あっ、あれは、せがれだよ。」

生活相談員さん:「せがれさんって、どなたのことですか?」

アルツ君:「せがれはせがれだよ。お前、何だかずいぶん感じが変っちゃったなあ?」

ヤッチ:「ずいぶん、来るなり、失礼だな。どんな風に変わったんだよ?」

アルツ君:「どんな風って言われても難しいけど、なんだか感じが変ったよ。」

ヤッチ:「別にどこも変わっちゃいないと思うんだけどな…。」

アルツ君:「そうか…???」

アルツ君が横に腰かけたヤッチの顔をジロジロと見回します。

ヤッチ:「どうも視線の先が、俺の頭の方ばかりに行くな?」

アルツ君:「そこは前から変わっちゃいない!」

ヤッチ:「うるせーよ!コーヒーなんて飲んで、ずいぶん贅沢だな?」

アルツ君:「ははー、これは選ばれし人だけしか飲めないんだな…。」

ヤッチ:「なんだ、その、『選ばれし人』っていうのは?問題児として選ばれたっていうこと?」

アルツ君:「ああいうこと、言ってやがるんだからなぁ…。」

生活相談員さん:「僕が、お入れしたんですよ。お父様、コーヒーがお好きだとおっしゃるものですから。」

ヤッチ:「また、砂糖がイッパイ入ってるんだろ?」

アルツ君:「それほどでもないよ、普通だよ、普通…。ねっ?」

アルツ君は前に腰かけている入所者さんに同意を求めています。

ヤッチはアルツ君が入所者さんと歓談している隙を見て、生活相談員さんを廊下の隅に呼び出します。

ヤッチ:「姉から聞いたんですけど。また、夜中にそちらに面倒をお掛けしちゃってるみたいですけど?」

生活相談員さん:「いえいえ。夜中、時折ですよ。昼間はご機嫌も良いようですし、今日もご覧のとおり、なごやかですよ。」

ヤッチ:「暑い時期が続いて、やっと涼しくなったと思ったら、雨ばかりの天気だったでしょ!?外に散歩に連れ出す機会も少なくて、ストレスがたまってるんじゃないかと思うんですよ…。」

生活相談員さん:「それは、確かに有るかもしれませんね…。すいません、こちらもなかなか散歩にお連れすることができなくて…。」

ヤッチ:「いえいえ、それは仕方がないこととして…。で、どうだろう?今日は晴れているので、母の部屋に連れて行こうと考えてるんですけど…?毎回、同じ質問していると思うけど、○○さん(生活相談員さんの名前)はどう思います?」

生活相談員さん:「お父様の場合、御気分を害される時は、たいていお母様のことですから、僕自身はお母様のところにお連れするのは、悪いことではないと思っていますけど…。」

ヤッチ:「そうおっしゃっていだけるなら、母の部屋にこれから連れて行こうかな?」

生活相談員さん:「了解です。ご準備を手伝いましょうか?」

ヤッチ:「リハパンとパッドの予備を持って行くだけなので、それには及びません。」

生活相談員さん:「わかりました。何か必要なものが有れば、声を掛けて下さい。」

ヤッチ:「ありがとうございます。夕飯時までにはこちらに戻ってきます。」

キノコさんも時間が有れば、ここ特養に面会に来ているのですが、アルツ君はキノコさんが面会に来たことをまったく覚えていません。

ヤッチの面会時には、アルツ君に必ずと言ってよいほど、『ばあさんはどうした?』、『ばあさんはどこにいる?』、『ばあさんはどこに住んでいる?』ということを訊かれます。

そんなアルツ君をキノコさんの部屋に連れて来て良いものか、いつも迷います。

外泊でもさせてあげられれば、いくらか違うと思うのですが、なかなかそういうわけにもいきません。

ヤッチは再び、歓談中のアルツ君のとなりに腰かけます。

ヤッチ:「これから、ばあさんのところに行こうと思うんだけど、どうする?」

アルツ君:「ばあさんってだれよ?」

ヤッチ:「ばあさんって、旦那さんの奥さんだよ。変な話だな、俺は旦那さんがここでばあさんを捜しまわってるって聞いたのに。」

アルツ君:「へえ、俺にはそんな人いたのか?」

ヤッチ:「じゃあ、ここに居るのは誰よ?」

アルツ君:「お前はどっかで拾って来たんだろ!?」

ヤッチ:「拾ってきてもいいけど、拾ってきたのは誰なんだろうな?」

アルツ君:「おれじゃあ、ないなぁ…。」

ヤッチ:「じゃあ、誰よ?」

アルツ君:「知らん!」

ヤッチ:「まあ、いいや。コーヒーを飲み終えたら、お宅の奥さんのところへ行こうよ?」

アルツ君:「奥さん?そんな人いたの?へえ…。」

ヤッチ:「奥さん、もしくは奥方、もしくはお嫁さん、もしくは女房、もしくは妻。名前はキ・ノ・コ…。」

アルツ君:「ああ、わかった、わかった。クワガタだか、ドロボウのところへ俺が行くんだろ?どうやって行くんだ?」

ヤッチ:「ここから、車椅子に乗って…。すこし暑いけど、干からびないように休み休みな…。」

アルツ君:「かっー!たまに、しょうゆを掛けて下さいよ?」

ヤッチ:「愛しの愛しの奥方に会いに行くのに、運転手付きだぞ!?」

アルツ君:「へえ…。それで…?キスぐらいさせてくれるのかね?」

ヤッチ:「あのさぁ…、なんで、息子の前でそういうことを平気で言うかな…。どんどんエロさがパワーアップしてないか?エロエロじじいじゃんかよ!」

アルツ君:「じじいは余計ってもんだろう…???」

ヤッチ:「エロは否定しないわけね?」

アルツ君:「うるさいっ!」

ヤッチ:「まあ、早いとこ出かけようぜ。」

アルツ君:「ああ、わかった。ばあさんの家ってどこだっけ?」

ヤッチ:「○○川のそば。前に行った時、イチョウの木が有ったろ?」

アルツ君:「そうだったっけか…。」

ヤッチ:「まあ、行けば思い出すさ。」

アルツ君:「ダメだな、すーぐ忘れちゃうんだよな…。」

ヤッチ:「忘れたら、思い出せばいい話だべ。さあ、行くべ!」

お決まりの会話を繰り返し、施設をスタートです。

道路に出ると、アルツ君、すれ違う人たちをじっと見つめながら、つぶやきます。

アルツ君:「あの人も覚えてないなぁ…。あっちで自転車をこいでる人も覚えてない…。」

ヤッチ:「当たり前だよ。俺だって、見た事のない初対面の人たちばかりだもの、覚えてるわけないよ。

アルツ君:「そうかぁ…。すーぐ忘れちゃうんだよな…。」

ヤッチ:「みんながみんな、顔見知りだったら、大変だぞ。」

アルツ君:「そうかなぁ…。」

ヤッチ:「そうだよ。すれ違う人たちがみんな覚えている人だったら、挨拶するのに大変で、ばあさんの家までたどり着けないぞ?」

アルツ君:「あっ!でもあの木は覚えてるぞ。ずいぶん太くなりやがったなぁ…。」

ヤッチ:「どの辺を歩いてるのかわかるのか?」

アルツ君:「いや、わからない。でもあの木は覚えてる。」

ヤッチ;「へえー、たいしたもんだな。俺は全く覚えてないぞ。」

アルツ君:「確か、あの木は前に俺が切ってやったんだよ。また切ってやらないとボサボサだ。」

アルツ君が本当に覚えているかどうかは疑問でしたが、アルツ君、人物よりも樹木や庭に、反応するようです。

ヤッチ:「じゃあ、また旦那さんがハシゴに登って切ってやれば?」

アルツ君:「やだ!」

ヤッチ:「なんで?」

アルツ君:「なんでも!」

ヤッチ:「まるで、こどもの会話だな。」

行き道はずっとこんな会話が続きます。

キノコさんのアパートが近づいてきます。

ヤッチ:「この辺は、なんとなく覚えてるべ?」

アルツ君:「なんとなく、覚えてないな…。」

ヤッチ:「なんだ、それ!そこを曲がったところに藤棚が有るよ。藤棚は?」

アルツ君:「覚えているような、覚えていないような…。」

ヤッチ:「奥さんの部屋のそばまで行けば、思い出すよ。」

ヤッチはキノコさんのアパートの入り口付近でアルツ君の車椅子を止めます。

ちなみにヤッチの部屋の真ん前なんですけどね。

ヤッチ:「あそこに押し車(シルバーカー)が見えるだろ?あそこが旦那さんの奥さんの部屋だよ。」

アルツ君:「かー!あそこが?あんなところに居るのか?」

ヤッチ:「居るったって、押し車の中にいるわけじゃないからな!」

アルツ君:「お前ね、なんぼなんでも、俺だってそれくらいのことわかるさよ~。確かどっかに、金にならない貧相なトマトを植えてるところが有ったはずだろ?」

ヤッチ:「うるせーよ!それは俺の部屋のことだろ?それ、去年とか一昨年の話だろ?今年は小玉スイカを作って、とっくに食べ終わっちゃったよ。しかし、まあ、変な記憶だけは残ってるんだなぁ…。」

アルツ君:「あんなブザマなトマトを忘れろったって、忘れるわけがない!」

ヤッチ:「失礼、極まりないな!?旦那さんに覚えていてもらおうと思って、ブザマなものをあえて作ったんだよ!」

アルツ君:「ものは言いようですね~。」

キノコさんの部屋の前まで来ました。

キノコさんにはアルツ君を連れて行くことを事前に連絡してあります。

ヤッチはキノコさんの部屋の呼び鈴を押します。

キノコさんが部屋のドアを開けます。

アルツ君は外で車椅子に腰かけたままです。

キノコさん:「いらっしゃいませ。待ってましたよ。」

アルツ君、キョトン顔です。

キノコさん:「何?どうしたの?ここが私のうちですよ。前にも来た事あるでしょ?」

アルツ君:「来たことあるか、どうかは知らんけど、お前そんなだったっけ?」

キノコさん:「『そんなだった』とは?」

アルツ君:「お前、そんな、シワクチャだったっけ?」

キノコさん:「まあ、失礼ね。つい、この間もあっち(施設)で会ったじゃない。いいから、中に入りなさい。」

アルツ君:「入ってもいいのか?」

キノコさん:「なに、遠慮しているのよ。あんたの家みたいなものじゃない。」

アルツ君:「だれか、変な人(男性)が中にいたりしないよな?」

キノコさん:「そんな人がいるわけないじゃない。いいから、いいから入りなさい。」

ヤッチはアルツ君がキノコさんの部屋の中に入るのを手伝います。

部屋に入ると、アルツ君は用意してあった椅子に腰かけ、キノコさんもベッドに腰かけます。

アルツ君:「かー!お前、そんなだったっけ?いつからそんなになったんだ?」

キノコさん:「だって、あんたと同じじゃない。生まれ年が一緒で、もうすぐ誕生日が来たら、あんたと同じ歳よ。」

アルツ君:「うっそー!もっと若かったんじゃなかったっけ?」

キノコさん:「あんたと同じ。昭和三年。」

アルツ君:「じゃあ、まだ若いや。」

キノコさん:「なんで?自分で自分の歳がいくつだと思ってるの?」

アルツ君:「ははーん…。」

アルツ君、自分の生まれ年はすぐ言えますが、年齢は思い出せないので、笑ってごまかします。

キノコさん:「じゃあ、自分がいくつくらいだと思ってるの?」

アルツ君:「そうだな…。30代か40代くらいだろ!?」

キノコさん:「な~んで~?あんた、ホントにわからないの?86よ?」

アルツ君:「うっそっー!!そんなになるわけないだろっ?」

キノコさん:「ウソなんかじゃありませんよ。だから、私だって、こんなにシワクチャなんだから…。」

アルツ君:「かっー!!ホント?」

キノコさん:「そこにいる息子が50なのに、なんであんたの方が若いわけ?」

アルツ君:「あれは、どっかで拾ってきたからだろ?」

キノコさん:「違います。あんたも自分の顔をよく見てご覧なさい?」

アルツ君:「見なくたって自分の顔くらいわかるさよ~。」

キノコさん:「ウソウソ。そこに手鏡が有るから自分の顔を見てごらんなさい?」

そう言って、キノコさん、テーブルの上に有った手鏡をアルツ君に手渡します。

以前にも似たようなことがありましたが、今回はアルツ君、手鏡に映った自分を自分だと認識できるようです。

関連記事:鏡の中の職人 [ アルツ君は職人 ]

その証拠に、顔がニヤついています。

キノコさん:「どう?わかったでしょ?」

アルツ君:「ふふ…。」

アルツ君、ニヤついた顔のまま、手鏡をテーブルに置いてしまい、ヤッチの買ってきた缶コーヒーをすすり始めます。

キノコさん:「鏡にあんたの顔、映ってたでしょ?」

アルツ君「ふふ、どうかな…。」

キノコさん:「髪の毛は?黒かった?」

アルツ君:「ふふ…。」

キノコさん:「どっち?」

アルツ君:「ふふ…。」

キノコさん:「ねえ、どっちなの?」

アルツ君:「白いよっ!!」

アルツ君が大きな声で返答します。

ただ、大きな声といっても、怒っているという感じではなく、顔はニヤけたままです。

さすがに相手も手鏡なので、映った自分の顔を受け入れざるをえません。

その時々で、変化しますが、少なくとも今回、キノコさんの部屋に来る前までのアルツ君の頭の中は、キノコさんも若く、自分も若い頃のままだったようです。

そして、キノコさんの部屋に来て、現実を突きつけられ、笑うしかないといったところでしょうか…。

まあ、落胆している様子でもなく、なごやかな雰囲気だったので、ヤッチは席を外すことにします。

ヤッチ:「ちょっと、俺、用事が有るから、出て来るわ。旦那さん、それまで、奥さんのところでおしゃべりしてて?」

アルツ君:「あいよ。」

施設に戻らなくてはならない都合上、のんびりさせてあげられないのが可愛そうですが、1時間ちょっとしたところで、ヤッチはキノコさんの部屋へ、アルツ君を迎えに行きます。

アルツ君、すでに帽子を被って帰り支度をしています。

ヤッチ:「あれ?もう帰る準備はじめてたのか?」

さっきまでの和やかムードとは違い、ちょっとアルツ君、暗めの表情です。

ヤッチはキノコさんの方に視線を移します。

キノコさんが『いいの、いいの!』と目くばせをします。

アルツ君:「お前、知ってたか?」

キノコさんはヤッチに、『聞き流してちょうだい。』というアイコンタクトです。

ヤッチ「『知ってたか?』って、何を?」

アルツ君:「ばあさんのことだよ…。」

ヤッチ:「なんのことだろう…????」

アルツ君:「ばあさんなぁ…、もう…、子どもは産めないんだってよ…。」

アルツ君

さすがです…。

(; ̄ー ̄川 アセアセ


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2014/09/03 | コメント (0) | トラックバック (0) | ホーム | ▲ Page Top
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